山旅図鑑 no.164
仙丈ヶ岳+甲斐・駒ヶ岳
2017.9.19-21

山旅図鑑目次



糸の会(no.1051)
2017.9.19-21
仙丈ヶ岳+甲斐・駒ヶ岳


3日間合計123パワー
1日目……登り21p
2日目……登り10p→下り31p→登り7p
3日目……登り23p→下り31p



*計画の当初の狙いは1日目に仙丈小屋に泊まって日の出を仙丈ヶ岳山頂で、2日目は北沢峠から仙水小屋に泊まって仙水峠で日の出を見るというダブルチャンスを考えていました。
*ところが仙丈小屋では15時までの到着を決定的条件としているそうで、北沢峠出発が11時出発だと受け付けないということで宿泊を断られました。それで1日目の宿泊を馬ノ背ヒュッテに変更したのです。
*仙丈ヶ岳と甲斐・駒ヶ岳は南アルプス・スーパー林道によって、標高約2,000mの北沢峠までバスで入れるようになってから、驚くほど登りやすい山になりました。登山の難易度は天気に大きく左右されるので、日本有数の高峰である、という認識は必要ですが、たくさんある山小屋を起点にすれば、標高差約1,000mの山ともいえます。帰路の時間を常に想定しつつ登ることで、安全度は大きくなります。


第1日(9月19日)
・甲府からのタクシーが意外に時間をとられて10時30分広河原発のバスにきわどい時間差で乗れず、1230広河原→1255北沢峠の最終バスまで待つことになりました。
・1255……北沢峠バス停を出発(標高約2,000m)
・1305-10……大平山荘付近で休憩(標高約2,000m)
・1430-35……休憩(標高約2,200m)17度C
・1445……藪沢を左岸へ(標高約2,250m)これは地形図に明記されています
・1540-45……藪沢小屋(避難小屋)分岐で休憩(標高約2,550m)
・1555……馬ノ背ヒュッテ(標高約2,650m)
第2日(9月20日)
・0600……馬ノ背ヒュッテを出発(標高標高約2,650m)5度C
・0615……馬ノ背稜線(標高約2,700m)
・0700-05……仙丈小屋で休憩(標高約2,900m)6度C
・0740-45……仙丈ヶ岳山頂(標高3,033m)
・0820-25……太陽出て衣類調節休憩(標高約2,900m)
・0850-55……休憩(標高約2,850m)
・0905-25……小仙丈ヶ岳山頂で時間調整休憩(標高2,855m)
・1130-1300……北沢峠で合流メンバー待ち休憩(標高約2,000m)
・1355……仙水小屋(標高約2,150m)
第3日(9月21日)
・0405……仙水小屋を出発(標高2,150m)
・0520-35……仙水峠で日の出(標高2,264m)
・0545-50……太陽出て衣類調節休憩(標高約2,300m)
・0610-15……衣類調節休憩(標高2,450m)
・0715-25……駒津峰山頂(標高約2,750m)
・0805-10……六方岩で休憩(標高約2,750m)
・0840……摩利支天への分岐(標高約2,850m)
・0900-15……摩利支天への分岐(標高約2,850m)
・1020-35……駒ヶ岳山頂(標高2,966m)
・1055……摩利支天への分岐(標高約2,850m)
・1155-1205……駒津峰山頂(標高約2,750m)
・1250……双児山山頂(標高2,649m)
・1300……北沢峠(標高約2,000m)


今回の写真出展メンバー(提出順)は以下の4人です。

小林 美子(14点)
山咲 野の香(67点)
稲葉 和平(19点)
伊藤 幸司(183点)



山旅図鑑 no.164
仙丈ヶ岳+甲斐・駒ヶ岳
2017.9.19-21

仙丈ヶ岳。夜叉神峠から広河原。野呂川を望む
【01】撮影:第1日10時13分=伊藤 幸司
甲府駅から広河原への路線バスは夜叉神峠をトンネルで越えると野呂川の流域に入ります。深く刻まれた谷の中腹を危なっかしいスピードで進んでいきます。

仙丈ヶ岳。広河原のフジアザミ
【02】撮影:第1日10時42分=山咲 野の香
広河原にて、巨大なフジアザミのお出迎え。もふもふのハナアブがアクセント。

仙丈ヶ岳。広河原のフジアザミ
【03】撮影:第1日10時43分=山咲 野の香
登山口までの車道にも満開のフジアザミがいっぱいでした。

北岳。広河原から
【04】撮影:第1日10時44分=伊藤 幸司
広河原は日本第2位の高峰・北岳への登山口です。眼前にその北岳がそびえ立っています。ここからだと右側に下る稜線が手前の山と重なるあたりに肩ノ小屋があります。私たちの場合だと、右手から樹林帯を登って白根御池小屋、あるいは正面に延びる大樺沢を雪渓の手前まで行って、二俣から白根御池小屋、あるいは一気に肩ノ小屋までというのが第1日という見当です。
なお、北岳から大樺沢に落ちる岩壁が有名なバットレス。ヨーロッパの教会建築などで、重い屋根を支えるために主壁を補強するために設けられた「控え壁」のことだそうですが、いったいどういう人が、この岩壁にそんな名前をつけたのか。私は未体験ですが、糸の会にはそこも行動域とする女性クライマーがいます。
山頂から左に下ったところが八本歯のコル。大樺沢に下れますが、バットレスからの落石が多いということが、この写真から想像できます。

広河原。フジアザミ
【05】撮影:第1日10時44分=小林 美子
今回はフジアザミの花が印象に残りました
帰りのバスの中からも両脇のフジアザミが今が盛りと咲いているのが見えました

広河原。ノコンギク
【06】撮影:第1日10時44分=山咲 野の香
ノコンギク。はではでのフジアザミの横で楚々とした風情に目をひかれました。

広河原。野呂川の吊り橋
【07】撮影:第1日10時47分=伊藤 幸司
左手に大樺沢が出てきますが、この吊橋は野呂川を渡っています。広河原山荘で待ち時間を過ごしました。広河原から北沢峠に登る道は南アルプス市が運営する南アルプス登山バスの専用道路となっています。

広河原。フジアザミ
【08】撮影:第1日10時47分=稲葉 和平
フジアザミ。南アルプスーパー林道一帯に咲き誇るフジアザミは圧巻だ。ただ大きいだけでなく一つひとつの花が周囲を圧倒する風格がある。

広河原。北岳
【09】撮影:第1日10時47分=山咲 野の香
広河原、最高の秋空の下、すっきりと北岳。大樺沢上の雪渓も見えます。

広河原。北岳
【10】撮影:第1日10時50分=稲葉 和平
素晴らしい青空を背景に広河原からの仙丈ケ岳、今回の仙丈・甲斐駒は期待できそうだ。

広河原。クルクルしたきれいな巻き毛
【11】撮影:第1日10時51分=稲葉 和平
このクルクルしたきれいな巻き毛は一体なんだろう、帰ってから調べようと思って撮ったけど、分かりません。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。北沢峠から
【12】撮影:第1日12時58分=伊藤 幸司
話は変わって、いよいよ仙丈ヶ岳です。北沢峠を出て3分後、大平山荘へと下る道です。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。タカネビランジ
【13】撮影:第1日13時04分=伊藤 幸司
突然タカネビランジが登場しました。タカネビランジは鳳凰三山で見た記憶がありますが、そのときは白が基調で、赤みを帯びたものもあると思ったと記憶しているのですが、これはなかなかみごとなピンク。タカネビランジは仙丈ヶ岳〜甲斐・駒ヶ岳にもあったそうですが、これなどはじつは大平山荘が保護しているもの。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。タカネビランジ
【14】撮影:第1日13時04分=山咲 野の香
全く想定外、こんな所にタカネビランジ。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。槍ヶ岳遠望
【15】撮影:第1日13時11分=伊藤 幸司
大平山荘の庭先から下りたところは北沢峠から戸台口へと下る伊那市の南アルプス林道バス(山梨県側とは名称がちょっと違います)の道路になっているので西側の展望が開けています。なんと槍〜穂高が真正面に見えるのです。かつてここに泊まったとき、みんなで外に飛び出したことがありました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ヨツバヒヨドリ
【16】撮影:第1日13時13分=伊藤 幸司
大平山荘のすぐ近くに、ヨツバヒヨドリがありました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【17】撮影:第1日13時26分=山咲 野の香
気持ちよく登っていきます。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【18】撮影:第1日13時31分=伊藤 幸司
斜面をトラバースしながら、藪沢の谷へと踏み込んでいきます。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【19】撮影:第1日13時36分=伊藤 幸司
冬の積雪を想像させる茂みです。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【20】撮影:第1日13時38分=伊藤 幸司
名前はわかりませんが、足元にたった一輪、堂々と咲いていました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【21】撮影:第1日13時39分=伊藤 幸司
ネット上でこれと非常によく似たキノコが出てきました。ドクササコ(通称ヤケドキン)といって猛毒だそうですが、これがそれかどうかはわかりません。でも猛毒のキノコがこんな善良な顔をしているということはわかりました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【22】撮影:第1日14時00分=伊藤 幸司
急な登りになりました。このちょっと先に大滝展望の脇道があったのですが、通行止めになっていました。なんか、崩落箇所があったような雰囲気。たしか遠くに見下ろしてかろうじて「展望」という場所だったと思います。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。甲斐駒ヶ岳
【23】撮影:第1日14時06分=伊藤 幸司
振り返ると樹林の切れ目から甲斐・駒ヶ岳が見え始めました。手前にあるのが双児山(標高2,649m)でしょうか。右下に存在感のある丸っこい岩山が駒ヶ岳の横っ腹にある摩利支天。明後日は摩利支天から駒ヶ岳に登り、駒津峰から双児山を経てたぶん右手の尾根筋を下って北沢峠へと戻ります。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。フジアザミ
【24】撮影:第1日14時07分=伊藤 幸司
さてこれは、花を横向きにつけるアザミです。南アルプスから八ヶ岳にかけては亜高山帯から高山帯にかけていろいろなアザミがあって、センジョウアザミやヤツガタケアザミという固有名詞のものもあるそうです。シロウマアザミだって。いずれも東日本に広がるナンブアザミのグループらしく、花(頭花)が横向きやら下向き、あまり立派じゃない……というのが共通点のようです。
でも、この花が元気なときの姿を想像して、葉っぱがまるで野菜のような雰囲気であることを考えれば、赤紫色の大きな花を垂れ下がるように咲かせるフジアザミみたいですね。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。甲斐駒ヶ岳
【25】撮影:第1日14時09分=山咲 野の香
樹間からチラリ、白い姿。甲斐駒ヶ岳見参。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【26】撮影:第1日14時12分=伊藤 幸司
地図上では藪沢の谷底に向かっているはずなのに、登ります。途中で古いルートを下に見やってどんどん登っていくのです。地図上では標高約2,250mあたりでこちら側(右岸)から向こう側(上流から見て左岸)に渡るはずなのですが、その地点まで大きく変更されてしまっているのかと不安になっているころです。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ゴゼンタチバナ
【27】撮影:第1日14時19分=伊藤 幸司
スギゴケの中にゴゼンタチバナがありました。葉が4枚ですから、まだ花は咲かせませんが。スギゴケの白い花のように見えるのは胞子のうだそうで、この写真でもかろうじて見えますが、頭にチョンと毛が1本立っているのがわかります。それが雌株だそうです。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【28】撮影:第1日14時25分=伊藤 幸司
下に藪沢の流れが見えてきました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。セイタカスギゴケ
【29】撮影:第1日14時30分=稲葉 和平
3日間、目を楽しませてくれた。スギゴケの仲間のセイタカスギゴケ。北沢峠に近い登山道の脇に名札が立っていた。雌雄異株で、白い綿帽子ような胞子嚢を突き出しているのが雌。 

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。タケシマラン
【30】撮影:第1日14時36分=伊藤 幸司
タケシマランの赤い実がありました。細くて長い花柄(ここでは実を吊り下げている)が途中で直角に折れ曲がっていればオオバタケシマランなのですが、この写真ではわかりません。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ダブルストック
【31】撮影:第1日14時37分=伊藤 幸司
仙丈ヶ岳への道で唯一の波乱。実際に歩いてみるとどうということもない場所ですが、私たちシニア登山者は安全過ぎる歩き方はないとしています。
しかしリーダーとしての立場では、それぞれの人のこの場所での自分自身での難易度の判断に注目します。安全と安心の隙間に、危険な不安感が入り込んでいる場合も多いからです。ダブルストックの場合、ストックを利用して体をどれだけ伸ばすことができるかで、クリアできる難度も、安全領域の拡大も違ってくるのですが、不安があるとその安全性は大きく削がれます。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。渡渉点
【32】撮影:第1日14時41分=伊藤 幸司
ようやく前方に、藪沢の渡渉点が見えてきました。どうも以前渡った場所と同じようです。以前とは違う迂回路がここで完全に終わったと確認できました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。渡渉点
【33】撮影:第1日14時41分=伊藤 幸司
ここから始まる沢沿いの道が、ひそかに楽しみしている花の道です。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ヤマトリカブト
【34】撮影:第1日14時42分=山咲 野の香
ヤマトリカブトに送られ、沢を渡って行きます。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ミヤマセンキュウ?
【35】撮影:第1日14時43分=伊藤 幸司
この葉っぱは、ミヤマセンキュウだと思うことにしました。合っている、合ってないないはともかくとして。セリ科の花はとくに覚える気にはなりませんが、小さな花が集まって作り上げる宇宙観はいつも楽しみにしています。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。オニアザミ?
【36】撮影:第1日14時43分=伊藤 幸司
これもフジアザミ……ですかね。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ハンゴンソウ
【37】撮影:第1日14時45分=伊藤 幸司
これはハンゴンソウ。漢字では反魂草とおどろおどろしい名前ですが、中国の生薬の名を間違ってつけたといわれます。でも深く裂けた葉っぱが独特で、一度覚えると忘れないのですが、この写真ではよくわかりません。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【38】撮影:第1日14時46分=伊藤 幸司
こういう道をひたすら登っていくのですが、この道には花の楽しみがあります。そしてあとで写真が出てくると思いますが、振り返る楽しさも。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ミソガワソウ
【39】撮影:第1日14時47分=伊藤 幸司
以前、ひとつ覚えのラショウモンカズラだと言ったら、花にくわしいMさんが「ミソガワソウ」ですよと訂正。いまもいろいろ調べてみたけれど現場で区別できる自信はありません。花期がラショウモンカズラが春、ミソガワソウは真夏だそうです。ちなみに味噌川は木曽川の上流に実際にある川だそうです。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ミヤマシシウド?
【40】撮影:第1日14時47分=伊藤 幸司
これはなんだかわかりません。ミヤマシシウドとしておきたいと思います。セリ科の花は大小いろいろですが、小さな花で不思議な世界を作り出します。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ヤマハハコ
【41】撮影:第1日14時47分=山咲 野の香
まだ美しいヤマハハコも残っていました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。セリ科の花
【42】撮影:第1日14時48分=伊藤 幸司
そのセリ科の花が、小さいのに、虫たちにはすごく人気があるようです。群れ集う虫を見る楽しみも叶えてくれます。地味な虫たちが多いようには思いますが。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。オオバのヨツムグラ?
【43】撮影:第1日14時48分=伊藤 幸司
クルマバソウの仲間だと思っていましたが、あちらは輪生する葉が6〜10枚とにぎやか。クルマムグラという名前になると葉は6枚、そしてヨツバムグラというのがあってどうもこれがそうらしいのですが、葉が4枚の仲間にヤマムグラ、ヒメヨツバムグラ、キクムグラ、ミヤマムグラ、オオバノヨツムグラ、エゾキヌタソウ、キヌタソウ、ミヤマキヌタソウ、などなど、いろいろあるのでが、もう知らない! というところ、平凡社の『日本の野生植物』で見てみると葉に3本の脈が目立つということで、オオバノヨツムグラが最重要候補ということになりました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルートオオバノヨツムグラ?
【44】撮影:第1日14時48分=伊藤 幸司
オオバノヨツムグラと思われるものの接近写真。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。オトギリソウ
【45】撮影:第1日14時49分=伊藤 幸司
オトギリソウは「弟切草」という名前と、無秩序な赤味とが飛び散る血しぶきを感じさせて、いつでもパッと目に入ってきます。仲間はたくさんあるようなので、こまかく追跡しないほうが無難だと感じます。花の中心に乱雑に伸び上がっている黄色い雄しべも独特の印象をつくっています。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。オトギリソウ
【46】撮影:第1日14時49分=伊藤 幸司
オトギリソウをさらにアップ。ドラマチックです。人生の最後をドラマチックに見せてくれる山の花としてはこれと、葉っぱですがヤグルマソウが双璧ではないかと思います。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ハハコヨモギ
【47】撮影:第1日14時50分=稲葉 和平
ハハコヨモギ。とくに提出する理由もないけれど、きれいに撮れたので。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。トリカブト
【48】撮影:第1日14時51分=伊藤 幸司
トリカブト……ですが、似た葉のものを探していくと太平洋側の山地に見られるホソバトリカブトが仙丈ヶ岳で記録されています。またキタザワブシと深い関係にあるらしいサクライウズが甲斐・駒ヶ岳で確認されているようです。このふたつは私のレベルではほとんど区別できません。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。センジュガンピ
【49】撮影:第1日14時51分=伊藤 幸司
センジュガンピですが、この小さな花がポンと目に飛び込んでくるのは、花の白さと、花弁の縁取りに見られる緊張感だと感じます。レースの白い花嫁衣装がもっているような緊張感のある美しさに惹かれます。この花に印象が一番近いのは(実際に見たことはありませんが)カワラナデシコの白花で、同じナデシコ科、ごく近い関係らしいのです。でももっと近いのは独特の橙色の花を咲かせるフシグロセンノウとも。
なお千手岩菲という名前にイメージを混乱させてしまいますが、千手は奥日光・中禅寺湖の千手ヶ浜での採集によるものとか。ひょっとするとアーネスト・サトウの息子、植物学者で登山家の武田久吉が中禅寺湖の別荘(すなわち旧英国大使館別荘)を拠点に植物採集をしていたことから、彼の標本と関係があるのではないかと想像してみました。岩菲というのは中国のナデシコ科の花に似ているということから、のようです。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。キオン?
【50】撮影:第1日14時51分=伊藤 幸司
花はハンゴンソウと似ているけれど、葉っぱが違います。ハンゴンソウは不規則に深く切れ込んでいます。したがってこれは近隣のキオンだと思われます。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。シラネニンジン?
【51】撮影:第1日14時51分=稲葉 和平
たぶん、シラネニンジン。花だけではシラネニンジンとハクサンボウフウの区別はつかないらしい。葉の鋸歯の細かさ(鋭さ)で・・・鋸歯が細かく切れ込んでいるニンジンの葉のようなのがシラネニンジン、との説明があるが、よく分からない。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ヤマトリカブト
【52】撮影:第1日14時51分=山咲 野の香
ヤマトリカブト。烏帽子の中まで全開。最後の頑張りという感じ。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ヤマハハコ
【53】撮影:第1日14時52分=伊藤 幸司
これはおしゃれな感じのヤマハハコ。端の方に黄色い丸みを中央につけたものがありますが、これが花(頭花)。まわりを包んでいる白いヒダヒダはカサカサしている総苞片。つぼみを包んでいた葉の集まり。頭花も総苞片に色変わりが起こってなんだかおしゃれな色模様になっていました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。甲斐駒ヶ岳
【54】撮影:第1日14時52分=山咲 野の香
足元に夏の名残りと秋の花。振り返れば甲斐駒。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。甲斐駒ヶ岳
【55】撮影:第1日14時53分=山咲 野の香
秋空と山頂をもう一度。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【56】撮影:第1日14時55分=伊藤 幸司
この小さな沢が、どんどんおとなしい感じになっていきます。仙丈ヶ岳の藪沢カールから流れ下っているのが信じられないくらいに。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。甲斐駒ヶ岳
【57】撮影:第1日14時59分=伊藤 幸司
藪沢の谷を登っていくにしたがって、駒ヶ岳がどんどん伸び上がってきました。ここはまだ標高約2,300mあたりなので標高2,649mの双児山と、その向こうに現れてきた駒津峰(標高約2,750m)と、背比べしながら登っていくという感じです。振り返り、振り返りつつ。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ミソガワソウ
【58】撮影:第1日15時01分=伊藤 幸司
ミソガワソウの元気な姿が再び現れました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ミソガワソウ
【59】撮影:第1日15時01分=伊藤 幸司
そのミソガワソウのクローズアップ。何でしょうね、こういう舌出し天使みたいな花の構造は。虫たちに、ちょっと怪しい入口には見えないんだろうか。夜の歓楽街みたいに。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。グンナイフウロ
【60】撮影:第1日15時02分=伊藤 幸司
グンナイフウロです。もっともここは標高2,300mを越えているので、あるいは高山種のタカネグンナイフウロかもしれません。平凡社『日本の野生植物』によるとグンナイフウロは北海道西部から本州は磐梯山〜伊吹山の低山〜高山の草地に生え、タカネグンナイフウロは本州中部の高山にあって花色が濃い、とあります。青山潤三『山の花1200』(平凡社)ではグンナイフウロは花が白〜淡紫色、タカネグンナイフウロは「グンナイフウロの高山性品種で、花色が濃い」というだけで大きな違いはないようです。その色からすればただのグンナイフウロという感じか。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。マイヅルソウ
【61】撮影:第1日15時02分=山咲 野の香
なんとマイヅルソウがこんなに凛として残っています。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。タカネグンナイフウロ
【62】撮影:第1日15時03分=伊藤 幸司
花色が濃いものを見るとタカネグンナイフウロと言っておいたほうが安心かも。カッコいいかも。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。グンナイフウロ
【63】撮影:第1日15時03分=山咲 野の香
グンナイフウロ。まだ蕾も。思い切りよく開く紫が美しい。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。モミジカラマツ
【64】撮影:第1日15時04分=伊藤 幸司
これはモミジカラマツ。カラマツソウの小さくて丸みのある葉っぱと違ってモミジの葉に似ているから……とか。カラマツソウの白い雄しべがカラマツの葉に似ているから「カラマツソウ」そして葉っぱがモミジに似ているから「モミジカラマツ」……この人たちのアイデンティティはどこにあるのか? というわかりやすい例だと思います。植物の名には「オオイヌノフグリ」なんていうのもありますから、いいほうかもしれませんが。
……で、このモミジカラマツはカラマツソウの仲間とはちょっと関係が離れているそうで、白く伸びた雄しべはそっくりさんですが、中央の雌しべがカラマツソウの仲間では見られないとのこと。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【65】撮影:第1日15時04分=伊藤 幸司
これはなんですかね、わかりません。元気そうな雰囲気が目を引きました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【66】撮影:第1日15時04分=小林 美子
今、つらいところ一歩・一歩進む
小屋は、まだかなぁ〜

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ミヤマアカバナ?
【67】撮影:第1日15時04分=山咲 野の香
ミヤマアカバナでしょうか。蕾ばかり。葉はいきいき。かわいい花も見たかった。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【68】撮影:第1日15時05分=伊藤 幸司
名前があるのかないのか知りませんが、滝が落ちていました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。アキノキリンソウ
【69】撮影:第1日15時05分=山咲 野の香
ザックをしょった赤シャツの妖精。アキノキリンソウの花先にとまっています。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。キオン
【70】撮影:第1日15時06分=伊藤 幸司
それなりに背の高い、スマートな株だったと思います。花はハンゴンソウと似ていますが、葉っぱからキオンだと思います。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【71】撮影:第1日15時06分=伊藤 幸司
ず〜っと同じような谷の道です。でも歩くに従って花が出てくるので飽きません。前方で止まっている人がいるところにまたなにか、花が咲いているのだと思います。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。コウゾリナ?
【72】撮影:第1日15時07分=伊藤 幸司
コウゾリナだか、ミヤマコウゾリナだか、カンチコウゾリナだか。どうもよくわかりませんが、黄色と黒のコントラストが独特です。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。振り返ると甲斐駒ヶ岳
【73】撮影:第1日15時07分=伊藤 幸司
雰囲気がだんだん明るくなってきました。今日の泊まり、馬ノ背ヒュッテまで標高差でまだ150m以上ありますが。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ミヤマミミナグサ
【74】撮影:第1日15時07分=伊藤 幸司
イワツメクサだと思っていたのですが、葉っぱが全然違います。拡大してよく見ると花びら(花弁)の切れ込みが2段階になっていて20枚にも見える細かさ。南アルプス〜中央アルプス〜八ヶ岳に生えるミヤマミミナグサだと思います。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。タカネナデシコ
【75】撮影:第1日15時11分=伊藤 幸司
タカネナデシコだと思います。でも低地産のカワラナデシコとの違いについてはまったく自信がありません。いくつか調べてみると、決定的な違いはつぼみを包んでいたホウ(苞葉)がカワラナデシコが3〜4対に対して、タカネナデシコは2対。タカネナデシコはカワラナデシコの高山型ではなく、北海道から本州中北部に生えるエゾカワラナデシコの高山型だそうです。
さらに外見的な印象で違うのはカワラナデシコよりタカネナデシコのほうが花弁先端部の糸状の縮れ方が圧倒的に激しいとのこと。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。カンチコウゾリナ
【76】撮影:第1日15時12分=山咲 野の香
カンチコウゾリナ。ガク部分が黒くて固そうで目立つ。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。振り返ると甲斐駒ヶ岳
【77】撮影:第1日15時15分=伊藤 幸司
こちらの上昇スピードがあまり早くないので登っていく感はそれほどでもないのですが、駒ヶ岳との対面感はどんどん強くなってきます。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。オトギリソウ
【78】撮影:第1日15時16分=伊藤 幸司
またオトギリソウです。今度は葉っぱがよく見えました。葉は個性的な花と比べると意外に穏やかな感じで、素直な印象の対生です。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。サラシナショウマ
【79】撮影:第1日15時18分=伊藤 幸司
白いブラシのように目立つので最初に覚える花のひとつがこのサラシナショウマ。ショウマと名付けられた花はたくさんありますが、他との関係をあまり詮索しないほうがいいようです。
白い部分は花ですが、正確に言えば花びら(花弁)は早々と落ちてしまって全部雄しべ。それが雄花ですが、ひょっとすると雌しべが少し混じっている両性花かもしれません。私たちはこの状態の花をいつも見ているのですが、もっと早く、ツボミが開いて花になる時期の姿はピンクがかったりしてものすごくきれいなようです。たぶん遠目にしょぼしょぼしているときに一度じっくり見てみたいと思いました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。振り返ると甲斐駒ヶ岳
【80】撮影:第1日15時19分=山咲 野の香
だんだんと背景の甲斐駒も大きくなる中、皆さん一瞬黙々を装って登っています。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【81】撮影:第1日15時21分=伊藤 幸司
どこまで行っても谷筋の道は雰囲気が変わりません。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。マイヅルソウ
【82】撮影:第1日15時24分=伊藤 幸司
白い花もなければ、赤い実もありません。花期は5〜7月とされ、亜高山帯が中心とされています。どうしてこの日、この場所でハート型の葉っぱだけなのかわかりませんが、花がなくて葉っぱだけでもマイヅルソウとわかります。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。アキノキリンソウ
【83】撮影:第1日15時24分=山咲 野の香
上はアキノキリンソウ、下はミヤマアキノキリンソウ、ですか?

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。振り返ると甲斐駒ヶ岳
【84】撮影:第1日15時31分=伊藤 幸司
また振り返ると「ごきげんよう」という感じです。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。オヤマリンドウ
【85】撮影:第1日15時32分=伊藤 幸司
これも亜高山帯の花、オヤマリンドウ。でもこの一帯にあった数十の花はすべてこんなふうにまっくろくろすけになっていました。なにか病気のような感じ。異様な雰囲気だったので写しておきました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【86】撮影:第1日15時32分=伊藤 幸司
この葉っぱ、この花のつき方、何度も見ている花だと思いますが、わかりません。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【87】撮影:第1日15時32分=伊藤 幸司
キノコ。わかりません。ネットで調べても似たものを見つけることができませんでした。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。スギゴケ
【88】撮影:第1日15時33分=伊藤 幸司
スギゴケだと思います。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【89】撮影:第1日15時34分=伊藤 幸司
振り返り、振り返りつつ見てきた駒ヶ岳ですが、ここは特別でした。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。振り返ると甲斐駒ヶ岳
【90】撮影:第1日15時34分=伊藤 幸司
こちらが高く登ったというより、周辺の谷の景色が下に下がっていったらしく、駒ヶ岳と直接対面するという気分になったのだと思います。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。振り返ると甲斐駒ヶ岳
【91】撮影:第1日15時34分=山咲 野の香
思わず振り返ると、書割のような甲斐駒ヶ岳。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。振り返ると甲斐駒ヶ岳
【92】撮影:第1日15時35分=山咲 野の香
明後日も、こんな天気で山頂に立ちたいと願いました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。コバノコゴメグサ
【93】撮影:第1日15時37分=山咲 野の香
コバノコゴメグサ、もう終わる寸前。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。鹿よけネット
【94】撮影:第1日15時50分=伊藤 幸司
仙丈ヶ岳には1997年から来ていますが、そのころはこのネットがなく、マルバダケブキの素晴らしいお花畑になっていました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。マルバダケブキ
【95】撮影:第1日15時52分=伊藤 幸司
マルバダケブキの葉っぱはたくさんあります。なんだか、あまり元気ではないようですが、シカさんたちに食べ尽くされてはいないようです。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート
【96】撮影:第1日15時53分=伊藤 幸司
藪沢の谷の東側の稜線です。すなわち(上流側から見て)右岸が見えてきました。明日下りにたどる小仙丈ヶ岳を通る登山道があの稜線にあります。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。」マルバダケブキ
【97】撮影:第1日15時54分=伊藤 幸司
マルバダケブキに関する私の印象がちょっとちょっと違っていました。「信州・山小屋ネット」にこのマルバダケブキに関するレポートがありました。


「南アお花畑復活、信大が実証 マルバタケブキ刈り取り」

 南アルプスの高山帯で、ニホンジカの食害を受けた跡に繁茂しているマルバダケブキを刈り取ると、ミヤマキンポウゲなどのお花畑が復活することを、信大農学部(上伊那郡南箕輪村)の渡辺修准教授(植生管理学)の研究室が実証した。高山植物を刈り、植生復活の状況を見る実験は全国でも珍しい。環境省は生物多様性の確保に向け、増え過ぎた植物を刈り取ることを検討中で、そうした対策に反映させたい考えだ。
 実験は、伊那市や同学部などでつくる南アルプス食害対策協議会がシカ防護柵を設けた仙丈ケ岳(3033メートル)の馬ノ背で実施。マルバタケブキは葉の直径が20センチほどになり、増え過ぎると日照を遮り植生が単調になる。
 研究室は環境省の許可を得て2009年8月、柵内の縦10メートル、横2メートルほどの範囲でマルバダケブキを除去。1年後の昨年8月、植物が占める面積や草丈から算出した量を柵内の別の区画と比べた。
 その結果、マルバダケブキは手を加えない区画で全植物量の約3分の2を占めたが、刈り取った区画では約4分の1に減った。また、刈り取った区画ではミヤマキンポウゲの量がマルバダケブキをわずかに上回り、キバナノコマノツメ、タカネスイバもマルバダケブキとほぼ同じ量だった。マルバダケブキ以外の植物の量は、手を加えなかった区画の約1・4倍に増えた。
 渡辺准教授は「多様な植生とは言い難いが、回復の速い種類から復活しつつある」と説明。繁茂するマルバダケブキが土壌を保ち、他の植物の種子が流失するのを防ぐ面もあるとして「一斉に刈り取るのではなく、場所を選びながらほどほどに管理するのが望ましい」と提案している。
 一方、マルバダケブキの種子を採取して実験室内で発芽率を調べると、気温5〜20度で45〜65%程度と一般的な高山植物を大幅に上回った。食害を受けた場所で目立つのはシカが好まずに避けたためとみられてきたが、「食べられた後、再生力が強く回復した」と推測している。
 実験結果は、同協議会が19日午後1時半から伊那市生涯学習センターで開くシンポジウムで報告する。


仙丈ヶ岳・藪沢ルート。馬ノ背ヒュッテから甲斐駒ヶ岳
【98】撮影:第1日16時11分=山咲 野の香
馬ノ背ヒュッテ窓から、相変わらず輝いている甲斐駒ヶ岳。終日の好天に感謝。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ウラジロナナカマド
【99】撮影:第1日16時16分=伊藤 幸司
赤い実をつけたウラジロナナカマドがトイレ脇にありました。裏白かどうか確かめていませんでしたが、たぶん。高山帯で見るナナカマドはウラジロナナカマドかタカネナナカマドのどちらかで、鋸歯(葉っぱの縁のギザギザ)が葉の全体にあって、花や実が垂れ下がる気配だとタカネナナカマド、と白山で教わりました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。馬ノ背ヒュッテから、甲斐駒ヶ岳
【100】撮影:第1日16時20分=伊藤 幸司
馬ノ背ヒュッテから見た甲斐・駒ヶ岳。白さが際立っています。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。馬ノ背ヒュッテから甲斐駒ヶ岳
【101】撮影:第1日16時20分=伊藤 幸司
甲斐・駒ヶ岳から右手に下ったところが仙水峠。明後日はそこから登ります。右手に登ると栗沢山。鳳凰三山に続く早川尾根になります。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。馬ノ背ヒュッテ
【102】撮影:第1日16時56分=伊藤 幸司
馬ノ背ヒュッテで夕食を待つ時間帯。下が食堂です。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。馬ノ背ヒュッテのカレー
【103】撮影:第1日17時02分=伊藤 幸司
馬ノ背ヒュッテの名物・カレーライス。以前このカレーで大方の宿泊客が憤慨した事件(たぶん日常的なこと)があって、以来、この小屋に人を連れて泊まるのがおっくうになりました。その古い伝統を受け継ぎつつ、新しい女性「オヤジ」が運営をまかされているとネットで知って、泊まってみる気になりました。味に文句はまったくなく、人それぞれのかたちでおかわりもできて、平均点以上と感じました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。馬ノ背ヒュッテの夕食
【104】撮影:第1日17時25分=伊藤 幸司
食べ終わったらナプキンできれいに拭いてごちそうさま。以前だったら、これが若い衆に命令されてやらされたような場面。気持ちよくごちそうさま、でした。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。馬ノ背ヒュッテの朝食
【105】撮影:第2日05時19分=伊藤 幸司
朝食。渋い感じではありますが、よくあります。このレベルの朝食は。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。鹿よけネット
【106】撮影:第2日06時08分=伊藤 幸司
このときはまだ、単純なシカよけだと思っていましたが、写真【97】で紹介したように、ここは南アルプス全域で起こっているシカによる徹底的な食害へのさまざまな実験場のようです。私にはわかりませんが、いろいろな目配りがなされた上でのシカよけネットのようです。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。藪沢カールと仙丈小屋
【107】撮影:第2日06時25分=伊藤 幸司
馬ノ背の稜線に出ると、藪沢の源流域、藪沢カールの全貌が現れました。正面の一番高いところが仙丈ヶ岳の山頂。山小屋は仙丈小屋。2000年に長野県側の長谷村(現・伊那市)が新築した山小屋で、それまでの避難小屋+キャンプ指定地がこの山小屋ひとつに集約されました。
……でこの小屋、到着は「15時まで」としていて、東京から出た日に宿泊することは断固拒否されました。遅れる危険が多すぎるということのようです。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。藪沢カール
【108】撮影:第2日06時26分=山咲 野の香
仙丈小屋が見えてきました。私が登った初めての3000m峰として記念すべき山なのですが、10年ほど前のその時の記憶は、甲斐駒ヶ岳の印象ばかりが強く、仙丈ヶ岳は何故か今ひとつ。初の気分で登って行きます。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。振り返ると甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳
【109】撮影:第2日06時27分=伊藤 幸司
馬ノ背の稜線で振り返ると、駒ヶ岳とその左側に延びる鋸岳の稜線。その背後には八ヶ岳も浮かび上がってきました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。馬ノ背から藪沢カール
【110】撮影:第2日06時28分=伊藤 幸司
今日は仙丈ヶ岳の山頂に立ったあと、左手に回り込んで小仙丈ヶ岳から、昨日スタートした北沢峠へと尾根道を下ります。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。馬ノ背から藪沢カール
【111】撮影:第2日06時30分=小林 美子
馬ノ背ヒュッテを
出発して、仙丈ヶ岳と小屋が見えてきました。
ところどころで紅葉している様でした。
あの小屋を目指して歩く。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。伊那谷方面
【112】撮影:第2日06時35分=山咲 野の香
振り返ると見えたのは中央アルプス方面。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。仙丈小屋と山頂
【113】撮影:第2日06時58分=伊藤 幸司
ここが藪沢の水源地帯。かつてはテントが張られて、トイレの臭いがしたところ。右手に仙丈小屋が建ったので、宿泊客は朝食前に正面の山頂でご来光を拝むことができるようになりました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。仙丈小屋
【114】撮影:第2日07時02分=伊藤 幸司
このとき小事件が起きました。トイレを探していた登山者のひとりが、突然顔を出したオヤジさんに、ただでトイレを利用しようとしているのか、アンタは、とあからさまに怒鳴られました。トイレの案内が不十分なままチップ箱だけが置かれているので、私もまずはウル覚えのトイレを確認しに行こうかと思っていたところ。結局私たちはだれもトイレに行かずに出発しました。このあたりでは慣れない登山者のラッシュで大混乱することがあるのでしょうか。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。振り返ると甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳
【115】撮影:第2日07時03分=小林 美子
明日、行く甲斐駒ヶ岳が見えた。
とお〜いなぁ〜
とおいけど、絶対行きたい!

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。仙丈小屋と甲斐駒ヶ岳
【116】撮影:第2日07時12分=伊藤 幸司
仙丈小屋は太陽光パネルと風力発電で運営されています。いま立っているあたりではみなさんかつてライチョウを見ています。でも今日は見えませんでした。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。仙丈小屋と甲斐駒ヶ岳
【117】撮影:第2日07時12分=山咲 野の香
仙丈小屋、目下。転ずれば堂々の甲斐駒ケ岳。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。山頂直下、紅葉
【118】撮影:第2日07時21分=小林 美子
近くで見た紅葉
こんなに紅くなっている

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。紅葉
【119】撮影:第2日07時21分=山咲 野の香
はや、紅葉の絨毯も現れました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ウラシマツツジ、クロマメノキ、紅葉
【120】撮影:第2日07時21分=山咲 野の香
ウラシマツツジとクロマメノキ、鮮やか。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。クロマメノキ
【121】撮影:第2日07時22分=伊藤 幸司
頂上稜線に出ると、クロマメノキが紅葉していました。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。仙丈小屋と甲斐駒ヶ岳
【122】撮影:第2日07時23分=山咲 野の香
山頂下。雲もあるが遠望もきき、上々の雰囲気。手前の稜線は馬の背。小屋も見えるような見えないような。鋸岳を従えて重量級の甲斐駒ヶ岳。やはり人物が入ると臨場感がアップする。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。小仙丈尾根遠望
【123】撮影:第2日07時25分=伊藤 幸司
これはカールの向こう側の稜線から登ってくる人。双眼鏡で見たような望遠写真です。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。甲斐駒ヶ岳遠望
【124】撮影:第2日07時27分=稲葉 和平
朝のやわらかな光の中に浮かぶ甲斐駒ヶ岳。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート、ミヤマダイコンソウ、紅葉
【125】撮影:第2日07時27分=山咲 野の香
ミヤマダイコンソウの紅葉も始まっています。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。ウラシマツツジ、紅葉
【126】撮影:第2日07時28分=山咲 野の香
岩の間にウラシマツツジの赤が光っています。

仙丈ヶ岳・藪沢ルート。頂上直下
【127】撮影:第2日07時33分=伊藤 幸司
頂上直下。標高3,033mは高さで日本の17番目(国土地理院の『日本の山岳標高一覧・1003山』1991による)ですが、高い山の魅力はなんといっても360度の展望を期待できること。ウキウキする瞬間です。……たとえ結果的には裏切られるとしても。

仙丈ヶ岳山頂。北岳と富士山
【128】撮影:第2日07時37分=伊藤 幸司
頂上に立って、まず探したのは富士山です。私は黙っていますが、みなさん超ベテランの登山者なので、富士山はすぐ見つかります。しかしその次、2番目の高峰・北岳が見えているかどうか。

仙丈ヶ岳山頂。北岳と富士山
【129】撮影:第2日07時37分=山咲 野の香
山頂。待ってました!
ここだけの富士山と北岳。

仙丈ヶ岳山頂。北岳と富士山
【130】撮影:第2日07時37分=山咲 野の香
ホントに肩を並べています、一番、二番。

仙丈ヶ岳山頂。北岳と富士山
【131】撮影:第2日07時38分=伊藤 幸司
これが富士山と北岳の、仙丈ヶ岳からの記念写真。ともかくこれだけ見えているのだから、これからどんなふうに関係が変化していくか楽しみです。南アルプスでは富士山がいつも風景を仕切ります。

仙丈ヶ岳山頂。北岳と富士山
【132】撮影:第2日07時38分=小林 美子
仙丈ヶ岳では
日本一の富士山と2番目の北岳が並んで見えるという
本当に良く見えてよかった。

仙丈ヶ岳山頂。甲斐駒ヶ岳と鳳凰三山
【133】撮影:第2日07時41分=伊藤 幸司
富士山から視野を左に動かすと見えてくるのは今日これから下っていく尾根道です。その背景に見えているのは甲斐・駒ヶ岳〜早川尾根〜鳳凰三山で、南アルプス北部では鳳凰三山のランドマークとなる岩峰・オベリスクが重要な役割を果たすのですが、この写真ではうまく見えません。

仙丈ヶ岳山頂。北岳と富士山
【134】撮影:第2日07時42分=稲葉 和平
北岳と富士山。一番二番が並んでも、なかなかいい写真は撮れない。

仙丈ヶ岳山頂。記念写真
【135】撮影:第2日07時44分=伊藤 幸司
仙丈ヶ岳での記念写真。その1。

仙丈ヶ岳山頂。記念写真
【136】撮影:第2日07時45分=伊藤 幸司
仙丈ヶ岳での記念写真。その2。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【137】撮影:第2日07時48分=伊藤 幸司
山頂から下り始めました。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。藪沢カール
【138】撮影:第2日07時51分=伊藤 幸司
山頂付近から見下ろした藪沢カール(北面)。仙丈ヶ岳にはこのほか大仙丈沢カール(南面)、小仙丈沢カール(東面)があって、遠望すると女性的ななだらかな山容なのに、登ってみると屹立した山岳風景に豹変するのです。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。ウラシマツツジの紅葉
【139】撮影:第2日07時52分=伊藤 幸司
クロマメノキが紅葉最盛期でした。
【コメント=2017.12.30=伊藤 幸司】クロマメノキは大間違い。稲葉さんのキャプションを見て典型的なウラシマツツジだと知りました。ウィキペディアによると 「葉の表面は葉脈がへこみ、逆に裏面で突出し、いちじるしい網目模様になる」とのこと。他の資料と比べると際立って的確です。
仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【140】撮影:第2日07時53分=伊藤 幸司
カールをめぐる稜線を歩き始めたところ。なんでここで撮ったかというと、背景に鳳凰三山が見えたからです。一番高いところが最高峰の観音岳。その左手に地蔵岳があって、岩峰・オベリスクがかろうじて見えています。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。甲斐駒ヶ岳遠望
【141】撮影:第2日07時54分=伊藤 幸司
今度は甲斐・駒ヶ岳が見えてきました。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。仙丈小屋
【142】撮影:第2日07時55分=伊藤 幸司
下を見たら仙丈小屋。道標のところへ画面右側から登ってきて、左手に登って山頂へ。今いるところから小仙丈ヶ岳を越えて少し下ると、大滝頭五合目という分岐から下って道標のところへ戻れます。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。ミヤマダイコンソウ
【143】撮影:第2日07時56分=伊藤 幸司
紅葉したミヤマダイコンソウがありました。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【144】撮影:第2日07時56分=小林 美子
こんな登山道を
歩く。しあわせで〜す。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。藪沢カールを見る
【145】撮影:第2日07時56分=山咲 野の香
カールの底に仙丈小屋。すべって下りられそうに見える、すり鉢。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。北岳と富士山
【146】撮影:第2日07時57分=伊藤 幸司
手前に仙丈ヶ岳の壁面を加えて、いま立っている場所の存在感を強調してみました。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【147】撮影:第2日07時57分=小林 美子
花も景色も素晴らしい。
時間はたっぷりある。
ゆっくり行こう・・

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【148】撮影:第2日07時59分=伊藤 幸司
背景が空になると高い山の上にいるという雰囲気が盛り上がってきます。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【149】撮影:第2日07時59分=稲葉 和平
仙丈ケ岳から小仙丈への気分のいい稜線。ウラシマツツジの紅葉がピークだったらさぞ素晴らしかっただろう。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。北岳と富士山
【150】撮影:第2日07時59分=山咲 野の香
何度でも見たいペア。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【151】撮影:第2日08時01分=伊藤 幸司
空を大きくしても、下の風景が入っていると、その現実感が想像力を押さえてしまう感じがします。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【152】撮影:第2日08時02分=稲葉 和平
ウラシマツツジが真っ赤だったら。残念。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。藪沢カール
【153】撮影:第2日08時03分=伊藤 幸司
私たちはまだ藪沢カールの縁にいます。正面の山頂から下り始めて10分ちょっと経ったところです。スプーンで削り取ったようなこの斜面を造ったのは雪(と氷)だったというのです。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。仙丈小屋
【154】撮影:第2日08時03分=伊藤 幸司
仙丈小屋は2階が営業小屋の部分。冬には3階が避難小屋になるそうです。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【155】撮影:第2日08時06分=伊藤 幸司
ここで藪沢の谷をはさんで、向こう側の馬ノ背の稜線との関係がはっきりしてきました。馬ノ背から藪沢に下る途中に白い点が見えますが、それが昨夜泊まった馬ノ背ヒュッテ。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。馬ノ背ヒュッテ遠望
【156】撮影:第2日08時06分=伊藤 幸司
馬ノ背ヒュッテを望遠で撮ってみました。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。甲斐駒ヶ岳
【157】撮影:第2日08時08分=伊藤 幸司
小仙丈尾根は小仙丈ヶ岳まではゆったりと、ほぼ平坦です。それに対して、甲斐・駒ヶ岳の左に連なる鋸岳のギザギザはすごい。その樹走ルートも難易度が高い山ですが、途中の登下山ルートもスゴそうですね。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。甲斐駒ヶ岳
【158】撮影:第2日08時08分=稲葉 和平
甲斐駒を眺めながらの稜線歩き、花の時期に来てみたい。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート、ウラシマツツジ
【159】撮影:第2日08時11分=山咲 野の香
ウラシマツツジ。ハイマツの緑とコントラスト鮮やか。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。ウラシマツツジとコケモモ
【160】撮影:第2日08時13分=稲葉 和平
ウラシマツツジとコケモモ。コケモモのまだ熟していない実のフレッシュな赤が目立つ。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【161】撮影:第2日08時48分=山咲 野の香
小仙丈に向かって行きます。甲斐駒を横目に贅沢気分。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。塩見岳遠望
【162】撮影:第2日08時49分=伊藤 幸司
ここに見えているまろやかな山容は塩見岳。糸の会では北岳から間ノ岳を経て塩見岳へと縦走したことがありますが、仙丈ヶ岳から仙塩尾根が伸びていて、間ノ岳の近くでその道に合流します。塩見岳の背後には荒川三山と赤石岳の山並みが控えています。

仙丈ヶ岳・、小仙丈尾根ルート。小仙丈沢カール
【163】撮影:第2日08時51分=山咲 野の香
藪沢カール、仙丈ヶ岳の大きさを感じます。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。甲斐駒ヶ岳
【164】撮影:第2日08時52分=山咲 野の香

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。ハイマツとクロマメノキ?
【165】撮影:第2日08時57分=伊藤 幸司
ハイマツとクロマメノキ(だと思います)。往路の藪沢では馬ノ背ヒュッテの上まで森林帯でしたが、こちらの小仙丈尾根はまだかなり先まで高山帯です。……ということは悪天候のときには強風に吹かれる危険もあるということになります。真冬には極寒の世界にもなるはずです。
【コメント=2017.12.30=伊藤 幸司】写真139でコメントしたように、紅葉しているのはクロマメノキではなくてウラシマツツジです。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。ウラシマツツジ、紅葉
【166】撮影:第2日08時57分=山咲 野の香
白木に赤いウラシマツツジのコントラストが美しい。背後の北岳に捧げられたオブジェ。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【167】撮影:第2日08時59分=伊藤 幸司
小仙丈ヶ岳と名の付いたピークがあるわけですから、外から見て明らかな突起となる登りが控えているはずです。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。小仙丈ヶ岳
【168】撮影:第2日09時00分=山咲 野の香
小仙丈ヶ岳に先客が見える。甲斐駒に向かい何を思う?

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。ウラシマツツジ
【169】撮影:第2日09時04分=稲葉 和平
全部のウラシマツツジがこのくらいに色付いていてくれたらよかったのにと思うが、それは無理な相談だ。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。小仙丈ヶ岳
【170】撮影:第2日09時05分=稲葉 和平
快晴とまではいかないが、青空に甲斐駒の白い岩肌が目立つ。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。小仙丈ヶ岳山頂、記念写真
【171】撮影:第2日09時23分=伊藤 幸司
快晴無風の小仙丈ヶ岳山頂。奥の甲斐・駒ヶ岳の標高2,967mに対してこちらは2,855m。20分、ダラダラと休憩しました。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。鳳凰三山
【172】撮影:第2日09時37分=伊藤 幸司
鳳凰三山がどんどん近づいてきます。オベリスクがはっきりと見えてきました。奥秩父(東アルプス)からだと向こう側の眺めになります。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。長衛小屋キャンプサイト
【173】撮影:第2日09時49分=伊藤 幸司
そろそろ樹林帯に入る辺りで長衛小屋(旧北沢駒仙小屋、その前は多分北沢長衛小屋)とテントサイトがうまく見下ろせる場所がありました。北沢峠のバス停から歩いて10分ほどのところですから、テントと贅沢な食料を持ってくるのも簡単です。風だって強く吹くことはないだろうし。水は足元にいくらでも。ただし、画面に見える車は一般車ではありません……が、北沢峠の山小屋は車で荷揚げができる環境にあるということはこれでわかります。その影響は食事に大きく影響してきます。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【174】撮影:第2日09時51分=伊藤 幸司
樹林帯に入ると、一気にガンガンガンと下ります。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。甲斐駒ヶ岳
【175】撮影:第2日09時54分=伊藤 幸司
木々の間から時々姿を見せる甲斐・駒ヶ岳の表情はドラマチックです。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。
【176】撮影:第2日09時57分=伊藤 幸司
ダブルストックで下るときにはストックを「3歩先」に突いて「大きな段差」を「スローモーション」で下ります。ストックを使うことで、スキーで急斜面に飛び込むときの「深い前傾姿勢」をつくらせてもらうのがコツのコツです。世の大方の登山リーダーの方、下りでスピードの落ちる女性メンバーにそういう指導をしてみてください。私は20年前に、時間の迫った最後の下りで「安全」と「スピード」を両方獲得するため、メンバー全員に約2万円の LEKI(当時はわざわざバラで売っていたりしましたね)を標準装備してもらいました。使い方は基本的にスキーストックと同じです。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。甲斐駒ヶ岳
【177】撮影:第2日10時06分=伊藤 幸司
じつは私は、この小仙丈尾根の下りで垣間見る北岳が好きなのです。なんだかお互いに呼び合っている感じがします。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。ベニテングダケ
【178】撮影:第2日11時04分=伊藤 幸司
色が赤くない個体ですが、ベニテングタケのようです。地色の赤が出てこない個体もあるようです。白いイボイボと白い柄が毒キノコのベニテングタケ、ヨーロッパで愛されていいる美味しいキノコのタマゴタケと区別する最終的な相違点だそうです。……といっても、白雪姫に出てきたりする童話の常連はこちら。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。キノコ
【179】撮影:第2日11時07分=稲葉 和平
歩きながら、絵にかいたようなキノコ、と思ってシャッターを切ったけど、なかなか思うようには撮れない。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。キノコ
【180】撮影:第2日11時18分=伊藤 幸司
南アルプスですから、こんなキノコだって登場します。

仙丈ヶ岳・小仙丈尾根ルート。北沢峠
【181】撮影:第2日11時26分=伊藤 幸司
北沢峠の公衆トイレの裏に降りていく感じです。

北沢峠。こもれび山荘
【182】撮影:第2日11時31分=伊藤 幸司
これが最近人気の山小屋・北沢峠こもれび山荘。昭和5年(1930)に竹沢長衛が建てた老舗の長衛荘が最近都会的な雰囲気の山小屋に変身ということで人気に。私たちはこの後、約1時間、この小屋のあったかい喫茶スペースで、遅れてくるメンバーのひとりの到着を待ちました。

北沢峠。トリカブト
【183】撮影:第2日11時36分=稲葉 和平
色鮮やかなトリカブト。こもれび山荘の前の花壇で。

北沢峠。シラビソ林
【184】撮影:第2日13時00分=伊藤 幸司
北沢峠のシラビソ(シラベ)林。バス道から見上げるだけでも堂々たる風格です。

北沢峠。ヤグルマソウ
【185】撮影:第2日13時15分=伊藤 幸司
上から見たときテントが並んでいた長衛小屋のあたりで北沢の谷筋に降りると、さっそくヤグルマソウ。壮年期を過ぎ、波乱の人生を語り始めているように見えます。

北沢峠。フジアザミ
【186】撮影:第2日13時19分=伊藤 幸司
南アルプススーパー林道沿いはフジアザミの名所だそうですが、それがここまで。

北沢峠。ハンゴンソウ、タカネコンギク?
【187】撮影:第2日13時19分=伊藤 幸司
黄色い花はハンゴンソウですね。葉っぱの切れ込みが独特です。白い野菊はわかりませんがタカネコンギクの白花のような気がします。

北沢峠。ハンゴンソウ
【188】撮影:第2日13時19分=伊藤 幸司
ハンゴンソウの花に蛾が止まっていました。

北沢峠。砂防ダム
【189】撮影:第2日13時30分=伊藤 幸司
これは比較的簡便に作られたと見える砂防ダム。日本中の山奥に、どうやって作ったのだろうと考えさせられる砂防施設が無数にあります。これなどは人力でも作れそうな、土留め、石積みの拡大バージョン。逆にレアな構造物のように思われました。

北沢峠。仙水小屋の夕食
【190】撮影:第2日16時34分=伊藤 幸司
仙水小屋の夕食。オヤジさんが命をかけて守っている刺し身ありの山小屋ご飯。以前、天気予報が台風の上陸を伝えていたとき、満員だったこの山小屋が突如私たちの専用貸し切り状態に。何十人分かの食事ももちろんキャンセル(ドタキャンもあったらしい)になったわけで、オヤジさんの顔を見られませんでした。

北沢峠。仙水小屋の夕食
【191】撮影:第2日16時34分=伊藤 幸司
この日は宿泊者全員が別棟になりましたが、さらに混んでくるとここにも布団を並べます。

北沢峠。仙水小屋の朝食
【192】撮影:第3日03時58分=伊藤 幸司
午前4時朝食。何故かというと、仙水峠で日の出を見る人の時間にセットされているのだそうです。

北沢峠。仙水小屋
【193】撮影:第3日03時58分=伊藤 幸司
この小屋にはいい絵がいっぱいかかっていました。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠の日の出
【194】撮影:第3日05時14分=伊藤 幸司
この日(9月21日)の山梨県(県庁所在地)での日の出は5時33分、山の朝、空は日の出の30分前からドラマチックになります。高い交通費と宿泊費を払って山に来たときには、見逃せないスペシシャル・イベントです。
私たちはまだ、仙水峠の手前の露岩地帯を登っています。見上げる空に明るさが溶け込んできました。「暁」から「曙」へと動いていく時間帯のようです。もちろんここでヘッドライトをつけていると、この空は見えません。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠の日の出
【195】撮影:第3日05時26分=小林 美子
仙水小屋を出発して、日の出に間に合いました。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠の日の出
【196】撮影:第3日05時28分=伊藤 幸司
日の出が近づいてきました。太陽の出る位置がおおよそわかります。そこの雲の状況によって、どんな日の出になるか、ハラハラ・ドキドキの瞬間です。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠の日の出
【197】撮影:第3日05時28分=伊藤 幸司
デジタルカメラで撮ると日の出前とはとても思えないのですが、日の出が見られる状態なら、甲斐駒と摩利支天にほのかな赤みが入ってくる……にちがいないかとも思います。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠の日の出
【198】撮影:第3日05時29分=伊藤 幸司
太陽が出ました。金峰山から下ったあたりですかね。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠の日の出
【199】撮影:第3日05時29分=伊藤 幸司
日の出を撮るときには、望遠系で決めたフレーミングの後、広角レンズにして「空は成り行き」というふうに撮っておきます。写真的にいいとか悪いとかではなくて、この日の日の出の瞬間の「空」の記録として。こう見ると、やはり金峰山から下ったあたりから出たようですね。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠の日の出
【200】撮影:第3日05時31分=伊藤 幸司
この日の5時28分から31分までの写真を並べて見ると、空の色がいろいろ違います。見ていたときの空の色とも違います。腹立たしい人もいるかもしれませんが、カメラがこう撮ってくれてしまったのだからしょうがない、本当はこんなだったかもしれない、というのが私の正直なところ。カメラにおまかせしています。
(ただし、空を明るめにするか、暗めにするかは撮影直前にフレームをずらして明るさ重視か、暗さ重視へとシフトしながらシャッターを半押しにして、最後に撮りたい画面にしていますから、正確にはカメラ任せではありません。後でうまくいった、と思う写真を選んでいます)

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。朝日
【201】撮影:第3日05時43分=伊藤 幸司
太陽が上ると、たちまちその光を熱として感じます。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。鳳凰三山のオベリスク
【202】撮影:第3日06時00分=伊藤 幸司
駒津峰へと急登する道、振り返ると鳳凰三山のオベリスクがくっきりと見えていました。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。摩利支天
【203】撮影:第3日06時08分=山咲 野の香
「ほら見て、真っ白な摩利支天!」と彼女が言ったかどうか…

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。摩利支天
【204】撮影:第3日06時28分=山咲 野の香
絶好の天気。甲斐駒の勇姿を前に言うことなし。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。富士山遠望
【205】撮影:第3日06時37分=山咲 野の香
富士山頂が遠慮がちに。ひざ、かがめてる?

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。早川尾根と鳳凰三山と富士山
【206】撮影:第3日06時37分=山咲 野の香
実際にはこうでも、富士の気配は見逃しません。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。鳳凰三山と富士山
【207】撮影:第3日06時38分=小林 美子
富士山が、低く見えます
頭だけ、出して・・

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。北岳
【208】撮影:第3日06時43分=伊藤 幸司
鳳凰三山からレンズをちょっと右に振ると、仙水峠から向こう側に登って鳳凰三山へと続く早川尾根。まずは栗沢山へと登り、その先にアサヨ峰と続きます。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。
【209】撮影:第3日06時48分=伊藤 幸司
駒津峰がどんどん近づいてくるという最後の頑張り。大きな段差をダブルストックで後ろから押し上げて、エイ! ヤ! というような大きな力を「絶対に使わない」という歩き方が必要です。私たちはあくまでも「平地を時速4㎞で歩く」エネルギー以上は「使わない」という覚悟で登りたいのです。ですから急ぎません。その代わりやたらに休むような歩き方もしません。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。鳳凰三山と富士山
【210】撮影:第3日06時55分=伊藤 幸司
振り返ると富士山が鳳凰三山をかすめて顔を出てきました。この調子なら甲斐・駒ヶ岳の山頂まで、富士山との対話を存分に楽しめそうです。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。鳳凰三山と富士山
【211】撮影:第3日07時00分=伊藤 幸司
右端に鳳凰三山と富士山が見えますから、その向こうは甲府盆地。奥の稜線は富士山の手前を左に伸びる稜線ですから、御坂山地。さらにその左はよくわかりませんんが、丹沢山地やら奥多摩山地やら、というふうに思われます。その手前に左側から右へと下っている尾根の先端部分に甲府の中心街があるのだろうと思います。左側の大きな山体は摩利支天になります。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。鳳凰三山と富士山
【212】撮影:第3日07時00分=山咲 野の香
鳳凰三山、オベリスクも見えました。富士山、かがんでませんでした。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。仙丈ヶ岳遠望
【213】撮影:第3日07時00分=山咲 野の香
「南アルプスの女王」という形容がふさわしい姿。素晴らしい!

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。
【214】撮影:第3日07時01分=山咲 野の香
秋の雲です。最高の気分で登っています。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。仙丈ヶ岳
【215】撮影:第3日07時02分=伊藤 幸司
仙丈ヶ岳を見ています。右側の藪沢を一昨日登って行きました。薮沢カールは左に大きく見える小仙丈沢カールの陰に隠れていますが、一番高く見えるのが山頂です。昨日はその山頂から小仙丈沢カールの縁をたどり、小仙丈ヶ岳を経て、白い道すじの見える尾根道を下りました。

甲斐駒ヶ岳。仙水峠から駒津峰。
【216】撮影:第3日07時05分=伊藤 幸司
これを登りきれば駒津峰です。

甲斐駒ヶ岳。駒津峰から甲斐駒ヶ岳。
【217】撮影:第3日07時13分=伊藤 幸司
駒津峰の山頂です。ここで10分休憩しました。とりあえず脱力して、新たな気分で次のステップへと進みたいというところ。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。槍ヶ岳と穂高連峰
【218】撮影:第3日07時13分=山咲 野の香
北アルプスを撮っています。肉眼でも槍が見えました。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。鳳凰三山と富士山
【219】撮影:第3日07時14分=小林 美子
富士山とオベリスク

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。鳳凰三山と富士山
【220】撮影:第3日07時14分=山咲 野の香
オベリスクは左端。山影と富士と雲の濃淡に魅かれて。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。槍ヶ岳と穂高連峰
【221】撮影:第3日07時16分=伊藤 幸司
稜線の向こう側には、穂高〜槍の稜線がきれいに見えていました。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。鳳凰三山と富士山
【222】撮影:第3日07時17分=稲葉 和平
富士山と甲府の街を背景に美しく広がる鳳凰三山のシルエット。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。北岳と塩見岳
【223】撮影:第3日07時18分=伊藤 幸司
いま登ってきた方向を振り返っています。写真中央の奥にいまひとつ空に抜け出ることのできない丸みのある山頂が塩見岳。その向こうにそびえているのは赤石岳の山域です。塩見岳から左手に戻ってくると間ノ岳から北岳になります。写真右側には仙丈ヶ岳が隠れています。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。中央アルプス・千畳敷カール、木曽駒ヶ岳
【224】撮影:第3日07時20分=伊藤 幸司
中央アルプスの千畳敷カールです。そこにそびえているのが宝剣岳、右手に最高峰の木曽・駒ヶ岳があります。長野県民はそれを西岳、甲斐・駒ヶ岳も長野県の山でもあるので、東岳と読んで、東西2つの駒ヶ岳というふうに主張しています。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。御嶽山遠望
【225】撮影:第3日07時20分=伊藤 幸司
木曽の御嶽山です。独立峰で標高3,067mですから、大きな山です。そのわりに簡単に登れるので、私たちもずいぶん楽しませてもらいました、が。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。穂高連峰
【226】撮影:第3日07時21分=伊藤 幸司
これは穂高連峰です。一番高く見えるところが最高峰の奥穂高岳。左側にちょこん、ちょこんと立っている岩峰が有名なジャンダルムとロバの耳です。そこから左にガクンと下がったところに西穂高岳があります。奥穂高岳から右に下ったところに穂高岳山荘があり、そこから登り返すと涸沢岳となります。写真が切れていますが、もうひとつ登り返すと北穂高岳になります。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。槍ヶ岳
【227】撮影:第3日07時21分=伊藤 幸司
もう一度、槍ヶ岳をクローズアップしてみました。槍沢カールがこちら側に広がっています。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。ヤマハハコ
【228】撮影:第3日07時27分=伊藤 幸司
駒津峰から下り始めたところにヤマハハコがありました。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。
【229】撮影:第3日07時28分=伊藤 幸司
この稜線、一度下って登り返しますが、前方に白っぽく見える登山者のいるあたりは六方石のある本当の鞍部まではまだまだです。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。
【230】撮影:第3日07時34分=伊藤 幸司
緑に覆われているので遠目にはわかりませんが、岩の縦走路です。足元まで灌木が茂っているので、恐怖感はあまりありません、が。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。
【231】撮影:第3日07時43分=山咲 野の香
さすが、高いんです。そして、美男子系。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。
【232】撮影:第3日07時46分=伊藤 幸司
さてさて、どんなところへ引きずり込まれていくのか、という眺めです。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。
【233】撮影:第3日07時49分=伊藤 幸司
望遠レンズで撮っていますが、甲斐・駒ヶ岳の白い本体にさしかかると、道は右に大回りしていきます。直登ルートもあるのですが、私たちは当然、この迂回ルートです。あとで、駒津峰まで戻ってそこから北沢峠まで下る道にけっこう時間がかかるので、疲れが下山時間にかかわらないよう、これからの登りにあまり無駄な力を使いたくない、というのがリーダーの感覚です。ゆっくり、のんびり行きたいのです。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。鳳凰三山と富士山
【234】撮影:第3日07時58分=伊藤 幸司
富士山と鳳凰三山の重なり具合がかなり大きく動き出しました。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。六方石
【235】撮影:第3日08時00分=伊藤 幸司
ここが駒津峰と甲斐・駒ヶ岳の鞍部となる六方石。正面の道をそのまま登り詰めると山頂です。迂回路はどこからか、右手に抜け出ていくはずです。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。六方石
【236】撮影:第3日08時02分=伊藤 幸司
六方石(ろっぽうせき)の名はこの大岩が六方体だからだそうです。ここが駒津峰と甲斐・駒ヶ岳の最低鞍部になります。もちろんここで大休止です。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。
【237】撮影:第3日08時06分=山咲 野の香
かつて六方石裏からのこの展望の下、何したって⁉︎
10年近くたってもその爽快感と感動は忘れられません。再訪の喜びを噛みしめつつ。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。鳳凰三山と富士山
【238】撮影:第3日08時07分=山咲 野の香
富士山、鳳凰三山、シルエットが美しい。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。
【239】撮影:第3日08時16分=伊藤 幸司
甲斐・駒ヶ岳の白い山体にとりつくまでに、まだもうすこし大岩の道を進みます。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。ダブルストックの使い方
【240】撮影:第3日08時18分=伊藤 幸司
この手の下りが日帰りの山では難所の範疇ですが、ダブルストックだと気持ちいい道になります。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。六方石を振り返る
【241】撮影:第3日08時25分=伊藤 幸司
後ろに六方石が見えています。背景には伊那谷があって、中央アルプスがあって、御嶽山があります。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。花崗岩の道
【242】撮影:第3日08時29分=伊藤 幸司
岩の迷宮みたいな道。楽しいです。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。花崗岩の道
【243】撮影:第3日08時31分=伊藤 幸司
なんだか、獅子が3頭、あるいはトドかアザラシ、というので撮りましたが、遠景に富士山があったから。もうちょっとドラマチックな絵にできればよかったけれど。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。中央アルプスと御嶽山遠望
【244】撮影:第3日08時33分=山咲 野の香
遠く秋空の下、御嶽山も見えました。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。摩利支天と鳳凰三山と富士山
【245】撮影:第3日08時36分=山咲 野の香
富士山、先端でも見逃しません。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。鳳凰三山と富士山
【246】撮影:第3日08時36分=山咲 野の香
ちら見えでも、富士は不二。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。摩利支天への道
【247】撮影:第3日08時39分=伊藤 幸司
写真左側の標識のところから、摩利支天への道草です。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。花崗岩の道
【248】撮影:第3日08時40分=山咲 野の香
見上げればうろこ雲と天を歩くかのような登山者。
見とれていたい光景。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。花崗岩の道
【249】撮影:第3日08時41分=伊藤 幸司
谷底の道を行くか、尾根上の道を行くか、というほどの選択肢ではありませんが。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。摩利支天への寄り道
【250】撮影:第3日08時49分=小林 美子
えっ! ここを
下りてきたぁ?
いえ、違います、でも
この青い空いいでしょ!
このやまの厳しさもわかるでしょ!

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。
【251】撮影:第3日08時53分=山咲 野の香
眼下には、実りの秋の田畑が見えました。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。摩利支天の山頂
【252】撮影:第3日08時54分=伊藤 幸司
摩利支天の山頂。富士山がなかなか主役の座を勝ち取れません。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。摩利支天山頂
【253】撮影:第3日08時56分=伊藤 幸司
私たちは裏側から山頂に上ったようです。それが正しかったのですが、以前はこちら側から登ったように記憶しています。どうしてだろう?

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。摩利支天山頂
【254】撮影:第3日08時57分=山咲 野の香
初、摩利支天山頂。
視線の先の富士は、鳳凰三山をいだくかのよう。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。摩利支天山頂
【255】撮影:第3日08時58分=山咲 野の香
大きな声で言えませんが、摩利支天という最高の場所で、富士に向かって…こちらはお尻が見た風景。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。摩利支天山頂から鳳凰三山と富士山
【256】撮影:第3日09時00分=小林 美子
やはり富士山 は
きれいです。裾の方まで
見えます。
手前にオベリスク
なかなか、こんな風景
は見られない。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。摩利支天山頂から仙丈ヶ岳
【257】撮影:第3日09時04分=稲葉 和平
北沢峠をはさんで仙丈ケ岳の堂々たる雄姿。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。摩利支天山頂で記念写真
【258】撮影:第3日09時17分=伊藤 幸司
摩利支天の山頂です。後ろに甲斐・駒ヶ岳の山頂がダブっています。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。山頂から下る旧道
【259】撮影:第3日09時25分=伊藤 幸司
以前はこちらが本道だったはず、という道を下りました。

駒津峰から甲斐駒ヶ岳。山頂直下からの鳳凰三山と富士山
【260】撮影:第3日09時48分=伊藤 幸司
甲斐・駒ヶ岳の山頂を眼下に見るあたりまで上ると、富士山がぐんぐん高度を上げてきました。

甲斐駒ヶ岳。山頂の社
【261】撮影:第3日10時15分=伊藤 幸司
甲斐・駒ヶ岳山頂の社。ほかではなかなか見られない堂々たる存在感です。

甲斐駒ヶ岳。山頂からの鳳凰三山と富士山
【262】撮影:第3日10時17分=伊藤 幸司
甲斐・駒ヶ岳山頂で、富士山はこの日始めて主役の座に上がったという感じ。鳳凰三山も左の地蔵岳(オベリスクがある)、中央の観音岳が最高峰、右側に尖っているのが薬師岳。完璧な重なりぐあいというふうに感じます。

甲斐駒ヶ岳。山頂からの鳳凰三山と富士山
【263】撮影:第3日10時18分=山咲 野の香
甲斐駒ケ岳山頂から。
鳳凰三山の上にすそを現した富士山。

甲斐駒ヶ岳。山頂からの鳳凰三山と富士山
【264】撮影:第3日10時18分=山咲 野の香
望遠でもう一度。いだく感じからさすが、見おろす感じに。

甲斐駒ヶ岳。山頂からの北岳と間ノ岳
【265】撮影:第3日10時18分=山咲 野の香
稜線がくねって北岳が雄々しく見えました。三角錐の山容がよくわかる、さすが盟主の風格。

甲斐駒ヶ岳。山頂からの仙丈ヶ岳
【266】撮影:第3日10時18分=山咲 野の香
仙丈ヶ岳。昨日はあちらから見てました。感無量。

甲斐駒ヶ岳。山頂からの八ヶ岳
【267】撮影:第3日10時19分=山咲 野の香
八ヶ岳もはじからはじまで、一望。

甲斐駒ヶ岳。山頂からの八ヶ岳
【268】撮影:第3日10時21分=小林 美子
こちら側は
八ヶ岳

甲斐駒ヶ岳。山頂からの摩利支天と鳳凰三山と富士山
【269】撮影:第3日10時22分=稲葉 和平
遠くに霞んでいても、やはり富士が主役だ。

甲斐駒ヶ岳。山頂からの北岳と間ノ岳と塩見岳と赤石岳方面
【270】撮影:第3日10時24分=伊藤 幸司
何故かわかりませんが、塩見岳が高くそびえて、背後の荒川岳+赤石岳より存在感を増しました。白根三山は左から北岳、間ノ岳が並んでいますが、ひょっとすると間ノ岳の右にちょこんと出ている三角が農鳥岳かもしれません。ここは標高2,966mに過ぎませんが、見えている主要な山はみんな、みんな、3,000m峰です。

甲斐駒ヶ岳。山頂からの八ヶ岳
【271】撮影:第3日10時25分=伊藤 幸司
これは八ヶ岳でしょう。南側から見ていますから、あまり特徴的ではありません。

甲斐駒ヶ岳。山頂風景
【272】撮影:第3日10時25分=伊藤 幸司
快晴・無風の山頂休憩。富士山だって見えていて最高の状況なのでできれば「昼寝休憩」にしたいところですが、今日中に東京に戻るには、のんびりとはできません。焦ると下山路でのトラブルがこわいので、10分休憩を5分延長して名残を惜しみました。
もっとも、私たちは昼食休憩というのをとらず、10分休憩でエネルギー補給、5分休憩で水分補給としているので、合計15分でも休憩の大盤振るまいということになります。でも山頂のこのときの条件はできれば1時間ほどの長〜い自由時間にでもしたい価値がありました。

甲斐駒ヶ岳。山頂での記念写真
【273】撮影:第3日10時34分=伊藤 幸司
富士山と北岳、日本のナンバーワン、ナンバーツーの高峰を主役にした記念写真。

甲斐駒ヶ岳。山頂での記念写真
【274】撮影:第3日10時35分=伊藤 幸司
ギンギラギンの陽光の中での記念写真。

甲斐駒ヶ岳から駒津峰。花崗岩の下り
【275】撮影:第3日10時46分=伊藤 幸司
自然が作ったのか、人が作ったのか、甲斐・駒ヶ岳ならではの登山道です。

甲斐駒ヶ岳から駒津峰。六方岩と中央アルプス
【276】撮影:第3日11時00分=伊藤 幸司
六方石が眼前に出てきました。背後の山は中央アルプス。右側の高まりが木曽・駒ヶ岳のあたり、左側の高まりが空木岳のあたり。右端に切られているのが木曽の御嶽山です。

甲斐駒ヶ岳から駒津峰。
【277】撮影:第3日11時48分=伊藤 幸司
私たちのメンバーを(最近めずらしい先頭から)振り返って撮っています。

甲斐駒ヶ岳から駒津峰。駒津峰山頂
【278】撮影:第3日11時57分=伊藤 幸司
駒津峰へと戻ってきました。

駒津峰から北沢峠。仙丈ヶ岳に向かって下る
【279】撮影:第3日12時01分=伊藤 幸司
まずは仙丈ヶ岳に向かって下ります。

駒津峰から北沢峠。振り返る甲斐駒ヶ岳
【280】撮影:第3日12時05分=山咲 野の香

駒津峰から北沢峠。双児山から樹林帯へ
【281】撮影:第3日12時47分=伊藤 幸司
双児山から一気に下りにかかります。北沢峠へと一直線という感じです。

駒津峰から北沢峠。樹林帯の長い下り
【282】撮影:第3日13時37分=伊藤 幸司
樹林帯に入ると、同じような道がえんえんと続きました。

〓〓
【283】撮影:第3日18時12分=山咲 野の香
バスの窓から何を撮ったかって? 甲斐駒ヶ岳に別れをつげたのでした。



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