2008.11.20――国木田 之彦さんからレポート「坐骨神経痛、腰痛、膝痛にはちょっと強めの運動がいい」


■2008.11.20――国木田 之彦さんからレポート「坐骨神経痛、腰痛、膝痛にはちょっと強めの運動がいい」
 最近、坐骨神経痛になりました。その体験と腰痛、膝痛について私の経験を書いてみます。
 私は側彎になっています。20代の時にすでに整形外科で指摘されました。
 そのせいで腰痛には以来ずっと悩まされております。
 腰椎の一箇所が右にまがりかなり折れ曲がっています。その箇所の上下では反対方向にまがり、外からみると一見まっすぐに見えます。体のもつ矯正力というものでしょうか。
 手でさわるとデッパリがわかります。
 近所の整形外科のドクターは「絶望的だ」と言っていました。もう少しいいようがあるかと思いますが無能な医者です。

 30代にはぎっくり腰がよくおこりました。寝返りもうてず咳もできず3日ほどじっと息を殺し寝ていたこともあります。医者はヘルニアだとかすべり症だとかいろいろ言いますが、それは原因をむりやりつくりだしているんですね。ぎっくり腰そのものは単に腰の筋肉の捻挫のようなものです。筋肉をきたえればいいのです。
 医者はそれをいいません。診療報酬につながらないからです。
 痛いときは消炎鎮痛剤でおさえ安静にするしかありません。後は筋トレです。
 背中をそる運動はどうもよくありません。ボート漕ぎのように力をいれながら後ろにそる運動です。違和感が残り、痛くはないのですが気持ちがわるくなる。水泳もよくありません。体に負担がかからないといいますがどうも筋肉に強い負荷をかけないと痛みはとれないと感じています。平泳ぎはどうしても背中をそるような形になります。肩関節に力がかかり痛みを感じます。

 5年前、ちょうど還暦のころ左足がしびれるような感じがし、気になっている時腰痛の家庭医学書をみて「脊椎外科」の専門医がいるということを知りました。そこですぐに館林のそのドクターの病院までいきました。
 慶友脊椎外科病院といいます。脊椎外科の専門医が何人もいて外来の患者さんも多い病院でした。私の場合、側彎で腰椎のひとつが横につぶれ「脊柱管狭窄症」になりかかっているということでした。脊柱管の内側をけずり圧迫をとりのぞく手術をすればいい。といっても、もっとすすみ、しびれをとおり越し痛みがはげしくなった時です。上下がまっすぐになるのは、よくある。腰椎のあいだが石化し固まりつつある。というような診断でした。手術はできるだけ後がよいということです。

 その一方で膝も痛くなってきました。膝痛は歩けばいい。といわれているのでまずウォーキングを始めました。ところがぜんぜん改善しないのです。人に誘われて山歩きをおそるおそるやってみました。これが案外、性にあったというか登っていても苦しくないのです。膝も痛みを感じなくなりました。ここ5年で200回ほど山行をおこないました。
 山歩きはジョギングと同じぐらいの運動強度があるのです。朝、腰痛体操を続けていますが時間もわずかだし何より軽いものです。ストレッチをしていると気持ちがいいという程度です。かなりの高齢者ならウォーキングもいいでしょうが我々にとってあまり役立たないように感じました。かなり強めの運動をしないと筋トレにならないし筋肉もつきません。
 強い運動をして血流をよくすると痛み物質のプロスタグランジンをおさえたり膝内包液の出をよくしたりして痛みが軽減され通常生活には支障がなくなります。
 完治したわけではないので保温サポーターをつけたり降りの歩き方には気をつけています。まっすぐ足をのばしドシドシと踏みしめるように降りると膝に力がかかり、さすような痛みがでてきます。筋肉のバネをきかしひざを曲げたまま着地するのです。
 重装備のサポーター、膝蓋骨の上にごつい円形の皿状のサポーターをつけるのはまったく効果がありません。激しいスポーツをして物理的に矯正しなければいけないような症状ではないからです。要は老化で膝関節のクッションがすりへっているのです。

 今度は坐骨神経痛になりました。9月の始め頃でした。はじめトイレで座るときに痛みを感じるだけでしたが大腿の裏側のハムストリングスがつっぱるように痛くなり本に書いてあるとおりまっすぐ歩けなくなりました。それでいつもかかっている内科の先生に風邪薬と消炎鎮痛剤(ポルタレン)をもらいました。この薬は以前からもらっていて体にあっているのです。3日間のむとぐっとよくなりました。それですぐさま山にいきました。
 ドクターと坐骨神経痛の話をすると先生も同病で今も右足はしびれてまったく感覚がない状態で手術をするかどうか迷ったそうです。東大と慶応の整形外科のドクターに相談したら50%の成功率といわれ止めたとのこと。私がどの段階で手術をするべきかと聞くと、足が動かなくなった時との答えでした。腹筋と背筋をするようにとアドヴァイスをもらう。
 一度神経を刺激し痛みがでると神経は過剰反応し少しの刺激でも痛くなります。これを絶つのはむつかしく消炎鎮痛剤だのみです。
 外反母趾で足専門のドクターに診てもらったとき、三ヶ月間ハダシでいればしびれは直るといわれました。そんなことは不可能です。いまも左足の親指はしびれたままです。

 腰痛体操のメニューをつくって毎日やるようにしているのですが調子がいいとついついサボりがちです。
 NHKの「ためしてガッテン」でスロートレーニングをとりあげていました。腕立て、腹筋、スクワットを呼吸にあわせてゆっくりやるのですね。試してみたがスロートレーニングの腕立てはどうも背中のそりには悪いように感じました。

 整体法とかいろいろの民間療法があります。これはいけません。背骨をまっすぐにしろ、とか骨盤がゆがんでいるのを直せ、とか。この年になってそんな理想的な体形をしているはずがありません。むりやり矯正すると事故のもとです。彼らは正確な医学知識をもっていないので過信は禁物です。
 年をとると脊柱はそりかえって固まってきます。背中がまっすぐでおしりのあたりから前にかがんでいると、いかにもお年よりという感じになってしまいます。背中、とくに腰部は前に丸め、やわらかくしたほうがいいようです。脊椎の後ろ側のすき間を空けると神経の圧迫をゆるめます。
 ただ私の場合もそうですが脊椎の間が石化してだんだん固まってきます。このへんの兼ね合いはどうでしょうかね。無理はいけません。

 手術はできるだけ後がいいというのは術後の満足度の問題ですね。痛くてたまらない、歩けないとなれば80%のできでも満足できます。それほどでない段階では120%でも不満が残ります。

 腰痛膝痛では以上のようなことに気をつけています。
 ほっておくと徐々に悪くなっていきます。最後に歩けなくなり、こんなはずではなかったということになります。ドクターもこんなになるまでどうしてほっておいたといいます。それまで何のアドヴァイスもできなかったのに。
 ふつうの生活がおくれ、症状が悪化するのをできるだけおさえるように、工夫し知恵をしぼるしかありません。
人がすすめる方法がすべていいというわけではありません。あれこれトライして自分に合った対処法を見つけることです。

 08.11.19 NHK「ためしてガッテン」で慢性痛をとりあげていました。痛みの原因がなくなっても痛みが続く。神経か脳か、過剰に反応しているのです。ひどい場合は専門の診療科にいくべきです。ちょっと痛みがつづくというぐらいならあまり神経質にならずちょっと強い運動をすればいい。案外きくのではないかと再認識しました。


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