山旅図鑑 no.154
戸倉三山
2017.6.27

山旅図鑑目次



糸の会(no.1040)
2017.6.27
戸倉三山


78パワー
稜線60p→下り18p



*JR武蔵五日市駅からバスで秋川渓谷を遡っていくと、すぐに「戸倉」という地名が出てきます。戦国時代に戸倉城が築かれたのが標高434mの城山なのだそうですが、その水源域を守るように並んでいるのが刈寄山、市道山、臼杵山です。戸倉三山は戸倉城の背後を守る山という意味のようです。
*登山ルートとしては駅からタクシーで今熊神社里宮まで(約1,500円)行って、今熊山からスタートするのが一般的ではないかと思います。伊藤流のパワー計算では78パワーになりますから「8パワーを1時間」(平地を時速4㎞で歩くエネルギー出力)で歩くとして約10時間という概算になります。結果を先に明らかにすると途中で1時間の道迷いを含めて9時間強となりました。休憩も含めてお釣りが来たので道が楽だったか、私たちが健脚だったかということになります。
*「稜線」は歩きやすければ時速2㎞という概算もできますが、このルートは小さいながらアップダウンがあるので、登りのスピード(時速1㎞)で計算しておいて余ったらありがたいという余裕が行動も気分も楽にしてくれます。
*この日は日没が19時01分でしたから、日没後30分はどのような道でも無灯火で歩けるという計算で行動時間を18時30分としておきました。昼の時間の長い季節でこの状態ですから、季節によっては回りきれないといえるでしょう。


6月27日
・0900……今熊神社里宮を出発(標高約300m)
・0925-30……休憩(標高約400m)
・0940-50……今熊山(いまくまやま標高505m)
・1050-55……休憩(標高約600m)
・1115-25……刈寄山(かりよせやま標高687m)気温22度C
・1140-1235……入山峠から道迷い1時間(標高約600m)
・1235-45……入山峠で休憩(標高約600m)
・1325-30……休憩(標高約650m)
・1415-20……休憩(標高約700m)
・1455-1505……市道山山頂(いちみちやま標高795m)
・1605-10……休憩(標高約750m)
・1635-45……臼杵山山頂(うすぎさん標高842m)
・1740-45……休憩(標高約550m)
・1815……元郷バス停(標高約300m)


今回の写真出展メンバー(提出順)は以下の2人です。

山咲 野の香(23点)
伊藤 幸司(69点)



発見写真旅 no.154
戸倉三山
2017.6.27

戸倉三山、今熊神社
【01】撮影:09時04分=伊藤 幸司
まずは武蔵五日市駅からタクシーで今熊神社へ。正確には背後の今熊山(いまくまさん・標高506m)山頂に今熊神社があって、こちらは遥拝殿。「人探し」や「失せ物探し」にご利益のあるという、知る人ぞ知る「呼ばわり山」とか。

戸倉三山、今熊神社
【02】撮影:09時04分=山咲 野の香


戸倉三山、今熊神社、竹林
【03】撮影:09時05分=伊藤 幸司
今熊神社の境内には立派な竹林がありました。

戸倉三山、今熊神社
【04】撮影:09時07分=伊藤 幸司
これが今熊神社の参道です。失せ物探しの人もほとんど登山ということになります。

戸倉三山、今熊神社、植林
【05】撮影:09時08分=伊藤 幸司
神社の背後に広がる斜面は最近皆伐されて、いま植林中という感じ。作業小屋があって、植林に関する作業をする人の気配がありました。

戸倉三山、今熊神社、参道
【06】撮影:09時12分=伊藤 幸司
これが参道の並木でしょうか。左手に若い植林の斜面を見ながら登っていきます。

戸倉三山、ニガイチゴ
【07】撮影:09時13分=伊藤 幸司
確信は持てませんがニガイチゴのようです。ウィキペディアによると「葉は卵形で、基部は切形または心形、先端は円頭または鋭頭。ときに大きく3裂し、縁には細かい鋸歯がある。葉はやや硬く、葉脈でくぼんでいるのでしわに見え、表面には少し光沢がある。葉裏は粉白色。刺は葉柄や葉裏の葉脈上にもでる」とあります。花は白色で、短い枝先に1個か2個、上向きに付き、実は甘く食用になるけれど種(?)に苦味があるのだそうです。

戸倉三山、ホタルブクロ
【08】撮影:09時16分=伊藤 幸司
ホタルブクロとヤマホタルブクロのわかりやすい区別はがく片が細く尖っている(ホタルブクロ)かやや幅広く三角形に見えるか、だそうです。書いてしまうと忘れますが、これは故にホタルブクロ。

戸倉三山、送電線
【09】撮影:09時18分=伊藤 幸司
見上げる稜線に高圧送電線が見えてきました。低山歩きでは自分の「現在位置」を確認するのに需要な人工物……なのですが、私が利用している1/25000地形図は古いからか、この送電線は載っていません。じつは最近、電力会社が送電線を地形図(日本国が整備してる官製地図です)に載せることに消極的だとも聞いています。

戸倉三山、送電線
【10】撮影:09時23分=伊藤 幸司
稜線に出ると、頭上の送電線は私の地形図にありませんが、眼下のものはきちんと載っていました。その送電線はしばらく私たちの進む方向に延びているはずです。

戸倉三山、今熊神社
【11】撮影:09時27分=伊藤 幸司
神社の参道らしい雰囲気になってきました。

戸倉三山、今熊神社
【12】撮影:09時38分=伊藤 幸司
今熊神社の境内を区切る石垣があり、そこにツツジがありました。ヤマツツジだろうと思うのですが赤みと白みの雰囲気が違うので調べてみるとオオヤマツツジに似たものがあります。しかし園芸種も多いので、神社の境内ということから、植木屋さんが見栄えのいい園芸種をこの場所に植えたと考えるのが妥当だと思います。ひょっとするとカッコいい名前のツツジかもしれません。

戸倉三山、今熊神社
【13】撮影:09時50分=伊藤 幸司
撮ったときも、今もなんという花かわかりません。境内の隅っこにぽつんとありました。

戸倉三山、今熊山
【14】撮影:09時54分=伊藤 幸司
戸倉三山の縦走に入る手前の今熊山。地形図にはこの山の名前でなく「今熊神社」と「505m」という水準点があるだけです。

戸倉三山、山砂
【15】撮影:09時56分=伊藤 幸司
今熊山の南には採石場があることが地形図でわかります。それがすぐ、樹間に見えてきました。

戸倉三山、山砂
【16】撮影:10時01分=伊藤 幸司
これがどの程度進んだ採石場なのかわかりませんが、標高615mの山の北斜面を順次掘り下げてきたようです。大都市東京の近代化を支えてきた山砂は山陰でこっそり、どころか大規模に採掘されているのです。
建築に使う砂には川砂、海砂、山砂があるのですが、海砂には塩分があるので鉄筋コンクリートには使いづらく、川砂は採取量が限られます。山砂は保水性や排水性を調整しながら生コンクリートに混ぜられているといいます。園芸では真砂土(まさど)がこの山砂で、腐葉土や堆肥を混ぜて土壌改良するのだそうです。

戸倉三山、山砂
【17】撮影:10時01分=山咲 野の香


戸倉三山、アカショウマ
【18】撮影:10時10分=伊藤 幸司
自信はありませんがアカショウマだと思います。トリアシショウマと似ていると思うのですが「アカショウマと似た花」によると「アカショウマの花序はあまり分枝しない(花穂が花茎から一本づつ出る)が、ヤマブキショウマは分枝(花茎から出た花穂がさらに複数出る)する」「アカショウマの花序は下に垂れないがトリアシショウマの花序葉垂れる」など。葉の様子をくわしく撮っていれば確定できたのでしょうが。

戸倉三山、コアジサイ
【19】撮影:10時10分=伊藤 幸司
コアジサイの花が終わったのでしょうか。

戸倉三山、糞
【20】撮影:10時12分=伊藤 幸司
ちょっと不思議な糞がありました。

戸倉三山、ヒヨドリバナ
【21】撮影:10時15分=伊藤 幸司
ヒヨドリバナはまだ花が咲いていない状態だと思うのですが、カマキリが止まっていました。

戸倉三山、カンアオイ
【22】撮影:10時19分=伊藤 幸司
カンアオイの葉っぱらしきものが集中して道際に出てきたので撮っておきました。カンアオイはギフチョウの食草だとどこかの山で説明されていたのを思い出したからです。帰ってグーグルで「カンアオイ」の画像を見てみると、模様の似た葉っぱにカントウカンアオイ、タマノカンアオイ、アツミカンアオイ、イワタカンアオイなどの名前がついていました。どれがどれだかわかりません。しかも同じ名前のカンアオイで、葉の表情が全く違います。お手上げ状態になりました。
すると「〜〜 カンアオイのこと 〜〜」という長文の解説がみつかりました。それによると野生の日本産「カンアオイ類」は現在のところ約50種類発見されていて、種類は多いけれど、非常に狭い範囲にしか自生していない場合がほとんどなのだそうです。江戸時代に”斑入り青軸”のカンアオイが珍重されて、園芸種として人気を集めたそうですが、徳川家の家紋「三葉葵紋」は近縁のフタバアオイの図柄とされているそうです。
ともかく、カンアオイの葉に現れた模様(斑)は千変万化らしいのです。たしかに、これは見た中でいちばんカッコいいカンアオイでした。

戸倉三山、登山道
【23】撮影:10時20分=伊藤 幸司
このあたり、貧弱な植林地が続きました。

戸倉三山、登山道
【24】撮影:10時35分=伊藤 幸司
かなり地味な登山ルートだと思うのですが、登山道整備の痕跡がありました。山岳マラソンのコースとしても使われることがあるようです。

戸倉三山、登山道
【25】撮影:10時47分=伊藤 幸司
人工林の林床にありながら、こういう場所にはアジサイが咲いていることが多いようです。

戸倉三山、ヤマアジサイ
【26】撮影:10時47分=伊藤 幸司
このアジサイがヤマアジサイなのかガクアジサイなのか悩むのですが、その必要はないようです。『山の花1200』(青山潤三・平凡社)の解説がわかりやすいと思います。
ガクアジサイは伊豆諸島周辺に自生するローカルなもので、一般には園芸種のアジサイの俗称となっており、日本の内陸部には「これと同一種(近縁の別種とする見解もある)の別変種エゾアジサイとヤマアジサイが広く分布し、前者は北海道と本州日本海側に、後者は太平洋側の山地にと、うまくすみわけている」とのこと。そしてエゾアジサイの花は「常に濃青色」でヤマアジサイの花色は「白、青、紫、赤と多彩」とのこと。
アジサイに関する意見でガクアジサイとヤマアジサイの区別の難しさを語っている場合、そのガクアジサイは園芸種の西洋アジサイ(ホンアジサイ)に対して日本アジサイという意味が強いようです。

戸倉三山、イチヤクソウ
【27】撮影:10時56分=伊藤 幸司
イチヤクソウがありました。花より葉っぱにピントが合っていますが意図的ではありません。カメラが勝手にそうしてしまったこと。でも下の丸っこい葉がそうなのですが、カンアオイの葉と雰囲気が似ていて驚きました。

戸倉三山、イチヤクソウ
【28】撮影:10時56分=山咲 野の香


戸倉三山、ニガイチゴ
【29】撮影:10時58分=伊藤 幸司
よくわかりませんが、ニガイチゴだと思われます。山で出会う木苺の実は基本的に食べられるのですが、美味しいと思うのは(私の場合)モミジイチゴだけです。このニガイチゴも苦味があるものの、食用にもされるという木苺のひとつのようです。

戸倉三山、ニガイチゴ
【30】撮影:10時59分=伊藤 幸司
木苺の枝を振り払いながら進むといういくぶん贅沢な気分はこの時期にはあちこちで味わえます。

戸倉三山、木苺
【31】撮影:10時59分=山咲 野の香


戸倉三山、オカトラノオ
【32】撮影:11時00分=伊藤 幸司
オカトラノオです。この花はどれもそれなりに美しさを表現しているという点で感心します。美女大国ウクライナの花という感じでしょうか。

戸倉三山、ヌルデ
【33】撮影:11時00分=伊藤 幸司
なんという木かわかりませんが、枝に翼がついているという点で、ウルシの仲間のヌルデかとも思います。「月刊杉WEB版」によると「北海道から九州まで分布しているヌルデは、奇数羽状複葉で葉軸に翼(よく)があることから簡単に見分けられ、一度ですぐに覚えられます。秋に綺麗に紅葉しますので、ヌルデモミジという言い方もあります」というので間違いないと思います。
……で、この写真は病気か虫がついた様子が異常だったのでそこだけ撮っておいたのですが、ヌルデにはもっとすごい「虫こぶ」というのができるそうです。「植物に虫が産卵・寄生するなどしたときに植物が防衛反応としてその部分が異常な発育をしたもの」だそうですが、とんでもない大きなデキモノ状で、タンニンが多いことから、かつては「皮なめし、染料、インク原料、お歯黒液、写真現像液などに利用されていました」とのこと。この写真とは直接関係ありませんが。

戸倉三山、山火事跡
【34】撮影:11時00分=伊藤 幸司
こういう風景をまれに見ることがあります。山火事の跡ではないでしょうか。

戸倉三山、オカトラノオ
【35】撮影:11時00分=山咲 野の香


戸倉三山、イチヤクソウ
【36】撮影:11時03分=伊藤 幸司
かなり立派なイチヤクソウがこのあたりでは道際に何株かありました。

戸倉三山、イチヤクソウ
【37】撮影:11時03分=山咲 野の香


戸倉三山、オカトラノオ
【38】撮影:11時03分=山咲 野の香


戸倉三山、刈寄山
【39】撮影:11時21分=山咲 野の香


戸倉三山、刈寄山
【40】撮影:11時26分=伊藤 幸司
戸倉三山の1番目、刈寄山です。山頂の標識としては立派ですね。一番上に「管理番号152-S-280東京都」とあります。完璧です。ゴージャスです。

戸倉三山、登山道
【41】撮影:11時29分=伊藤 幸司
山頂の標識を作って設置するのにいくらかかったかわかりませんが、そのレベルで、この土留め階段も作られたのだろうと思います。金をかけたらいいものができる……はず、というモノの出来ですが、毎時50mmを超えるという最近の記録的な集中豪雨に耐えられるかどうか。

戸倉三山、ヤマホタルブクロ
【42】撮影:11時33分=山咲 野の香


戸倉三山、ヤマユリ?
【43】撮影:11時37分=伊藤 幸司
刈寄山は縦走路から脇道を往復します。先ほどの山火事跡らしい場所に、今度はユリを見つけました。花が咲かないと私にはわかりませんが、ヤマユリだろうと思います。立派な花が咲くだろうと想像しました。

戸倉三山、入山峠
【44】撮影:11時41分=伊藤 幸司
「入山峠」の勘違いで1時間のロスをすることになったのです。この写真は「入山峠」から南に伸びる稜線に上る階段です。写真右下隅に標識があって、間違いはないのです。

戸倉三山、刈寄山
【45】撮影:11時44分=伊藤 幸司
あたり一面はスギ・ヒノキの植林地で、向こうに先ほど立った刈寄山の山頂が見えています。

戸倉三山、入山峠付近
【46】撮影:11時45分=伊藤 幸司
じつはこの直前で写真No.58の標識を先頭の人(トップを10分交代中)が悩んだ末に右に進んでしまったのです。私は少し遅れてついていったので、標識は確認しましたが、その真意を見抜けないままこの立派な道に異論を唱えずについて行ったのです。

戸倉三山、入山峠付近
【47】撮影:11時48分=伊藤 幸司
道はすぐにちょっと怪しい感じになって、明らかに疑問が浮かび上がってきたのです。登山の基本原則からいえば、まだ引き返しても10分の距離。「ゴメンね! 戻ってみよう」というのが正しいのですが、私自身にそういいたくない事情があったのです。

戸倉三山、ヤマホタルブクロ
【48】撮影:11時59分=山咲 野の香


戸倉三山、入山峠付近
【49】撮影:12時13分=山咲 野の香


戸倉三山、入山峠付近
【50】撮影:12時13分=山咲 野の香


戸倉三山、マタタビ
【51】撮影:〓時50分=山咲 野の香


戸倉三山、マタタビ
【52】撮影:12時19分=伊藤 幸司
No.47の写真から、この写真を撮るまでになんと約30分が経過しています。何があったのか。
私の1/2500地形図(計画書の登山情報のベースにしています)が古かったためか、「入山峠」という名前が写真No.44からかなり南に進んだところにあるのです。私たちは11時50分には下っていた尾根が終わって林道へ下りてしまったので、そこから林道を戻れば写真No.44のところまで簡単に戻れるということはわかっていたのですが、私はもう少し下ってみたかったのです。「入山峠」に出れば、当然尾根道の縦走路に戻れるはずです。そこで林道をかなり先まで歩いて、結局埒が明かず、12時10分にようやく引き返すことにしたのです。
これは林道を戻るときに撮ったマタタビの花。

戸倉三山、ヤマホタルブクロ
【53】撮影:12時26分=伊藤 幸司
立派なホタルブクロがありました。額の形から、ひょっとするとヤマホタルブクロかもしれません。

戸倉三山、コケ
【54】撮影:12時32分=山咲 野の香


戸倉三山、コケ
【55】撮影:12時32分=山咲 野の香


戸倉三山、入山峠
【56】撮影:12時35分=山咲 野の香


戸倉三山、入山峠
【57】撮影:12時38分=伊藤 幸司
12時35分に1時間前の「入山峠」に戻って、ゆっくりと10分休憩しました。
じつは私も持っていたのですが昭文社の登山地図には地形図の「入山峠」を「入山旧峠」としており、最新のガイドブックには写真No.58の標識に惑わされるなという親切な注意書きもあるとか。標識がもうすこし親切で、間違った道が林業用の作業道にもかかわらずあれほど立派でなければ、よかったのですが、このときはまだその標識をどう見誤ったのかわかっていません。とりあえず、今日1日の行程全体を考えて、大きな区切りをつけようと考えたのです。

戸倉三山、入山峠
【58】撮影:12時48分=伊藤 幸司
これが問題の標識。薄い白色の矢印が左に向かっています。標識の板の右端を矢印に間違えないように切り落とす意味の黒線も見えます。問題はこの写真ではわかりにくいのですが、左手の正しい道はここからいくぶん背中側に目を向けないといけないうえに、この部分からだと脇道に見えるのです。それに対して右側の道は斜め右前方に立派に延びているので、少なくとも「どちらにしようか?」と立ち止まってしまう状況ではあるのです。
この写真で冷静に背後の様子を見てみるとわかりますが、この場所から右手に下る尾根があるわけです。左手に行くには、背後の谷の向こう側の稜線に出なければなりません。つまりここで尾根を踏み変えなかればならないのです。
先ほど林道を下ってしまったとき「団左エ門」という矢印の立派な標識があって、それに従って登ると縦走路に出そうな地理的条件だったので取りついてみたのですが、登りきるのは大変だと思いました。あとでその道が上がってくるだろうと思われる場所をいくつか上から見ましたが、藪漕ぎの急登でした。

戸倉三山、入山峠
【59】撮影:12時48分=山咲 野の香


戸倉三山、登山道
【60】撮影:12時51分=伊藤 幸司
問題の標識からほんの数分歩いただけで、戸倉三山の縦走路はこれだけ風格のある登山道になっていたのだと再確認しました。

戸倉三山、登山道
【61】撮影:13時04分=伊藤 幸司
林道を下ってしまったときに、正面に山がそびえていて、それに取り付くルートが見えないまま、林道が離れていくらしいというところまで確認したので、正規の登山道をたどっても、すぐに登りがくることはわかっていました。

戸倉三山、モミジイチゴ
【62】撮影:13時18分=伊藤 幸司
モミジイチゴがありました。私たちは写真を撮るために登山道を外れるということはしません。花があっても、取りません。ただ、申し訳ないことかもしれませんが、モミジイチゴの実が食べごろだと味見はさせていただくことにしています。首都圏の山歩きで、唯一間違いなく「くだもの」として味わえる実だと思います。
ちなみにヤマグリが足元に落ちていて、さいわいまだ虫が入っていないときには、できれば一房、ナマのまま食べていただくことを、未体験の人がいたら無理強いすることもありますが。

戸倉三山、登山道
【63】撮影:13時19分=伊藤 幸司
深い森の中を歩いているという爽快感がありました。

戸倉三山、キノコ
【64】撮影:13時28分=山咲 野の香


戸倉三山、ヤマアジサイ
【65】撮影:13時38分=山咲 野の香


戸倉三山、登山道
【66】撮影:14時09分=伊藤 幸司
また素晴らしい登山道。これだと道を間違える危険はほとんどありません。

戸倉三山、登山道
【67】撮影:14時09分=山咲 野の香


戸倉三山、植林
【68】撮影:14時28分=伊藤 幸司
この場所でみなさん写真を撮りましたが、じつは2010年3月にこの場所にきたときに、この斜面は全面伐り払われて搬出前の木がごろごろ転がっている状態でした。2012年の3月にも来ましたが、そのときは雪も積もっていて、寒々しい光景でした。皆さん、そのどちらかには参加されていたようで、一瞬歓声が上がりました。

戸倉三山、植林
【69】撮影:14時29分=伊藤 幸司
ここには鹿の食害がないのでしょうか。苗木は順調に育ったようです。

戸倉三山、植林
【70】撮影:14時29分=伊藤 幸司
下ったら、また登ります。でも同じような景色の中をたどってくると、この明るさはうれしいものです。

戸倉三山、植林
【71】撮影:14時29分=山咲 野の香


戸倉三山、コアジサイ
【72】撮影:14時49分=伊藤 幸司
コアジサイの小さな株がありました。小さな花のひとつひとつがブルーに染まったときはほんとうに美しい。

戸倉三山、市道山
【73】撮影:15時06分=伊藤 幸司
三山縦走の2山目、市道山です。

戸倉三山、登山道
【74】撮影:15時22分=伊藤 幸司
標高差で150mほどを一気に下ります。それから200m登り返します。すでに行動時間は6時間を越しています。平地を時速4㎞で歩くパワー「以上は使わない」ということができているベテランばかりですから、危険な場所がない限り、心配することはほとんどありません。

戸倉三山、登山道
【75】撮影:15時22分=伊藤 幸司
こういう道、ダブルストックだとけっこう楽しいのです。

戸倉三山、登山道
【76】撮影:15時23分=伊藤 幸司
ダブルストックだと大きくゆっくり歩けるところが、じつに気分いいのです。スピードも落ちませんし。

戸倉三山、登山道
【77】撮影:15時45分=伊藤 幸司
私たちの「先頭10分交代制」は先頭の人が自分に気持ちいいスピードで歩くチャンスをつくります。その後ろで、ゆっくり系で自分のペースを保ちたい人は前との距離が空いてもいいのです。10分後には全員が集まって、一番後ろの人が先頭に出ます。(雪山でのラッセルの順番交代とはちがいます)

戸倉三山、登山道
【78】撮影:16時02分=伊藤 幸司
縦走も終盤にかかり、下りをうれしいと言いきれない状態になってきます。下った分だけの登り返しが待っているからです。

戸倉三山、登山道
【79】撮影:16時11分=伊藤 幸司
いよいよ登り返しですが、これこそ三山縦走の最後の山への登りです。計画書では臼杵山山頂が16時30分ですから、まあまあ予定通り。
入山峠での1時間のミスがあったのでそれを差し引くと私流のパワー計算より15%早かったということになりそうです。そこには休憩時間も入っています。ともかく「平地を時速4㎞で歩くパワー」で7時間半行動できたといえるわけです。この日の東京での日没時刻は19時01分ですから、事故さえなければライトを使うことなく下山できるという見通しが立ちつつあります。

戸倉三山、登山道
【80】撮影:16時23分=伊藤 幸司
ベテランになると、ただ登らせられるより、ときにはこんな波乱もあればうれしいという気分になる……人も多いかと思われます。同じパワーで登れればいいわけですから。

戸倉三山、登山道
【81】撮影:16時23分=伊藤 幸司
ちょっと視野を広げてみるとなんでここにこんな岩が露出しているのか、不思議ですね。それ以上は考えませんでしたけれど。

戸倉三山、臼杵山
【82】撮影:16時45分=伊藤 幸司
三山最後の山頂です。みなさん、まだ元気そう。ゆっくり休んで、気分新たに下りにかかれば、この勢いのまま今日の山歩きは終わるだろうと思われました。

戸倉三山、臼杵神社
【83】撮影:16時54分=伊藤 幸司
臼杵山の山頂(北峰)には臼杵神社があるとのことですが、帰って調べるとやはりこれがそのようです。お稲荷さんもあるかのように見えるのでネット情報をいろいろ調べてみると、この神社、養蚕の神様としてかなり知られた存在であったようです。加えて奥多摩山地では一部に知られた「狛猫」の山だったというのです。
「山は猫──猫にまつわる山々の考察など」という2000年8月のブログによると……臼杵神社の狛犬を猫と紹介したのは、宮内敏雄著『奥多摩』(昭和刊行会、昭和19年刊)だ。臼杵山を紹介するくだりで「嶺に蚕の守護神として地方的に有名な宮があり、その神前には狛犬代りに猫の像がある。これは養蚕の守り神の使姫は猫であるとの俗信に據ったものなのである」と石像を猫と断定している。同書は、著者の戦死後出版された奥多摩のバイブルともいわれる稀覯本である。また、瓜生卓造著『檜原村紀聞』(東京書籍、昭和52年)では、臼杵神社は「地元では長く養蚕の神としてあがめられていた」とあるものの、猫の像については何も触れていない。……
このブログにある「臼杵神社全景」という写真に載っている「狛猫」は現在はなくなっているようです。この写真を撮ったときにはあまり注意して見ていませんでした。でも2012年3月17日にここに来たときの写真を見ると、社の右脇に崩れかけれはいるものの「狛猫」らしい石像の一部が転がっているように写っています。
なお、この祠は2000年のブログの写真でもほぼ同じ状態ですが、2000年発行の私の地形図(1/25,000)には鳥居のマークと黒描家屋(一軒家というイメージの地図記号)が描かれています。わざわざ黒描家屋として記されていたこととこの祠のギャップの意味に気づくべきでした。

戸倉三山、キノコ
【84】撮影:16時57分=伊藤 幸司
なんだかわかりません。キノコです。

戸倉三山、ハナミズキ?
【85】撮影:17時06分=伊藤 幸司
花の少ないこの日に、遠くから目を引いたのはこの花。どう見たってヤマボウシ……だが、こんな樹形は見たこともありません。
帰って調べてみると「見事に花を付けたヤマボウシ」という写真がありました。「ヤマボウシはミズキと同様に花を平面的に付けるから、大きな樹を下から見上げても面白くないが、こうして斜め上から見下ろせる条件があると具合がよい」と説明されています。つまり外側に枝垂れたヤマボウシです。
そしてさらに「ハナミズキに張り合っているわけではないと思われるが、ピンク系のヤマボウシの品種も見られ、ハナミズキよりも清楚な印象がある」ベニバナヤマボウシというのが園芸品種として確立されているようです。
つまりあきらかな園芸品種のヤマボウシがあったのです。この前にはプレハブ小屋があって、ローカルなテレビ中継アンテナのようなものの建設が行われていました。

戸倉三山、ハナミズキ?
【86】撮影:17時06分=伊藤 幸司
白い花に紅色が広がっていくドラマは花弁でなく、がく片です。こんなふうにあでやかなのはヤマボウシの園芸種というより、アメリカヤマボウシ(ハナミズキ)のように思われました。

戸倉三山、ハナミズキ?
【87】撮影:17時06分=山咲 野の香


戸倉三山、登山道、モノレール
【88】撮影:17時13分=伊藤 幸司
アンテナ工事の現場からモノレールが延びていました。これで資材の運び上げは簡単になるのでしょう。当然、運転席もありますし。

戸倉三山、登山道、モノレール
【89】撮影:17時23分=山咲 野の香


戸倉三山、イチヤクソウ
【90】撮影:17時47分=伊藤 幸司
最後の最後で、またイチヤクソウが出てきました。

戸倉三山、登山道
【91】撮影:17時55分=伊藤 幸司
標高450mあたりから尾根を外れて谷に向かって一気に下っていきます。

戸倉三山、下山後
【92】撮影:20時42分=伊藤 幸司
この日は18時15分に元郷バス停に着きました。歩いても行ける秋川渓谷・瀬音の湯が第一候補でしたが、バスに乗るとそのまま武蔵五日市駅まで行き、JR拝島駅から昭島温泉・湯楽の里へと行きました。そこで食事までしてしまえばよかったのですが、JR昭島駅前のショッピングセンター・モリタウンのフードコートでなにか食べるということに。ちょっとテンションが下がりましたが。


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