山旅図鑑 no.251
大日岳
2019.7.17-18

山旅図鑑目次

写真アルバム(時系列速報)目次


糸の会(no.1151)
2019.7.17-18
大日岳
77パワー

1日目……稜線34p
2日目……下り43p

*大日岳は立山連山の奥座敷みたいなもので、標高約2,400mの室堂平から歩き始めるとコンパクトな1泊登山にまとめられるのではないかと考えたのがまちがいでした。見た目の標高差は小さいのですが大日岳連山を手前から奥まで縦走するのにけっこう時間がかかることから、室堂をできるだけ早く出る必要があり、夜行バスか前泊という計画になりました。
*でも東京を出た日に、逆ルートで大日平山荘に泊まって、翌日大日岳連山を縦走して室堂に出て、富山に下ると、新幹線の最終までに、時間をかなりやりくりできるという感じはするのですが、室堂から富山方面に下るにせよ、長野方面に出るにせよ、最終バスが16時台〜17時台(時期によって変わります)なので、糸の会のスピードでは予備の時間がとれず、ちょっとしたトラブルでも室堂で1泊ということになりそうです。それなら最初から2泊目を劔午前小屋にして、立山三山も縦走して室堂に降りるという計画にしたほうが充実しそうです。それなら逆方向もありかな、と思います。展望の山旅としては一級品になりそうです。
*このルートはトレラン(トレイルランニング)に人気のようで、私たちも1日目に女性ランナーとすれ違いましたが、称名滝の駐車場(06時オープン)に車を置いて、その日のうちに車まで戻るというランナーも多いようです。(1日目の11時18分の写真のところであるトレイルランナーのコースタイムを載せました)
*伊藤のキャプションは最終的に8月の小屋泊まり「燕〜常念〜蝶」の後で書いた部分もあることから、糸の会の北アルプス縦走路での速度に関する係数を「8バワー/時」から「6パワー/時」に変更しなければならないというここ数年の課題をいよいよ確信のものとして書いている部分があります。北アルプスの登山道は、首都圏のそれと比べると構造的にハードなのです。それについてはいずれ山旅図鑑の「no.255 燕〜常念〜蝶」でくわしく書きたいと思っています。

第1日(8月17日)
・夜行バス組は0630富山駅前→0900室堂の直行バスに乗車。
0850……室堂バスターミナルを出発(標高約2,450m)
0930-35……雷鳥荘で全員集合して出発(標高約2,400m)
1030‐40……新室堂乗越で休憩(標高約2,350m)
1150-1205……休憩(標高約2,500m)
1300-20……奥大日岳山頂(標高=2,606m)
1415-20……休憩(標高約2,450m)
1445-50……休憩(標高約2,450m)
1520……七福園を通過(標高約2,500m)
1540……大日小屋に到着(標高約2,450m)
1550……荷物をおいて大日小屋を出発(標高約2,450m)
1625……大日岳山頂(標高=2,501m)
1645……大日小屋に到着(標高約2,450m)
第2日(8月18日)

0610……大日小屋を出発(標高約2,450m)11度C
0640−45……衣類調節休憩(標高約2,300m)
1010……虫除けスプレー(標高約2,150m)
0800−05……休憩(標高約1,900m)
0830−0905……大日平山荘で休憩(標高約1,750m)
*計画書の地図では1,550m〜1,400mの4つの丸印が抜けていました。したがって4パワー追加修正です。
1000……「牛ヶ首」標識を通過(標高約1,500m)
1020−25……猿の馬場で休憩(標高約1,350m)21度C
1000……「牛ヶ首」標識を通過(標高約1,500m)
1110……登山口(標高約1,050m)
1120−1210……称名滝展望台(標高約1,100m)20度Cで涼しい
1240−1305……称名滝バス停(標高約1,100m)

今回の写真出展メンバー(提出順)は4人です。
秋田 守、野老 和子、若井 康彦、伊藤 幸司

*速報写真が「粗選び」だとすれば、この「山旅図鑑」にはキャプションが添えられた「最終的セレクト」の写真のみ(順次)掲載させていただきます。
*キャプションはタイトルではありません。文字数自由(できれば40字以上、数百字でも。一律200字と決めている方もあります)としているのは、写真と撮影者との関係を軸にした自由な「フォトエッセイ」を理想と考えているからです。
*また撮影者以外のかたの自由なコメントも順次掲載させていただきます。その場合はWeb画面で取り出した写真に文章(と氏名)を加えて、メールでお送りください。どなたからのものでもありがたく掲載させていただきます(若干の編集作業を加える場合がありますから、問題があればお知らせください)。


山旅図鑑 no.251
大日岳
2018.7.17-18



■集合前日──秋田 守

大日岳登山、
【撮影】集合前日 09時56分=秋田 守
7月16日、自宅を出た時は雨。室堂のこれからの天気予報は曇りと雨。ずっと雨降りの予報ならキャンセルしようと思ったが、こういうのが一番悩ましい。降られる覚悟で出かけることにしたが、靴はゴローの革靴。雨の時は頼りになる。先に山の上へ行ってる若井さんに上野駅からラインしたら、青空の弥陀ヶ原の写真が返ってきた。これはいい。北陸新幹線、長野駅手前まで来たら、青空。一瞬喜んだが、日本海側へ出たら車窓は真っ白に。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 10時55分=秋田 守
富山駅で新幹線から富山地鉄へ乗り換え。改札を出た所にマス寿司の売り場があるが、行列が出来ていた。乗り換え時間が短いので残念ながらパス。富山地鉄の切符売り場で、アホなことに翌日弥陀ヶ原からバスに乗るものと勘違いして、それなら室堂往復の方が安いですよと係の人に言われて往復チケットを買ってしまった。ロングシートの電車に乗り込むと、今夜室堂で同じように前泊される糸の会女性陣の皆様が既に座っておられた。早ッ。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 11時15分=秋田 守
富山地鉄の途中駅は昔ながらの木造駅舎が多く、思わず見とれてしまった。寺田駅は、宇奈月方面へ向かう本線と立山線に分岐する駅。古びた瓦屋根やホームを覆う屋根を突き抜ける電柱、大きくカーブするホームなど、途中下車したくなるほど魅力的だった。沿線には田圃が多く、しっとり緑色に染まって美しい。これだけ雨が続くと水不足の心配はないだろうが、日照不足で稲穂が十分に実るのだろうかなどと余計な心配をしてしまった。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 12時14分=秋田 守
立山駅でケーブルカーに乗り換え。富山駅で立山12時20分発の指定を受けている。明日の昼飯のおにぎりを買おうと売店で訊いたら、ここにはないけど、近くにお店があると教えられて出向いたが、賞味期限本日中と厳しく店の人に言われて断念。結局、あんパンをひとつ買っただけ。あとは、当面の腹を満たそうと、食堂で野沢菜のおやきを買ってぱくついた。待合所のテレビ画面に室堂などのライブ中継が流れていた。雨は降ってなさそうだ。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 12時40分=秋田 守
ケーブルカーの終点美女平で、今度はバスに乗り換え。3連休明けの平日とあって乗客は十数名ぐらいと少なかったが、夏休みは今でも大混雑するのだろうか。40年以上昔、JTB入社当時は、夏はTK(立山黒部アルペン)ルートに社員が斡旋のため何名も交代で常駐するほどお客さんが多かった。今は日本人でなく中国の人が大勢来るようだが。バスが発車すると、あたりは小雨に煙って一面真っ白だった。本当に上の方は降ってないのかなあ。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 13時32分=秋田 守
バスが弥陀ヶ原にさしかかると雲の上に抜けた感じで明るくなった。室堂ターミナルには定刻の13時30分到着。バスを降りて、糸の会の女性陣の皆様とはいったんお別れ。宿は同じ雷鳥荘なので、また後ほど。ターミナル内の立ち食い蕎麦屋が目に入ったので、山菜蕎麦を食べることにした。蕎麦の上には、今時は珍しくなったような気がするナルトが載っていて、しかも立山の文字が入ってる。ふふふ。お客の半分ほどは中国の人ではないか。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 13時44分=秋田 守
室堂ターミナルから外へ出ると、幸いなことに雨は降っていなかった。思ったほど寒くもない。ありがたいな。目を上げれば、なんと雄山山頂まで見えるではないか。8年前、会社の後輩達と雄山に登ったが、天気が悪く、大汝山まで行っても何も見えなかったことを思い出す。実はその時も雷鳥荘に泊まった。だから本当は今回はみくりが池温泉の方に泊まってみたかったのだが、調べたらあいにく満室だった。こればっかりはしょうがない。

大日岳登山、チングルマ
【撮影】集合前日 13時46分=秋田 守
今回は雨だし、明日からの行程ではじっくり写真を撮る暇もないだろうと一眼レフデジタルカメラは持ってこなかった。オリンパスのコンデジTG-4、1台のみ。あとはiPhoneに頑張ってもらうつもり。小さくても、まあこうしてマクロ撮影も一応はできるのでよしとしよう。室堂周辺には、チングルマの他にはコイワカガミがたくさん咲いていた。さあ明日からはどんな花に出会えるのか、楽しみだなあ。珍しい希少な花はあまりないはずだけど。

大日岳登山、みくりが池
【撮影】集合前日 13時49分=秋田 守
みくりが池の周囲はびっしり雪で覆われていた。お、やっぱり寒いんだなと当たり前のことを実感。立山連峰の山頂部分は雲がかかって、池に逆さ立山が映ることはない。向こうから、いかにも高そうな大口径のレンズを付けた一眼デジカメをぶら下げたご高齢の3人組がやってきた。うち2人は女性。カメラ教室にでも通ってるのかしら。みくりが池温泉に入っていこうかと一瞬思ったが、天気がどう変わるか分からないので先を急ぐことに。

大日岳登山、火山情報ステーション
【撮影】集合前日 13時57分=秋田 守
みくりが池から少し登ると、火山情報ステーション。このあたりまで来ると、硫黄の臭いがする。道端には黄色と赤のランプが付いた標柱が立っていて、火山ガスが一定の濃度を超えると警報を発するようになっている。その際は水で濡らしたタオルを口に当てて注意して通行するようにとある。と、ここらで雨が降り始めた。ステーションの軒を借り、ザックカバーをして、折りたたみ傘を取り出した。その後、大きな雨粒が激しく落ちてきた。

大日岳登山、雷鳥荘
【撮影】集合前日 14時03分=秋田 守
雨支度をして歩き始めると、U字カーブの先に雷鳥荘が見えてきた。この写真を撮った時はまださほど雨脚が強くはなかったのだろう。この直後に土砂降りになり、小さな折りたたみ傘では上半身下半身が濡れるのを防ぎきれなかったほど。わずかな距離しかなかったから助かったが、あっという間に天気が変わるから怖い。転がり込むようにして雷鳥荘に着いた。チェックインすると、お連れ様がもう先にいらっしゃっています、とのこと。

大日岳登山、雷鳥荘
【撮影】集合前日 14時33分=秋田 守
若井さんはみくりが池温泉で一風呂浴びて、ぼくが着くのを待っていたそうだ。iPhoneを見れば、ラインが入っていた。気が付かなかった。雷鳥荘は大部屋で予約した。フロント近くの203号室がぼくたちの部屋。2段ベッドが左右に4台。相客は何人いるのか。もう利用できるようだから早速風呂へ。誰もいない。失礼して写真をパチリ。奥にあるのが展望温泉。窓の外は地獄谷。掛け流しのお湯は熱過ぎず、いいお湯。2人でのんびり浸かった。

大日岳登山、立山連峰
【撮影】集合前日 15時37分=秋田 守
風呂上がりは喫茶室外のテラスで生ビールジョッキで乾杯。8年前と全く同じ行動パターン。成長していない。でもこれだけは死ぬまで変わらない、きっと。まだ15時過ぎ。いやあ旨い。若井さんから昨晩の富山の話を聞く。本当は一緒に飲もうと誘われていたのだが、3連休前に加計呂麻島から帰ったばかりだったので自重してお断りした。と、目の前の風景が激変。雲が消えて立山連峰が青空と入道雲を背景に凛々しく聳え立っていた。大感動。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 17時09分=秋田 守
生ビールの後は談話室に席を移し、持参した日本酒、ぼくが大好きな徳島県の旭若松を呑む。29BY雄町純米。この年は甘く仕上がったと蔵元が語っていたが、旭若松らしい旨味十分の濃醇な酒。談話室の壁には立山曼荼羅を描いた作品が掛かっている。本物の曼荼羅は立山博物館にある。未見。一度観に行かねば。ここのは現代の画家が描いたのだろうが、なんともいい味を出していた。座り心地のいい椅子といい、すっかり談話室が気に入った。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 18時04分=秋田 守
夕食は18時から1階の食堂で。席は部屋単位に割り振られていたので、残念ながら同宿の糸の会の皆さんとは別々の席だった。若井さんと差し向かいで、グラス赤ワインを呑みながら。8年前も山小屋にしては上等な食事だと思ったが、今回もなかなかよかった。串カツが嬉しい。焼き魚もいいし、小鉢も酒飲みにはたまらない。陶板焼きもエスニック風で気が利いていたし。カレーだけという山小屋もある中では頑張っている方だと思うけど。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 19時00分=秋田 守
談話室に置かれていた雄山山頂の峰本社遷宮の様子を記録した写真集。1996年7月、136年ぶりに社殿の建て替えが行われた。資材は室堂から担ぎ上げたり、モノによってはヘリコプターで上げたりしたようだ。いわゆる「遷宮」は夜に行われるが、高い山の上のため日中に行われ、100名あまりの遷宮行列によってご神体を仮社殿から新社殿へ移したと、当時の地元新聞記事に出ていた。宮司の衣装で標高3000mを歩く訳だからさぞ大変だったに違いない。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 20時15分=秋田 守
雷鳥荘の大部屋内部。ぼくと若井さんは入口寄りの下段ベッドを使用した。枕元に読書用の明かりもあり、快適なスペースだった。結局、この日、他にはひとり年配の相客がいるのみ。神戸から車で2週間ほど山登りに来ていると言う。安曇野の道の駅を拠点に、北アルプスや尾瀬にまで足を伸ばし、最後に立山に来た。昨日室堂から立山連峰を登って、今夜は雷鳥荘。明日早めに出て大日岳を越して大日平小屋に泊まる予定とのこと。健脚だなあ。



■集合前日──若井 康彦

大日岳登山、弥陀ヶ原
【撮影】集合前日 08時40分=若井 康彦
青空に惹かれ、弥陀ヶ原にて室堂直通バスを途中下車。アルペンルートを一歩外れればたちまち静寂が広がる。

大日岳登山、弥陀ヶ原
【撮影】集合前日 08時59分=若井 康彦
立山火山の吐き出した火砕流の舌の先、弥陀ヶ原はかつての立山詣の結界一丁目、還ることのない歩みを進めた行者もいたと言います。谷を越え、池塘と花々を縫い、三枚重なる舌を一枚、一枚踏んで行く。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 09時17分=若井 康彦
三枚重ねの火砕流1段と2段の際、獅子ヶ鼻岩を鎖場で攀じ登る。底を流れる一ノ谷は弥陀ヶ原を刻み、まもなく不動滝となって称名渓谷に合流します。

大日岳登山、大日連峰
【撮影】集合前日 10時29分=若井 康彦
左手には、やがて大日連峰の長大な壁が見えてきます。室堂へ、そしてまだ望むことのできない立山への道標に沿っていく。明日からの天空、展望縦走路。

大日岳登山、立山連峰
【撮影】集合前日 13時38分=若井 康彦
この独特で魅力的な絶景はどのようにしてできたのか? 尽きぬ疑問です。立山連峰の主稜はやはりミカゲの壁なんですね。一の越から雄山の上りは四角い岩ばかりでした (ちなみに剱岳はさらに硬い閃緑岩の鋼を纏っているとか ) 。

大日岳登山、
【撮影】集合前日 15時37分=若井 康彦
標高2,500mの室堂あたりから下が火山体の成れの果てで、今も硫黄谷あたりはいつ水蒸気爆発くらいあっても不思議ではないとか。それにしてもこの絶景、この温泉、何者にも替え難し。上は百万年、下は10万年のオーダー。雷鳥荘テラスから仰ぐ立山連峰。



■1日目・前泊組

大日岳登山、
【撮影】1日目・前泊組 05時17分=秋田 守
5時過ぎに起きて、小屋の前に出てみると、すっかり夜が明けていた。そろそろ別山のあたりから日が昇りそうな気配だった。その左には劔御前小屋が見える。あそこに泊まった人もいるんだろうな。ぼく自身が泊まりに行くことは今後もなさそうに思うけど。いずれにせよ、とりあえずお天気は良さそうなので良かった。まずは天気予報通りで一安心。今日1日、大日小屋までは雨が降らずになんとか持ち堪えてほしい。ただひたすら祈るのみ。

大日岳登山、
【撮影】1日目・前泊組 05時34分=秋田 守
小屋の前で、今度は正面からぐっと左手、すなわち北西方面に目をやれば、今日通っていく奥大日岳が朝日を浴びていた。そこへと続く稜線の登山道はここから見る限り、さほどきつくはなさそうだけど。どんな花が待っていてくれるのか楽しみ。雪はそれなりに随所に残っていそうな感じ。念のため軽アイゼンは持参してきている。本当に「軽」で、ゴムバンドではめる簡易なヤツだが、白馬の大雪渓もこれで登ったはずだから十分でしょう。

大日岳登山、
【撮影】1日目・前泊組 06時22分=秋田 守
雷鳥荘の朝ご飯はバイキング形式だった。これまた山小屋とは思えない。後で、とある人からあそこは旅館だから、と言われたが、本当だね。おかげさまで野菜もたっぷり、納豆もあるし、バナナまで。当然、ご飯はお代わりした。贅沢なもので、食後のコーヒーが飲みたくなる。と、喫茶室で特別サービス、ちゃんと豆を挽いて淹れたコーヒーが100円。お気に入りの談話室でいただいたが、本当はセルフサービスがお約束だった。ごめんなさい。

大日岳登山、血の池
【撮影】1日目・前泊組 07時57分=秋田 守
夜行組の本隊が室堂に着くのは9時。時間があるので、若井さんとミドリガ池まで歩くことにした。昨日は雨に降られて、ろくに眺めもしなかった血の池。談話室の曼荼羅にもしっかり描かれていた。酸化鉄が含まれているため水の色が赤く見える。地獄谷もそうだが、この血の池も噴火口。みくりが池もそうだな、きっと。いったい周辺にいくつ噴火口があるのだろうか。それらは、いつ頃、どんな順番で、どの程度の規模で噴火したのだろうか。

大日岳登山、ミネズオウ
【撮影】1日目・前泊組 08時03分=秋田 守
みくりが池近くにはいろいろな高山植物の花が咲いていた。小さな薄紅色の花はミネズオウ。ツツジ科の常緑小低木。和名は峰蘇芳。蘇芳とはイチイのことで、葉っぱがイチイに似ているため、高い峰に咲くことと掛け合わせて、和名が付けられたという。他にはツマトリソウ、イワイチョウ、チングルマ、コイワカガミなど。雪渓付近ではまだまだこれから咲き始める花も多いはずだ。登山道の分岐を左へ折れて、ミドリガ池方面へ向かった。

大日岳登山、ミドリガ池
【撮影】1日目・前泊組 08時21分=秋田 守
ミドリガ池は初めてちゃんと見た。立山連峰に雲がかかっていて少々残念だが、これはこれで雰囲気がある。池畔には黄色いヤマガラシが咲いていた。池の向こうには立山室堂山荘。小型キャタピラ車が荷を運び込んでいた。山荘まで行こうかと話していたのだが、そろそろ夜行組本隊が乗ったバスが室堂に着く頃。引き返すことにした。今回は寒いのではないかと防寒対策に気をとられていたが、さほど寒くはない。むしろ歩き出したら暑そう。

大日岳登山、
【撮影】1日目・前泊組 08時29分=秋田 守
朝の散歩中、頭上には、ひっきりなしにヘリコプターの音が響いていた。天狗平のヘリポートから劒岳方面の山小屋へ荷揚げをしているらしい。それにしても行ったかと思うと、たちまち戻ってきて、また青いシートで包まれた荷を運んでいる。それを何度も何度も繰り返している。この週末からは夏休みが始まる。繁忙期を前に、山小屋の稼ぎ時に間に合うよう、食料や飲料などをどっさり運んでいるに違いない。事故がないよう祈るばかり。

大日岳登山、
【撮影】1日目・前泊組 09時18分=秋田 守
コーチから電話があって、あと10分で雷鳥荘前へ着く、とOさん。前泊組は全員、小屋の前へ出て支度を始めた。しばらくすると、地獄谷の縁の上に5人の人影が見えた。あれ? 4人じゃなかったのかな。こっちを見て手を振ってる。こちらからは黄色い歓声でお返し。間もなく到着した一行。初めてご一緒する方もいらっしゃってご挨拶。皆さん、夜行のお疲れもあまり感じさせない。さあ休む間もなく、出発。最初の予定より2時間前倒し。



■1日目・夜行バス組

大日岳登山、
【撮影】1日目・夜行バス組 06時12分=伊藤 幸司
私はいつものように、夜行バスの3列シートで05時40分に富山駅に到着。乗れるときにはいろいろなバスに乗るようにしていて、今回は北日本観光バスの「きっしま号」。トイレ付きで、休憩は最初の1回だけというタイプ。トイレなしで運行するウィラーエクスプレスに対して、オーソドックスなトイレ付きバスがこの方式になりつつあるように思われます。サービスエリアでドライバーの交代はするけれど、乗客が降りられるのは最初の1回だけ。
この写真は電鉄富山駅の改札手前にあるチケットセンターで予約ずみの室堂行き直通バスのチケットを購入したときのもの。今回夜行バス組は4人で、写真中央のバス停で全員確認済み。あとは06時30分のバスを待つのみ、という状況です。
当初の計画では室堂出発を11時00分として富山地方鉄道の電鉄富山駅から立山まで行き、ケーブルカーで美女平へ、そこからバスに乗り換えて室堂へといくことにしていたのですが、多くのメンバーが室堂で前泊という流れになったこともあり、出発をできるだけ前倒ししておきたい気持ちもあって、09時00分に室堂に着く直行バスに統一したのです。

大日岳登山、「サルがいる」
【撮影】1日目・夜行バス組 07時56分=伊藤 幸司
美女平から深い森の中を登っていくと、バスのドライバーが「サルがいる」と叫んだのでとりあえずそれらしきものにカメラを向けると、撮れたのがこの画像。道路上でなんと毛づくろいという我が物顔。たくさんのサルだというから前方の席にいたらいろいろ見えたはず。私はただ、サルが写っていたらラッキーという気分でしたね。これだって、サルだと思って撮ったわけではないのです。サルかもかもしれないという程度。カメラがよく撮ってくれました。……その写真をよく見れば、道路に引っ張り出したつる草や、その葉の散らかし方から、この道路で「朝の我が家」を楽しんでいた様子がうかがえます。残念というか、ラッキーというか。

大日岳登山、称名滝
【撮影】1日目・夜行バス組 08時00分=伊藤 幸司
バス停でいうと「滝見台」。バスは乗客全員が見られるようにゆっくりと走ってくれて、バックミラーに写っている雰囲気の明るい顔の解説つき。前にもここで同様の称名滝見物をさせてもらった記憶がありますが、一瞬、下ろしてもらうべきでしたよね。乗客も少なかったので。

大日岳登山、弥陀ヶ原ホテル
【撮影】1日目・夜行バス組 08時18分=伊藤 幸司
これは弥陀ヶ原ホテル。ホテルを撮りたかったわけではなく、背後に見えてきたのが大日岳と大日連山だと気づいたからです。まだ全貌が見えたというレベルではありませんけれど。

大日岳登山、
【撮影】1日目・夜行バス組 08時21分=伊藤 幸司
今日はこれから、室堂から歩き始めて、あの稜線の右端に取りついて、左へ、一度大きな鞍部に下って、それからいよいよ最後の登り。一番左の突起が標高2,501mの大日岳だとすると、大日小屋はそのすぐ手前だと思われます。今日ですよ、今日。

大日岳登山、ソーメン滝
【撮影】1日目・夜行バス組 08時27分=伊藤 幸司
バスの進行方向を見ると大日連山の奥に別山が見えてきました。剱御前小舎は雲の中にあって見えませんが、稜線を右手にたどれば立山三山の富士ノ折立、大汝山、雄山へとたどれます。左奥に下ればそこにあるのは剱岳。
まだ雪の残る谷間を流れているのは室堂平から流れ出ている浄土沢。少し下ると称名廊下となり称名滝で落ちると称名川となり立山駅のところで常願寺川に合わさります。
写真の右端に雲だか噴煙だか不明な白いものがありますが、それが室堂高原の地獄谷。でもこの位置でこの写真を撮った理由は、その噴出ガスの手前に見える白く細い滝なのです、この写真の主役はそのソーメン滝なんですけれど。

大日岳登山、ソーメン滝
【撮影】1日目・夜行バス組 08時28分=伊藤 幸司
『いこまいけ高岡』というサイトに『ソーメン滝』がありました。
【ソーメン滝は、天狗平近くの崖を流れ落ちる滝です。約130メートルの落差を、素麺のように白くて細い水の筋が岩肌を流れ落ちる様子から名付けられました。上流には地獄谷があり、下流には称名滝があります。地獄谷で数々の責め苦にさいなまれた亡者達が、地獄谷を流れる紺屋川を流れ下って、ここで赦免されるという伝説から「赦免滝」の別名があります。美女平から立山黒部アルペンルートの立山高原バスに乗ると、天狗平バス停手前の「美女平 天空ロード ソーメン滝展望台 標高2,270m」の看板が立つ路肩の広い場所でバスが停車しソーメン滝を見せてくれます(美女平から室堂行きのバスのみ、室堂から下るバスは反対車線を走るので素通りします)。天狗平バス停からバス道路(立山有料道路)を約530メートル下るとソーメン滝展望台です。】

大日岳登山、大日連山
【撮影】1日目・夜行バス組 08時30分=伊藤 幸司
天狗平から望む大日連山です。手前の高まりが奥大日岳、鞍部の先に中大日岳、そして左端に大日岳、となっています。

大日岳登山、雪の大谷
【撮影】1日目・夜行バス組 08時31分=伊藤 幸司
正面に見えているのが室堂バスターミナルの上にある立山高原ホテル。その背後、雲に隠れているのが雄山を始めとする立山三山です。
なぜここで写真を撮ったのかというと、この雪が有名な「雪の大谷」だとドライバーからアナウンスがあったからです。
『富山県道路公団』のサイトに『立山黒部アルペンルートの除雪方法を紹介します』(2018年03月06日)という記事がありました。
【立山有料道路の除雪は、富山県、道路公社、立山黒部貫光(株)など関係機関及び関係団体からなる「立山ルート除雪組合」が実施(受託者:(株)古栃建設)しています。
4月中旬の立山黒部アルペンルートの全線開通に向け、厳冬期の1月下旬から除雪作業をスタートし、除雪機械21台編成により、約3カ月間に及ぶ除雪作業にあたっています。
(1)一般部(雪の大谷区間以外)の除雪方法
①まず、パイロット除雪として、GPSシステムを装着した専用のブルドーザで道路のセンターライン位置に道筋をつけます。
②次に、一車線幅を確保するため、美女平から弘法までの森林帯などでは小型ブルドーザとバックホウで、弘法から上の森林限界では大型ブルドーザとバックホウで作業を進め、路面近くではロータリ除雪車で雪を飛ばして一車線除雪の完了です。特に森林帯では樹木を傷つけないよう注意しながら作業をしています。
③続いて、2車線に拡幅するため、バックホウで両側の雪壁を崩し、それを通常の2倍近い馬力のロータリ除雪車が雪壁を越えて吹き飛ばして拡幅作業は完了します。
(2)雪の大谷区間の除雪方法
室堂近くの大谷地点(通称「雪の大谷」)は、沿線では最も積雪が多い地点で、除雪作業の最大の難所となっています。
雪の大谷での過去20年の平均積雪深は約16mで、最高積雪は平成12年の20mとなっています。大谷での除雪については、GPSシステムを活用したパイロット除雪から始めるのは一般部と同じですが、ロータリ車では壁が高すぎて吹き上げられないことから、大型ブルドーザを2台並走させ、雪面をカンナで剥ぎ取るように掘り下げていきます。
このように、ブルドーザだけで除雪を行うため、「雪の大谷」の積雪は自然の高さのままとなっています。
また、20m近い垂直な雪の壁を作り上げるには、長年の経験で調整しながらの作業が必要となるため、オペレーターの中でも、特に熟練した方が作業を担当しています。
一度除雪が完了した区間でも、一晩で1〜2mもの新雪が積もることもあり、4月の全線開通日まではもちろん、5月に入っても除雪作業は続きます。】

大日岳登山、室堂平
【撮影】1日目・夜行バス組 08時53分=伊藤 幸司
室堂に到着したのは08時40分ごろ。準備をして表に出たのが10分後。最初に出会った「人類」がこの子という印象でした。立山黒部アルペンルートによって、室堂平はこんな子どもにも楽しめる高原庭園になったという感じがしました。
『ウィキペディア』で『立山黒部アルペンルート』を見てみると次のように説明されていました。
【立山黒部アルペンルート(たてやまくろべアルペンルート)は、富山県中新川郡立山町の立山駅(立山黒部貫光)と、長野県大町市の扇沢駅(関電トンネル電気バス)とを結ぶ交通路で、総延長37.2km、世界有数の大規模な山岳観光ルートである。1971年(昭和46年)6月1日全通。
富山県の立山駅から東に30.5km、長野県の扇沢駅から西に6.1kmの位置に「黒部ダム」がある。
なお、富山地方鉄道の電鉄富山駅からJR東日本大糸線信濃大町駅までとされる場合もある。】
私が今回電鉄富山駅から室堂までの直通バスにした理由は、ひょっとしたら時刻表通りに行けないかもしれないという不確定要素があったからですが、それについても「ウィキペディア」に書かれていました。
【立山駅から扇沢駅まで、乗り換え時間を含めない合計移動時間は2時間弱。ただし繁忙期は各々の交通機関の待ち時間が1から2時間に及び、出発時刻によっては同日中の通り抜けができなくなることもある。なお、運行ダイヤについては時刻表に記載の便の他に、待ち具合によっては臨時便の増発・増便があるため、繁忙期であっても比較的スムーズに乗り継げることがある。
電鉄富山駅 - 信濃大町駅間の片道通し乗車券はおとな10,560円、こども5,290円。目的地までの乗車券を個別に購入することも可能。
黒部ケーブルカーは全線がトンネル内である。また、立山ロープウェイは途中に支柱を1本も設けていないワンスパン方式で、これらは景観保護や、なだれによる被害を防ぐための方策である。さらに立山高原バスはディーゼルバスからハイブリッドバスへの移行を進めており、2006年には所有台数の半数に及んでいる。】

大日岳登山、コイワカガミ
【撮影】1日目・夜行バス組 08時57分=伊藤 幸司
室堂平で最初に見たのはコイワカガミ。『立山自然保護センター』のブログに『20170627 室堂平 コイワカガミ』がありました。
【今朝の室堂平は曇。気温は10度前後で暖かく感じられました。
今日のおすすめの一品は20170627撮影のコイワカガミです。
雪のとけたところから、咲き始めました。
イワカガミとは、花の数、葉脈のつき方、鋸歯の数などで区別するのですが、判然としない個体があります。
独断(仙人断)でコイワカガミとしました。(?_?)byハイマツ仙人】

大日岳登山、ミクリガ池
【撮影】1日目・夜行バス組 08時59分=伊藤 幸司
巨大な自然庭園です、ここは。すぐにミクリガ池が見えてきました。真正面に見えるのが雪の多い別山から下って奥大日岳へと登るゆるやかな鞍部です。これからその鞍部に出て、めいっぱい歩くことになるのでしょう。

大日岳登山、ミクリガ池
【撮影】1日目・夜行バス組 09時01分=伊藤 幸司
ミクリガ池を回り込んだところにみくりが池温泉の建物が見えてきました。
『みくりが池温泉』のホームページに『日本一高所の天然温泉』とありました。
【みくりが池温泉は、標高2410mにある日本一高所の天然温泉です。
源泉は地獄谷にあり、無加水・無加温、男女別の展望内湯が一つずつ。
白く濁る硫黄の香りの100%掛け流しのお湯が、1日の疲れを温かく癒してくれます。】
ところが、北八ヶ岳の本沢温泉は「日本最高所野天風呂」をかかげています。
『八ヶ岳、湯元 本沢温泉』のホームページにこう書かれています。
【八ヶ岳の硫黄岳直下に湧く日本最高所野天風呂(2150m)「雲上の湯」と泉質の違う「苔桃の湯」、2つの天然温泉が楽しめます。通年営業の山小屋なので四季を通じて多くの山仲間や立ち寄り湯客に親しまれ、特に秋の本沢温泉周辺の紅葉は実に見事です。】
「通年営業」がキーワードなんですが、じつは問題の「野天風呂」は夜間と、雪に埋まる冬季には安全確保のために入湯できません。旅館前の石楠花の湯は建物が立派になりましたが、以前冬に入ったときにはぬるくて簡単には出られなくなりました。
もうひとつ、白馬鑓温泉が「日本一」を掲げていたことがありますが、現在では……? それがウィキペディアにありました。
『ウィキペディア』の『白馬鑓温泉』は以下のとおり。
【白馬鑓温泉(はくばやりおんせん)は、長野県北安曇郡白馬村北城字白馬山国有林(旧国信濃国)にある温泉。白馬鑓ヶ岳中腹の標高2,100メートル地点にある。「白馬岳」の読みは正式には「しろうまだけ」なので、「しろうまやりおんせん」と読む人もいるが、山小屋としての正式な読みは「はくばやりおんせんごや」である。単に鑓温泉とも称する。
以前は「日本最高所の温泉」を名乗っていた時期もあったが、実際には立山のみくりが池温泉や八ヶ岳の本沢温泉などのほうが標高が高く、現在ではそのような表示はしていないが、代わりに「標高日本一の天然湧出量」を標榜している。】
この白馬鑓温泉小屋は白馬館系列の山小屋で、雪崩の被害を受けやすいため解体されて冬を過ごすというちょっと特殊な例です。つまり通年営業ではありません。
せっかくですから「ウィキペディア」の浴場解説も。
【内湯はなく、露天風呂だけがある。露天風呂は開放感のある混浴露天風呂と、回りを壁で囲まれた女性専用風呂がある。混浴露天風呂は眺望が良く、好天ならば日の出の時間に入浴し、湯船につかりながらご来光を望むこともできる。以前は小屋との間に遮るものが何もなかったため、小屋のすぐ前から露天風呂が丸見えであった。現在はキャンプ場側を除き目隠しで囲まれ、夜の時間帯には女性専用時間も設定され、女性も安心して入浴できるようになった。露天風呂の女性専用時間の間は、「女性専用風呂」が男性用になる。湯は小屋の横の巨大な岩の割れ目から湧き出している。なお、立ち寄り入浴(有料)も可能であり、近年 [いつ?] は足湯(無料)も新設されている。夜、消灯時間以降に露天風呂に入るには懐中電灯が必要となる。】
通年営業の「日本最高所温泉」はどこなんでしょうか。

大日岳登山、チングルマ
【撮影】1日目・夜行バス組 09時02分=伊藤 幸司
雪が消えるのを待って最初に咲いたのは、ここではチングルマでした。

大日岳登山、大日連山
【撮影】1日目・夜行バス組 09時03分=伊藤 幸司
大日連山がここからも見えるのですが、雲の動きにはちょっと不安があります。天気が悪くならないとしても、稜線が雲に隠れたら、展望がなくなるわけですから。

大日岳登山、
【撮影】1日目・夜行バス組 09時04分=伊藤 幸司
振り返って立山三山を見ると、見えそうで見えない状態。稜線だけに雲が貼りついています。私はまだ山頂稜線を見ていません。

大日岳登山、
【撮影】1日目・夜行バス組 09時05分=伊藤 幸司
今日の宿泊予定地、大日小屋は、左側の高まりの右側のピークがたぶん大日岳でしょうから、その最後の取り付き地点、ということになります。もっとも、予定通りならそこから大日岳の山頂まで行けるでしょう。

大日岳登山、みくりが池温泉
【撮影】1日目・夜行バス組 09時07分=伊藤 幸司
みくりが池温泉へと下っていきます。

大日岳登山、ミクリガ池
【撮影】1日目・夜行バス組 09時08分=伊藤 幸司
ミクリガ池の向こうには雄山があるはずなんですが。

大日岳登山、
【撮影】1日目・夜行バス組 09時10分=伊藤 幸司
この朝一番がっかりしたのはこのゲートです。「通行止」なんだそうです。「地獄谷内では火山ガス濃度が高くなっており大変危険です。地獄谷へは入らないでください。」とありました。ここからはじまる左右の草地に、コイワカガミの大群落があり、以前はライチョウがしばしば姿を見せてくれたからです。

大日岳登山、
【撮影】1日目・夜行バス組 09時10分=伊藤 幸司
ここで木内さんと合流。私たちの仲間でみくりが池温泉に前泊したのは(なぜか)彼ひとりでした。

大日岳登山、コバイケイソウ
【撮影】1日目・夜行バス組 09時11分=伊藤 幸司
フレッシュな顔つきのコバイケイソウ。バイケイソウ〜コバイケイソウ〜ミヤマバイケイソウは葉っぱだけでは区別できないので、花が咲いていたら「その周辺はすべてそれ」という気持ちになります。
『山野草を育てるNori&Wako』に『コバイケイソウ、ウラゲコバイケイ、バイケイソウ、ミヤマバイケイソウの比較』という記事がありました。ここでは比較する要点だけを紹介します。
まずは総論。
【コバイケイソウ(小梅蕙草)は、シュロソウ科・シュロソウ属で、北海道、本州(中部地方以北、三重県)の亜高山帯、高山帯の開けた草地に生える多年草で日本固有種です。
高山帯でも大きな花を咲かせていることから良く目立ち夏山では目にする機会が多い花です。
ウラゲコバイケイ(裏毛小梅蕙)は一見バイケイソウと区別がつきませんが、葉の裏面脈上に突起状の毛があるものをウラゲコバイケイと呼ばれます。谷川連邦や尾瀬の多雪地帯で多く見られるようです。
バイケイソウ(梅惠草)は、0.6〜1.5mと大きく、ウメに似た2㎝くらいの花を多数つけます。ミヤマバイケイソウ(深山梅惠草) はバイケイソウの高地型で緑白色の花を多数咲かせます。】
コバイケイソウを【亜高山帯、高山帯の開けた草地に生える多年草で日本固有種】とすれば、バイケイソウは【山地の林内や湿った草原などに生える多年草。】で【全て両性花であり、この点がよく似ているコバイケイソウとの区別点の一つである。】とのこと。さらにミヤマバイケイソウは【バイケイソウと区別しないとする見解もあるようです。】とか。
もっとも私の偏見によればグリーンの花穂を垂直に立てるミヤマバイケイソウと比べるとバイケイソウは造りも表情もかなりのブス。そのバイケイソウとほとんど区別できないのに丹沢や箱根でシカの食害によって主役の座を勝ち取ってきたらしいオオバイケイソウというのもあります。それに関するいい論文を見つけましたが、それについてはいつかどこかで。

大日岳登山、エンマ台(地獄谷展望台)
【撮影】1日目・夜行バス組 09時16分=伊藤 幸司
これは「エンマ台(地獄谷展望台)」から見た地獄谷。背景を大日連山が支えています。
ここには大きな看板があって【<エンマ台〜雷鳥荘間>風向きにより火山ガス濃度が上昇する恐れがあります。】とありました。【水分を含ませたタオルで口を覆うなどして注意して通行してください。】とのこと。私たちはその雷鳥荘へと向かっているのですが、警告灯もありました。
赤の場合・5ppm〜で【危険な状態です。この先(雷鳥沢方面)には赤色ランプが消えるまで進まないでください。】
黄色の場合・2ppm〜で【火山ガスが上昇しています。水に濡らしたタオルで口や鼻を覆い、速やかに通過してください。】

大日岳登山、雷鳥荘
【撮影】1日目・夜行バス組 09時19分=伊藤 幸司
正面に見えてきたのが雷鳥荘です。この池(リンドウ池)の岸を右側から大回りに行くのでまだ10分以上かかるのですが、私たちの仲間が雷鳥荘の前にいるのが見えました。お互いに手を振る程度に。
この写真を撮っている私と雷鳥荘との直線距離は1/25,000地形図で計ってみると約250mです。人の姿が見えているとき腕や足のが判別できれば距離はおおよそ500mと考えていますから、お互いに手を振って確認しあうには十分な近距離です。誰と誰、と判別するのは大変ですけれど。

大日岳登山、血の池
【撮影】1日目・夜行バス組 09時21分=伊藤 幸司
これは「血の池」。解説板がありました。【火口跡が池になったもので、酸化鉄が多く含まれているため、赤い色をしています。昔、人々は立山地獄の一つとして血の池地獄と呼んだのがこの名の由来です。】

大日岳登山、
【撮影】1日目・夜行バス組 09時22分=伊藤 幸司
大きな荷物がゴトゴトと動いてきたのでしばらく見ていたのですが、写真に撮れたのはこれが精一杯。
最近山小屋でも車道からの登山道で使えるキャタピラー付きリヤカーみたいなものを見ることがあります。写真のこれには座席がついていますが、うんと小型の手押しタイプの「クローラ運搬車」には都市部で使われる「キャタピラー台車」として「電動階段のぼれる台車」というのもあるらしいのです。
いろいろ調べてみるとネット検索で出てくる「クローラー」がその名前かもしれません。
『SEO HACKS』の『クローラーとは』にありました。
【Googleなどのロボット型検索エンジンがWEB上のファイルを収集するためのプログラム】が説明のほとんどですが、ここで知りたいクローラーは【無限軌道】という意味のようで、鉄製のクローラーをキャタピラーと呼び、日本で発明されたというゴム製クローラーが大型産業機械から小型の農業機械などまで広範に採用されているのだというのです。
この「クローラー運搬機」の写真はこれまでですが、室堂からここまで温泉宿にはこんなふうに荷物が運ばれているようです。
最後に「crawl」で調べてみると水泳自由形の「クロール」ですね、「のろのろと這っていく」という意味のようです。

大日岳登山、
【撮影】1日目・夜行バス組 09時25分=伊藤 幸司
写真の左上から来て、右上へと行くのです。写真中央に見えるのがリンドウ池、その先の噴煙が地獄谷。

大日岳登山、雷鳥荘
【撮影】1日目・夜行バス組 09時28分=伊藤 幸司
ようやく雷鳥荘が見えてきました。



■1日目

大日岳登山、
【撮影】1日目 09時33分=伊藤 幸司
前泊は各人それぞれに決めたのですが、結局7人が雷鳥荘泊まり。「なんで?」と聞いたところ、みくりが池温泉が満室でらいちょう温泉雷鳥荘になってしまったとのこと。ただ、食事もサービスも予想以上に「良かった」とのことでした。

大日岳登山、
【撮影】1日目 09時38分=伊藤 幸司
さっそく出発すると、私たちの行く手に大日連山が見えていました。

大日岳登山、
【撮影】1日目 09時38分=伊藤 幸司
ここはまだ観光地の室堂平なんですね。舗装された遊歩道を下っていくと写真のほぼ中央に雷鳥沢キャンプ場が広がっています。
正面にそびえているのは右端の別山から下ってくる稜線で、いわゆる別山乗越。画面中央上部の小さな鞍部に剱御前小舎の一部が小さく見えています。
2004年8月20日だったかと思いますが、剱岳に行くつもりでその剱御前小舎に泊まったところ、その夜台風が頭上を通過。私は気づきませんでしたが、山小屋が浮き上がったような気がした人もいたそうな。

大日岳登山、コイワカガミ、イワイチョウ
【撮影】1日目 09時41分=伊藤 幸司
コイワカガミとイワイチョウですかね、ここは。

大日岳登山、
【撮影】1日目 09時42分=伊藤 幸司
ここまで来ると大日連山のかたちはずいぶん変わってしまいましたが「大日連山」という大きな案内板がありました。
【大日岳の山名は大日如来に由来し、この山は古くから修行者の修行の場になっていたといわれています。また、大日連山は登山道からの見晴らしもよく、高山植物の種類も多いことから登山者に人気のあるコースになっています。七福園や大日平のお花畑などの見所をとおり、称名滝に下るルートは手軽な1日コースです。】
えっ! 手軽な1日コース? 私たちは今日1日が大日岳までの登り、明日半日かけて下ります。

大日岳登山、雷鳥沢ヒュッテ
【撮影】1日目 09時43分=伊藤 幸司
雷鳥沢キャンプ場へと下っていく途中に現れたのは雷鳥沢ヒュッテ。なんとなく疲れた顔つきの建物です。
私たちは写真右端に見えなくなった雷鳥沢キャンプ場のところから、写真右端にかろうじて見えている剱御前小舎への登り道の、その手前まで下っていきます。

大日岳登山、
【撮影】1日目 09時45分=伊藤 幸司
写真中央に雷鳥沢キャンプ場が見えています。いまはざっと数えて7張りほどのテントしかありませんが、ここが色とりどりのテントで埋め尽くされる日もあるのです。
その雷鳥沢キャンプ場のわかりやすい紹介情報を探していたらありました。『暮らし〜の』というサイトに『満点の星空を満喫!雷鳥沢キャンプ場の魅力と予約・混雑情報まとめ!』(2019年06月24日)がありました。
キャンプ場の予約状況について、立山黒部アルペンルートが休業となる厳冬期の12〜3月の混雑情報を「空いている」としているぐらいですから、あくまでも観光イメージの作文情報ではあるとは思うのですが、そこにあんがい下界人の素直なイメージ(昔は立山曼荼羅に描かれたおどろおどろしい世界がここにはありました)が見え隠れしているかも、とも思われます。
【雷鳥沢キャンプ場の魅力①満天の星空
雷鳥沢キャンプ場をおすすめしたいこのキャンプ場の魅力として、真っ先にご紹介したいのは、夜に見られる満天の星空です!雷鳥沢キャンプ場は日本でも有数の標高が高いキャンプ場で、その高さは2,280mととても高いキャンプ場です。
雷鳥沢キャンプ場は山の上にあるキャンプ場であり、まわりにはには街灯もありませんので、夜は星の光しかありません。 頭の上には満天の星空が広がります。特に天気の良い日の夜なら、雲一つない夜空に広がる星空を独り占めできちゃいます! カップルで行くととてもロマンチックでおすすめです。】
【雷鳥沢キャンプ場の魅力②初心者でも安心
雷鳥沢キャンプ場は立山周辺にある日本アルプスなどの登山のベースキャンプ場として知られているので、登山やキャンプ上級者向けというイメージもあるようですが、実は登山をしない初心者にもやさしいキャンプ場です。
トイレや炊事場が併設されていますし、あとでもうすこし詳しくご紹介しますが近くには温泉もあります。 また、テントを設営するのが苦手という方には、近くにロッジ立山連峰や雷鳥沢ヒュッテといった宿泊施設もあります。 このような宿泊施設ならお風呂も完備していますし、テントよりもハードルが低いため、アウトドア初心者でも十分楽しむことができますね。 ただしテント場のトイレは冬場は使用できないそうですので、簡易トイレを持っていくことをお忘れなく!】
【雷鳥沢キャンプ場の魅力③温泉がある
さきほども少し触れましたが、雷鳥沢キャンプ場のすぐ近くには温泉施設があります。しかもこの温泉、ただの温泉ではありません!なんと雷鳥沢キャンプ場近くにある温泉、みくりがいけ温泉は日本で一番標高の高い温泉なんです。 その標高はなんと2,430m!
みくりがいけ温泉は、源泉かけ流しで雲上の温泉という異名を持っているほど、その景色は美しいそうです。温泉だけでなく宿泊施設もありますので、そのまま泊まることも可能ですよ。ホームページから予約可能です。 気温の低い冬場は温泉が特におすすめです。】
【雷鳥沢キャンプ場の魅力④ライチョウに会えるかも
雷鳥沢キャンプ場近くの立山エリア一帯には、国の特別天然記念物に指定されているライチョウが生息しているそうです。ライチョウは季節ごとに姿を変える珍しい鳥で、夏は赤と黒の縞模様になり、気温の低い冬は白い羽をつけている鳥です。
ここ数年は生息数が減少しており、絶滅危惧種になっているのでは?とも言われているそうです。とても貴重な鳥ですので、登山やキャンプの途中で出会えるととても運がいいですよ!】
【雷鳥沢キャンプ場の魅力⑤絶景を楽しめる
雷鳥沢キャンプ場の魅力は高い標高から眺める絶景!雷鳥沢キャンプ場では、日本アルプスである立山連峰や大日連峰を望むことができます。
これらの山々の景色はとても壮大で美しく、しかも春夏秋冬の季節ごとに表情を変えてくれるので、一年を通じて景色を楽しめるスポットでもあります。 もちろんSNS映えする写真もたくさん撮れるので、写真好きな方にもおすすめしたいキャンプ場です。】
【雷鳥沢キャンプ場のベストシーズンは?
雷鳥沢キャンプ場のおすすめポイントをご紹介してきましたが、訪れるのにおすすめの季節があるのでしょうか。雷鳥沢キャンプ場のベストシーズンをご紹介します。
7月〜8月
雷鳥沢キャンプ場は季節問わず1年中キャンプを楽しめるスポットですが、最もにぎわいを見せるのはやはり夏です。特にお盆前の8月中旬の週末は、雷鳥沢キャンプ場がいろとりどりのテントでいっぱいになり、圧巻の景色です。 登山客も増え、またバーベキューなどのアウトドアを楽しむ客も増えてきます。 この季節は、夏休みと重なるので、混雑は避けられないでしょう。
10月〜11月
夏は気温も高いし人も多いし避けたい、でも冬は寒すぎるからいやだ!という方に意外とおすすめなのが秋の雷鳥沢キャンプ場です。10月を過ぎると雷鳥沢キャンプ場では夜はかなり過ごしやすい気温になります。 また、空の空気が澄んでくるので星空も夏よりきれいに見えると言われています。 きれいな星空を見たいなら、夏より秋がおすすめです。 ただし秋とはいえ夜は気温が下がりますので、防寒対策は厳重にしていきましょう。】
【月ごとの混雑度をご紹介
雷鳥沢キャンプ場の混雑情報を例年の来場者数をもとに混雑、やや混雑、普通、空いているの4レベルにわけてご紹介します。
混雑・・・5月、8月
やや混雑・・・7月、9月、10月、11月
普通・・・4月、6月、12月
空いている・・・1月、2月、3月
やはりGWのある5月や夏休みのある8月は混み合うようです。混んでいるシーズンを避けたければ、寒い季節を選ぶと周りの人を気にせず比較的ゆっくりとキャンプを楽しめるようです。ただし、気温がかなり下がりますので防寒対策は忘れずに!】

大日岳登山、チングルマ
【撮影】1日目 09時49分=伊藤 幸司
足元にはチングルマ。この花を愛でる、ちょっと意外なサイトがありました。
『東京 新橋アイリッシュパブ アイリッシュタイムズ THE IRISH TIMES銀座』『誕生花「チングルマ」花言葉「可憐」』(2013-07-29)
【新しいの週のスタート。きょうもお元気で!
きょうの誕生花は「チングルマ」。花言葉は「可憐」。
山を歩く人はよく見られる花だそうです。雪が沢山降る高山帯にありふれた花で、雪が溶けたところから咲いていく、白い花。この花が目立つのはその後で、名前の由来もそこにある。花が咲き終わった後、花の中心(花柱)が綿のようになり広がってくる。それが稚児車(子どもの風車)ににていることからチングルマとなった。
鳥海昭子さんの短歌…チングルマほおけて風にゆれていき父がめんごい花だと言いき
鳥海さんの解説…白く小さい花が「可憐」です。ほわほわと風に揺れているチングルマを見ていると、「めんごい(かわいい)花」だと言っていたありし日の父を思い出します。
アイリッシュタイムズオーナー勝又憲一の追記……男性が花をかわいいと思うのは素敵な人ですね。わたしも花言葉を調べ続けて、自分の好きな花をしっかりと持っていきたいなと思います。】
【東京地方…今日は、曇り時々雨で昼過ぎまで雷を伴う所があるでしょう。
新橋にある銀座からも近いアイリッシュパブのアイリッシュタイムズです。サッカー、特に日本代表(サムライブルー)戦ではスポーツバー(スポーツパブ)として、また、セントパトリックスデイ(St. Patrick's Day)では多いに盛り上がります。】

大日岳登山、コイワカガミ
【撮影】1日目 09時40分=伊藤 幸司
コイワカガミも足元にありました。
『山行記録 富山橋とともに01 北アルプス・北陸・飛騨・頸城』というブログなんでしょうが膨大な量のようです。『北アルプス富山県・白山・西飛騨・頸城の山行記録や情報です。富山流域のブナ林も訪ね歩いています。』ということで、これは『「高山植物図鑑」登山道の花』の『コイワカガミ』
【北海道から九州に分布、亜高山から高山帯の花の定番、背丈10cm前後になる多年草。
葉は径3-5cm程度で鋸歯がはっきりした丸形で、表面に光沢が有る。
花は濃い目の赤紫色、大きさ2cm前後、花弁が細かく裂けた漏斗状で、茎先に2-3個付ける。
標高が高い所に有り、茎先に付く花数2-3個と少なく、小型のものをコイワカガミとし、標高の低い所で背丈15cm位になり、花数10個近く着くものをイワカガミとするらしい。又、更に大きく、背丈15-20cm葉の径10cmほどになるものは、オオイワカガミとする。
しかし、私にはどれも皆イワカガミだ。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 09時50分=伊藤 幸司
雷鳥荘を出てから約10分、雷鳥沢キャンプ場が目の前です。

大日岳登山、雷鳥沢キャンプ場
【撮影】1日目 09時50分=伊藤 幸司
みくりが池温泉に前泊した木内さんは昨日、立山三山の縦走を試みたものの、雄山のあたりで驟雨にやられてびしょ濡れになったそうですが、このタープを張った人たちも山のどこかでずぶ濡れになったのでしょうか。
『ヤマケイオンライン』に『親子で立山・テント泊(雷鳥沢キャンプ場〜最高峰大汝山) 立山(北アルプス・御嶽山)』(2016年8月5日〜2016年8月6日)『ののとく さん』がありました。
【小学6年の娘と二人でキャンプ1泊して、最高峰3015m大汝峰を目指しました。白山に先々週登り、今回の立山に登って夏休みの最終に富士山を登って日本三霊山を制覇することにしてます !!
いままで地元の山を登って、滋賀県から遠くても白山や荒島岳でしたが、今回は富山県まで遠征しました。キャンプ登山も前回の白山で経験して、すこし勝手がわかった感じです。今回の立山はキャンプしている方は健脚の方が多い雰囲気で、剣岳を目指しておられる方が多いのでしょうね! でも2割くらいは子供連れで立山登山というファミリーも多く見かけました。
登山ルートを今回は雷鳥沢から大走りルートを選択しましたが、9割以上は一ノ越から雄山に登られるのが一般的なようで、真砂岳、別山から縦走してこられる方以外では、ほとんどキャンプ場からこのルートを選択される方はおられませんでした。超しずかな登山という雰囲気でキャンプ場から頂上の大汝峰まで楽しめました。
ただ大走りの稜線分岐から富士ノ折立までは、地元の山では味わったことのない、足のすくむ高度感があり、小学6年生には、かなり恐怖感があると思います。大人の私も正直ビビりながら登ってました。慎重に登れば滑落・・・なんてことないですが、ポールを使用せずに手袋をはめて岩場を慎重によじ登るって感じで、スリルのある感じです。小学生を連れていかれる方でも荒島岳のもちががべ等はせめて経験してから来られたほうが・・・大走りルートはスリルありすぎです。
ただ多くの方、また小学6年の研修登山で来られるのは一ノ越から雄山で、こちらも岩場を登りますが、登山道が片側が谷底なんてことないので安全に登れます。学校の行事でくるくらいなのでね !! このルートは安心です ! ただ岩場なんで落石注意ですし、学校の行事できている小学6年生はヘルメット装着で登られてました、大渋滞しながら(笑い)。
1泊2日で天気もよく、満天の星空、真っ青な池に緑の映える立山、夕暮れの立山・・・満喫しました! 来年は真砂岳から別山ルートも考えてみたいところです。】

大日岳登山、雷鳥沢ヒュッテ
【撮影】1日目 09時51分=伊藤 幸司
雷鳥沢キャンプ場のところから振り返ると、さきほど脇をすり抜けてきた雷鳥沢ヒュッテの正面が見えていました。完全に廃屋かと思っていたのですが、2階に照明がついていました。……ン? という感じでこの写真を撮ったのですが、ネットで調べてみるとこのすぐ向こう側にあるロッジ立山連峰と同じ経営で『雷鳥沢ヒュッテ&ロッジ立山連峰』というホームページがありました。
ブログや天気情報などを見ると現在進行形(2019年夏)の情報だと思いますが【ロッジ立山連峰は台風&雪害の為、今期営業の見込みが立っておりません。】とのこと。この雷鳥沢ヒュッテのほうは【只今現地スタッフ募集中!】とのことです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 09時52分=秋田 守
雷鳥荘から石の階段を150mほど下って、雷鳥平へ。この日の朝、テントは10張ぐらい。そのうちのひとつは誰のテントか知っている。今朝の散歩の際、短パン半袖姿の逞しい青年とすれ違った。環境省の腕章をぶらさげていた。帰りがけに火山ガス情報ステーションの前で、誰かが駐在してるだよねとぼくが呟いたら、その青年が表のベンチに座っていてぼくですと名乗った。雷鳥荘に泊まってるのと訊いたら、いやテントです、と答えたのだ。

大日岳登山、
【撮影】1日目 09時53分=若井 康彦
火山岩で舗装された階段を雷鳥平へ急下り。雷鳥沢は地獄谷に連なり、火山性の強そうな場所。にも関わらず豊かな雪解け水は、花崗岩の河床の上を滔々と流れている。板を渡した橋で渡ればにわかに火山域を脱し、いよいよ花崗岩域へ踏み込む。

大日岳登山、
【撮影】1日目 09時54分=伊藤 幸司
雷鳥沢キャンプ場から「←剱岳・大日岳方面」という標識に従ってさらに下ると、ここで橋を渡ります。この流れが雷鳥沢かというと違うのです。登山地図には浄土沢という名を添えているものもありますが、国土地理院の1/25,000地形図では称名川がここまで延びているように書かれています。ここから正面の壁を登って剱御前小舎のある別山乗越へと至る道筋に「雷鳥沢」という名が添えられているのです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 09時55分=伊藤 幸司
こういう形式の橋を「流れ橋」というのかもしれません。橋脚をできるだけ強固に作って、橋板は流されたら流されたでいい! という考え方。丹沢の沢などでは多くの橋板がワイアで繋がれて簡単に回収できるようになっています。ここではどうも、流されたらサヨウナラ、ということのようですけれど。

大日岳登山、
【撮影】1日目 09時57分=秋田 守
雷鳥平から称名川を渡り、新室堂乗越へ向けての道を辿ると、分岐があった。ぼくたちは左へまっすぐに進むが、右手への道は劒御前小屋への登り道。小屋まで2時間。きつそうだな。この時、ぼくの前を歩いていた若井さんは、昨年単独で劒岳に登った後、劒御前小屋に1泊してこの道を下ってきた。下り終えてやれやれと思ったら、雷鳥平から延々と階段をまた登らなくてはならなくて辛かった、と語ってくれた。真似をしたいとは思わない。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時00分=伊藤 幸司
剱岳への道がなんといっても本道ですから、私たちは左手に分岐した大日岳方面へと進みました。そして今日はじめての登りが始まりました。空は晴れ、雪が消えたばかりの道際には新しい緑が顔を出したところです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時05分=伊藤 幸司
消え残った雪渓を渡りますが、用意してきたアイゼンはまだ必要なさそうです。初夏の北アルプスでは馴染みの顔といった感じの残雪です。この分なら稜線の道筋では雪はほとんど消えているかと思われます。

大日岳登山、コバイケイソウ
【撮影】1日目 10時07分=伊藤 幸司
これはコバイケイソウです。確証があるわけではないのですが、さっきコバイケイソウの花を見ました。この広い山の斜面を埋め尽くそうと広がっていくのはコバイケイソウならではの仕事でしょう。まずはこの葉が開いて、花が咲いてみるまでは、私などが決定できる問題ではありませんが。

大日岳登山、ハクサンイチゲ
【撮影】1日目 10時08分=伊藤 幸司
これはハクサンイチゲの蕾でした。もちろんこれだけでわかったのではありません。周囲に次の写真のような白い花(じつはガクの色)があったからです。

大日岳登山、ハクサンイチゲ
【撮影】1日目 10時10分=伊藤 幸司
ハクサンイチゲについては『山しるべ』というサイトに『ハクサンイチゲを見に行こう!』がありました。
【ハクサンイチゲ(白山一花 もしくは 白山一華)は初夏の高山・亜高山に咲く代表的な高山植物です。
イチゲという名前は、春に咲くアズマイチゲ、キクザキイチゲなどのイチリンソウ属の植物に見られる名前で、一つの株に一つだけ花をつけることからイチゲ(一花)と呼ばれています。ただし、イチリンソウ属の植物は必ずしも一株に一輪の花をつける訳ではありません。】
【白い花びらのように見えるのは、他のイチリンソウ属の植物と同じく花びらではなくガクなのだそうです。枚数も5枚から7枚と一定ではありません。
ハクサンイチゲは、高山の雪解け直後に咲き始める花であり、初夏の高山の草原を白く彩ります。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時11分=伊藤 幸司
北アルプスの縦走路では、夏でも軽アイゼンは持っていたいところです。じつはここでみんなが集まっているのはふたりが落ちた……から。足もとの雪が崩れて、一瞬、ちょっとした騒ぎになったのです。
ふたりが並んでズンズン行った重みで空洞に落ちたらしいのですが、こんな小さな沢筋でも名残の雪にはいろいろなドラマが隠されています。
ここは転んだってどうということのない場所ですからそういうハプニングも楽しいのですが、滑ったらどこまでも行きそうな斜面だったら、難易度は数段階跳ね上がります。そういうときに恐怖が危険を呼び寄せるかもしれないので、これとまったくおなじ状況の雪面でも、私はみなさんに軽アイゼンを履いてもらいます。
Aさんははく、Bさんははく必要なし、というようなかたちではなく全員に軽アイゼンをつけてもらって、何ごともないまま通過したらすぐに脱いでもらいます。
そこで非常用装備のチェックもできるし(もしそれが何百回もご一緒しているみなさんとではなく、初対面の方もいるチームなら)リーダーの突然の提案に対しての反応のいくつかから、いろいろなことがチェックできます。
つまり「こんなところでアイゼンをつけさせるのか」という指示(技術的命令です)に対する、メンバーのみなさんの受け取り方などから、いろいろな情報を得ることができるのです。そういうときにブツクサいうメンバーはたいてい愚かなだけですから、あまり問題ではありませんが、そういうつぶやきに同調者がいるかどうかには注意を払う……というような昔のプロ意識が蘇る場面です。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時12分=伊藤 幸司
雪面が、こんなふうに割れたんですね。こういう小さなアクシデントは経験として貴重な財産になります。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時15分=伊藤 幸司
たぶん、見えている最上部に稜線があるのでしょうが、この道はなんでしょう。これだけの岩が押し流されてくるような流路になっているわけですね。
このあたりで、私は前方のルートを見つけようと、けっこう真剣に見ていました。すると雪渓に囲まれて見える緑の島のこちら側の縁を登山者がひとり下ってくるのが見えました。オリジナルの画像を拡大して見ると先頭に立つ青いシャツのわがメンバーのザックの真上あたり、雪面の向こう側にその人物が写っています。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時18分=伊藤 幸司
前の写真の「緑の島」に向かって、登山ルートはまっすぐに伸びていました。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時18分=伊藤 幸司
ここまで来ると、私たちの先頭部分と向き合うように立っている登山者がかろうじて見えるかと思います。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時21分=伊藤 幸司
その「緑の島」からもう一度雪渓を渡ります。最後尾からだとちょっと心配なのでカメラを双眼鏡代わりに使ったりしましたが、けっこうたくさんの人が歩いている「道」なのでほとんど心配する必要なありません。ダブルストックだと不用意に転ぶという心配が極めて少ないからです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時23分=伊藤 幸司
いよいよその雪渓のところです。滑ると止まらない雪の斜面。道ができていなければけっこう難易度が高くなると思います。たったいますれ違った下りの人の動きにキビキビ感がなかったのは、この斜面を下って、ちょっと緊張した後だったからかもしれません。雪があるかもしれない道筋では、ほんの数歩のところで軽アイゼンを使うべきかどうか悩むことがありうる、と私は思っています。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時25分=伊藤 幸司
こうして実際に足元を見てみれば、危険も感じなければ、恐怖もありません。雪は凍っていないので、必要なら安全性100%のステップを(私の運動靴でも)切ることができます。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時30分=伊藤 幸司
稜線に出て、振り返ると、今日のこれまでの道筋がほぼ全部見えていました。オリジナル画像でないとわかりにくいかと思いますが、画面の左下に見えている道を私たちは登ってきました。左端になりますが上下中央に平たい土地が見えます。オリジナル画像ではテントがポツポツとあり、トイレも見えます。上下中央のその位置から右に2/3ほど移動すると赤い屋根の建物があります。その左上には(雪みたいに見えますが)やはり大きな建物。ロッジ立山連峰と雷鳥沢ヒュッテです。雷鳥沢ヒュッテの上に雷鳥荘もきちんと写っているのですが見えにくいかもしれません。地獄台から上がってきた噴出ガスの道筋のところです。室堂のホテル立山はこの写真ではちょっと絶望的ですが、オリジナル画像だと上から1/3、右から1/5ぐらいのところに見えています。

大日岳登山、新室堂乗越
【撮影】1日目 10時32分=伊藤 幸司
別山から大日岳へと続く稜線に出ました。新室堂乗越の、この二股を右に行けば剱御前小舎を経て別山へ、左に行けば大日岳。雨になる気配なし、稜線に出てみても風はなし、気温は…計っていませんでしたが、半袖シャツで快適。10分間休憩しました。

大日岳登山、室堂平
【撮影】1日目 10時33分=伊藤 幸司
もう一度室堂平を撮ってみると、ロッジ立山連峰、雷鳥沢ヒュッテ、雷鳥荘、立山ホテルがこの写真でも見えるようになりました。

大日岳登山、ホテル立山
【撮影】1日目 10時33分=伊藤 幸司
室堂バスターミナルの上に建つホテル立山。一度泊まったことがあって、好感をもちました。収容人数284名。
『ホテル立山』のホームページには……。
【標高2450m、星にいちばん近いリゾート】
【圧倒的な、別世界の体験を。
四季を通じて、表情を変える雄大な山々。夜には手が届きそうな満点の星。日常の時間の流れから解き放たれる、特別な時間。ここでしか出会えない、圧倒的な別世界の体験をどうぞお楽しみください。】

大日岳登山、立山室堂山荘
【撮影】1日目 10時33分=伊藤 幸司
これは立山室堂山荘。この2棟をつなぐ棟もあって大きな山小屋で、収容人数は200名となっています。この外観だと剱御前小舎の120名の3倍以上ありそうですから山小屋といいつつホテルに近いのですかね。
『立山室堂山荘』のホームページは登山者向けになっています。
【LastUpDate:07/09/2019 18:47:00
おしらせ 2019年の営業は4月15日の御宿泊からとなります。
4・5・11月の立山一帯では、登山者及びスキーヤーは 入山届の提出と雪崩ビーコンの 携帯が必要です
詳細はこちら! http://toyamaken-sotaikyo.jp http://chubu.env.go.jp/nagano/to_2015/post_11.html)
立山センター気象データ(立山カルデラ砂防博物館観測 ) New立山なだれ情報
山情報…立山の天気 室堂の気象情報 室堂2005〜2012気象グラフ アルペンルート時刻表 立山自然便り  
宿泊状況…空室状況 宿泊予約ヘ 山小屋紹介 MAP 4Kライブカメラ(静止画) 奥黒部ヒュッテ 写真で見る山荘小史】

大日岳登山、雷鳥荘
【撮影】1日目 10時33分=伊藤 幸司
今朝全員が集結したらいちょう温泉雷鳥荘。収容人数300名という施設です。
『雷鳥荘』ホームページのトップページにあるのは……
【ホーム 施設案内 周辺観光 写真館 アクセス リンク お客様の声
雷鳥通信
*2019年の営業は11月24日の宿泊までとなります。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
*お支払いは、現金の他、クレジットカード(JCB・VISA・AMERICAN EXPRESS・MasterCard)、PayPayをご利用いただけます。
*立山地獄谷歩道は、火山ガス濃度の上昇により、当面の間通行止めとなります。
*館内でフリー Wi-Fi をご利用いただけるようになりました。(Tateyama_Kurobe Wi-Fi)
*アルペンルート、立山駅・扇沢駅発の最終便に遅れますと当日入山できなくなりますのでご注意下さい。アルペンルート時刻表 
*大汝休憩所の営業は9月24日で終了します。 写真
*Googleストリート で雷鳥荘の館内がご覧いただけます。Googleストリート(雷鳥荘)
*エンマ台〜雷鳥荘間の歩道上では風向き等により火山ガス濃度が上昇することがあります。
特に、ぜん息、気管支炎疾患、心臓病、乳児、妊婦の方は、タオルを口に当てるなど留意して通行してください。
タオルに真水を含ませるとより効果的です。
火山ガスの影響で、目やのどに刺激を感じることもあります。】
大日岳登山、新室堂乗越
【撮影】1日目 10時33分=秋田 守
幸いにもアイゼンを出すことなく、雪渓を二度三度越えて、歩くこと40分。新室堂乗越に到着。ここで休憩。ふう。この先は尾根歩きだからありがたい。振り返ると、眼下に地獄谷がぽっかり口を開けて、ガスを吹き上げていた。紛う事なき噴火口だな、これは。その縁に雷鳥荘が立っている様子がよく分かる。冷静に考えれば、とても怖い場所。のんきに温泉風呂から眺めを楽しんでいる場合ではなかったのかもしれないと今さら思えてきた。

大日岳登山、雷鳥沢ヒュッテ
【撮影】1日目 10時34分=伊藤 幸司
これが雷鳥沢ヒュッテ。収容人数200名です。
『雷鳥沢ヒュッテ』のトップページです。
【黒部アルペンルートのターミナル終点の室堂駅から徒歩40分。
神秘的なみくりが池から硫黄の匂いが立ちこめる地獄谷を過ぎ、しばらく歩いた高山植物咲き誇る雷鳥沢に当館は建っています。
なお、当館までは遊歩道が続いており、どなたでも気軽に歩いてお越し頂けます。
当館自慢の大浴場からは雄山・大汝山・真砂岳・別山などの雄大なパノラマを満喫していただけます。
*料金
2名個室 お一人様11,000円
3名個室 お一人様10,000円
4名個室 お一人様9,500円
相部屋 お一人様9,200円
素泊まり お一人様6,000円
お風呂代 お一人様700円
注)朝食と夕食2食付きの料金です。
素泊まりに食事は付きません。又個室利用は出来ません。
御不明な点がございましたら電話でご確認下さい。 
*施設概要
・コンクリート4階建て
・収容人数250名
・和室29部屋
・洋室2部屋
・スキーヤーズベッド13台
*お風呂
にごり湯(外湯)、男女別内湯(24時間入浴可能)
外湯は源泉かけ流し
立山三山を眺めながら入る雷鳥沢の湯。至福のひととき。
当館自慢の大浴場からは雄山・大汝山・真砂岳・別山などの
雄大なパノラマを満喫していただけます。
*山小屋主人からのメッセージ
登山の疲れを雷鳥沢ヒュッテの温泉で癒してください。
皆様のお越しをお待ちしております。】

大日岳登山、ロッジ立山連峰
【撮影】1日目 10時34分=伊藤 幸司
ロッジ立山連峰。収容人数120名。
『雷鳥沢ヒュッテ&ロッジ立山連峰』の『ロッジ立山連峰』
【ロッジ立山連峰は台風&雪害の為、今期営業の見込みが立っておりません。】

大日岳登山、雷鳥沢キャンプ場
【撮影】1日目 10時34分=伊藤 幸司
そして雷鳥沢キャンプ場。入口の道標には「雷鳥沢野営場」とあり「→キャンプ場受付(売店はありません)」とありました。トイレはあります。
『公益社団法人 とやま観光推進機構』の『富山観光ナビ』にある『雷鳥沢キャンプ場』
【立山室堂周辺で唯一の登山者向けキャンプ場です。剣岳登山を目指す登山者のベースキャンプ、立山縦走や奥大日岳へ向かう登山者の拠点、もちろん室堂周辺を散策するだけの家族キャンプなどでも利用できます。周辺には山小屋があり、温泉に入ることもできます。8月の登山シーズンピーク時には、キャンプ場いっぱいに色とりどりのテントが張られちょっとした景観になります。キャンプ場内には高山植物が生息し、立山連峰や大日連峰を見渡せ、飽きることない優雅な景色が堪能できます。普段見るものとは一味も二味も違う朝焼けや夕焼けの美しさにも感動です。
住所…〒930-1403 富山県中新川郡立山町芦峅寺雷鳥平
電話番号…090-1632-9141(雷鳥沢野営管理所)
休業日…冬季休業
料金…500円(1人1泊につき・清掃協力金として)
アクセス…立山黒部アルペンルート室堂ターミナルから徒歩約45分
駐車場…なし(車の乗り入れ不可)立山駅駐車場1,000台(臨時500台)駐車料金: 無料
備考…問い合わせ先<立山自然保護センター>TEL076-463-5401
*夏山シーズンの混雑期やトイレが使用できなくなる11月以降は、携帯トイレ持参必須(室堂バスターミナル売店・立山自然保護センターでで購入可)
*テントスペースには限りがあります。グループ登山等の場合のソロテントの利用は極力お控えください。
*キャンプ場周辺は貴重な高山植物の群生地です。植生エリアにテントを張ったり、踏み込んだりしないよう、環境保全にご協力をお願いします。】

大日岳登山、室堂
【撮影】1日目 10時36分=若井 康彦
振り返れば眼下は室堂。中央に見える浄土山の向こう側、右手にかつて巨大な立山火山があり、五色ヶ原から弥陀ヶ原、大日平まで溶岩流を押し流し、火砕流を吹き飛ばし続けたと言うのですから凄まじい。今は崩れてカルデラとなり、富山平野の治水の最関心事になっている。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時36分=伊藤 幸司
あっという間に雲が低く垂れ込めてきました。はたして私たちの運命や、いかに……

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時36分=秋田 守
お見苦しい顔を露出して誠に申し訳ございません。見せたいのは醜い顔ではなく、被り物。今回、事前にコーチからヘルメットを用意するようにとの指示があった。ヘルメットでなくても、帽子の下に被るプラスティックのインナーキャップ(ミドリ安全)でもいいとあった。最もシンプルなタイプは314円。ぼくはバンド付き562円をアスクル通販で購入した。さらに近所のワークマンでその下に被る汗取りキャップを買ってきて、今回初めて試した。

大日岳登山、アオノツガザクラ
【撮影】1日目 10時43分=伊藤 幸司
チシマザサの斜面にチングルマとアオノツガザクラがありました。木原浩『高山植物』(1993年・山と溪谷社)にはアオノツガザクラについて【ツガザクラ属の中では一番ポピュラーといえようか。雪田の周辺に大きな群落を作り、チングルマやコイワカガミと混生していることも多い。】とあります。

大日岳登山、ハクサンイチゲ
【撮影】1日目 10時43分=秋田 守
尾根筋にはハクサンイチゲが咲いていた。美形の花が3つ咲き並んでいると、まるで美人3姉妹。いいねえ。これは横向きだったけど、縦一直線に並ぶ3姉妹もいた。6月末にイギリス旅行から帰ってすぐに出かけた北海道の夕張岳では、同じ仲間のエゾノハクサンイチゲのフレッシュな花を見た。その時のお目当ては、ユウパリコザクラとかユウバリソウなどの固有種だったから、今回ほど愛情を降り注いで見つめなかったかもしれない。許せ。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時45分=伊藤 幸司
心配していた雪が、稜線近くにもありました。かえって歩きやすい状態ではありましたが、時期によってはアイゼンが必要かもしれません。……ということは、今回アイゼンが必要になる場面が出てくるかもしれないということと、それがいつ、どこで? ということ。注意すべき重要項目となりました。

大日岳登山、地獄谷
【撮影】1日目 10時46分=伊藤 幸司
地獄谷を見下ろしました。火山ガスの噴出量が増えたことで、この道を歩くことができなくなりました。
この地獄谷の歴史について『ウィキペディア』に『地獄谷 (立山町)』がありました。
【1971年には立山黒部アルペンルートも開通し、交通の便が改善されるたびに訪問する登山者や観光客が増えていった。
その後源泉地帯は火山性ガスの危険があることもあり、「房治荘」は1975年にロッジ立山連峰の隣接地に移転し「ニューフサジ」と改名、その後経営者の変更により現在の「雷鳥沢ヒュッテ」となった。また、雄山荘は廃業し、診療所は雷鳥沢野営場と剱沢の2箇所に移転しており、源泉地帯の建築物は全て撤去され、浴槽跡が残るのみである。
2001年頃には地獄谷一帯は遊歩道が整備され、一般観光客も立ち入ることが出来たが、地獄谷の源泉(「地獄」)地帯は残雪により濃いガス溜りが出来うるため、火山性ガスによるガス中毒の危険を避けるために例年6月までは全面通行禁止となっていた。それ以降の期間も夜間の通行は禁止されていた。
2011年から噴気活動の拡大活発化により、2016年現在に至るまで通年の通行禁止が続いている。室堂駅から雷鳥沢温泉に向かうには、本来は源泉地帯経由が一番近いものの、遠回りとなる稜線上の雷鳥荘経由の道を通る必要がある。このルートにも風向きを示す吹き流しが数カ所に設置され、噴気地帯の風下になった場合の注意喚起を行っている。】

大日岳登山、地獄谷
【撮影】1日目 10時47分=伊藤 幸司
これは地獄谷の火山ガスです。
また『ウィキペディア』ですが『立山火山』に『火山リスク』という項目がありました。
【「立山は国が監視、観測体制の充実の必要があるとする四十七の火山に含まれていない」ため、「火山性地震」などの測定データがなく、火山リスクの科学的判断はされていない状態。
ただ、土地の管理者である環境省による地獄谷での火山性ガスの計測はなされている。近年はそのガス濃度が高まり、2012年より地獄谷は立ち入り禁止が続いている。室堂から雷鳥平へ続く遊歩道では、特に地獄谷からのガスの風下に近いハイマツが茶色に枯れている個所が増加している。そのため、環境省は遊歩道沿いのガス計測ポイントを増やした。また、遊歩道のう回路の計画もされている。
例えば、2013年5月度の火山概況(気象庁)では以下の通りであった。
東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)以降、弥陀ヶ原周辺では地震活動が活発な状態となり、2011年10月から11月には、さらに活発化しました。その後、周辺の地震活動は低下しつつも継続しています。一方、弥陀ヶ原近傍の地震は少ない状態で経過しました。立山地獄谷では以前から熱活動が活発に継続しており、この付近では火山ガスが高濃度になることありますので、注意してください。
また、2014年8月度の火山概況(気象庁)では以下の通りである。
弥陀ヶ原[噴火予報(平常)]弥陀ヶ原近傍の地震は少ない状態で経過しました。立山地獄谷では以前から熱活動が活発に継続しており、この付近では火山ガスが高濃度になることがありますので、注意してください。】
これは地獄谷の火山ガスです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時48分=伊藤 幸司
この気分は立山三山の縦走でも味わえますが、森林限界を越えた高山帯であることと、下に広がる世界が火山性の世界であることで、独特の雰囲気を作り出しているように思われました。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時50分=伊藤 幸司
縦走路は稜線を律儀にたどるのかと思ったら、道はどうもトラバースしながら延びていきます。どういう意図でこういう道になったのかわかりません。北アルプスの縦走路としては「巻く」ほどのものでもないように思えるのですが、積極的に巻道を作るという場面も多いので、それぞれの総合的判断によるのだと理解しています。

大日岳登山、ヘリコプター
【撮影】1日目 10時54分=伊藤 幸司
ヘリコプターがぶんぶん飛び回っていました。今朝、富山駅から室堂へ直行するバスから、天狗平のあたりでしょうか、ネットで包んだたくさんの荷物と、それを運んできたらしいたくさんの車と人を見ていました。あそこにデポされた荷物をヘリが休むことなく運んでいるのです。立山一帯の山小屋と剱岳一帯の山小屋が共同で荷揚げする日だと思われます。
私は以前、テレビの仕事で上高地入口の坂巻温泉近くの河原をベースにして一帯の山小屋に荷揚げをするヘリに便乗させてもらって涸沢ヒュッテの小屋開けを取材させてもらったことがあります。ヘリはいくつもの山小屋に荷物を連続的に運び上げていきました。そこまでは涸沢ヒュッテ便への便乗で済んだのですが、最後の空き時間で槍ヶ岳上空で一回転してもらったら、けっこうな料金を請求されました。
北アルプスではシーズン中は毎週ヘリで荷物を上げるという山小屋もあるほどで、客があればそのぶんの必要資材をどんどん(いくらでも)ヘリで上げるというビジネスモデルが確立されています。
かつて人が荷物を運んでいた頃の苦労については三俣山荘で空輸実験なども行った伊藤正一さんの著書『黒部の山賊』(2014年)に詳しいのですが、いまや来る客を拒まずに営業を拡大できる時代になったのです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 10時56分=伊藤 幸司
標高2,500mほどの、天空の散歩道という感じです。

大日岳登山、コイワカガミ、イワイチョウ
【撮影】1日目 10時57分=伊藤 幸司
コイワカガミとイワイチョウ。イワイチョウはまだ葉っぱだけです。

大日岳登山、アオノツガザクラ
【撮影】1日目 19時57分=伊藤 幸司
アオノツガザクラです。なんだか出演メンバーの少ないドラマを見ている感じではありますが、これなんかいい光景ですよね。
『北の息吹−日本の魅力的なワイルドフラワー500種 統合圧縮版(和名順)』(岡田尚武+ゴータム・ビタンバル 2018年 北海道大学)という無料のデジタル本に『アオノツガザクラ』がありました。
【高山に生える常緑の小低木で、高さは10〜30cmほど。木のツガに似た葉と緑色の花からこの名が付いた。北海道には3種のツガザクラ属が分布しているが、エゾノツガザクラとナガバノツガザクラが東北地方を南限とするのに対し、アオノツガザクラは日本アルプスや白山でも普通に見られ、3種の中では最も分布範囲が広い。国外ではアラスカまでの北太平洋寒冷域に分布する。比較的湿ったところを好むようで、雪渓が消えたあとに大群落を作る。長さ7〜8mmの花は緑がかった白色であまりぱっとしないが、枝先に10個近くの花をかたまってつけるため、群落を作っているところでは落ち着いた美しさがある。花は下向きだが実は上向きになり、長く伸びた花茎の先にいくつも並んで直立する様子は微笑ましい。】
著者の岡田尚武は日本有数の地質学者ということですが、このデジタル本に採用されている写真は著者本人のもの。
上巻にその制作意図が記されていますが、糸の会のこの『山旅図鑑』の先人と感じます。ぜひみなさん無料ダウンロードしてみてください。
【この企画は、岡田尚武が2007年から4年間にわたって、北海道大学の広報誌「北大時報」の裏表紙に、「北の息吹」というタイトルで掲載した写真とエッセイを拡大発展させたものです。岡田とビタンバルは2003年からの5年間、文部科学省の21世紀プロジェクト「新自然史科学創成ー自然界における多様性の起原と進化」の中心メンバーとなり、新しい博物学の普及と研究に関わりました。デジタル本「北の息吹」の企画と編集には、このプロジェクトの目的と経験が引き継がれています。ワイルドフラワーに関する博物学の啓蒙と普及を目的としていますので、ダウンロードしたPDFファイルをコピーしたり、他人に提供することへの制約はありません。】

大日岳登山、ヘリコプター
【撮影】1日目 10時57分=伊藤 幸司
このヘリコプターは読み取れる機体番号から朝日航洋のものだとわかります。その機体番号で検索すると、まさにこのヘリのさまざまな勤務写真(航空フォトというのだそうです)がのっています。ちなみにそれぞれの写真の撮影場所を調べてみると富山空港、岡南飛行場、富山空港、東京ヘリポート、八尾空港、八尾空港、八尾空港、八尾空港、八尾空港、成田国際空港、富山空港、高松空港、富山空港、とありました。いろんな人が投稿しているんですね。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時00分=伊藤 幸司
さぁて、わかりませんね、セリ科の花は、……と何度言っても言っただけで放置してあり、せめて葉っぱが写っていないとどうしようもないのに、花だけ撮っているわけです。しかも右下の花には昆虫が止まっているのに、気づいていない。
このまま写真を外してしまうのが賢明だと思いつつ、ちょっと1回だけ検索をしてみようかと思ったら、平成19年の8月2日に『奥大日岳山頂付近稜線』で見た花の一覧が出てきました。
『気まぐれトレッキング紀行』の『大日岳・奥大日岳縦走』の『奥大日岳山頂付近稜線』です。
【山頂へ何時までも居たい気持ちを抑えて、9時35分に山頂を後にして、「大日岳」方面への標識に従う。その途中に多くの高山植物を見つけて、撮影した。
「ミヤマゼンコウ」「ヨツバシオガマ」「ミヤマダイコンソウ」「ハクサンフウロ」「クルマユリ」「ヤマブキショウマ」「エゾシオガマ」「シナノキンバイ」「カラマツソウ」「バイケイソウ」「ハクサンボウフウ」「キヌガサソウ」等で、この稜線では最も種類が豊富な地域だった。】
ミヤマゼンコとハクサンボウフウがあったようですが、そのどちらかだと考えていいようです。バシッと決められないのは残念ですが。

大日岳登山、ミヤマリンドウ
【撮影】1日目 11時00分=秋田 守
ハクサンイチゲの他にもアオノツガザクラや、このミヤマリンドウなど色とりどりの高山植物が待っていてくれた。ひょっとしてタテヤマリンドウかも、と初めは思ったが、タテヤマリンドウはもう少し白っぽい。さらに、茎から出た葉っぱがこの写真では開いているが、タテヤマリンドウの場合は開かずに茎に沿って伸びる。なんてことは、きっとまたすぐに忘れてしまうに違いない。その繰り返しが楽しくてやってるようなものではあるが。

大日岳登山、タテヤマリンドウ
【撮影】1日目 11時01分=伊藤 幸司
リンドウがありました。タテヤマリンドウかどうかということですが、ネットで見てみるとミヤマリンドウもあるようです。
そこで『自然を楽しむ山歩き>富山 北信越飛』を見ると『同定<58>タテヤマリンドウとミヤマリンドウ』(2010年12月16日)がありました。
【タテヤマリンドウ……本州中部から北海道に分布し、亜高山帯から高山帯の湿地に生え、背丈10cm位まの越年草。
花期は6‐8月頃、花径2cmほどで5弁の裂片で、弁中間に小さな副弁が有り、色は淡青紫系白色から、かなり濃い青の縁取りになったものなどが有り、白色のものは、シロバナタテヤマリンドウとして、別扱いされる事もある。どの色のものも、花内部には斑点が有るのが特徴。
ロゼット状の小さな根生葉が有るが余り目立たず、細い茎葉も有るが、これも目立たない。茎は2‐3本に枝分かれする事が多く、枝先に1個の花を付ける。
ミヤマリンドウと形も色も良く似るが、はっきりした違いは、タテヤマリンドウの花の内部には斑点が有り、ミヤマリンドウには斑点が無い事で区別が出来る。】
『ウィキペディア』の『タテヤマリンドウ』には【ハルリンドウの高山型変種。】とありました。

大日岳登山、タテヤマリンドウ
【撮影】1日目 11時01分=伊藤 幸司
『Tam's 素人植物図鑑 ★現在の掲載種数=1,603種』に『タテヤマリンドウ(リンドウ科)[立山竜胆]』がありました。
【山地帯〜高山帯の湿地に生える無毛の1〜2年草で、分枝して高さ5-15cmになる。ハルリンドウの変種で全体に小さい。匐枝は出さない。
葉は対生し、2-3対がロゼット状に根生して花期にも残り、長さ0.5-1cm、幅4mmの卵形〜狭卵形で全縁、先はとがる。茎葉は長さ1cmほどの卵状披針形で茎に沿うように2-3対つく。
花は淡青紫色で枝先に1個ずつつき、日が差さないと開かない。花冠は長さ1.5-2cmの漏斗状鐘形で5裂し、裂片は3角状披針形。副片は裂片の半長以下で先は不規則に裂ける。雄しべは5個で花冠裂片と互生し花筒につく。子房の基部に蜜腺があり柱頭は2個で板状。萼は長さ0.8-1cmの筒状漏斗形で花冠の半長以下、5中裂し裂片は鋭くとがり反曲しない。
果実は蒴果で2片に裂開する。
白花品をシロバナタテヤマリンドウという。
ミヤマリンドウは萼裂片が反曲する。】

大日岳登山、ツマトリソウ
【撮影】1日目 11時02分=伊藤 幸司
ツマトリソウがありました。足元にあると意外に目につくのですが、ピンクの縁どりがないと確信が持てない……という程度の判定能力で見ています。
『長野周辺の山歩きと山野草』の『山歩きの雑学』に『ツマトリソウの名の由来』がありました。
【ツマトリソウ(サクラソウ科ツマトリソウ属)は、双子葉合弁花類に属します。花冠が深く7裂しているので、離弁花のように見えますが、花冠が脱落したところを観察すると合弁花であることが納得できます。花冠と雄しべが一緒に落ちるのであって、花びら一枚一枚が別々に脱落するのではありません。
この白く印象的な花を撮っていると、行き会ったハイカーに花の名前を尋ねられることがよくあります。ツマトリソウと聞くと多くの人は「妻」を連想するようですが、由来となったのはそうではなくて「端」の意味のツマです。花冠の先端が淡い赤で縁取られることからツマトリソウと名付けられました。しかし、長野では、縁取られたツマトリソウは滅多に見ることはできません。多くの場合、白一色のツマトリソウです。2番目の写真は、名の由来となった赤く縁取られた”珍しい”ツマトリソウです。注意してみないと見逃してしまうほどの淡い赤です。花冠の裏側の方が若干色が濃く見えます。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時04分=伊藤 幸司
さあて、何があったのか? 気持ちいい夏雲の下で、振り返ったら何かが見えたという場面です。

大日岳登山、立山三山
【撮影】1日目 11時04分=伊藤 幸司
見えたのは立山三山。雄山(標高3,003m)、大汝山(標高3,015m)、富士ノ折立(標高2,999m)が正面にそびえています。今日はじめて見えた! という印象です。噴煙の左には雷鳥荘、画面の中央には雷鳥沢ヒュッテとロッジ立山連峰も見えています。そしてもちろん雷鳥沢キャンプ場も。私たちには振り返るに値する光景でした。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 11時07分=伊藤 幸司
突然、キヌガサソウが出てきました。
俳優・石丸謙二郎オフィシャルブログ『Off time』に『驚異のキヌガサソウ』(2019.7.31)がありました。私にはちょっと驚愕の文章ですけれど。
【この花の名は《キヌガサソウ》と呼ばれている。
昨年、信州は穂高岳に登っている最中、偶然見つけた。
先週、白馬岳の登山中、群落を見つけた。
見つけた・・と何気なく語っているが、
この花、とてもおかしな植物なのである。
ここで突然、遺伝子の話になる。
DNAが保持する遺伝情報は、塩基配列の形で決まる。
(A)アデニン、(G)グアニン、(T)チミン、(C)シトシン、
この4種類、AGTCの配列の順列組合せが、延々と続く。
僕らの身体も、この塩基の配列で出来ている。
さて、キヌガサソウ。
細胞一つあたりの総DNA量を示すゲノムサイズが、
世界最大なのである。
この量が、いかに凄まじいかは、最近の研究結果が示している。
《人間の50倍のゲノム》
あんですと?
意味がわからない。
こ奴は植物である。
高山で、ジッとしている草である。
失礼、花を咲かせる草に過ぎない。
その花が、どうしてそんなに大量のゲノムが必要なのだろうか?
人間の50倍ですと?
私が見つけた場所も、群落と言いがたいほどの数で、
秘かに生きていた。
<絶滅危惧種>と云う言葉を想起させる。
それほどのゲノムがあると、自分をコピーするのに、
間違いを起こす確率が高くなる。
だからだろうか?
花の下にある葉っぱの数が、一定でない。
7枚〜11枚と文献には書いてある。
私が撮った冒頭の写真は、10枚である。
↓コレは9枚。
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↓コレは11枚。
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↓そして、見つけたのだ。
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12枚!
なんだコレは?いいのか?
私は、怖がっている。
君が歩きだす日を・・・ 】

大日岳登山、サンカヨウ
【撮影】1日目 11時08分=伊藤 幸司
キヌガサソウがあれば、サンカヨウもあるかもしれない。シラネアオイだってあるかもしれない。……と思っていたら、サンカヨウがありました。

大日岳登山、サンカヨウ
【撮影】1日目 11時08分=伊藤 幸司
サンカヨウの花がとても可憐に撮れました。この花びらが透明になるという説明がありました。
『バラと小さなガーデンづくり』というサイトに『透明な花サンカヨウってどんな花? 見られる時期や場所、育て方までご紹介!』(2018年6月14日)
【世の中には不思議な花があるもので──。まるで氷でできたかのような美しい透明な花びらをもつ花が実在します!
その花の名前は「サンカヨウ」。漢字では「山荷葉」と書きます。「荷葉」とは「蓮の葉」をさすそうで、「山に咲く蓮のような葉をもつ花」といった意味合いをもつ名前です。蓮というよりは蕗の葉のようですが、とにかく大きな葉をもつ山の花です。
数年前にテレビで流れた化粧品のCMで見たことがある方も多いことでしょうね。初めて見た透明な花の美しさに、まさか本物の花とは思えなかったものです。わたしは、ぜったいにCGで作られた映像だと思いました!】
【この白い花は雨や露で濡れると最初の写真のように透明になり、ガラス細工のような美しい姿になります。そして乾くとまた白い花に戻ります。花は開花から1週間ほどしかもたず、少しの衝撃でも散りやすい。しかもちょっと水に濡れたくらいでは透明にならず、弱い雨に長く濡れたときやじっとり露を含んだときにしかきれいな透明にならないので、良い状態で透明の花を見るのはなかなか難しいです。霧吹きシュッシュッとやったくらいではきちんと透明にならないそうですよ!】

大日岳登山、ナナカマド
【撮影】1日目 11時09分=伊藤 幸司
ナナカマドが白い花をつけていました。いずれ葉が赤くなり、赤い実がついて山の秋の象徴的な姿になります。でも、なんとなく落ち着かないのは「ナナカマド」でいいかどうか。こんな葉っぱでいいかどうか。

大日岳登山、ナナカマド
【撮影】1日目 11時09分=伊藤 幸司
ナナカマドをクローズアップしてみると花の雰囲気がかなり違ってきました。白が基調の清楚な雰囲気から、なんだかにぎやかな表情になってきました。
『森と水の郷あきた・あきた森づくり活動サポートセンター総合情報サイト』の『樹木シリーズ32 ナナカマド』を見てみました。
【花・・・枝先に複散房花序をだし、白い花を多数開く。花弁は5個、雄しべは20個、花柱は3〜4個。 】
この写真では雄しべがまだ伸びきっていないのだと思います。雄しべが伸びると白い花弁のところに雄しべ先端の葯が黒ごまを散らしたような感じになります。花がまだ若いのでしょうね。
でもやはり疑問があります。葉っぱです。
『ヤマケイオンライン』の『高橋 修の「山に生きる花・植物たち」』に『高山の紅葉といえば・・・「ウラジロナナカマド」』(2016年10月19日)がありました。
【ナナカマドは高山に3種類ある。ウラジロナナカマド、ナナカマド、タカネナナカマドだ。この3種はよく似ており、見分けるのは難しいが、花と葉で見分けるポイントだ。ウラジロナナカマドの花は上を向いて咲き、葉の縁の葉柄側に鋸歯(ギザギザ)がない。ナナカマドの花も上を向いて咲き、葉の縁全体に鋸歯がある。タカネナナカマドは花が横〜下を向いて咲き、葉の縁全体に鋸歯がある。標高でいうと一番標高が高いところを好むのがタカネナナカマド、ほぼ同じで少し低いところにも生えるウラジロナナカマド、高いところにも生えるが低いところに多いのがナナカマドだ。】
あきらかにこれはウラジロナナカマドなんですね。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時16分=伊藤 幸司
この稜線を歩き出したのは10時40分でしたからまだ30分ちょっとしか経っていません。当然、最初のピーク、奥大日岳へと向かい始めたばかりなのですが、バスの窓から、室堂平から、何度も遠望してきた稜線を歩いているのは間違いないのに、そのどのあたりにいるのか、まったく見当がつきません。
おおよそ平らじゃないかと思っていた稜線にピークがいくつもあって、それを巻いて歩いています。律儀にたどっていたら、けっこう大変なことになっていた……という気持ちも出てきました。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時17分=伊藤 幸司
これは進行右側の斜面。地図によると中ノ又谷かカガミ谷、下ると大日谷になり、剣岳からの流れも合わせて早月川になるそうです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時18分=伊藤 幸司
振り返って撮っています。後ろ姿は称名滝から登ってきたトレイルランナー。女性の一人旅。一瞬のすれ違いゆえ、どこから来てどこへ行くのかさえわかりませんが、称名滝の登山口から登ってちょうどこの時刻にこの辺まで来ちゃったという人のレポートがありました。
『ヤマップ』の『奥大日岳トレラン』(2018.08.18)『トモ』さんです。
【06:05スタート
06:05〜06:06 登山口
(1時間28分)
07:34〜07:34 大日平山荘
(1時間11分)
08:45〜08:47 大日小屋
(6分)
08:54〜09:12 大日岳
(9分)
09:21〜09:27 中大日岳
(47分)
10:14〜10:53 奥大日岳
(49分)
11:42〜11:47 室堂乗越
(28分)
12:15〜12:15 キャンプ場
(9分)
12:25〜12:26 雷鳥荘
(49分)
13:16〜13:17 天狗平山荘
(43分)
14:01〜14:02 六甲学院立山ヒュッテ
(1時間48分)
15:51〜15:51 登山口
1551〜15:52 ゴール】
【Ryoさん、ありがとうございます!
流石にこの日は、バテバテでした。最後の八郎坂が足が言う事きかないので怖くて怖くて…。
変態に近づけましたかね?笑笑】
要するに称名滝の登山口を(称名滝の駐車場まで車で入れるのは午前6時からなので)午前6時に出発するとちょうどこのころあたりまで来てしまうというレポートです。この女性もそのレベルのトレイルランナーなのでしょうか。
ちなみに逆コースの人のコースタイムも見てみましょう。
これも『ヤマレコ』ですが『奥大日岳、中大日岳、大日岳。室堂から立山駅まで。』(2015年10月10日)『tgif』さん。
【6:20 立山駅からロープウェイ&バス
7:40 ウンコしてから出発(室堂)
8:59 奥大日岳最高標高地点
9:19 奥大日岳
10:12 中大日岳
10:32 大日岳
12:40 大日岳登山口
12:47 称名滝
13:51 立山駅】

大日岳登山、エンレイソウ
【撮影】1日目 11時21分=伊藤 幸司
エンレイソウがありました。わざわざ北アルプスまでやってきているわけですからシロバナエンレイソウ(ミヤマエンレイソウ)だと嬉しいのだけれど……なんて思いながら、いくぶん義務的な気分で撮りました。
エンレイソウについては『ウィキペディア』の『エンレイソウ』の解説がものすごくわかりやすいと思いました。
【特徴……太く短い根茎から、高さ20-50cmの茎が一本伸び、その先端に3枚の葉を輪生する。葉は葉柄を持たず、茎から直接生ずる。葉の形状は丸みを帯びたひし形で、直径は10-20cm。花期は4-6月。3枚の葉の中心から短い花柄が伸び、小さな花をつける。花は花弁を持たず3枚の緑色または濃紫色のがく片を持ち、横向きに咲く。】
そしてなんと【黒く熟した果実は食用となる。】とあったのです。
たぶん食べた人がいる……と思ってさがすと『雲のように……佐渡の海、山、川、そして空を』に『食べちゃいました! エンレイソウの実を。。。』(2011-07-09)が、もちろんありました。
【以前お約束していました、エンレイソウの実を、勇気を振り絞って、食べちゃいました。(;^_^A
熟しているのは、もう鳥に啄かれていて、調度良い感じのは、なかったので
チョッと固めの奴を摘んで、家に持ち帰り、追熟することに。。。
出来れば、触って柔らかくなっている物の方が、熟しているようです。
食べた感想ですが、甘酢ぱくて美味しいです! まさに、ベリー系の味です。
ただ、後口に少しエグミを感じます。
あまり熟してない物は、チョッと甘酸っぱい、種の多いナスの様でした。
有毒物質のサポニンが含まれていますので
くれぐれも、食べ過ぎない様にお願いします。
また、公園内や山野草などが、保護されている場所での採取は、厳禁ですよ!】

大日岳登山、ショウジョウバカマ
【撮影】1日目 11時21分=伊藤 幸司
雪解け時期に期待できるのがショウジョウバカマ。
この名前に関して名解説がありました。
『植物生態観察図鑑(こちらは「石川の植物」の別館です)』に『123ショウジョウバカマ』です。
【ショウジョウとは「猩々」という酒好きの伝説上の動物で、花の色の赤いところを猩猩の赤ら顔に、葉がロゼット状に広がる様子をその袴に見立てたという類の語源説が広まっていますが、私はこの考え方には賛成していません。葉がロゼット状に広がっている姿を「袴」に例えたのはうなづけますが、花(花序)を「猩猩」に例えたのは無理でしょう。「紅紫色の花を猩猩に見立てた(木村1996)」、「花の赤い色を猩猩の顔に、葉をその袴に見立てた(河野 1989)」等ですが、花は色が少し赤っぽいだけで、猩猩の赤ら顔と見るには無理があります。さらに、離れた位置にある花と葉のそれぞれに語源を求め合成するのもやはり無理です。だいたい、猩猩なる伝説の動物が袴をはいているなどはあり得ないのです。赤シャツといえば、赤色のシャツであるし、緋袴といえば、緋色の袴でしょう。猩猩色の袴、すなわち猩々袴がもっとも無理のない呼び名でしょう。冬のショウジョウバカマは、おそらく凍結防止のためにアントシアンが形成されているのだと思いますが、しばしば葉が真っ赤に染まっています。これこそ、先人が「猩猩色の袴」と呼びたくなった姿でしょう。花の色とは関係ないと私は考えています。
一方、次のような語源説もあります。
「花後、一時的に花が赤くなるのを能の猩猩の赤頭に見立てた」(高橋 2004)です。ショウジョウバカマの花後の色は変色しますが、赤い色というのがふさわしいかどうかは疑問がありますし、しかも一時的である。しかし、花の色を猩猩の顔色に当てたのではなく、「能の猩猩の赤頭」に当てた着想はすばらしいと思います。 能役者は袴を着けているから猩猩が袴をはいていることにも矛盾はないことになります。「花後、一時的に花が赤くなるのを」の箇所をカットして、「能楽に出てくる“猩猩”の赤い髪 [赤頭] を連想させるのでつけられた。一方、“バカマ”は葉姿からきている。」(高橋 2004)というならそれもありでしょう。】

大日岳登山、コシジオウレン、ミツバノバイカオウレン
【撮影】1日目 11時22分=伊藤 幸司
オウレンの仲間だというのは間違いないようですが、何オーレンかはこの写真だけではわからないと思います。
『あの頂を越えて 野山で出会った花』には大日岳で撮った『コシジオウレン』が出ていました。
【別名……ミツバノバイカオウレン】
【日本海側の高山などに生える多年草。ミツバオウレンと良く似ているが、茎が紫褐色であることなどが特徴。
葉は3小葉、茎が紫褐色、白い萼片は丸みをおびている。】
『自然を楽しむ山歩き>富山 北信越飛』に『同定<73>ミツバオウレンとミツババイカオウレン』(2011年03月11日)がありました。
【ほとんど同じ外観のミツババイカオウレンは、花弁の先端が丸くなっている事で区別する。】
結論としては(ただの)ミツバオウレンのようですが、できればミツバノバイカオウレンであってほしかった!
【ミツバオウレンより花弁の先端が丸く広く、梅の花に似ていると言えばそうとも言える。
この事からバイカの銘々らしいが、立山で同定されたので、タテヤマオウレンとも云われる。又、北陸に多い事からコシジオウレンとも呼ばれる。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時22分=伊藤 幸司
いよいよ奥大日岳への登りじゃないかと思って撮っているのですが、よく見ると登山道は山頂に向かう雰囲気を見せずに、山腹を巻いています。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時22分=伊藤 幸司
ハイマツの林の中に登山道が埋没しています。これが北アルプス縦走路の「森林限界」の代表的な光景と考えていいでしょう。私たちはいま標高2,500mあたりを歩いています。
『コトバンク』の『森林限界』で『日本大百科全書(ニッポニカ)』を読んでみます。
【高木林の分布する限界線をいう。極地、高山においては低温によって森林限界ができ、熱帯では乾燥地帯に向かって森林限界ができる。森林限界は、ほかに崩壊、強風、雪崩(なだれ)、洪水、硫気孔、海岸などの局地的、土地的な条件によっても形成される。一般に湿潤気候下では森林限界は明瞭(めいりょう)な線として認識できるが、乾燥気候下では森林から開放的植生域への移行は漸変的である。日本の山岳における森林限界は、針葉高木林(シラビソ、トウヒなど)と針葉低木林(ハイマツ)との間に森林限界があると考えるのが一般的で、本州中部でのその境界は2500メートル付近となる。しかし、高木林あるいは森林の定義によっては、ミヤマナラや丈の高いハイマツ群落は森林限界内のものとも考えられる。[大場達之]】
じつは今日の出発地点・室堂の標高がすでに2,400mで、室堂平は溶岩台地であることもあって、私たちは歩き始めてからずっと森林限界のバリエーションを見てきたことになるのですが。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時23分=伊藤 幸司
北の雲が一瞬晴れかかりました。姿を表したのは剱岳から日本海に向かって下る早月尾根のようです。かなりこまかく観察を続けたのですが、山頂を確認することはできませんでした。じつはこの大日岳の稜線は剱岳の展望が最大の魅力ともいえるのですが。

大日岳登山、コイワカガミ
【撮影】1日目 11時24分=伊藤 幸司
稜線でいくつか見たのとはずいぶん顔つきの違うコイワカガミですが、振り返ってみたら09時41分に室堂平で最初に見たのとほぼ同じ顔つきです。
コイワカガミとイワカガミの違いはきちんと見ればわかるようですが、私などは高山帯で見るものはみなコイワカガミだと決めつけているところがあります。
『7年時限の九州の山便り』というブログに『イワカガミとコイワカガミ』(2012/8/18)がありました。
【イワカガミ属の種類について……イワカガミ類とヒメイワカガミ類に区分されます。両者は別種です。
イワカガミ類にはコイワカガミ・オオイワカガミ・ナガバイワカガミが含まれます。
ヒメイワカガミ類にはアカバナイワカガミ・ヤマイワカガミが含まれます。
イワカガミとコイワカガミの違いについて……区別はつけにくいと言われています。
・イワカガミ
葉はコイワカガミに比べてやや大型。鋸歯は10数個と多い。
花は下向きに咲く。花数は3〜10個と多い。
・コイワカガミ
葉は2〜5cmの円形〜卵型で、鋸歯は8個。ギザギザがないか少ない。
花は横向きに咲く。花数は1〜5個。
学名…
・イワカガミ
Schizocodon soldanelloides Siebold et Zucc.
・コイワカガミ
Schizocodon soldanelloides Siebold et Zucc. f. alpinus maxim 
とあります。シーボルトの名前が出てきます。
結論……学名の後のf.はformaの略で、型のことを言います。アルピナスとついていますから高山型とわかります。】

大日岳登山、アオノツガザクラ
【撮影】1日目 11時25分=伊藤 幸司
アオノツガザクラです。『山の花1200』(青山順三・2003年・平凡社)では『ツガザクラ・コメバツガザクラ』という見出しでなかなか力の入った総説がありました。
【風の吹きすさぶ極寒の地、高山帯の山頂稜線。ここでの主役たちは、岩礫の上にカーペット状にへばりついた、“草よりも小さい”とさえ思える矮性樹木たちだろう。その大半がツツジ科の植物。便宜上“ツガザクラの仲間”と一括して紹介するが、花や葉の姿はさまざま。姿の類似の度合いとは無関係に、分類上はまったく別のグループであるツツジ亜科の種とスノキ亜科(スノキ属以外をウラシマツツジ亜科に分ける見解もある)の種を含んでいる。
葉がミニチュアの針葉樹のようで、コケモモに似た壺・鐘状の花が咲くのが、ツガザクラ属(3種、ツツジ亜科)とイワヒゲ属、ジムカデ属(各1種、ともにスノキ亜科)……】
また、『岩崎園芸』の『商品概要』に『アオノツガザクラ』がありました。
【北海道、本州中部以北、北太平洋地域の高山の雪田縁、草地に生える常緑小低木です。クリーム色の丸いつぼ型の花を下向きにつけます。アオノツガザクラ。】
【育て方
ポイント……冬場〜春先の乾燥した寒風に弱いので、風除けしてやりましょう。冬越しは積雪のある寒冷地では特に気を遣いませんが、積雪の少ない地域では風よけ、霜よけ対策をしましょう。
水やり……春先はたっぷりと、表土が乾いたら施します(1〜2日に1回程度)。夏場は暑がりますので、用土の乾き具合を見ながら施します。休眠期は控えめにやりますが、鉢内が乾ききらない程度に水やりをしましょう。
肥料……山野草用に薄めた液肥をやりましょう。夏場は施しません。
用土……鹿沼土、火山れきなど、水はけのよい用土を用います。】

大日岳登山、ショウジョウバカマ
【撮影】1日目 11時27分=伊藤 幸司
中心にショウジョウバカマの赤い花があります。それを遠くから取り囲むように咲いている黄色い花は、その大きな葉から見て、オオバキスミレだと思います。
でも大日岳にあるかどうか探してみると『いこまいけ高岡』というサイトの『立山の高山植物』に『オオバキスミレ』がありました。【2011年7月14日奥大日岳近くのカガミ谷乗越にて撮影】という写真とともに。
【オオバキスミレは、スミレ科スミレ属の高山植物です。
学名:Viola brevistipulata (Franch. & Sav.) W.Becker、和名:オオバキスミレ(大葉黄菫)
分布域は北海道南西部から本州近畿地方以北の日本海側の山地帯から亜高山帯で、林縁や草地に自生しています。草丈は5〜30cm程度。花期は4月中旬から7月頃まで、直径1.5 cm程黄色の花弁で、紫色の線が入っています。心形の根生葉が1〜2枚と広卵状形の茎葉が3〜4枚があり、長さは2〜8cmくらいの葉があります。葉の縁は、ギザギザの形状となっています。和名の由来は、他のスミレと比べて葉が大きく黄色の花に由来しています。標高の高い場所に咲く「ミヤマキスミレ」はオオバキスミレの高地型の変種です。】
ショウジョウバカマを取り囲んでいる葉は、なんですかね。さらに外周にあたるのがコバイケイソウです。もう少しで夏のにぎやかさになりますね。

大日岳登山、ミツバノバイカオウレン、タテヤマオウレン
【撮影】1日目 11時28分=伊藤 幸司
これも数分前に見たミツバノバイカオウレン(タテヤマオウレンとも)と同じじゃないか、としておきたいと思います。見た目はずいぶん違いますが、こちらがスッピン?……などと思いながら。八ヶ岳だと何でもかんでもミツバオウレンということで決着させてしまっていますが、その程度の意味でミツバノバイカオウレン、すなわちコシジオウレンということで。

大日岳登山、ショウジョウバカマ
【撮影】1日目 11時29分=伊藤 幸司
雪が溶けるとショウジョウバカマがこんな感じでムクムクと湧き出てくる、というのが私がもっている基本的なイメージです。

大日岳登山、ショウジョウバカマ
【撮影】1日目 11時29分=伊藤 幸司
ショウジョウバカマには雌性期というのがあって、その後雄性期になるのだそうですが、そのわかりやすい写真がありました。
『(公財)富山県民福祉公園』のサイトだと思うのですが『ショウジョウバカマ』がありました。
その写真に、次のキャプションがついていました。
【2003年3月22日 にょきっと雌しべが突き出ています。この時期は雌性期なのです。】
【2002年3月24日 花が開いたときには雌しべの時期は終り雄性期に入っています。】
この写真では頭に葯がついているの雄しべが十分に育っているので「雄性期」なんですね。赤っぽい真っ直ぐなのが雌しべの花柱です。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時29分=伊藤 幸司
北アルプスの縦走路としてはなんだか拍子抜けするような光景ですが、歩いている私たちはそうでもありませんでした。自分がいまどこにいるのかわからない苛立ちのほうが大きかったように思います。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時29分=秋田 守
室堂乗越へ向かう登り道。足下は花崗岩(と、若井さんに教えてもらった。言われると、ああそうか、花崗岩かと思うが、独力でこれは花崗岩ですと自信を持ってはたぶん言えない。その代わり、僭越ながら、花の名前は若井さんに教えている)で、道幅もあり、傾斜もきつくないから、歩きやすかった。左手斜面にはコバイケイソウの葉がびっしり。花はもっと後に咲くのか、今年は咲かない裏年なのか。コース全体でもあまり咲いてなかった。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時30分=伊藤 幸司
まあ、悪天候でなければ万々歳、周囲の展望があれば最高という道です。ダラダラと、登るような、登りきらないような巻道です。

大日岳登山、チングルマ
【撮影】1日目 11時31分=伊藤 幸司
チングルマです。高山帯では雪解けの時期にこの花が咲き、雌しべが伸びて綿毛をなびかせます。
でその花なんですが、この時期の花をアップで撮った写真をネット上でたくさん見られます。多くの場合、花の中心部に緑色があります。それを詳しく見ると5枚の花弁の隙間から向こう側の葉の緑が透けて見えていることが多いのです。この写真でも純白の花弁に黄色い雄しべ、そして隙間から見える葉の緑がなかなかの取り合わせです。
……でもオリジナル画像でよく見ると、雄しべの黄色に囲まれているのは緑色の細い棒、どうも雌しべのようです。これが多くの解説では「黄色い雌しべ」と書かれているもの。ちなみにここではアップの写真を撮っていませんが、雄しべも伸びきっていないので花糸と呼ばれる支えの部分がまだもじゃもじゃと魅力的なスタンバイをしています。
『野の花図鑑』の『チングルマ』に的確な解説文がありました。
【花の大きさは2〜2.5cmほど。5弁の白い花弁を持ち、花の中央には、20〜30本の黄色い雌しべ、そしてその周りを無数の黄色い雄しべが取り囲んでいます。
受粉が終わると、花弁と雄しべが落ち、雌しべが長く伸びて鬚の様な綿毛になります。】
その雄しべに関するユニークな論文がありました。余分かもしれませんが。
『東京大学大学院・理学系緩急科・理学部』のサイトにある『雄しべの裏表の決定機構の解明…雄しべは葉からどのように進化してきたのか?ゲーテの洞察を遺伝子の言葉で説明する』(2010/6/2)『発表者 平野博之(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 教授)』です。
【発表概要…雄しべは、進化的には葉が変形したものと考えられている。これまで、雄しべのどの部分が表と裏に相当するのかは、全く不明であった。私たちは、イネの変異体と遺伝子の研究から、雄しべの表と裏(学術的には、向軸側と背軸側(注1))を決定する機構を明らかにした。
発表内容……花びらや雄しべ、めしべなどの花の各器官は、もともと葉であったものが、進化の過程で変形してきたものと考えられています。この考えは、200年以上前に、詩人としても有名な、ドイツの自然科学者ゲーテによって提唱されました。そして、現在、植物の遺伝子研究により、この考えが正しいことが証明されてきました。また、がく片や花びらなどの表と裏は、葉と同じ遺伝子の働きによって決定されていこともわかっています。花びらなどは、扁平な形をしているので、葉と同じと言われても、比較的受け入れやすいと思います。しかし、雄しべは、扁平というよりは棒状の器官です。「葉」という基本形から、どのように変形したのでしょうか?また、雄しべの裏表はどのように決定されているのでしょうか?そもそも、雄しべには裏表があるのでしょうか?
私たちは、イネのロル変異体という、雄しべの形態が異常となった変異体と葉の裏表に関与する遺伝子の働きを調べ、雄しべの裏表を決定する機構を解明しました。雄しべは、花糸といわれる棒状の部分と葯から構成されています(図1)。葯は2つの「半葯」という単位に分割され、「半葯」はそれぞれ2つの花粉嚢(かふんのう)からできています。花粉嚢の中で、花粉が作られます。葉が形成される際には、発生初期に葉の丸い原基の中で、裏表の性質(極性)が決定され、表と裏の境界部分が伸長することにより、扁平な葉の形になっていきます。雄しべが形成されるときにも、発生初期には葉と同じように裏表の極性(注1)が決定されます。しかし、その後、その極性は大きく変化し、向きの異なる2つの軸へと転換していくことがわかりました(図2)。転換後の極性は、半葯が単位となり半葯同士は、裏側を背中合わせにして発生を続けます。これまで、裏表の極性は一度決定されるとその後は不変だと考えられてきました。私たちが見いだした葯の発生過程において、裏表の極性が転換することは、大きな発見といえます。さらに、発生が進むと、半葯内の表と裏の境界領域が伸長して、これをもとに花粉嚢が形成されることがわかりました。この花粉嚢が形成される発生パターンは、表と裏の境界領域が伸長して扁平な葉が形成されることと、よく類似しています。したがって、形態が大きく異なる器官であっても、発生メカニズムには普遍性があることがわかります。
さて、これまでのシロイヌナズナなどの研究で、表を作る遺伝子が機能を失った変異体では、その境界が作られないため扁平になることができず、棒状の葉が形成されることがわかっています。裏表の極性が異常となったロル変異体では、葯が全く作られない棒状の雄しべができることがあります。このことは、裏表の極性の決定が、葯の発生に重要な働きをしていることを示しています。さらに、私たちは、野生型においても、雄しべの花糸の部分では表側がつくられず、すべて裏側になっていることを明らかにしました。花糸は、もともとは「葉」としての性質を持っているにもかかわらず、表側を失ってしまったため、扁平ではなく、円筒状、棒状の形態になるわけです。
以上のように、雄しべは葉が変形したものであり、その裏表の決定機構も葉と共通点があります。しかし、その機構は複雑であり、葯の発生時には、裏表の極性が転換し、半葯を単位とした新たな極性が作られます。また、花糸は、表側の性質を完全に失うことにより、扁平にならずに棒状になると考えられます。すなわち、同じ雄しべの中でも、花粉を作る葯とそれを支える花糸では、表と裏の決定が独立に制御されていることが明らかとなりました。
本研究は、文部科学省科学研究費補助金(特定領域研究「植物メリステム」や基盤研究B)などの研究助成を受けて行われました。】

大日岳登山、ミツバツチグリ
【撮影】1日目 11時38分=伊藤 幸司
ミツバツチグリかキジムシロというところでしょうか。じつはこの雪解けの時期に、足元に出てくる花だとは思っていなかったので、帰ってから黄色い花をいろいろいろ調べてみたのですが、そっくりさんのミツバツチグリかキジムシロのどちらかみたいです。
『たこさんの秋吉台日誌』に『4月16日 キジムシロ・ミツバツチグリ』というのがありました。
【ミツバツチグリ〈三葉土栗〉 花期は3〜5月。
ツチグリに似ていて、葉が3小葉であることによる。山野の日当たりのよいところに生える高さ15〜30㎝の多年草。地下に肥大した根茎があり、ランナーを出す。葉は3小葉からなり、ランナーにつく葉は少し小さい。花は黄色で直径1.5〜2㎝。】
じつはランナー(地上茎)があればミツバツチグリ。葉が5〜9の小葉をもって、丸い座面のような株になっていればキジムシロという大原則も、このとき撮った写真からはまったく判断できません。ただちょっといい顔つきじゃないですか?

大日岳登山、シナノキンバイ
【撮影】1日目 11時42分=秋田 守
大ぶりな黄色い花が人目を惹く。シナノキンバイ。黄色い花は見分けるのが難しい。ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマダイコンソウなど。見分け方は葉っぱ。ミヤマダイコンソウは大きくて丸い。ミヤマキンバイはバラ科で葉が3つに分かれる。ミヤマキンポウゲは葉が細かく裂けている。で、シナノキンバイは何より大きな花が特徴。この違いも現場ではなかなかすぐに出てこない。黄色い花は苦手です、といつも言うことにしてる。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時43分=伊藤 幸司
振り返ると地獄谷の噴煙が見えています。その背後にそびえているのは標高3,003mの雄山。オリジナル画像を拡大してみると登りきった角のところに頭が水平の突起がありますが雄山神社の授与所(社務所?)でその左の小さな突起が峰本社の神殿です。
雄山から右に下ると鞍部にある一の越山荘も屋根の形でわかります。雷鳥荘やホテル立山もオリジナル画像でははっきりわかります。
ちなみに、ここでわざわざ振り返って撮ったのはその背景のためではなくて、登山者がひとり下から追いついてきたからです。

大日岳登山、シナノキンバイ
【撮影】1日目 11時44分=伊藤 幸司
この黄色い花は女王の風格を見せるシナノキンバイだと思います。
『Dr.k 山岳グルメ登山ブログ in 新潟』に『「シナノキンバイ」奥大日岳に群生する高山植物を解説』(2019年7月28日)がありました。
えっ! 私たちの10日ほど後のレポートじゃないですか。
【私が最も多く目にする自生地は恐らく奥大日岳ですね!
奥大日岳とは、富山県の北アルプス大日連山の最高峰としてそびえる山です。
ちなみに、雷鳥沢から登るルートでも、称名滝から頑張って登ってくるルートでも、どちらの登山コースでも多く見られますよ♪
タイミングは、雪解け後の雪渓脇や稜線に多く自生する傾向にあるので、奥大日岳を登るなら7月中旬がベストですね!
主に山頂直下ですが、見飽きてしまうほどめちゃめちゃ多く群生してます! 】
私たちのときには、そんなにあったかなあ? という感じではありますけれど。

大日岳登山、シナノキンバイ
【撮影】1日目 11時45分=伊藤 幸司
シナノキンバイの花です。
『「野山の草花」植物検索図鑑』に『シナノキンバイ』(写真撮影日1980-08-09)がありました。
【花は濃黄色または橙黄色で、径は3-4cm。花弁はごく細く目立たないが、萼片が円形または長円形で、長さ幅とも2-3cmで5-7枚あり、花弁のように見える。雄蕊は長さ9-11mmで花弁よりやや長い。】
この写真で説明すると「花」としての大きさは3〜4cmなのですが、花びら(花弁)はじつは林立する雄しべのなかに埋もれている【濃黄色または橙黄色】の小さなもので、5枚ある花びら状のものは黄色い萼片。
中央部にある緑色のものが雌しべで、
【花柱は宿存性、果時に長さ2.5-4mmになる。集合果は袋果が多数集まり、ほぼ球形。】
ということですが【宿存性】というのは最後まで残るという意味だそうです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時45分=伊藤 幸司
このあたりがシナノキンバイのお花畑ということでしょうか。

大日岳登山、地獄谷
【撮影】1日目 11時46分=伊藤 幸司
地獄谷の火山ガス噴出口がよく見えました。以前通ったことのある道が、もうずいぶん閉鎖されているんですね。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時46分=伊藤 幸司
35mm判換算で1360mm相当という超望遠で地獄谷の噴煙をとってから、指先ひとつで超広角の21mmに切り替えると、今度は噴煙を浴びているように見える雷鳥荘から左に尾根を下ったところにある雷鳥沢ヒュッテ、ロッジ立山連峰がかなりはっきり見えていました。

大日岳登山、シナノキンバイ、トホシハナカミキリ
【撮影】1日目 11時46分=伊藤 幸司
シナノキンバイの花の上に、ものすごく探しやすそうな虫がいました。私は虫とはほとんど無縁の人間ですが、ネット検索のおかげで「甲虫」の画像一覧からほとんど一発でこのトホシハナカミキリにたどり着きました。次に「トホシハナカミキリ」で2〜3のサイトを覗いてみたら、どうもわかりやすそうなものと出会いました。
『トホシハナカミキリ』が『長野県産カミキリ図鑑』に(当然のことながら)ありました。
【長野県では高山帯に出現し、お花畑のハクサンフウロやウサギギクの花などに採食のため訪れます。
ハクサンフウロの観察では花粉や花びらも後食しますが、下の写真のように花の下側からがく片とがく片の間の花びらを食い破り、花粉を媒介せずに直接蜜を得る、いわゆる盗蜜という行動が頻繁に見られました。
上の写真の個体も花びらの基部と花芯の間を食い破って蜜を吸っています。盗蜜はクマバチやマルハナバチなどで見られますが、カミキリの盗蜜は大変興味深い行動です。寄生植物はまだ解明されていないようです。】
さすが写真の撮り方がすごいですね。解説されたまさにその光景が写っています。ぜひ御覧ください。
また『とやまと自然』という雑誌の『第39巻 秋の号 No.155 2016年』に『立山の花を訪れる昆虫たち 富山市科学博物館・根来 尚』というpdfデータがありました。
【高山の訪花昆虫の中では数少ない甲虫類の中で、高山に特有のトホシハナカミキリは大型で、花の上にいると目につきますが、シナノキンバイやミヤマキンポウゲのような花弁の広がった平らな花の上にいて、ゆっくりと花粉を食べ交尾相手を待っているようです。】
まさにこの写真の状況でしょう。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時47分=伊藤 幸司
せっかく立山連峰全体が見られそうな気配になってきていたのに、ふと気づくとこの雲です。地獄谷のあたりだけが、かろうじてまだ見えている状況です。
さっき、11時43分の写真にかろうじて写っていた登山者が、ここまで近づいてきました。……私たちがいかに遅いかということでもあるでしょうが。

大日岳登山、オオバキスミレ
【撮影】1日目 11時47分=伊藤 幸司
これは見た目で名前がわかるスミレです。オオバキスミレ。
『東北の山遊び(雑記帳)』にこの『オオバキスミレ』がありました。
【オオバキスミレは積雪量の多い日本海側の山地に広く分布する日本の特産種のスミレで、漢字では大葉黄菫と書きます。
秋田駒ケ岳の砂礫地に大群落があるタカネスミレや、夏場の月山によく見かけるキバナノコマノツメなど、高山帯のスミレには、黄色の花を咲かせる種が多いですが、このオオバキスミレは北海道南西部から本州近畿地方以北の日本海側の山地帯から亜高山帯で、林縁や草地に広く生育します。
実は先のワラビ採りに行った時に、林の縁で大柄のオオバキスミレが群生していたので、山菜として少し摘んできました。スミレ科の植物は全て食べられるそうです。
湯がいてカラシ和えにして食べてみましたが、味と食感はツルムラサキに近い感じで美味しかったです。
但し綺麗な花を咲かせる植物なので、花の咲いていない葉っぱを丁寧に少量採取しましたが、採っていて可哀そうな気持になりました。
ところで食べた後にマスさんが腹を下してしまいました。カタクリと同じ様に消化が悪い山菜だと思います。
私と父は大丈夫でしたので、人によっては消化の悪くなる方もいるのでしょうね。
試しに食べてみましたが、そんな訳で今後は採取しない山菜だと思います。】
私にはおおかた理解できないままですが、このオオバキスミレを使った新しい生物学的研究のレポートもありました。
『KAKEN』というサイトですが、KAKENは『科学研究費助成事業データベース』のこと、らしいのです。そこに『スミレ属における繁殖様式の進化に関する生態遺伝学的研究』というのがあったのです。
速水 将人 北海道大学, 環境科学院, 特別研究員(DC1)という人に対して
【3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2015年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2014年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2013年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)】
という研究費が支給された研究の結果です。
【これまでの研究により、北海道と東北地方に生育するオオバキスミレには、開放花と閉鎖花による種子繁殖を行う“種子繁殖集団”が存在する一方、閉鎖花をつけずに開放花のみ形成し、かつその開放花においてもほとんど種子を結実せず、主に地下部の根茎を横走させる “栄養繁殖集団”が存在することが明らかになってきた。最終年度は、オオバキスミレの本州集団の調査地点の拡充のほか、分布域の異なる近縁種(キスミレ・ダイセンキスミレ)の繁殖特性についても調査を行った。また、繁殖特性が明らかになった個体の核と葉緑体DNAの塩基配列を決定し、分子系統解析を行った。
野外調査の結果、本州地方のオオバキスミレの繁殖様式は集団ごとに異なり、栄養繁殖集団は主に日本海側に、種子繁殖集団は太平洋側に分布する傾向が示された。また、静岡・熊本県に生育するキスミレは、栄養繁殖を行わず、閉鎖花をつけずに、開放花のみによる種子繁殖を行うことが明らかになった。さらに、山陰地方に生育するダイセンキスミレは、開放花と閉鎖花を形成すると共に、根茎による栄養繁殖を行うことが明らかになった。分子系統解析の結果、オオバキスミレとキスミレ・ダイセンキスミレは遺伝的に区別され、オオバキスミレは単系統性を示した。また、オオバキスミレの種子繁殖集団と栄養繁殖集団からは異なる遺伝子型が検出され、集団間の繁殖様式の違いと対応していた。したがって、オオバキスミレの種内および種間で異なる繁殖様式の進化は、開放花と閉鎖花の形成だけでなく、分布域や遺伝子型にも影響を与えたことが示唆された。さらに遺伝子型ネットワーク解析より、遺伝的に同一な個体を形成する栄養繁殖集団において、種子繁殖集団よりも多くの遺伝子型が認められた。この結果は、集団が維持されている時間の長さを反映していると考えられ、種子繁殖集団と栄養繁殖集団は異なる進化的背景を持つことが示唆された。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時47分=伊藤 幸司
いよいよ巻道とはおさらばして稜線へと上がるようです。なんだか大転換の予感です。

大日岳登山、ライチョウ
【撮影】1日目 11時53分=伊藤 幸司
たしかに大転換。稜線に出たところで15分の休憩をしたのです。その先では稜線きわに雪渓が残っていて、どんな状態の雪なのか見ておかなければと思ったのです。雪の状態はまったく問題なかったのですが、すぐ先にライチョウがいることがわかったのです。ちょうどガスに包まれていてこれが限度でしたが、撮れました。

大日岳登山、キバナノコマノツメ
【撮影】1日目 11時53分=秋田 守
またまた黄色い花。キバナノコマノツメ、と思って撮影したが、そうだとしたら、一番下の花びら下弁がもっと長く突き出ていなければおかしい。となると、ミヤマキスミレかも。タカネスミレというのはないかな。ただし、上弁と側弁が反っくり返るのはキバナノコマノツメの特徴。うーん、難しい。やはり黄色の花は鬼門だな。家に帰ってから調べれば分かるだろうという読みがそもそも甘かった。このような痛い目に会うのはしょっちゅう。

大日岳登山、
【撮影】1日目 11時55分=秋田 守
室堂乗越で長目の休憩。昼ご飯とする。本当は昨日、富山でマス寿司を買ってきたかったのだが、叶わなかったので、雷鳥荘で弁当を注文した。おぼろ昆布を巻いたおにぎりは特に美味しかったが、これで1100円は安くないよね。コンビニなら400円ぐらいか。8年前に雷鳥荘に泊まった時の記録を見返したら、朝は早立ちをしたので朝食の代わりに弁当を用意してもらっていた。まさにこの弁当と同じような内容。だからどうだという訳ではないが。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時01分=伊藤 幸司
私たちは雷鳥荘で全員が合流して、09時35分に出発。大日岳への稜線にあがったところで10時30分から10分休憩しました。そしてここで11時50分から12時05分の休憩をとりました。糸の会では10分休憩では水分摂取にエネルギー補給(たとえばおにぎり1個)と考えて、必要に応じて若干延長させたりしますが、それはチーフリーダーである伊藤の専権項目となっていて、ルート上のできるだけいい場所(ドラマチックな場面)で一息入れるということと、メンバー全体の調子をコントロールする手段と考えています。最近ではほかに、10分交代の先頭が水分摂取の権利を発揮することも多くなりました。
ここでは「1時間」の行動を2つ続けて、ようやく稜線に出たらしいということから、気分としては「登り」から「稜線歩き」に切り替わる要になるのではないかと考えたのです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時02分=伊藤 幸司
休憩地点の先にあるこの雪渓をちょっと行ったところにライチョウがいたのですが、それは女性登山者らしき人(あとでライチョウの永代調査をしている専門家だと知りました)が、教えてくれたのです。私たちのグループが行ったときにまだ見られるかどうかはわかりませんが、このガスの雰囲気だと、ライチョウはあんがい安心して姿を見せてくれることが多いともいえるのです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時03分=伊藤 幸司
この写真は重要です。私たちの前を2人の登山者が下っていったのです。稜線の斜面に雪がまだ張り付いている状態でも、これからの上部の登山ルートはできている、と考えていいように思われたからです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時07分=伊藤 幸司
見下ろすと、私たちはこの稜線の右側の斜面をトラバース気味に登ってきたのです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時08分=伊藤 幸司
5分ほど前にはガス(山霧)で先が見えなかったのに、霧が上がったらな〜んだ、最初の奥大日岳もまだ、まだ先じゃないか! という気分になりました。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時13分=若井 康彦
山稜上を構わず行くと、突如開けた小平地、七福園。アルプスの花崗岩は水はけがよい上に、大量の降雨降雪に磨かれ美しく清浄であり、晴天時にはこの上なく居心地いい環境ですね。全山花崗岩の大日連峰のなかでも、ここは行者にとって別天地だったでしょう。

大日岳登山、雷鳥
【撮影】1日目 12時13分=秋田 守
休憩を終えて歩き出してすぐ、すぐ近くに雷鳥がいた。休憩の直前にも雷鳥を観たが、ガスがかかっていて撮影こそしたものの薄ぼんやりしか写っていなかった。今度は3〜4分間ほど連写して、はっきり撮影できた。羽根はすっかり夏毛に変わっていた。この後も、数回、間近で雷鳥を観る機会があったが、慌ててバタバタ逃げたりしないから、こちらの方が逆に驚いてしまう。だから、大昔は獲って食べられたんだろうと思ってしまうほど。

大日岳登山、ライチョウ
【撮影】1日目 12時14分=伊藤 幸司
さいわいなことに、ライチョウはさっきいた場所からほとんど動かずにいてくれました。
ライチョウの生存情報に関しては『環境省長野自然環境事務所』が平成26年4月に発表した『第一期ライチョウ保護増殖事業実施計画』(計画期間:平成26年4月〜平成31年3月)というのがありました。
まずはその生息状況。
【1980 年代の生息数は約 3,000 羽と推定されていたが2000 年代には約 2,000羽弱に減少したと推定されている。環境省第4次レッドリスト(2012 年8月)
において、絶滅危惧Ⅱ類(VU)から絶滅危惧ⅠB類(EN)にカテゴリーが引き上げられた。
減少が懸念される山域は、北アルプス南部の一部、南アルプス北部とされ、特に南アルプス北部の白根三山一帯での減少が著しいとされている】
ライチョウの主な生息域は
【頸城山塊……火打山、焼山
北アルプス北部……立山連峰、後立山連峰
北アルプス南部……槍・穂高連峰、常念山脈
乗鞍岳 (独立峰)
御嶽山 (独立峰)
南アルプス北部……甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳、白根三山、塩見岳 等
南アルプス南部……荒川岳、赤石岳、聖岳、イザルガ岳 等
※ 白山では2009年〜2012年に約70年ぶりに雌1羽の生息が確認された。
※ 中央アルプス(西駒ケ岳・南駒ケ岳)、八ヶ岳、蓼科山では絶滅したと考えられている。】
そして課題。
【イ.ライチョウ保護増殖事業における主要な課題
1980 年代以前に全山調査が実施されて以降、長期にわたり再調査されていない山岳が多くある。また、各地域の様々な主体によって、それぞれ少しずつ異なる方法で調査が実施されており、相互のデータ比較ができない状況もあるため、最新のライチョウの生息状況の全体像が十分に把握されていない。
個体数減少の影響要因として報告されている様々な要因のうち、どの要因が実際にどの程度、個体数の減少に関与しているのか、十分把握されていない。
生息域外保全について、過去に大町山岳博物館においてライチョウの飼育・繁殖が 40 年間実施され、一定程度の知見が得られているが、安定的に飼育下個体群を維持するための技術の確立までには至っていない。】
【(1)生息域ごとの特色と優先度
ライチョウは、遺伝子解析の結果から下記の5つの山域別に生息域が分かれると考えられている。特に南アルプスでの減少傾向が強く、白根三山周辺では最も減少傾向が著しいとされており、緊急度が高いと考えられることから、優先して対策を講じる。
頸城山塊……日本最北かつ最小の集団。最も標高の低い場所で繁殖しているため気候変動の影響を最も受けやすいとの懸念がある。
北アルプス……多くの山岳から形成された最も大きな集団。生息状況が安定している山岳もあるが、特に南部の一部では減少傾向。
乗鞍岳……比較的大型の独立集団で、生息状況は比較的安定している。
御嶽山……乗鞍岳より小さな独立集団。
南アルプス……多くの山岳から形成された集団。イザルガ岳は最南端の生息地。北部の減少傾向が強く、特に白根三山周辺で顕著。】
このライチョウは日本全国約2,000羽の1羽ということになるのでしょう。

大日岳登山、ライチョウ
【撮影】1日目 12時16分=伊藤 幸司
登山者が登山道で目にできる野生動物というとまずはシカ。一定の距離を保って、逃げる体制を整えて、おしりの白いマークを見せながらしばらく付き合ってくれることはしばしばあります。それからカモシカ、出会うことは稀ですが、ものすごく目が悪いそうで、出会ったらあちらがじっと見つめてくれるのでこちらもじっと見ることができます。クマは常に会いたいと考えてきましたが、登山道を曲がったらドン! という感じがほんの数回、遠くに姿を見ることも意外にむずかしいと思っています。人間を恐れない新世代クマが増えているそうですが、登山者が被害に遭うケースはまだそれほど多くはないと思います。……でついでにいうと、登山道での一番危険なイキモノはスズメバチだと思っています。ヤマビルはけっこう腫れる人が10人にひとりぐらいですか、いますね。
話がそれましたが、かなりの確率で見られるのがこのライチョウ。これは相当の望遠撮影ですからこれほど近くではありませんが、走って追いかけたくなる程度の距離でとことこと先導してくれることもあります。子どもがいても、街で保育園児の遠足みたいなかわいらしいドタバタを存分に見せてくれます。ガス(山霧)がかかったら、ライチョウが出てくる可能性がぐんと高くなると思います。そこにライチョウがいればの話ですけれど。
このライチョウも子どもを連れているのでこのあたりのいい雰囲気を離れたくなかったのかもしれません。
『日本計量新報社』という会社の『計量計測データバンク』というサイトに、なぜかわかりませんが『野鳥歳時記』というのがあって『ライチョウ(雷鳥)2』という記事がありました。
【登山道で見かける親子連れのライチョウ(雷鳥)はメス親とヒナです。メス親ははいまつ地帯を餌を啄みながら移動して歩きますが、その範囲は限定的でありますから、縄張りはそれなりに残っていると言っていいでしょう。オスが自己の勢力範囲を確保するという意味での縄張りとは違いますが、メスにも生活圏といいますか縄張りのようなものはあるように思えます。はいまつ帯はライチョウにとっていい隠れ場所です。高山の夏の草花も身を隠す場所になりますし、草花の芽と種子はこの上ない餌になります。高山植物の色とりどりの花弁は人に楽園を提供しますが、ライチョウ(雷鳥)にもうれしい時期です。この時期に子育てをするのはライチョウだけではありません。高山地帯に移動してきたイワヒバリやカヤクグリやキセキレイその他の野鳥もライチョウと同じエリアで子育てをするのです。ライチョウやイワヒバリスがハクサンイチゲ、チングルマ、アオノツガザクラ、シナノキンバイなどの高山植物の群落で過ごす夏は、人にとっても野鳥にとってもつかの間のパラダイスなのです。ライチョウの天敵とされているのは鷲や鷹などの猛禽類です。またオコジョ、キツネ、テンなども手強い敵です。これら地上動物の糞を岩角で発見するとライチョウは大丈夫だろうかと心配になります。人に易々と捉えられるライチョウですから、地上動物が来ない場所まで移動して生活したいのでしょうが、そうはいかなくなっているようにも思えます。オコジョなどは登山者が捨てる食べ物に釣られて普通なら足を踏み入れない高山地帯にまで出没しております。カラスも怖い相手になってくるのではないでしょうか。ヒナなど簡単にさらわれてしまいます。】
どういう方が書いているのかわかりませんが、このサイトには人間臭い文章がたくさんありそうな気配です。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時18分=伊藤 幸司
雷鳥の雪渓が終わると、いよいよ眼前の峰へと登りつめるのだろうかという感じ。若干緊張しながら進んでいきます。
ちなみに今回、ヘルメットをかぶっている人が何人かいますが、それは計画書に次のように書いたことから始まりました。
【北アルプスの稜線ですから、登山者が上から落とす石が当たってくる可能性がなくはないので、できればヘルメット、あるいは最低限、帽子の内部に装着できる「帽子用インナーキャップ」(ミドリ安全、300円前後)をこの機会に用意してください。(伊藤は6a以降常用する予定です。御覧ください)】
北アルプスでは私たちが岩場でダブルストックを使っていることを自然保護などの巡視係の人に強く見とがめられたことがあります。ゴムキャップをはめていないところを見られたら大ごとになりそうな気配です(それについてはここでは書きません、ヘルメットが本題ですから)。岩場でのヘルメット装着が求められるようになったので、あるいはこのルートでも急な斜面での落石事故でもあれば、ヘルメット装着が推奨されているかもしれないという思いと、外部のツアーに参加している人はすでに持っているのではないかということから呼びかけてみたのです。
ちなみにミドリ安全の「帽子用インナーキャップ」は変化球ですが、後部につけられた固定用のベルトを取ると、いまかぶっている頭にぴったりの帽子に、なぜかピッタリ装着できるのです。滑落などの場合には固定が必要ですが、頭上の木の枝に頭をぶつけたり、急斜面で登山者が落とした落石には便利です。
私たちが通常利用する一般登山道ではヘルメットで頭を守ることより、日差しに頭をさらさないとか、風雨から頭を守る役目のほうがはるかに重要です。そのためにみなさん自分に合った帽子を求めていろいろ確かめています。つまりかならず複数もっています。その帽子に(たぶんほとんど)ピッタリ装着できるのです。もし登山用には半端すぎると思ったら自転車用、防災用にもおすすめできる逸品です。
私はカメラのファインダーが見やすいようにつばの長い帽子をいくつか試してきたのですが、そのどれにも「帽子用インナーキャップ」は装填できます。そして人気急上昇中の頭を冷却する帽子「Air Peak」に装着すると理想的ではないかと思われます。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時20分=伊藤 幸司
1/25,000地形図で見ると、正面にそびえているのが標高2,611mの無名峰。そこへまっすぐ登っていくのではなくて左側の斜面をゆるゆると登っていく、ということになります。ここはまだ標高約2,500mライン、標高差約100mを登りきって、初めて奥大日岳(標高2,606m)の長い山頂部に出るのです。
ちなみにここに見える2,611m峰が大日連峰全体の最高地点なんですが、なぜか奥大日岳の名は西に少し離れた2,606.1mの三角点についています。
なぜかと考えると2,611mのところは水準点なので「最高点」ではあっても山頂とはしなかったのでしょう。ところが三角点で示されてきた山の高さを山頂の実際の高さに書き換えようという国土地理院自身の内部改革として平成元年(1989)に「山の高さに関する懇談会」が設置され、1991年に『日本の山岳標高一覧──1003山』が出たのです。そこではじつは奥大日岳は標高2,611mとされたので、それに書き換えられていることが多いのですが、地形図では「奥大日岳」の位置が変わっていません。ただしその三角点の標高は以前の2,605.9mから最新のデジタルマップでは2,606.1mに書き換えられています。どちらでも「2,606m」ではあるのですけれど。

大日岳登山、劒岳
【撮影】1日目 12時22分=秋田 守
間近に現れた雷鳥を観た興奮が醒めやらぬうちに、今度は劒岳が姿を見せ始めてくれた。おおお、雲が薄れていく。険しい稜線が現れてくる。距離にすれば、3〜4㎞ぐらいだろうか。迫力あるなあ。なかなか姿を見ることが出来ない山であることは承知している。とりわけ午後はほとんど雲がかかっていてもおかしくない。ああ、もうちょっとで山頂が全部見えそうなんだけど。うーん、惜しいなあ。でも、きっとお楽しみはまだこれからだよ。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時23分=伊藤 幸司
ここ数年、私は最後尾についていますから、ここではよほど先頭に出ていわゆるルートハンティングをすべきかなと思ったのですが、列の先頭まで声が届く距離なので、いざとなったらストップをかければいいということにしました。登山道はこの先見通せない部分がありますが、前方の雪の左側についていて、その後斜面をゆるゆると登っていくとわかりましたから。
トップは10分交代で、一番うしろ(私の前)の人が前に出ます。そのつど全員が集まって態勢を立て直すので、行動全体のメリハリは相当効いています。難しい場所に出ると先頭のペースが落ちるので、最後尾からでもようすがつかめますし、後ろから見ていると怪しい分岐のところなど、遠目ゆえにスジがよく見えるという場合もあります。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時24分=伊藤 幸司
最後尾から目についたことをこまかく写真に撮るようになり、しかもそれを見ながら強引にキャプションを書いて、できるだけ多くの写真をなんとか「フォトエッセイ」にしていきたいと考えるようになると、写真をとおして自分が見えてくるような気持ちになります。山を歩いている自分がそこにいるからです。思い出す以上のことを写真が見せてくれるから、できるだけすべての写真にキャプションをつけていきたいと頑張ってしまったりします。
それにしても12時23分の写真の次がこれですから、山道の1歩1歩の変化をコマ落としで見ているように、感じます。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時26分=伊藤 幸司
奥大日岳山頂へと向かって、またゆるゆるとですが、登っていきます。

大日岳登山、ベニバナイチゴ
【撮影】1日目 12時27分=伊藤 幸司
ベニバナイチゴの花が登場しました。いつだったか、薬師岳から五色ヶ原を経て立山まで縦走したときに、室堂平に下る道筋にこのベニバナイチゴがたくさんあったのを思い出しました。
『石川県白山自然保護センター普及誌・はくさん』の『第34巻 第2号』に『白山のキツネは何を食べているのか』という記事がありました。筆者は上馬 泰生(白山自然保護センター)です。
【キツネは植物の果実もよく食べます。表3は糞の中に見つかった種子から、種名を明らかにできたものです。キツネがよく食べているのは、ベニバナイチゴで出現頻度25.3%、次いでキヌガサソウ15.1%、サルナシ8.2%、ニガイチゴ4.8%でした。ベニバナイチゴは白山では亜高山帯から高山帯に比較的広く分布しており、果実も大きく夏の終わりから秋の初めの主要な食べ物の一つとなっているようです。】

大日岳登山、ベニバナイチゴ
【撮影】1日目 12時28分=伊藤 幸司
道端のベニバナイチゴ。実際には花に目がいってしまいますが、冷静に見てみるとなんと立派な葉っぱでしょうか。実がついていたところでは1度や2度は食べてみて、あんまり美味くないと思いましたが、トゲがないということにはぜんぜん気がつきませんでした。
じつは異端児なんだそうです。『森と水の郷あきた あきた森づくり活動サポートセンター総合情報サイト』の『樹木シリーズ91 モミジイチゴ、クマイチゴ、ベニバナイチゴ』にそう書かれていました。
【イチゴ類では異端児?・・・高標高、寒冷地という高山に生育し、キイチゴ属の特徴の一つであるトゲが一切ない。さらに他のキイチゴ類のように地上茎による無性繁殖も、地下茎によるクローン成長も顕著ではないらしい。温帯性の落葉キイチゴの特徴である1〜2年での地上部の交代(基部で3〜4年と比較的長い)という短期の生活サイクルもない。まさに異端児? 】

大日岳登山、天狗平
【撮影】1日目 12時30分=伊藤 幸司
今朝から見慣れた室堂平が左手に消えて、見えてきたのは天狗平。手前の谷を称名川が削って、溶岩台地を孤立させたという感じです。向こうに見えるのは天狗山(標高2,521m)でしょうか。じつは画面左から1/4、上から2/5という天狗平の崖っぷちに立山高原ホテルが写ってはいるのです。その奥に天狗平山荘も。
今日これからの稜線歩きではこの風景がゆっくり回転していくということになるのでしょう。

大日岳登山、ツガザクラ
【撮影】1日目 12時30分=伊藤 幸司
ツガザクラですね。もうちょっと赤っぽいと安心なんですが、まあ間違いないでしょう。
でも軽く調べていると『聞き慣れないツガザクラのなかま』というサブタイトルの文章がありました。それだけならともかく「立山」という名も。
『Nature Log』の『植物記』に『聞き慣れないツガザクラのなかま オオツガザクラ』がありました。
【ツツジ科ツガザクラ属のなかまといえば、真っ先に思い浮かべるのはツガザクラ、アオノツガザクラ、あるいはエゾノツガザクラといったところだろうか。だからオオツガザクラと聞いてピンとくる人はあまりいないかもしれない。私の場合も高山帯にそれほど足を運ばないこともあるだろうが、昨年、立山で初めて目にしたくらいだ。あるいは、ひょっとするとほかでも目に入っているかもしれないが、遠目だとアオノツガザクラのようにも見えるので気づきにくいと思われる。
本種を見ると、ちょうどツガザクラとアオノツガザクラの中間のようであり、花の形や色には変異があるようだが、萼片は両種と異なり、淡緑色で先端が紅色ががっている。結実しないことからツガザクラとアオノツガザクラの雑種と考えられているようだ。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時31分=伊藤 幸司
これがたぶん大日岳の登山ルートの代表的なイメージではないでしょうか。ゆっくりと登っていきます。

大日岳登山、ユキザサ
【撮影】1日目 12時32分=伊藤 幸司
ユキザサが出てきました。ところが問題なのはユキザサの葉は「6枚以下」とか「5〜7枚」とかでこれは10枚ほどあるのです。そこで周辺を洗ってみるとオオバユキザサ(ヤマトユキザサ)が「8〜10枚」とか、ヒロハユキザサ(ミドリユキザサ)が「7〜11枚」という情報が出てきました。葉の枚数には誤差のある情報もあるかと思いますが、ともかく10枚もあればただの「ユキザサ」ではないようです。そこで花の部分を画僧検索してみると、オオバユキザサはユキザサと同様白い花のようですが、ヒロハユキザサはミドリユキザサという別名もあるように、「緑白色」の花なのだそうです。そこでユキザサやオオバユキザサの若い葉の写真を見てみると、どうもやっぱり白いみたい。
そのへんのレポートがありました。
『ひるがの湿原植物園 岐阜県のひるがの高原にある湿原植物園のホームページです』に『ユキザサ属3種について』(2013年5月30日)というブログがありました。
【ユキザサ属は、ユリ科の多年草でひるがの高原周辺では、大日ヶ岳に3種類が自生しています。
ユキザサ、オオバユキザササ(ヤマトユキザサ)、ヒロハユキザサの3種類です。そのうち、ユキザサとオオバユキザサは、園内に植えられています。園内での花期は例年5月中旬頃から6月上旬頃、ユキザサの方が約1週間早いようです。ただし、今年は5月初旬から中旬にかけての少雨のため、ユキザサはほとんど花が咲きませんでした。今、オオバユキザサがつぼみを付けていますが例年より少ないようです。ユキザサとオオバユキザサは、ともに花の色が白いため、全体の大きさと花の時期とで区別しています。ヒロハユキザサは花が緑色をしているので他の2種との区別はやさしいです。
ユキザサは、北海道では「アズキナ」と呼ばれる山菜ですが、岐阜県では、「アズキナ」といえば、マメ科のナンテンハギのことで、同じく山菜として利用されています。】
なお、ここに登場する大日ヶ岳は標高1,709mの高原の山です。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時34分=伊藤 幸司
またガス(山霧)が出てきました。まだ際限なく歩かされているみたいな気分なんですよね。
計画書では室堂バス停から奥大日岳を「稜線21パワーを2時間半として」と書きました。するとおよそ09時出発で12時半ですから3時間半かかっています。平地を「時速4km」で歩くパワーを8パワー(1パワーは距離500m、あるいは標高差50mの登り)として登山道を歩く際の時間(エネルギー量)としているのですが、最近の体験で、糸の会では、北アルプスの縦走路では係数を「1時間に6パワー」で計算しないといけないとわかり始めています。そうすると21パワーは3時間半となってドンピシャです。
私たちは「平地を時速4kmで歩く」以上のパワーは求めません。そのかわり「10kgを背負って10時間行動する」というロングウォークの体をゆっくりと作ります。ただし高齢になるにつれて「荷物を減らす」という努力もします。
ところが針ノ木小屋〜舟窪小屋や太郎平小屋〜黒部五郎小舎〜槍ヶ岳山荘というような北アルプスの縦走路ではいつもどおりに歩いた結果、スピードは「1時間に6パワー」すなわち「平地を時速3km」というスピードに落ちたのです。登山道の路面自体が私たちには歩きにくいということはこの写真からでもおわかりいただけるかと思います。首都圏の登山道でも歩きにくい道はありますが、歩きやすい登山道の割合が大きいのです。

大日岳登山、コバイケイソウ
【撮影】1日目 12時39分=伊藤 幸司
コバイケイソウです。これを「園芸」という観点から解説しているサイトがありました。
『育て方ラボ』に『コバイケイソウの原産国や簡単な育て方について』という記事がありました。
【◎コバイケイソウの花・植物の原産国や簡単な育て方についてのコメント
コバイケイソウは用い方を間違えると人に害をもたらす有毒の植物ですが、人をうっとりとさせる美しく見事なハナを咲かせてくれ、とても魅力的な植物です。原産が日本なだけあって育てやすく、とくに中部以南の地方では野生のコバイケイソウが群生している場所もあり、行く人の心を豊かに楽しませてくれます。ハナを咲かせるのは6月から8月にかけてですので、他の色とりどりの植物たちと一緒に初夏のかだんを賑わせてくれることでしょう。背丈が高く集団で咲きますので、かだんの中でも奥まった場所などに集中して植えてあげるとインパクトがあります。
◎コバイケイソウの簡単な育て方・栽培方法
コバイケイソウは日本の気候にとても適した植物なので、育て方は比較的簡単です。水気の豊富な湿地を好みますので、植え付けの際には保水性の良い土壌を選びましょう。土が乾かないように小まめに水を与えるようにします。また、寒さには強いものの暑さには弱い傾向にありますので、中部以南の暑い地方では、暑さ対策が肝心です。】

大日岳登山、コバイケイソウ
【撮影】1日目 12時40分=伊藤 幸司
コバイケイソウの花、というよりつぼみでしょうか。この段階の画像を検索してみましたが、なかなか見つかりません。かたちは明らかにコバイケイソウなんですが、色が緑なのでバイケイソウやミヤマバイケイソウとの関連があるのかとも思いますが、わかりません。
そのうちに『のん木草・みどり見て歩き』というブログの『6月17日 志賀高原 その3』(2013-06-24)に似た写真がありました。色は純白ですけれど。
【コバイケイソウ。ユリ科。山地から亜高山の草地や湿地のような、比較的湿気の多いところに生える。穂の先に白い花をつける。花茎の先端部は両性花、横に伸びる花は雄花である。葉脈がはっきりとした長楕円形の葉が互生する。全草にアルカロイド系の毒成分を持つ有毒植物。】
【花茎の先端部は両性花、横に伸びる花は雄花】というふうに見ると、顔つきが違って見える感じがします。
もうひとつこの花に関する重要な要素は『駒ヶ根高原リゾートリンクス』のサイトの『お知らせ・イベント情報』に『毎年咲かない?「コバイケイソウ」今年は咲いてます。!』(2015年07月27日)という木曽駒ヶ岳に関する『お知らせ』がありました。
【千畳敷カール内の花畑の代表「小梅蕙草(コバイケイソウ)」が咲いています。
千畳敷カール内の遊歩道にはこの時期たくさんの高山植物が咲き誇っています。
中でも、カール内の花と宝剣岳をバックにした写真がよく観光パンフレットにも使われているかと思いますが、必ずと言っていいほど、そこに写る花は「コバイケイソウ」が多いようです。
コバイケイソウは数年に一度しか咲かない花として有名。千畳敷カールでも3年前に群生が発生して以来。今年はそのコバイケイソウが咲いています。
また、今年は全体的に千畳敷カール内の花の開花は1週間以上早いようですので、これらの高山植物を見に行くには、早めに行かれる方が良いと思われます。】

大日岳登山、ミヤマキンバイ
【撮影】1日目 12時45分=伊藤 幸司
ミヤマキンバイですかね。花だけを見ていくと、私にはミツバツチグリと区別できない、ということがわかりました。さらにツルキンバイかも。花だけを撮っても、あとで調べるのに時間がかかって、しかも決着がつかないのです。

大日岳登山、オオバキスミレ
【撮影】1日目 12時48分=伊藤 幸司
オオバキスミレ……だと思います。でもオオバキスミレについては『ウィキペディア』に【積雪量の多い日本海側の山地に広く分布する日本の特産で、変種が多い。】とあります。
『Tore-Tate.com』に『オオバキスミレの仲間』がありました。
【ここにあげた10種類のスミレは,いずれも広義のオオバキスミレに含まれる亜種,変種,品種に位置づけられている。茎葉が輪生するエゾキスミレのグループと,輪生しないオオバキスミレ,ダイセンキスミレのグループに分けて考えると理解しやすい。ミヤマキスミレだけは例外で,オオバキスミレのグループの中で唯一茎葉が輪生する。また,それぞれの亜種,変種の間には,少なからず連続性があり,中間型が出てくる場合もある。】
そのサイトにはかなり力の入った『比較画面』があるので、ここにはその中から都合のいい項目だけを拾ってみます。
◎オオバキスミレ……この仲間のうちで,最も基本となる種。一番下の茎葉が離れてつき,茎が淡緑色でつぼみが黄色のものが典型とされるが,ナエバキスミレやダイセンキスミレと識別しにくいもの,また,北海道では,ケエゾキスミレと識別しにくいものも現れる。
◎ミヤマキスミレ……オオバキスミレの品種。主に高山,亜高山帯に分布。節間がつまって葉が輪生状になる品種。
◎フギレオオバキスミレ……不規則に中〜深裂する葉が大きな特徴。同じように葉が切れこむフギレキスミレは,3枚の葉が輪生するが,本変種は,一番下の葉が離れてつく。ただし,増毛山地などでは両者の中間型があるとの報告もある。
◎フチゲオオバキスミレ……オオバキスミレの変種。北海道南西部から東北地方の太平洋側に分布する。縁に毛が出る特徴は,オオバキスミレにも時に見られるが,根茎を横に引くことがなく,一本一本が離れて生えるのが大きな特徴。茎やつぼみが紅紫色なのも,もうひとつの特徴。
◎ナエバキスミレ……オオバキスミレの変種。小型で,葉に光沢があり,茎やつぼみが紅紫色のもの。上越地方の蛇紋岩地のものが典型品だが,オオバキスミレと連続する。
◎ダイセンキスミレ……オオバキスミレの亜種。中国地方にやや離れて分布する。オオバキスミレとのちがいは,茎やつぼみが紅紫色,根茎を横に引く性質が強いなどといわれるが,いずれも環境や集団によっては一様ではない。葉の形が心形になる傾向が強く,先が尾状にならない点がよい特徴。特に,上部の茎葉では,普通オオバキスミレは基部が切形になるが,本亜種は,心形であることに注目できる。
◎エゾキスミレ……ぶ厚くて光沢のある葉と最大の特徴。アポイ岳付近の潅木帯にはトカチキスミレも生育するが,両者の中間的なものは見たことがない。
◎ケエゾキスミレ……オオバキスミレのグループは,一番下の茎葉が離れてつくが,エゾキスミレのグループは,3枚の茎葉が輪生する。本変種はそのなかで葉の縁などに毛が生えるもの。
◎トカチキスミレ……ケエゾキスミレに似ているが,まったく無毛のもの。エゾキスミレほど,葉はぶ厚くなく,潅木帯や林縁に生える。
◎フギレキスミレ……ケエゾキスミレに似ているが,まったく無毛のもの。エゾキスミレほど,葉はぶ厚くなく,潅木帯や林縁に生える。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時51分=伊藤 幸司
ようやく前方に山頂らしい突起が見えてきました。

大日岳登山、
【撮影】1日目 12時52分=伊藤 幸司
前の写真から1分でこういう風景になってしまいます。どちらか1点を選ぶことで山の印象は大きく変わってしまいます。

大日岳登山、ハクサンイチゲ
【撮影】1日目 12時53分=伊藤 幸司
ハクサンイチゲですね。10時08分に見た緑色のつぼみが開いた状態なんでしょう。でもちょっと悩んだのは、よく見るハクサンイチゲなら真っ白な花びら状のガク片の中に、真っ黄色のかたまり(ほとんどは雄しべ)があるので、こんな緑色の花はほんとうにハクサンイチゲなのだろうかという不安でした。
植物図鑑やらネット検索やらで調べてみたのですが、うまく見つかりません。もしガク片が緑色ならミドリハクサンイチゲになるようですが、これは黄色になるはずの雄しべがまだ緑じゃないかという感じ、それがじつは、まだ結論づいていないのですけれど。でも黄色い花がいろいろ咲き乱れている高山帯のお花畑では「たくさんイチゲ」などとも揶揄される白+黄色の花より、この白+緑のほうがおしゃれに見えます。
回答にはなっていませんが、ハクサンイチゲ愛にあふれた写真のブログがありました。『山と葉っぱと猫が好き──ヘタレなりに独学で女性単独登山を楽しんでます。悩んでくじけて、いつも一人で起き上がる。山がわたしを育ててくれる。』というプカプカさんの『好きな花・ハクサンイチゲ』(2017年05月05日)です。
【山の奥、高く深く、遠い場所。そこに咲く花が好き。
「一番好きな花はなに?」
まっさきに思い浮かぶ花がいっぱいある。ハクサンイチゲは、そのひとつ。
まるで女優のような、画になる立ち姿。
つぼみの頃から変わらない、凛としたたたずまい。
かわいいうぶ毛。
白い花びらのように見える部分は萼片です。
つぼみが開いたばかりのころは、ロウのようにほんのり透明感があります。
はじめて出会ったのは八ヶ岳の権現岳でした。それからいろんな山で、会いました。
これからもずっと、追いかけつづけたい。あなたを。】

大日岳登山、シナノキンバイ
【撮影】1日目 12時53分=伊藤 幸司
この上品な黄色はシナノキンバイだと思います。
オリジナル画像で拡大して見ると、花の中央に魅力的な風景が広がっています。この写真でも幾分か見えるかと思いますが、ものすごく小さな花弁(花びら)が中央の黄色い塊の外周部分に総計約13枚見えています。その内側にびっしりと並んでるのは雄しべの約だと思います。中心部に緑色の濃い部分がありますが、中心の5〜6本は緑色が濃いだけでなく、頭に約がついていないので、雌しべではないかと思われます。そのことを知りたいと思っていろいろ探してみたのですが、まだ確信がもてません……けれど。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 12時57分=伊藤 幸司
ありました! キヌガサソウです。北アルプスの森林限界付近(標高2,000m〜2,500mあたりの灌木林の湿地)を歩いていると突然こんなふうに登場してくるのです。まさにこんなふうに遠目に見えた瞬間にキヌガサソウだとわかるので、一度覚えるとうれしくてなりません。おそらく全員が、発見した瞬間に小さな声をあげています。日帰りの山で樹間にちらりと富士山が見えたときと似た反応になるのが面白い、と私はいつも感じます。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 12時57分=伊藤 幸司
キヌガサソウの花。『ウィキペディア』の『キヌガサソウ』には
【茎の先に7-11個の葉が輪生】し【白い花弁のように見える大きな外花被片(萼片)は6-11個あり、初め白色で、花のあとに紅紫色に、果期に薄緑色になる。】というのが写真のこの状態です。
次に【内花被片は外花被片と同数で、白色で長さ10-15 mmの糸状で目立たない。】とありますが、白いガク片のところをよく見るとなんだか余分な感じの白い爪楊枝みたいなのが外に向かって何本か見えますが、その内花被片こそ一般にいう「花弁」「花びら」です。
【雄蕊は15-20個で2列に並ぶ、内花被片とほぼ同じ長さ、葯は黄色、線形で長さ5-8 mm、花糸とほぼ同じ長さ。子房は緑色、花柱は8-10個で、外側に曲がる。】
つまりここでは唯一黄色い雄しべの葯(やく。花粉の入れ物)はそれを支える白い花糸と半々の長さで伸びているというのです。
花の中心に見える緑が受精して種となる子房で、そこから伸びるのが雌しべ。花柱というのが雌しべの柱頭で花粉を受け取って、それを子房にまで運ぶパイプ役と、支柱の役割を果たしています。
私たちは植物愛好者の集まりでも、写真愛好者の集まりでもないので、現場で見つけたものをその場で噛み砕いて観察して、ある程度の理解の上でシャッターを切る、などということはできません。もし私が「キヌガサソウ休憩、5分」などとしなければ一瞬立ち止まってシャッターを切るので精一杯。それだって、そのとき歩きに余裕がなければ「見るより・歩く」という気持ちになってしまっています。カメラを出すのさえやっかいに思ったりするのです。
だから、ルーペで見るのと同じように一瞬足を止めて見ながら写真をとれるデジタルカメラやスマホで撮ってしまって、帰ってからゆっくりと鑑賞するという方法を提案しているのです。手元にパソコンかタブレットがあれば、ネット情報をいろいろ見ながら「写真に導かれて」もう一度旅することができます。(時間が無限に必要ですが、楽しい旅になります)

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 12時58分=伊藤 幸司
同じキヌガサソウの群れの環境を見ておきました。
ここは明らかに雨が降ったら水が集まってくるような湿地です。川になって浸食されるようなところではないにしても、雪が最後まで残っていたような窪地です。そして灌木林の縁。手前にはコバイケイソウがズクズクと伸び始めています。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 12時58分=伊藤 幸司
よく見ると、樹林の中にもキヌガサソウが窮屈そうに咲いていました。

大日岳登山、ハクサンイチゲ
【撮影】1日目 12時58分=伊藤 幸司
キヌガサソウの群れの近くにハクサンイチゲもありました。

大日岳登山、ハクサンイチゲ
【撮影】1日目 12時59分=伊藤 幸司
ここにあるハクサンイチゲは「白と黄色の花」というイメージにどんどん近づいているような年頃でした。

大日岳登山、ハクサンイチゲ
【撮影】1日目 12時59分=伊藤 幸司
まあ、ひとつひとつの花がしっかりとしていて個人個人の人格も感じられるという印象の群落ですが、それでも「たくさんイチゲ」という爆発的な広がりを想像させるに十分なパワーを感じさせます。

大日岳登山、
【撮影】1日目 13時01分=伊藤 幸司
ようやく奥大日岳山頂です。09時に室堂バス停を出てから4時間です。12時34分の写真のところで計画書の予定時間から1時間オーバーしていて、パワー係数を普段の山の「8」から北アルプス稜線での私たちの実力値「6」にしてみたのですが、きょうはそこから休憩時間がはみ出す結果になりました。

大日岳登山、奥大日岳山頂
【撮影】1日目 13時04分=秋田 守
奥大日岳山頂。標高2606m。少し手前に右へ分岐する道があったが、その先が奥大日岳最高点2611mだとか。こうなると、何をもって山頂というのかよく分からなくなる。晴れていれば、劒岳を正面にど迫力で眺めることが出来るが、残念ながら雲の中。いわゆる祠はないが、岩の隙間に小さな手彫りらしき仏像が何体も納められていて、お賽銭が積まれていた。なぜかお賽銭は100円玉が多かった。大日岳同様、ここも太古から修験の行場であった。

大日岳登山、
【撮影】1日目 13時05分=伊藤 幸司
奥大日岳の山頂から振り返ると、立山三山の頭はまた雲の中。地獄谷の噴煙と雷鳥荘の位置関係からすると、11時47分の写真とほぼ同じ角度から見ているとわかります。
それよりも手前の稜線。私たちはあの残雪の縁をたどってきたのです。

大日岳登山、ヘリコプター
【撮影】1日目 13時11分=秋田 守
奥大日岳山頂で一服している間に、山頂から少し離れた場所へ行き、用を足していたら、ヘリコプターの音が間近に聞こえてきて、どんどん近づいてきた。やばい、そんな所で何をしてるんだ、と怒られるかと思いきや、どうやらそうではなかったみたい。荷揚げではないし、登山道の安全点検でもしていたのだろうか。多客期となる夏休みも近いし。それにしても、この日は朝から実に多くのヘリコプターが周辺山域を飛び交っていたわけだ。

大日岳登山、奥大日岳の山頂
【撮影】1日目 13時20分=伊藤 幸司
奥大日岳の山頂です。ここには標高2,605.9mの三角点があるのです。すでに書きましたが、ここから稜線を戻ると奥大日岳の現在の標高となっている標高2,611mの水準点(私が持っている2014年の昭文社の登山地図では「奥大日岳最高点」となっていますが、じつは大日連峰の最高点)があるのです。立ち寄りませんでしたが。

大日岳登山、
【撮影】1日目 13時26分=伊藤 幸司
奥大日岳からいったん標高2,400mあたりまで下って、そこから登り返します。

大日岳登山、
【撮影】1日目 13時27分=伊藤 幸司
北アルプスの稜線の道は、見えたとおりにたどれるとは限りません。どっちに連れて行かれるのか不安になるような巻道がときどきあります。ここだって、手前でなにか標識を見落とした? と思わせる迂回路です。1分前の写真からでは想像できない状況の変化です。

大日岳登山、
【撮影】1日目 13時30分=伊藤 幸司
進行右手にはハイマツが這い上がってきています。左手の斜面は草原です。右側が北斜面、左側が南斜面です。

大日岳登山、コイワカガミ
【撮影】1日目 13時30分=伊藤 幸司
コイワカガミがありました。稜線に咲いていると「けなげに」という印象になりますね。

大日岳登山、キジムシロ
【撮影】1日目 13時31分=伊藤 幸司
これはキジムシロではないかと思います。絶対に……といいたくて裏取りのつもりで調べ始めてみると、いろんな写真に惑わされます。本来ならその場で要点をチェックすべきなんでしょうが、それはまた違う歩き方。たった1歩止まってカシャッとシャッターを切り(電子カメラでもそんな音が必要です)あわてて前の人を追いかけるという歩き方のほうが充実感があるというのが正直なところ。
問題は、考えたことや調べたこと、さらに書いたことをきれいさっぱり忘れてしまって、次に同じことが起きても同じところからリスタートしなければならない、あるいはリスタートすることができるという無限の楽しみが続きそうなところです。花の名前に一応こだわるということはそういうエンドレスな楽しみにとって結構重要な要素だと考えています。

大日岳登山、
【撮影】1日目 13時31分=伊藤 幸司
稜線の起伏が小さくなると、道もスリリングになるんですかね。ここでは進行左側にハイマツが茂っています。左右両方が裸の岩稜となると難易度は一気に跳ね上がります。

大日岳登山、
【撮影】1日目 13時32分=伊藤 幸司
この花にはなんとなくカタバミ系の個性を感じたのですが、葉っぱが全然ちがいます。手元の花の図鑑をパラパラめくり、グーグルの画像検索を2〜3度やってみたのですが、どこにも引っかかる感じがありませんでした。ご存知の方、お教えいただけたらうれしいです。○○の仲間というので十分です。

大日岳登山、大日小屋
【撮影】1日目 13時34分=伊藤 幸司
大日小屋が見えました。見えたけれど、これは超望遠。まだ中大日岳を越えて行かなけければなりません。

大日岳登山、ハクサンチドリ
【撮影】1日目 13時34分=伊藤 幸司
ハクサンチドリは花数の多い株と、こんなふうに少ない株とがあるようで、これはどは突然千鳥が舞い上がってきたように見えました。
このハクサンチドリに関してわかりやすい解説があったのは『四季の草花』というサイトの『ハクサンチドリ』。
【ラン科の優美な高山植物「チドリ」の中で、最もよくお目にかかるのはハクサンチドリであろう。中部以北の訪れた高山で大抵お目にかかる。礼文島まで北上すると、標高200mでも見られる。「チドリ」とはよく名付けたもので、花をよく見ると飛翔するチドリの姿が連想される。その姿は何度見ても飽きず美しい。テガタチドリ、ノビネチドリと並んで、赤いラン科の花の代表である。
花の色は随分と変化があり、赤紫の濃い色から淡いピンク、更には白色のものもある。北海道の礼文島や大雪山で撮ったものは、花色が濃く背丈が低いが、中部山岳で撮ったものは比較的色が薄く、背丈は高い。花の形はよく見ると複雑で、長い距を持ち、チドリの飛翔を思わせる側萼片と背萼片は鋭く尖っている。唇弁は平たく円盤状であるが、濃い紫の模様があり先端は尖る。花の部分の名称を5枚目の写真に付けてある。花期は6-8月と長い。】

大日岳登山、天狗平
【撮影】1日目 13時36分=伊藤 幸司
天狗平を見下ろしています。画面中央に2つの建物が見えますが、左側、崖っぷちにあるのが立山高原ホテル、右側の道路の曲がり角にあるのが天狗平山荘。今朝、私たち夜行バス組の4人は室堂に向かうバスに乗り、この道のどこかから、今いるこの大日連峰を眺めていたのです。

大日岳登山、称名川
【撮影】1日目 13時36分=伊藤 幸司
足元の深く削られた谷は称名川。目でたどれる一番奥のあたりで一気に350m落ちて称名滝となるのです。
でも、山小屋が見えたとはいえ、まだまだ道は伸びていますね。

大日岳登山、立山高原ホテル
【撮影】1日目 13時39分=伊藤 幸司
天狗平の立山高原ホテルをアップで撮っておきました。
『立山高原ホテル』のホームページに『ようこそ大自然あふれる山岳リゾート立山へ』(2019.06.21)がありました。登山者ではなく一般観光客向けの情報です。
【年間100万人もの人々が訪れる山岳リゾート立山。
立山のいちばん華やかなシーズンが始まります。
立山黒部アルペンルートは標高3000m峰々が連なる北アルプスを貫く山岳観光ルートです。
7月、8月は雪解けの進んだところから、順に新緑の季節がはじまり、そして、高山植物の季節が始まります。
◎散策モデルコース
◇黒部ダム散策コース
室堂より、トロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカーを乗りついて黒部ダムへ 往復2時間(移動)
◇室堂周辺トレッキングコース(初級)
*みくりが池周辺、地獄谷展望台、みどりが池等 所要時間1:30分
みくりが池周辺では、運が良ければ雷鳥が観れるかもしれません
*天狗平(ホテルの立地する所)から、室堂まで歩いてみるのもよいかも(片道45分)
◇室堂発雄山登山コース
所要時間:往復約4時間
歩行距離:5.4キロ、高低差:533m
雄山の山頂から眺める大パノラマ、山岳信仰の聖地雄山神社でお祓いや神酒など特別な経験になるはず。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 13時41分=伊藤 幸司
道はまた、南斜面のトラバースです。歩きやすいはずなのに、なんとなく損している感じがするのは、展望の問題でしょう。今日は雲がかかって基本的に展望が悪いのでストレスにはなっていませんが、これが晴れた日なら「劔岳を眺めながら歩きたい」などと思うはずです。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 13時44分=伊藤 幸司
またキヌガサソウがありました。ナナカマドのジャングルの中に、コバイケイソウとおしくらまんじゅう状態で咲いていました。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 13時44分=伊藤 幸司
キヌガサソウの花の構造については12時57分の写真のところで紹介しましたが、そのおさらいに絶好の花がありました。『ウィキペディア』の『キヌガサソウ』からです。
1……【白い花弁のように見える大きな外花被片(萼片)は6-11個あり、初め白色で、花のあとに紅紫色に、果期に薄緑色になる。】
2……【内花被片は外花被片と同数で、白色で長さ10-15 mmの糸状で目立たない。】
3……【雄蕊は15-20個で2列に並ぶ、内花被片とほぼ同じ長さ、葯は黄色、線形で長さ5-8 mm、花糸とほぼ同じ長さ。】
4……【子房は緑色、花柱は8-10個で、外側に曲がる。】

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 13時45分=伊藤 幸司
なんといいましょうか、端正な印象のキヌガサソウの中でも、これはなんというみずみずしさ! というふうに感じて撮ったのではありませんが、写真として見ると、いい花を見たのだと感謝です。

大日岳登山、【撮影】1日目 13時45分=伊藤 幸司<br>
キヌガサソウ
【撮影】1日目 13時45分=伊藤 幸司
キヌガサソウ。当然、花もアップで撮っておきました。3つめの花のアップですから特段書くこともないのですが、白い萼片の隙間に伸びている白い糸が「内花被片」すなわち花びらです。白い萼片も細い筋が入ってきちんと作られているという感じですね。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 13時45分=伊藤 幸司
どうですか、うんと引いて撮ったら、キヌガサソウがイワツメクサみたいに見えました。

大日岳登山、サンカヨウ
【撮影】1日目 13時45分=伊藤 幸司
もうひとつ嬉しかったのはサンカヨウがあったこと。キヌガサソウを見つけたときにはこのサンカヨウとシラネアオイを期待していますから。
この写真ではサンカヨウ独特の、うるうるとした白い花の魅力は伝わりません。今回は撮っていません。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 13時45分=秋田 守
今回のルートは花が多いと事前に案内されていたが、キヌガサソウをこれほどたくさん見たのは初めてだった。あちらこちらに群生していた。そして、時々この花のように大変大きな花も咲いていた。ちょうど見頃。白い花びらのように見えるのは萼片(外花被片)。それに沿って白い糸状に長く伸びるのは内花被片。黄色い葯を付けているのが雄蘂。中心の緑色の子房から突き出すのは雌蘂。秋田県の神室山が国内最大の群生地らしい。気になる。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 13時46分=伊藤 幸司
最後にこれは葉っぱ美人のキヌガサソウ。『ウィキペディア』の『キヌガサソウ』でのおさらいを加えておきます。
1……【茎の先に7-11個の葉が輪生】
2……【白い花弁のように見える大きな外花被片(萼片)は6-11個あり、初め白色で、花のあとに紅紫色に、果期に薄緑色になる。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 13時46分=伊藤 幸司
キヌガサソウがあったのはこういう場所です。白馬の大雪渓の登り口のところの大群落が有名ですが、北アルプスではこんな場所ならあちことで見ることができます。

大日岳登山、
【撮影】1日目 13時50分=伊藤 幸司
たぶん、前方に見えているのが中大日岳と呼ばれるピークのあたりなんでしょうか。もうひとつ小さな鞍部を越えなければいけないようです。

大日岳登山、天狗平
【撮影】1日目 13時50分=伊藤 幸司
まだ天狗平なんでしょうか。対岸という感じで広がっています。じつは画面ほぼ中央に白く光る道路をバスが走っているのを見つけました。次の写真でそのアップを狙うための全景写真という役割で撮りました。あとでなにか書かなくてはいけなくなったときの準備です。

大日岳登山、
【撮影】1日目 13時50分=伊藤 幸司
なんだか変な写真ですが、バスが対向車線を走っているのに意味はありません。追い越し禁止で中央にカラーコーンが置かれています。軽トラックが走っているのか、止まっているのかで写真の意味は全然違ってしまうので前の写真で詳しく見てみると、軽トラックの前方のカーブに3台ぐらいの車両が止まっていますから、中央線にカラーコーンを置いて、軽トラックに、たぶん何かの標識をつけて、車線閉鎖をしていたのでしょう。それをたまたま撮ってしまったということのようです。

大日岳登山、ダブルストック
【撮影】1日目 13時52分=伊藤 幸司
北アルプスの稜線でダブルストックを使っていると「危険だ」というのがニッポンの常識のようです。しかし私は20数年前、登山を初めて1年目の皆さんを八ヶ岳や日本アルプスのお花畑にお連れしたいと考えたとき、女性に一般的な下りでの不安定さやスピードダウンを改善するためにダブルストック、当時本格的に輸入されつつあった LEKI を(2万円弱という現在とほぼ同様の値段でしたが)標準装備として導入したのです。靴ははきなれた運動靴を勧めつつ、ダブルストックの購入を基本条件としたのです。(運動靴とダブルストックの組み合わせにはさらに大きな意味が浮かび上がってくるのですが、ここでは触れません)
そのおかげで、現在は70歳前後の女性が主流の糸の会でも、急峻な岩場の下りでの不安がとても小さなものになっているのです。
私にはとてつもなく画期的な登山用品として登場したダブルストックですが、岩場で使うのは危険という(私には理解しがたい)常識と、使うならゴムキャップをつけてという(最も危険な選択を強要する指導権限によって)女性の登山行動を拡大させるチャンスを抑制してきたと思います。
ここは下りには見えないかもしれませんが、岩場の道では、岩の上り下りの1歩ごとにストックが活躍する場が用意されているのです。

大日岳登山、コバイケイソウ
【撮影】1日目 13時59分=伊藤 幸司
また、つぼみ状態のコバイケイソウです。ものすごくきれいだと思いました。
『みんなの花図鑑』の『コバイケイソウ』に『花の特徴』がありました。
【茎先に太い円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、白い花をたくさんつける。
真ん中の長い花穂には両性花がつく。
脇に枝分かれしてつく花穂には雄花がつく。】
この写真で気づいたのですが、バイケイソウの仲間にほぼ共通の葉っぱ(私は三宅一生のプリーツ・プリーズにそっくりだと思いますが)はまだ迫力をそなえていません。
そしてさらに、大きさと形がちょっとちがう葉が3枚、一番上(花の下)にあるじゃないですか。これがなんなのかきちんと書かれているものがネット上にみつかりませんでした。『原色日本植物図鑑・草本編3・単子葉類』で『コバイケイソウ』を見ると「苞は披針形」とあります。苞、あるいは苞葉はつぼみを包んでいた葉のことです。

大日岳登山、モミジカラマツ
【撮影】1日目 14時01分=伊藤 幸司
これはモミジカラマツですね。
『四季の山野草』に『モミジカラマツ』があって『カラマツソウに似た花』という見出しが立っていました。
【モミジカラマツの花はカラマツソウとほとんど区別がないくらい似ているが、葉の形がモミジに似ていて、カラマツソウのやわらかい葉と区別ができる。
よ〜く見ると花も違うのだが、栂池では同じような所の草むらに生えており、葉を見るまで遠目には区別がつきがたい。】
私の印象では北アルプスの稜線では圧倒的にモミジカラマツが多く、ときおりカラマツソウがあるとその葉の可憐さにびっくりしたりします。カラマツソウなんていう名前をつけた人はその丸い小さな葉っぱの魅力を完全に無視していたとしか思えませんが、この「モミジ」だって、もうすこしなんとかならなかったのでしょうかね。だいたい、花がカラマツの落ち葉に似ているというところが名前の出発点ですからね。
ついでに、出会うと私たちが狂喜するものにモミジイチゴがありますが、そのとき見ているのは葉っぱではなくて木苺では珍しい黄色い実です。

大日岳登山、ハクサンボウフウ
【撮影】1日目 14時01分=伊藤 幸司
これはたぶんハクサンボウフウだと思います。ぜんぜん自信がないけれど、葉っぱが「こんな感じ」だと「ハクサンボウフウ」あたりじゃないの? という感じです。
『山の花1200』(青山順三・2003年平凡社)の『セリの仲間──セリ科』の総説のところにこう書かれています。
【山の植物のなかで、大きくてよく目立ち、姿も独特で他の植物から一目で区別がつくのがセリ科の花。しかしどれもよく似ていて、種の区別を最も覚えにくいグループのひとつともいえる。正確には果実の形や構造によらねばならないが、葉の形や分岐の仕方、全体のイメージなどからも、おおよその同定は可能。】
……というのですが、それがなかなか通じないのです。その『ハクサンボウフウ』のところでは【葉は1〜2回3出羽状複葉、小葉は先が尖り、縁に粗い鋸歯がある。】とのこと。
「3出複葉」(さんしゅつふくよう)というのはこの写真の葉の先端部分に3枚の葉がついている部分をいいます。それだけなら「1回」ですが、「2回3出複葉」となると、同じような3枚セットの葉が左右両側についています。それが3回、4回と繰り返される状態を「羽状複葉」というようです。ちなみに「小葉」はたくさんの葉によって構成されるうちの1枚の葉という意味です。
この写真に写っている葉が「2回3出複葉」より回数を増しているかどうかよくわかりませんが、セリ科の植物でこの雰囲気の葉をもっているのは、ハクサンボウフウ……じゃないかと思っているのです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時01分=伊藤 幸司
セリ科の花のひとつひとつはとても小さいのですけれど、これがパッと開くとそれだけで大きな世界を感じさせたりします。そこに大柄な虫が止まっていたりすると自然採取型の生活も大変だろうなと思いますが、小さな羽虫が群がってひとときの楽しい時間を満喫している感じもいいですね。この花、これからが楽しみです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時02分=伊藤 幸司
巻道から稜線に出たと思ったら反対側の斜面をトラバース。珍しくクサリがついていました。

大日岳登山、ツガザクラ
【撮影】1日目 14時03分=伊藤 幸司
ツガザクラですかね。
白馬どんぐり村の『ペンション馬鈴薯』のホームページらしいのですが、かなりのボリュームの『高山植物図鑑』があって『ツガザクラ』も登場します。
【亜高山〜高山帯の岩礫地や湿った草地等に生える、高さ5〜40cmくらいになる常緑小低木。かなり環境の厳しい条件下で花を咲かせますが、浮気者らしく同じ地域に二種以上生えていると、すぐ雑種が誕生するようです。
枝先に1〜10個位下か横向きに咲く花は、釣鐘形の白で、先端が少し淡紅色(桜色)を帯びていて、先端が浅く五裂し、外側にやや反っている。
五裂した萼片は楕円形で毛が見あたらない。
アオジクツガザクラ(f. viridescens)・・・萼と花柄が緑色で花冠が白色のもの。
紅色の萼が鮮やかで、花柄の腺毛に水滴が弾けそうに付いてきれいですね〜。
線形の葉は、栂の葉によく似ていて、質が厚く蜜に互生している。
花も終わり、これから熟して、上を向きます。サッ果は小さな扁球形で毛が付きます。
名の起こりは葉が栂に似ていて、花が桜色とのこと・・】

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 13時05分=伊藤 幸司
キヌガサソウは加齢を正直に見せてくれるので、私は好きです。正直に見ていきたいと思います。ヤグルマソウと双璧です。今回はこれまで見たこともない、シミひとつないフレッシュなキヌガサソウを見ていたので、近くにこんなものがあるとは思いませんでした。まだ白い萼片(花びらにみえるところ)には赤っぽいシミが少し出始めたというところです。

大日岳登山、オオバミゾホオズキ
【撮影】1日目 14時05分=伊藤 幸司
どこかで、何度も見た親しさはあるのですが、名前は頭の一文字さえも出ませんでした。そういうときにいつもやるのは手に馴染んだ植物図鑑をパラパラとめくって見るのですが、見つかりません。しかたなく「高山植物の黄色い花」で画像検索してみたら、1ページ目にこの花がありました。オオバミゾホオズキ。
今回も何度目かの引用になりますが『森と水の郷あきた……あきた森づくり活動サポートセンター総合情報サイト』の『山野の花シリーズ19・オオバミゾホオズキ』が秀逸でした。
【初夏、イワナ釣りで沢を歩いていると、沢沿いの水辺に大小の群落をつくっている光景に出くわす。大きな唇形の黄色の花の群れは、良く目立つ。花の長さは約3cm。上唇は2裂、下唇は3裂する。葉は卵形。イワナが生息しているような清流に自生している。
イワナが遊ぶ渓流にオオバミゾホオヅキの花々が咲き始めると、イワナもタケノコも旬を迎える。・・・魚止めの手前で納竿した後、源流部に咲くオオバミゾホオズキの花を撮る。何気なく右岸の笹藪を覗くと・・・クマがタケノコを食べた皮の残骸があった。早朝、クマは谷沿いの笹藪で大好物のタケノコを貪る・・・その痕跡は明瞭なクマ道となっていた。
・・・今頃、クマはタケノコを腹一杯に食べて昼寝をしているはず・・・クマには失礼だが、ザックから厚手の袋を取り出し、笹藪に飛び込む。やや長刀になりかけてはいたが、柔らかい先の部分を折り採りながら藪を徘徊する。あっという間に1時間余りが過ぎた。
それにしてもタケノコは重くかさばる。家に帰って処理すれば、2/3余りは捨てるのだが。今度は、小沢が流れ込む湿地に、ミズの大群生が目に止まった。赤くて太いものを間引くように採取する。どうも食える物に目が向き、遅々として前に進まない・・・。お陰でサブザックは、破れんばかりに膨らみ、荷の重さでヨレヨレになりながら車止めに辿り着く。
花言葉 純粋な人】

大日岳登山、ハシゴ
【撮影】1日目 14時06分=伊藤 幸司
ハシゴがかかっていました。といっても、斜面に置かれて階段代わりという程度。この場所にこのハシゴということは、今日明日のこのルートではおおよそこのレベルで登山道が整備されている……ようだと考えておきました。
登山道は、たとえば丹沢などでは稜線の崩落によって順次ルートを変更しなければならない場所がいくつも出てきますが、それでも最悪ロープを張り直すなどして通過だけはできるようにしています。わたしたちはそういう「一般登山道」を維持する人たちの力によって、スリルを味わいながらも安全な山旅を楽しませてもらえるのです。

大日岳登山、ハシゴ
【撮影】1日目 14時08分=伊藤 幸司
ダブルストックは、ハシゴのところで一番ブザマに見えるのは確かです。ここで待たされている人がいたら、なんでこんな場所で邪魔なストックをブラブラさせているんだ? と考えるのは常識的なものだと思います。ほっておけば多くの人がストックを2本束ねて片方の手に持って、ストックがあちらこちらに引っかかるのを避けながらスムーズに下ろう(もちろん登りでも)とするのです。それを私は許さずに、一歩一歩邪魔になるストックを細かくさばきながら、何事もないような顔をして下る(登る)ことを要求します。
なぜか。ハシゴはそれ自体が強力な安全装置ですから、ストックを持っていないほうが「安全」と見て当然なのです。でも私は、安全性が高くて、ストックがかなり邪魔な存在になるハシゴのところで、その邪魔なストックさばきをきちんとやってもらいたいのです。というのは、下りで見過ごせない危険の多くは1歩、2歩というほんの小さな場所にあります。その1歩、2歩のどちらかでミスると、その後命に関わる大きな危険につながるというような場所が怖いのです、私には。
注意しなければいけない何歩かをリーダーとして見るときにその、ストックさばきが、じつはその人の安全性・危険性を「余裕」というかたちで見せてくれるのです。場合によっては「ストップ」をかけて、私が責任をとれるかたちになるまで、そこで待っていてもらう……というふうに考えたら、ストックを無駄なくさばけるだけの余裕があるかどうかという意味で、私には安全装置として重要なのです。

大日岳登山、エンレイソウ
【撮影】1日目 14時19分=伊藤 幸司
葉っぱがふにゃふにゃなので顔つきがちょっと違いますが、エンレイソウです。
エンレイソウについては『NHK出版 みんなの趣味の園芸』『エンレイソウの基本情報』がありました。
【エンレイソウの仲間は葉が3枚、萼が3枚、花弁が3枚で、覚えやすい植物です。いずれも多年草で、ほとんどの種類は低地からやや高い山の、落葉樹林のやや湿った場所に生えます。根元から茎を1〜3本伸ばし、先端に葉を3枚つけます。この葉のつけ根に花をつけます。日本のエンレイソウの仲間の代表は以下の3種です。
エンレイソウ(Trillium apetalon)は、この仲間で唯一、花弁がない種類です。花弁に見える部分は萼で、ふつう茶色、花の大きさは2cmほどです。まれに萼が澄んだ緑色のトイシノエンレイソウ(T. apetalon f. album)も見られます。
ミヤマエンレイソウ(T. tschonoskii、別名シロバナエンレイソウ)は、白い花弁があり、花の大きさは2〜3cmで、横向きに咲きます。ときに花弁が薄い紫色を帯びるムラサキエンレイソウ(T. tschonoskii f. violaceum)、ごくまれにエンレイソウとの雑種で、濃いえんじ色の花弁が0〜3枚あるヒダカエンレイソウ(T. × miyabeanum)も見られます。
オオバナノエンレイソウ(T. camschatcense)は、全体に大型で花の直径は5〜6cmもあり、上向きに咲きます。雌しべや子房が紫色のものはチシマエンレイソウ(T. camschatcense var. kurilense、別名クロミノオオバナエンレイソウ)と呼ばれます。ミヤマエンレイソウやエンレイソウとの雑種も見られます。
国産のエンレイソウは栽培容易とはいいがたく、市販品の多くはオオバナノエンレイソウの山採り株であるため栽培はおすすめしません。すでに育てている人から譲り受けるか、タネから育てるのがよいでしょう。入手しやすいのは、栽培容易なトリリウム・グランディフローラム‘フローレ・プレノ’(T. grandiflorum ‘Flore Pleno’)の繁殖品です。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時19分=伊藤 幸司
ここは奥大日岳山頂から約1時間のところ、正面に見えてきたのは、地図で探ってみると天狗の鼻のあたりでしょうか。これまでの写真に出てきた立山高原ホテルが、この写真では左端からすこし外れてしまいました。入れておけば見えたかどうかは不明ですけれど。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】1日目 14時20分=伊藤 幸司
このキヌガサソウもいくぶん濃いめの化粧になってきました。花に出る年齢差はその場所の日当たりとか気温差というより、雪が消えてからの日数の違いのように思われます。

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時20分=伊藤 幸司
残雪の斜面にガス(山霧)が流れ込んできました。初夏の山を歩いているという気分です。ここは進行方向右側の斜面ですから、北側です。

大日岳登山、ミヤマダイコンソウ
【撮影】1日目 14時22分=伊藤 幸司
ミヤマダイコンソウはなぜか覚えやすい花です。特徴は葉っぱにあって、こんなダイコンの葉があるのかどうかわかりませんが、黄色い5弁の花の中ではおおらかな雰囲気。ラクラクと生きているというような顔つきですから。
『山の便り、大地の恵み』というブログに『野の花、野草 手作り図鑑』があって『ミヤマダイコンソウ』が取り上げられています。
【山登りを始めて、かなり早い段階で、この花の名前を覚えた記憶があります。覚えやすい名前だったこともありますが、そのとき調べた図鑑に、「大根とは縁もゆかりもないのに、この名がつけられて・・・」などとあったのが、印象に残っていたからでした。
ダイコンソウ属に属しますが、そのダイコンソウの、伸びかけの根生葉の形が大根の葉を連想させるので、ダイコンソウと名づけられ、同じ属だからということでミヤマダイコンソウと呼ばれる運命を背負いました。
私は10数年も畑で野菜を作ってきたので、アブラナ科の大根の葉はもちろんのこと、白あるいは薄紫がさす菜の花様の大根の花も良く知っています。花はまったく別ですし、葉も、山で見かけるこの花は、イチゴ(バラ科)の葉をよりギザギザにしたような、イチゴ似の葉です。】

大日岳登山、ミヤマダイコンソウ
【撮影】1日目 14時22分=伊藤 幸司
ミヤマダイコンソウの花をアップで撮っておきましたが、この花の構造をうまく説明してくれる文章が植物図鑑にも、ネット情報にも見つかりません。
『公益社団法人 日本薬学会』のサイトに『生薬の花』として『ダイコンソウ』がありました。
ダイコンソウは【民間で強壮、発汗、利尿に作用があることが知られており、腎臓障害による浮腫、糖尿病、夜尿症などに用いられるそうです。】
とありますが、ミヤマダイコンソウとの関係についても触れられています。
【この植物の特徴は花頭にあり、多数の雌しべそれぞれに腺毛が生え、先端がかぎ状に曲がっていることです。そう果は開花後に落下し動物にくっつき果実が散布されるので、この花頭こそがダイコンソウ繁殖のカギになっているのです。国内には類似の植物であるオオダイコンソウG. aleppicumやミヤマダイコンソウAcomastylis calthifoliahaが見られますが、花頭はダイコンソウとは違い、オオダイコンソウの花頭は斜め横か下向きで、腺毛がありません。更にミヤマダイコンソウの花頭は関節がなく真っ直ぐに伸びているためダイコンソウ属と区別されているようです。】
残念ながら「花頭」がなんなのかわかりませんが、雌しべの姿も、まだ雄しべのなかに埋没している状態のようです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時24分=伊藤 幸司
この道は前方で稜線に上がる気配です。ちょうどガスが吹き上がっているところに私たちの仲間の姿があります。私たちは先頭を「10分交代」しながら自分の心地いい速度をでいるだけ崩さないように歩いているので、半分のメンバーはすでに視野から消えています。その10分間が終わると全員が集合して、目の前にいる最後尾の人がトップに出ます。
糸の会では中堅の人でも100回以上の付き合いですからいろんなことがわかっています。難しい問題が生じたらトップ集団での相談も行われます。ほぼ20年間、私がトップを歩いていて、いかに最後尾まで監視の目を切らさないようにするかが課題でした。だから歩きながら先頭の何人かを最後尾に送って、危険人物が後ろで自由を謳歌する危険を防ごうとしたりしてきました。
私がしんがりを務めて、先頭を歩く楽しさを順繰りに楽しんでもらうことにしたのは、もちろんそれぞれのみなさんの楽しみとなるはず、というねらいからでしたが、じつはもっと大きな意味があったのです。
私はおそらく1000回以上トップを歩いて、チーム全体の最善値を探ってきたと思っていますが、たとえば下りなどでは、ちょっと考え事などしながら歩いていると、ひとりだけ勝手に歩いている状態になっていたりするのです。登りでは列の中にスピードの遅い人がいるとグループが完全に二分されます。それを避けるためにその人を先頭(私の後ろ)に来てもらうと、全体のペースメークは完全にその人のものになってしまうのです。
要するにペークメークは私の仕事ではなくなっていて、メンバーの中の一番遅い人に合わせるだけになっているのに加えて、その人は終日追い立てられているように歩いているだけではないのか……と考えるに至ったのです。
そこで全体のペースメイクという考え方を一度捨てて、トップに立った人は自分にとって一番気持ちいい速度で歩くチャンスと考えてもらうことにしました。早い人はトットットッとたちまち姿が見えなくなてしまったりします。その周辺には、その速いペースを一緒に楽しむ人がいたりもします。
遅い人がトップなら、全員がピッタリ並んで、その人の歩くペースを共有することになります。ゆっくり歩くと楽なのか、かえって疲れるのか、そういうことも考えることになるでしょう。
遅い人が列の途中にいる場合にはグループはそこで2つに別れたり、この写真のようにバラバラになったりするのですが、10分後には全員が集まって、最後尾の人がそこで最前列に出るので、前にいた人は短い休憩を楽しんでいたりします。
全体のペースの最適解を求めようとするのではなく、メンバーそれぞれが自分の歩きやすいペースを体験しながら、他の人のペースに合わせて歩くというような柔軟性が生まれてくると、その結果として自分たちの総合力としてのペースが実感できるようになるのではないかと考えられます。副産物として、写真を取りたい人が1歩止まって撮るような行動もいくぶんしやすくなったと思われます。
一人ひとりが自分なりのペースを求めながら、チーム全体としてのペースもコントロールされるという意味で、山歩きの楽しさを細かく付加できるペースづくりができつつあるのではないかと思っているところです。

大日岳登山、キヌガサソウ、エンレイソウ
【撮影】1日目 14時30分=伊藤 幸司
これはキヌガサソウとエンレイソウの仲良しカップルという感じ。右にもエンレイソウが見えるので、あるいは激烈な敵対関係に入ろうとしているのかもしれません。とこかく、この2つが同じ画面に入ったのは、今日はじめてです。

大日岳登山、サンカヨウ
【撮影】1日目 14時30分=伊藤 幸司
画面上部にエンレイソウの葉が見えていますが、ここにはサンカヨウもありました。花のアップを撮っていませんが、白い花には独特の神秘的な表情が現れることがあり、また青い実にもちょっとひと手間加わった表情が見られます。
ちなみに『ウィキペディア』の『サンカヨウ』には次のような解説ありました。
【高さは30〜70cm。花期は5〜7月。茎の先に直径2cmほどの白色の花を数個つける。大小2枚つく葉はフキのような形をしており、花は小さい葉につき、葉の上に乗っているように見える。大きい葉には花がつかない。花のあと、濃い青紫色で白い粉を帯びた実をつける。実は食用になり甘い。 雨に濡れると花びらが透明になる。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時30分=伊藤 幸司
つい最近までここには雪が残っていたように思われます。画面左上の木の下には前の写真のサンカヨウと、その前の写真のキヌガサソウとがかろうじて見えています。そしてそこから右に伸びているのはコバイケイソウの列です。

大日岳登山、ショウジョウバカマ
【撮影】1日目 14時31分=伊藤 幸司
雪解けの場所で私がつい探してしまうのはショウジョウバカマです。
『ウィキペディア』の『ショウジョウバカマ』にこの花についての的確な説明がありました。
【花の色は生育場所によって、淡紅色、紫色、白色と変化に富んでいる。花期は低山では3〜4月であるが、高山では雪渓が溶けたあとの6〜7月になる。なお、花被は花が終わった後もそのまま残り、色あせはするものの、咲いたときの姿を残しているので、夏に緑の花が咲いている、といった姿となる。】

大日岳登山、ツガザクラ
【撮影】1日目 14時32分=伊藤 幸司
岩陰にツガザクラのかたまりがありました。標高およそ2,500mあたりで、高山帯といえるかどうか微妙なところです。
JACは社団法人日本山岳会のことですからこれは『日本山岳会』の2013年の『5-1_forum5』という講演? の内容としてプリントされたものの3〜6ページのpdfではないかと想像されます。日本山岳会のホームページで軽く探してみましたがわかりませんでした。タイトルは『日本の高山植物は東アジアの避難場所』著者(発表者?)は『東京農業大学教授 理学博士 中村幸人』となっています。
【さて日本の高山帯ですが中部山岳では海抜2900m以上、北海道では2000m以上の山域に認められます。実は標高が十分に達しているかと言えばそうではありません。日本一の富士山位の高さが欲しいところです。中緯度地方は偏西風が卓越し、ジェットストリームと呼ばれる強い西風が冬季に吹き荒れます。その影響で通常考えられる標高より低いところから高山植生が発達します。ハイマツ帯を抜け出ると高山草原帯に踏み込みます。そこには大きく4つのタイプの高山植物がみられます。
一つは矮生低木群落です(C)。デンマークのラウンケアという植物学者が冬芽の位置で生活形を分類しているのですが、地上20cm以下を地上植物として高山や寒帯の寒い地方に多い植物としています。ガンコウラン、ミネズオウ、ツガザクラ、コメバツガザクラ、チシマツガザクラ、イワウメ、ウラシマツツジ、クロマメノキなどがそうで、優先する植物群落を矮生低木群落といいます。高山環境の中では最も条件の良いところに出現します。日本には大きく二つの群落があり常緑性のコメバツガザクラ─ミネズオウ群落と、夏緑性のウラシマツツジ─クロマメノキ群落です。
一つは風衝草原です(A)。低茎な多年生草本植物が主で氷河期の生き残りとも言われています。多くの種は北半球の高山に広く分布し、代表的なものにはチョウノスケソウ、ムカゴトラノオ、トウヤクリンドウ、タカネシオガマ、チシマアマナ、ヒゲハリスゲ、カラフトイワスゲなどがあります。日本列島を中心に東アジアにはオヤマノエンドウ、ミヤマシオガマ、オノエスゲなどが春季にお花畑を形成します。中部山岳では西向きの風衝面に発達しやすく、稜線を挟んで東斜面の崩壊地や雪田の植生と対照的です。
一つは雪田植生と呼ばれる遅くまで雪の残る雪渓などに成立した植生です。矮生低木群落(D)と多年生草本植物群落(F)のふたつのタイプがあります。アオノツガザクラ、エゾノツガザクラ、ジムカデなどの優先する矮生低木群落は融雪時期にはとても多湿な環境に置かれるのですが、雪が解けてしまうと一転して乾燥する場所にみられます。もうひとつのイワイチョウ、ショウジョウスゲ、ハクサンコザクラ、エゾコザクラ、ハクサンオオバコなどの多年生草本植物群落で融雪期も湿った状態が続きます。
一つは崩壊地の荒原植生です。地盤が動きやすい砂礫地などに多くみられますが、幾つかの成因があります。高山らしい荒原は構造土と呼ばれる砂礫帯に成立します。日中は土壌中の水分は液体の状態ですが、夜間は氷点下に下がり土壌は凍結することによって膨張します。すなわち土壌中の水が膨張と収縮を毎日繰り返すことによって基質が振り分けられ、絶えず動いている砂礫帯に固有な植物群落が成立します。コマクサ、タカネスミレ、ウルップソウなどがそうです。そのほか、火山砂礫地にも富士山にみられるようなオンタデ、フジハタザオ、ミヤマオトコヨモギ、また、橄欖岩、蛇紋岩という超塩基性岩地は植物の苦手な重金属が多く含まれており、雪鞍岳では特殊化したクモマミミナグサ、ウメハタザオ、早池峰山ではハヤチネウスユキソウ、ナンブトラノオなど、固有性の高い植物がみられます。
そのほか、高山には湧水辺にアカバナ科やネコノメソウ科の植物が見られるのですが(E)、日本には切り立った高山が多く、湧水辺植生はあまり発達していません。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時32分=伊藤 幸司
さてここが中村博士の分類(前の写真参照)のどれに当たるのか、よくわかりませんが、風衝草原(A)でしょうか。

大日岳登山、ハクサンボウフウ
【撮影】1日目 14時32分=伊藤 幸司
これもハクサンボウフウでしょうかね。

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時34分=伊藤 幸司
これはナナカマドではないかと思って調べ始めたのですが、よくわかりません。
でも、今回はこちらの写真に開ききった葉がないためにうまくいきませんでしたが、葉で調べる樹木図鑑としてなんともみごとな力作と出会いました。これまでなかなかおっくうだった樹木にすこしずつアプローチできるかと思うので、ここに検索起点として記録しておきたいと思いました。「ナナカマド」の反省としても。
『葉と枝による 樹木検索図鑑』で制作者に関する情報は見つかりませんでしたが『図鑑の見方』を見るだけで図鑑としての品質がわかります。
【この図鑑は、樹木分類に素人の私が、登山や周辺散策で出会う樹木の名前を知りたいために作成した樹木名検索図鑑です。作成に当たって留意した事項は次のことです。
樹木名がわかるだけでよいので、その機能に絞ったこと。理由は、名前さえわかれば、その木についての詳しい情報は、関連する本やインターネットを通して、いくらでも調べることができるからです。
検索の方法としては、葉と枝を対象としました。植物分類の基本は花ですが開花時期は限られており、見ることの機会の多い葉と枝で検索できるよう配慮しました。なお、花・実・幹などについても可能な限り掲載しましたが、これらは、葉と枝から、名前に辿りついた後に、確認の便に供するためであり、あくまでも補足説明資料です。
掲載する樹木の範囲は、私が登山や周辺散策で資料を集めることができる中国と四国地域が主体ですが、遠征登山で採集したものや、このページに記載している協力施設で採集させていただいたものを含め、可能な限り広範囲から採集しています。
検索に使用する分類方法は、松井宏光氏の「葉で引く四国の樹木観察図鑑」の分類を、ご本人の事前承諾を得て準用させていただきました。私の作成意図にぴったりの図鑑だったからです。
樹種名は、「米倉浩司・梶田忠 (2003-)”BG Plants 和名-学名インデックス"(YList)」に採用されている標準和名を使用しています。科名・属名は、2016年1月に、エングラー版12によるこれまでの旧分類体系から、DNA解析に基づく最新の分類体系(APGⅢ)によるものに変更しました。解説本文には新分類による科名・属名で記載し、解説文の末尾に旧分類の表示を注書きしています。また、新旧分類で変更のあった樹種についての対比表を「類似種の見分け方 他」欄にある「新旧分類対比表」に記載しています。

巻頭に当たりまして、以下、この図鑑の作成にご協力いただいた諸氏・諸施設への謝辞を申し上げます。ありがとうございました。
*松山東雲短期大学 名誉教授 松井宏光 氏(NPO法人「森からの道」主催)
本図鑑の分類方法は、おおむね、松井先生の「葉で引く四国の樹木観察図鑑」から準用させていただいております。
本ページ作成に先立ち、この分類方法の使用許可をお願いしましたところ、快諾下さるとともに、四国にある樹種の所在地を具体的に示唆してくださり、また、採集した標本を直接送付していただくなどの協力をいただいております。
ここに、心から感謝申し上げます。
*倉敷市立自然史博物館 学芸員 狩山俊悟 氏
本ページの樹種名の同定には狩山先生のご指導をいただいております。また、掲載樹種の多くは、先生と同行した調査の中で採集したり、別途、所在地を示唆していただき採集できたものも多数あります。
お忙しい中、時間を割いてご協力いただいておりますことに、心から感謝申し上げます。
*倉敷市立自然史博物館友の会 評議員 片山 久 氏
本ページの樹種名のうちヤナギ属の同定には片山氏のご指導をいただいております。また、掲載しているヤナギの中には、同氏と同行して採集したり、別途、所在地を示唆していただき採集できたものもあります。
お忙しい中、時間を割いてご協力いただいておりますことに、心から感謝申し上げます。
*倉敷市のパソコンボランティア団体に所属する友人 市村 孝 氏 および、岡山県森林ガイドの友人 岩田響子 氏
市村氏には、この図鑑作成に当たり、ホームページ作成方法の初歩から応用編まですべてを指導していただいております。
特にホームページ作成専用ソフトへの依存は基本的事項にとどめ、HTMLソースを直接触ることによるシンプルタグのページ作成方法を伝授していただいたお蔭で、作成後の追加修正が容易であり、大変重宝しています。
岩田氏には、葉の採集に当たり、所在地がわかっている箇所での樹種探索など採集助手としてご協力いただくとともに、アップしたページの内容チェックなどで大変お世話になっています。
さらに、両氏には、この図鑑の利用者の立場からみて、ページの構成や、表現方法についての提案をしていただき、より見やすく利用しやすい図鑑に仕上げていくことができました。
具体的には、カウンターの設置、テロップの流し方、オンマウス拡大表示などで、その技術的な指導は市村 氏に依存しています。
お2人の協力なしには、この図鑑はできなかったでしょう。心から感謝申し上げます。
ここで、感謝の意を込めて、市村氏が作成してるページ「パソコンと山と盤座」を紹介させていただきます。
*登山仲間諸氏
図鑑に掲載した樹種の中には、日本百名山をはじめ中四国の登山時に採集したものが多数あります。
葉の採集は下山時に行いましたが、採集する時間的余裕を下さり時には採集の手伝いをしていただきました。
ご協力に感謝申し上げます。
*ご協力いただいた施設
次に、この図鑑の葉の採集に当たりご協力いただいた施設を掲示し謝意を表します。 上記の私個人による収集では、採集できなかった樹種が多数ありましたが、ご協力をいただいたお蔭で、これら未採集の樹種を容易にかつ多数採集することができました。ご協力に心から感謝します。
掲示の順番は採集時期の古い順です。
*森林総合研究所北海道支所、*岡山理科大学自然植物園、*岡山市半田山植物園、*岡山県青少年農林文化センター三徳園、*林木育種センター関西育種場、*岡山県森林研究所、*北海道大学和歌山研究林、 *高知県立牧野植物園、*安養寺(倉敷市浅原)、*広島市植物公園、*岡山県自然保護センター、*岡山県立森林公園、*田中美術館、*京都大学芦生研究林、*とくしま植物園、*林のカフェ(倉敷市林:100種以上の樹木を植栽)、*鷲羽窯(倉敷市児島赤崎)、*その他2施設】

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時36分=伊藤 幸司
これまでにない雰囲気の道になりました。先頭は正面の岩壁にかかっています。当然のことながら、目指していた中大日岳のあたりだろうか、と思ってシャッターを切ったのです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時37分=伊藤 幸司
よく見ると、岩場にはクサリがついています。なんだかこれまでの道と性格の違う道が突然現れたという感じです。歩きやすい道というより、歩かせたい道というような強引さだと思いました。

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時38分=伊藤 幸司
私たちはジグザグを切って登っていきます。

大日岳登山、コイワカガミとゴゼンタチバナ
【撮影】1日目 14時43分=伊藤 幸司
足元にコイワカガミとゴゼンタチバナがありました。このセットは今日初めてではないかと思いながら撮りました。
画面左下のゴゼンタチバナは葉が4枚で花をつけているようでオヤッと思いました。ゴゼンタチバナは葉が4枚のものには花がなく、花がついていれば葉が6枚と知っていたのに、4枚の葉でも花をつけることがあるのか? とよく見ると小さな葉が2枚ついているように見えます。
そこで調べてみると、『ウィキペディア』の『ゴゼンタチバナ』には次のように書かれていました。
【葉は2枚の対生葉と液性の短枝に2個ずつ葉が付き、計6枚の輪生に見える。花の咲く株は葉が6枚にまで成長したものである。】
よくわかりません。そこで『lapisnight.com』という『写真家・内野志織』さんのウェブサイトに『ゴゼンタチバナ』がありました。
【無花茎は、頂端に対生する葉を2対輪生状につけ、有花茎は頂端に1対(2枚)の対生葉と葉腋の短枝上にさらにそれぞれ1対(4枚)の葉をつけるので計6枚の輪生に見える。花の咲く株は葉が6枚にまで成長したものである。】
これには注記があって、
【*対生(たいせい)──茎の一つの節から二枚の葉が出ている様な葉の付き方。
*輪生(りんせい)──葉が茎の1カ所から3枚以上出ること。
*葉腋(ようえき)──葉が茎にくっつている根本の部分。】
葉が4枚のものには花がつかず、6枚まで成長すると花がつくということは『ウィキペディア』でいう【葉腋の短枝上にさらにそれぞれ1対(4枚)の葉】とか『写真家・内野志織』の【葉腋の短枝上にさらにそれぞれ1対(4枚)の葉】という後付の4枚が先にあるような矛盾を感じるのです。
同様のクエスチョンは『大阪市とその周辺の蝶』というサイトの『赤い木の実』にある『ゴゼンタチバナ』も同様です。
【花が咲くものは2対4枚の対生葉と液性の短枝に2個ずつ葉が付き、計6枚の輪生に見える。花が咲かないものは2対4枚のみである。】
やはり「プラス2枚」は【2個ずつ】ではなくて「2個だけ」でないと計算が合わないように思うのです。
そしてもし、この写真に見える「2枚の小さな葉」がその「プラス2枚」だとすると、花が咲くのと、葉が6枚の輪生に見えるようになるのとのどちらが先なんだという疑問が生じてきます。

大日岳登山、
【撮影】1日目 14時47分=伊藤 幸司
岩の壁をへつる(へばりつくように進む)みたいな道になったのでいよいよ何らかの決着がつくのかなあと思ったのに、出たところは雪渓が消えたばかりの北斜面。まだもうちょっと先があるとわかったので休憩しました。

大日岳登山、天狗平
【撮影】1日目 15時00分=伊藤 幸司
対岸の天狗平がこんなふうに見えています。画面左上の日向と日陰の境目の日向側に、すでに何度も見てきた立山高原ホテルと天狗平山荘がまだ見えていました。

大日岳登山、
【撮影】1日目 15時01分=伊藤 幸司
どうも右上の高まりが中大日岳のような気がします。思わず足が軽くなります。

大日岳登山、ソーメン滝
【撮影】1日目 15時03分=伊藤 幸司
ここまで来ると、15時00分の写真で立山国際ホテルの左側、画面の外にあったソーメン滝が見えていました。なんとも頼り気ない名前ですが、忘れにくい名までだとも思います。

大日岳登山、ソーメン滝
【撮影】1日目 15時05分=伊藤 幸司
画面の左右ほぼ中央、上から1/3ほどのところに地獄谷が見えています。噴煙が立ち上るあたりには雷鳥荘も見えています。その地獄谷から下る谷の先にソーメン滝はあったのです。ソーメン滝から右に視線を動かすと画面ギリギリのところに立山国際ホテルがあります。じつはその立山国際ホテルと雷鳥荘とを結んだ先のほぼ中央、すこし上がったところにホテル立山(室堂バスターミナル)も見えています。
じつはこの写真、そんなことより雄山、大汝山、富士ノ折立の立山三山の稜線がはっきり見えているので撮ったのです。前後の写真を見てみると15時03分から06分の間で、これが立山三山の稜線が一番良く見えた瞬間だと思います。できれば超望遠でも撮っておけばよかった、と今は思います。雄山神社の峰本社の建物は雲と絡んでみえませんが、授与所の建物ははっきり見えています。

大日岳登山、
【撮影】1日目 15時15分=伊藤 幸司
なんだか、またへんな岩場に入り込んでいくようです。

大日岳登山、七福園
【撮影】1日目 15時18分=伊藤 幸司
突如現れたのは庭園です。地図に七福園と書かれた場所です。私は気づかなかったのですが、画面右上の岩が仏像か何かに見えたのだそうです。
『日本アルプス登山ルートガイド・核心部のルート案内』というサイトの『北アルプス』の『立山から大日岳』の『大日岳その2』の中にこの写真と似た角度のものがありました。
【大小様々な岩が林立した七福園です。この先の岩場に俗称「七福園岩屋」という小さな岩窟があります。1934年に修験者が使用したと思われる鐙や刀子が、1961年には平安期の須恵器破片などが発見されています。まさにこの場所は、富山県の真言宗大岩山日石寺や眼目山立山寺を拠点とした立山修験の修行の場であった事が分ります。】
大日岳登山、七福園
【撮影】1日目 15時19分=伊藤 幸司
その仏像の岩の下を通って、先頭のメンバーたちは向こう側に抜けています。
15時18分の写真のために紹介した写真キャプションの次の写真ですが、『日本アルプス登山ルートガイド・核心部のルート案内』』の『大日岳その2』には、私たちの先頭グループが最後尾の到着を待っているあの場所からのこちらを見た写真が出ています。
【七福園を振り返って撮影。前方の大きな岩に岩窟があります。背景に左手側から剱岳、右手側の稜線は別山から立山(富士ノ折立、大汝山、雄山)です。】
立山三山だけでなく、劔岳も見えるんですね、雲がなければ。そういう意味で絶景ポイントの庭園なんですね。

大日岳登山、七福園
【撮影】1日目 15時23分=伊藤 幸司
この庭園。七福園には池もあります。池泉回遊式庭園という気分も味わえます。

大日岳登山、
【撮影】1日目 15時25分=伊藤 幸司
ここはたぶん厚い雪に覆われていたのでしょう。日当たりが良いにもかかわらず、まだ花は咲き出していないようです。

大日岳登山、大日小屋
【撮影】1日目 15時30分=秋田 守
奥大日岳山頂から2時間あまり、所々険しい下りを経て稜線を歩き、まるで庭園のような七福園を過ぎ、中大日岳を越すと、ようやく大日小屋の赤い屋根が見えた。周囲にはたっぷり雪が残っている。室堂から立山や劒岳へ向かう登山者は多いが、大日岳を目指す人は少ない。小屋も収用36名とこぢんまりした規模。チェックインすると、奥の大部屋を使うようにと言われた。2段式の部屋の右を男、左を女性が使うことに。のびのび寝られそう。

大日岳登山、ハクサンシャクナゲ
【撮影】1日目 15時31分=伊藤 幸司
七福園の延長みたいな岩に「中大日岳」という看板がありました。1/25,000地形図には標高2,500mの水準点があるだけの岩頭ですが、登山地図には中大日岳という名がついています。
その脇をすり抜けるとハクサンシャクナゲがありました。『ウィキペディア』の『ハクサンシャクナゲ』にはこう書かれています。
【北海道・本州・四国と朝鮮半島北部の亜高山帯から一部はハイマツ帯まで分布する。樹高は、亜高山帯では3mほどにもなるが、ハイマツ帯では環境が厳しいため50cmにも満たない場合がある。花は白から淡い紅色で、内側に薄い緑色の斑点がある。亜高山帯の暗い針葉樹林内を彩る代表的な花である。】

大日岳登山、ハクサンシャクナゲ
【撮影】1日目 15時31分=伊藤 幸司
前の写真のハクサンシャクナゲの、アップです。

大日岳登山、ハクサンシャクナゲ
【撮影】1日目 15時31分=伊藤 幸司
前の写真の脇にあったハクサンシャクナゲのつぼみです。花の色に関する情報を探しているうちに、このシャクナゲの生活環境を教えてくれるようなレポートを見つけました。
『東邦大学』の『理学部生物学科』のサイトに『厳しい環境で越冬できるハクサンシャクナゲ』(植物生態学研究室。丸田恵美子)がありました。
【富士山では亜高山帯から森林限界にかけて、ハクサンシャクナゲ(Rhododendron brachycarpum)の美しい花を見ることができる。常緑低木であるシャクナゲの仲間は、共通して革質で厚い葉を持つのが特徴で、いわゆる照葉樹の葉と同じような光沢をもつ。照葉樹とは、東アジアのモンスーン気候下で、湿潤・温暖な東ヒマラヤからブータン、中国南西部を経て、台湾、日本へとつながる地帯に分布域をもつブナ科やクスノキ科、ツバキ科などに属する暖温帯常緑広葉樹の種群である。
 これらの暖温帯広葉樹は、日本では南西日本の低地と東北・北陸地方の海岸沿いに分布しており、冬季の気温が-15℃以下に低下する本州中部地方の内陸以北には分布できない。それは、これらの照葉樹の耐凍性がほぼ-15℃であり、それ以下の低温に耐えることができないからであると言われている。その中にあって唯一、亜高山帯や高山帯まで分布できるのがシャクナゲの仲間である。ハクサンシャクナゲは、冬季に-20℃以下まで冷え込む富士山の亜高山帯や森林限界に分布地をもち、キバナシャクナゲは北アルプスなどの高山帯に自生している。シャクナゲ類の耐凍性が-70℃以下と、非常に寒さに強い性質をもつために、このような高い標高域に分布できるのである。
 しかし、亜高山や高山、森林限界における冬の環境の厳しさとは寒さだけではない。これらの地域では、冬季は土壌が凍結するので、根から吸水することができず樹木は乾燥する。常緑葉は乾燥すると気孔が閉じて葉からの水分消失を抑えるが、葉の表面を保護しているクチクラ層からも少量ながら水分が失われるので、半年にも及ぶ期間、土壌凍結が続くような環境下では、常緑葉は乾燥枯死の危険にさらされる。一方、太陽光は植物の光合成に必須であるが、強過ぎる光エネルギーを葉が吸収すると、活性酸素が生じ、細胞を損傷するなどの被害が出る。このように、寒い地方で植物の葉が越冬するとういことは、かなりの危険をもち、実際に標高の高い地域や北方で分布できるのは落葉広葉樹のみとなる。では、照葉樹のような常緑葉をもつシャクナゲはどのようにして、例外的にこのような冬の厳しい環境に耐えて越冬できるのだろうか? 富士山のハクサンシャクナゲを例に考えてみよう。
 ハクサンシャクナゲの葉は、晩秋から冬にかけて気温の低下とともに筒状に丸まっていき、露出面積を最小にして厳冬期を迎えている。筒状になることで、葉の織り込まれている部分は、乾燥からも強光からも守られる。そして春になって土壌凍結が融けて、吸水が可能となると葉は再び開いて光合成を再開するのである。富士山におけるハクサンシャクナゲの分布は、亜高山帯の林床から森林限界の強風にさらされる場所まで幅広い。林床のハクサンシャクナゲは、すべての葉が無傷で春を迎えることができるが、森林限界のハクサンシャクナゲは、葉の中心部で厳冬期に外気にさらされる部位が茶色く変色しているものが多い。おそらく森林限界では、冬には北西季節風が強く乾燥が厳しく、また常時、強光にさらされるために、わずかであっても外気にさらされる部位は損傷してしまうのだろう。したがってシャクナゲの葉が筒状に巻くという性質を持っていなかったなら、森林限界では葉全体が越冬できずに枯れてしまったと考えられる。
 シャクナゲの仲間は皆、大変美しい花をつけるが、このように耐凍性が高く、高山や森林限界といった厳しい環境でも越冬できるしたたかな強さをもっているのである。】

大日岳登山、大日小屋
【撮影】1日目 15時37分=伊藤 幸司
ありました。大日小屋です。およそ09時に室堂を出発したので6時間半。雷鳥荘からの人も6時間。1/25,000地形図で測ったパワー量は34パワーでしたから、1時間あたり5パワーという結果、平地で時速2.5kmしか出せないような道だったということになります。平坦な巻道が多かったという印象であったのに、糸の会の北アルプス縦走路での平均値と考えられる1時間あたり6パワーにも届かなかったのは意外でした。明日は下りですから、また状況は変わるでしょうが、計画時間がオーバーする可能性を考えておく必要がありそうです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 15時59分=伊藤 幸司
大日小屋で一息入れてから山頂への散歩に出ました。

大日岳登山、キヌガサソウ、ゼンマイ
【撮影】1日目 16時00分=伊藤 幸司
キヌガサソウがありました。周囲の葉っぱはショウジョウバカマ。手前にある綿毛に包まれたのはゼンマイです。
『日めくりオトナ家業 その疑問、解消します!』という不思議なサイトに『わらびとぜんまいとこごみの違いは? 山菜の見分け方と旬の時期もご紹介』(2019‐03‐31。ケイビイさん?)という、かなり長文の解説です。
【わらび・ぜんまい・こごみは食用のシダ植物です。
シダ植物というのは、
根、葉、茎の区別があり、
花が咲かないので種子もできない植物のこと。
胞子で増えます。
で、
わらび・ぜんまい・こごみは、
いずれも葉が開く前の若芽の時に食べるものなので、
若芽の状態だとなおさら似たようなものに見えるのかもです。
ですが、
わらび・ぜんまい・こごみは外見も、
生息場所や生える時期も異なります。】
【わらび
わらびは全国に自生している比較的身近な山菜です。
山奥まで入らなくても、
ちょっとした山や野で沢山採れます。
日当たりの良い乾燥したところに生えています。
ちなみに、
わらびの根っこにはデンプンが多く含まれており、
このデンプンからわらび餅の元になるわらび粉が作られます。
わらびの見た目の特徴は、
茎の先端が3〜5つに分かれていて、
それぞれがクルッと丸まった塊になっていて、
全体的に緑色、
または薄い紫色をしていること。
わらびの先端がクルッと丸まっている様子を、
人の拳(こぶし)に例える人もいます。
わらびの茎には葉がなく、
また産毛も生えていないので、
地面から突き出ているようにも見えます。】
【わらびは山菜類の中でも特にアクが強く、
また毒性もあるために、
しっかりとアク抜きする事が必要になってきます。
わらびの毒性(プタキロサイド:発がん物質)は、
アク抜きを行えばなくなるので安心してくださいね。】
【ぜんまいは北海道から沖縄に至るまで、
全国の野山に自生しており、
わらびと並んで古くから親しまれてきた山菜です。
山の奥までいかなくても
里山や山道の脇などにもよく生えています。
わたしが小学校の頃は、
近所の石垣のところにも生えていました。
日陰で湿り気のあるところを好むとされていますが、
日当たりの良いところでも見つかります。】
【ぜんまいは、
「銭を巻いている」
ような見た目から、
「銭巻き」
が訛って、
「ぜんまい」
と言われるようになったといいます。
ぜんまいは全体的に緑色をしていますが、
薄茶系の産毛のような綿毛でおおわれているので、
「茶色がかった緑色」
といった感じに見えます。
茎の先端がくるりと丸まっていて、
丸まっている中を見ると小さな葉が生えています。
丸まっているところの葉には、
葉が膨らんでいるものと、
膨らんでいないものがあります。
ぜんまいには雌雄があって、
葉が膨らんでいるもの:男ぜんまい
葉が膨らんでいないもの:女ぜんまい
と呼ばれています。
「男ぜんまい」は胞子を飛ばすため、
巻いている葉の部分が膨らんでいて
葉の表面がざらついています。
胞子がびっしりとついているのが
ひと目でわかるものもあります。
「男ぜんまい」は「女ぜんまい」よりも先に出ているため、
背が高いのが特徴です。
「女ぜんまい」は茎がやや太めで、
巻いている葉の表面がつるっとしています。
おいしく食べられるぜんまいは「女ぜんまい」。
綿毛がしっかりと残っていて、
葉が広がっていないものがおいしいぜんまい(女ぜんまい)です。
ついでにおいしさでいうと、
ぜんまいの茎は太くて赤っぽくなっている方が、
筋がなくておいしいと言われています。
「男ぜんまい」は食べられないわけではありませんが、
「女ぜんまい」に比べるとスジが硬いので、
見つけても採らない人も多いようです。
「男ぜんまい」を残すのは、
来年以降も生えてくることを考えてという理由もあります。】
【ぜんまいの産毛はそのままだと食べにくいので、
軍手などをはめて優しくなでるように取ります。
アク抜きの手順はわらびと同じです。
水に浸けておけば浸けておくだけ苦味も消えますが、
ある程度の苦味も魅力の一つ。
ぜんまいの風味と割り切って、
そこそこに切り上げるのも調理のポイントです。】
【こごみは冬には地上の葉は枯れますが地下の株は越冬し、
春から初夏に渦巻状の新芽が出てきます。
食用に採るのはその新芽の部分です。
「こごみ」という名前は、
こごみの芽が出てくる様子が、
人が前かがみに縮こまっているように見えるからと言われています。
地方によっては「こごめ」と呼んだりもします。
こごみは水はけが良く、
なおかつ湿気がある場所を好みます。
川沿いなどの水が流れているところに生えていたりしますが、
山でも平地でも生えており、
比較的まとまって生えているので、
一株見つけると、
その周囲でも見つかることが多いです。
こごみの葉の色は美しい緑色、
もしくは茶褐色をしています。
わらびやぜんまいに比べると全体に緑色が濃く、
つやつやしています。
ぜんまいと違って綿毛はなく、
茎の根元まで葉がついています。
ぜんまいの茎の断面は丸い円形をしていますが、
こごみの茎の断面はカタカナのコの字、
凹型をしています。】
【こごみはわらびやぜんまいと違って下ごしらえが楽ちん。
強いアクがないのでアク抜きは不要。
さっとお湯にくぐらせればすぐに調理ができます。】
【わらび・ぜんまい・こごみは外見も、
生息場所や生える時期も異なります。
わらびは茎の先端が3〜5つに分かれていて、
それぞれがクルッと丸まった塊になっており、
人の拳のように見えます。
ぜんまいは産毛のような綿毛でおおわれており、
茎の先端がくるりと丸まっていてます。
こごみはわらびやぜんまいに比べると全体に緑色が濃く、
茎の根元まで葉がついており、
アク抜きの必要がありません。
このように、
わらび、ぜんまい、こごみにはそれぞれに特徴があるので、
慣れれば絶対に間違えないです。
シダ類の植物は世界に約1万種あるといわれています。
わらび・ぜんまい・こごみはシダ類ですが、
この3つ以外は、ほとんど食べられないものだとか。
天然のわらび・ぜんまい・こごみは、
まさに旬の時期だけ楽しめる、
季節感あふれる春の自然食材ですね。】

大日岳登山、
【撮影】1日目 16時04分=伊藤 幸司
先頭の人が道を間違えた……のではなくて、かなり立派な道がまだ雪の下だったため、古い道に入り込んでしまったのです。何年も使われてこなかった道らしく、藪こぎになりました。でも道ではあったところです。

大日岳登山、
【撮影】1日目 16時12分=伊藤 幸司
雪渓は、ちょうど登山道を隠すところまで残っているのでした。

大日岳登山、
【撮影】1日目 16時20分=伊藤 幸司
ここから登山道が姿を現してきました。雪渓から離れるかたちで登っていきます。

大日岳登山、大日岳2501M
【撮影】1日目 16時23分=秋田 守
まだ時間が早いので、小屋に荷物を置いて大日岳山頂へ向かった。登山道の大半は雪渓の下に埋もれていた。30分弱で山頂。岩がゴロゴロした中に、山名標が立ち、大日岳2501Mと書かれている。が、その下には2500M山頂という看板も置いてある。二等三角点が立っていたが、ウィキペディアによれば、三角点は2498mらしい。ますます訳が分からない。ここは、コーチからいただいた資料に準ずることとして、2501mとして記憶しておくこととしたい。

大日岳登山、ライチョウ
【撮影】1日目 16時24分=伊藤 幸司
するとライチョウがいるではありませんか。子どもがいるようですが、見つけられませんでした。このポーズはたぶんひなの安全を守るためにみずから敵の注意を惹こうとする姿のように感じられます。
写真家・越智伸二さんの『Nature Photo Gallery』に『雷鳥の生態写真・解説‐6』として『孵化・雛の誕生、育雛、天敵、擬傷行動、家族生活の崩壊、換羽(衣がえ)』がありました。
【ライチョウの育雛
◎メスが子育て
孵化から12時間ほど母親に抱かれ、羽毛が乾くと巣から離れる早成性の離巣性。
雛は、孵化後3週間ほどで50cmほど飛べるようになり、
80日ほどで若鳥として独立します。
メス親は、5週間ほど抱雛しますが、オス親は全く子育てをせず、メス親が育雛します。
母親は雛の餌となるハクサンイチゲ、チングルマ、アオノツガザクラ、シナノキンパイなどのお花畑、高山植物の群落にヒナを連れて歩きます。
◎天敵
地上のオコジョ、キツネ、テン。空からのイヌワシ、クマタカなど。
いちばん怖い天敵は、高山植物を踏み荒らし、巣を撮影するヒト。
◎ライチョウは ヒトをおそれない !?
雷鳥を狩猟禁止して以来、世代交代した現在の雷鳥は、ヒトに脅えませんが、やはり、いちばん怖い天敵は、高山植物を踏み荒らし、巣を撮影するヒトです。
◎擬傷行動
雛に接近し過ぎると、母親は片翼を下げ、翼を傷めて飛べない格好をして目を引かせ、いかにも「私を狙ってください」といっているような行動を『擬傷行動』といい、
母親が自分の身を犠牲にしてまで、子(雛)を守ろうとする『擬傷行動』をします。】

大日岳登山、ライチョウ
【撮影】1日目 16時25分=伊藤 幸司
ライチョウとの距離はどれくらいでしょうかね。1365mm相当の超望遠ですから手持ちで簡単に撮っています。登山者には夢のカメラですし、安くて軽い。60倍という高倍率ズームレンズを内蔵したと聞いて、長い間素人騙しのおもちゃカメラだと思っていたのです。
かつて私はキヤノンの広報戦略のひとつとして、マスコミ向けに『キヤノン通信』という情報誌を送る仕事に携わっていました。数人のフリーライターがチームを組んで長大な内部取材レポートを送り続けていたのです。

その41号で『キヤノンのTV放送機器──ズーム機能が支えるカウチポテトの愉しみ』としてテレビカメラ用レンズの開発史をまとめたのですが、そのピークが「50倍ズーム」だったからです。
【◎高倍率ズームへの壁
 テレビ放送はテレビカメラをどこにでも持ち込んでいくというエネルギッシュな機動力と、高倍率ズームレンズによる“凝視”の魅力によって「見る」という行為の物理的な壁をひとつひとつ破ってきた。
 1969年(昭44)にはP17×30Bが完成した。これは1+1/4インチプランビコン管用の17倍ズームで、焦点距離は30-510mmと高倍率、かつF2.8という明るさを獲得していた。そのバリエーションとして72年(昭47)に登場するのがPV17×24B。札幌オリンピックで大活躍してフィールド中継用ズームレンズのスタンダードとなった。
 この17倍ズームは大口径であったところから色収差の問題が大きく立ちはだかってきた。たとえば軸上色収差では青を代表するg線(436ナノメーター)と赤を代表するc線(656ナノメーター)とを従来の貼り合わせレンズによって色消ししたとき、緑を代表するe線(546ナノメーター)の離れ量をどうしたら小さく補正することができるかという問題に直面した。
 ズームレンズの場合にはさらに倍率色収差も補正しなければならないが、これはレンズ主点の色消しをおこなったうえで、ズーミングしてもそれが崩れないようにしなければならない。
 長焦点側の色収差を改善するには大きな前玉部に異常分散ガラスや蛍石を使いたいところだったが、17倍ズームの開発時点では、まだそれができなかった。そこで若干の分散性をもつランタンフリント系のガラスを前玉部の凹レンズに使用することで、当時の輸入ズームと比べて収差を半分に抑えることに成功した。キヤノンでは以後、新しいレンズ用ガラスの開発に力をそそいでいくことになる。
 じつはこのフィールド中継用17倍ズーム(P17×30B)がキヤノン式(山路式)とよばれる長焦点高倍率ズームの出発点となったのである。
 ズーム比が大きくなっても望遠側の性能を高くできるところから、25倍、30倍とズーム比を上げていけた。1981年に発売になった30倍のPV30×15Bが大きさにおいても重さにおいても最大となり、これがテレビ放送用としては限界と考えられた。
 ところが米国の3大ネットワークのひとつABCから、1984年(昭59)のロサンゼルス・オリンピック用としてさらに高倍率の中継用ズームレンズの開発を依頼してきた。
 このときキヤノンの開発陣は、立ちはだかる大きな壁を正面から突破することを考えた。望遠側の性能を上げられるキヤノン方式(山路方式)に対してワイド側で優れた性能を出しやすい「乗り移り方式」という従来型をもう一度見直してみたのである。30倍レンズのワイド端が15mmであったのをさらにワイド側に広げ、ズーム倍率を上げてテレ側にも拡大するという方針をとった。
『キヤノン史』では次のように書いている。
「40倍を成功させることは乗り移り方式の1つの弱点を克服することであった。これはレンズの一部の群に非常に大きな負担のかかることで、収差補正上大きな難点となった。設計の労力の大半はここに注がれた。中継用レンズとして、仕様上のバランスから40倍として開発されたが、この開発で得られたノウハウは、さらに高倍率化をも可能にし、また次に出てくる高精細度テレビジョン(ハイビジョン)用の高性能ズームレンズの設計にも役立つこととなった」
 40倍の中継用ズームレンズ(PV40×13.5B)の完成は1982年(昭57)であった。そして1987年(昭62)にはキヤノンの創立50周年を記念する50倍(J50×9.5B F1.4)の高倍率、大口径かつ小型・軽量の“夢のズームレンズ”が完成した。】
それは1本1,000万円というようなテレビ用レンズの話ですが、それを超える倍率のレンズが中古で2万円ほどのこのカメラについていて、なんと手持ちでチョロンと撮れてしまうのです。プロとして使えるかというといろいろ難点がありますが、それは1枚売れればこのカメラが買えてしまうような写真を撮るための最善の準備を考える場合で、たとえば百万円以上のレンズと重さ10kg以上の三脚がMUST条件になったりするのだと思います。

大日岳登山、大日岳山頂
【撮影】1日目 16時27分=伊藤 幸司
ようやく大日岳山頂での記念写真。真正面に劔岳があるはず……のスーパー展望台のはずですが、ライチョウさんが出てくれたぐらいですから、ガス(山霧)に包まれて右も左もわかりません。ひとり欠落していますが、小屋に到着した瞬間に缶ビールをプシュッと開ける楽しみのほうを選んだようです。

大日岳登山、大日岳山頂
【撮影】1日目 16時29分=伊藤 幸司
大日岳山頂にあったのは……人間が潜り込むには小さすぎるし、目印のケルンの仲間としては無駄にデブッチョ。動物に寄贈した無料宿泊施設にしては環境が悪すぎる、というふうにしか私には見えませんでした。一番考えやすいのは神様のどなたかの仮住まい。

大日岳登山、
【撮影】1日目 16時31分=伊藤 幸司
アイゼンをもたずに来たので、下りではちょっと滑りそうな場所もありましたが、安全は確保されていて、スリルがちょっと、という感じになりました。

大日岳登山、
【撮影】1日目 16時34分=伊藤 幸司
このあと、もうすこしすると、なんと雨が降り始めて、本格的に濡れる直前になんとか小屋に飛び込むことができました。

大日岳登山、
【撮影】1日目 16時36分=秋田 守
大日岳山頂からの帰り、また雷鳥を観ることが出来た。雪渓脇の草むらの中。写真は撮ったものの、夏毛が草むらの色に紛れて、よく分からなかったので割愛。雪渓の上の下り道も、軽アイゼンを付けることもなく、しっかり靴底で雪面をとらえて、歩いた。あと少しで小屋というあたりで、雨がぱらついてきた。そんなに濡れることなく、なんとか小屋へと戻ってこられた。ぎりぎりセーフのタイミング。下り道は、結局、山頂から20分だった。

大日岳登山、
【撮影】1日目 16時26分=秋田 守
夕食前から食堂でビールを飲み始めた。プレモル、美味しい。2本目にかかったところで食事の用意が整った。へえ、なかなかご馳走だぞ。タルタルソースがかかった魚フライ。グラタンまである。小屋は自家発電しているが、食堂は敢えてランプの灯。次第に外が暗くなってくると、いい雰囲気になってくる。食後、部屋に戻り、恒例のミーティング。明日の行程についてコーチから概要説明と、富山へ出てからの入浴と食事についての提案。

大日岳登山、
【撮影】1日目 17時29分=伊藤 幸司
今日、ヘリが荷物を運んはずなので食事の内容にもそれが反映されいたかもしれませんが、辺鄙な山小屋にしてはこまかな手が加えられた夕食、みなさん大方満足という雰囲気の食事になりました。
大型の山小屋ならファミレス、小さな山小屋なら街の人気食堂というあたりが合格ラインだと私は考えています。こちらは基本的に全員腹ペコですから印象点は大幅にアップします。私は記憶力がないので写真を見ても思い出せないことが多いのですが、山小屋のメシが「アタリ」だと10年は語り継がれることになります。客に腹をすかす仕掛けにして、絶品の食事を出すという山小屋、あるんです。
『北アルプス大日小屋 北アルプス立山連山の西、標高2,501mの大日岳の麓に抱かれ、真正面に剣岳を臨む“ランプの小屋”』に『すりゴマ』(posted on 2019年7月27日 by 杉田麻由実)がありました。
【大日小屋のすりゴマは一味違う。
洗ごまを炒るところからはじまり、今回はゴマをする事計4時間。
しっとりとなめらかになるまで、大日岳の空気を混ぜこみながら。
今回も美味しいすり胡麻が出来ました!】

大日岳登山、
【撮影】1日目 17時29分=伊藤 幸司
だいたいいつもと変わらぬ食事風景。こういう写真からでは、写っている料理のインスタばえ度と、そのときの私たちの幸福感との間には大きなギャップが生じています。血となり肉となる食事の満足度ってどういう写真にしたらいいんでしょうか、ね。

大日岳登山、大日小屋
【撮影】1日目 18時46分=秋田 守
ミーティング終了後、若井さんと食堂の隅っこで酒を呑み始めた。富山の地酒、よしのとも純米ワンカップ。600円。いい音楽が流れている。大日小屋のHPは事前にチェックしてきた。スタッフのブログに、ギターを弾いてる写真が掲載され、リクエストがあれば声をかけて下さい、とあった。厨房で片付け中のスタッフに、今夜はライブはやらないのと訊くと、片付け終わってからでいいですかとの返事。もちろん。皆さんを呼んでこなくては。

大日岳登山、大日小屋
【撮影】1日目 19時07分=秋田 守
まず、最初にお断り。これまでかたくなにキャプション200字を頑固に通してきたけど、この後の数点のキャプションは大幅に逸脱して延々と書き連ねます。面倒だと思われたら、遠慮なくスキップして下さい。
さて、ミニライブの始まり。小屋で働いているスタッフは皆若い。登場した青年も、ここで働き始めてまだ2、3年だったかな。壁に掛かった2本のギターのうち、スチール弦の方を手にした。弾き語りをするものとばかり思っていたら、歌わないので、演奏だけと言って、クラシックを1曲。凄く上手い訳ではないが、丁寧に弾いてる。2曲目は、エリック・クラプトンのChange The World。そもそもクラプトンもアコギを弾きながら歌って大ヒットさせた曲。歌なしでも十分にメロディアスでいい感じ。それにしても、どこのギターだろうか、いい音してる。あまり見かけない形だなあ。後で分かったのだが、この小屋のオーナーはギター職人で、その手造りギターだったのだ。時には、小屋に来て自ら弾き語りをすることもあるらしい。それはさておき、ランプの下、一生懸命ギターを弾いてくれている。さすがに知ってる曲だと、サビの部分などついつい小声で口ずさんでしまう。このまま、単独でやり通すのかと思っていたら、そうではなかった。"

大日岳登山、大日小屋
【撮影】1日目 19時08分=伊藤 幸司
食後、小屋のスタッフがギターを弾くというので結局全員が参加しました。
ここは日本有数のギター職人がオヤジという特殊な小屋で、スタッフはギター職人が本業で夏の間だけ山小屋に職場を移しているのだそうです。
『メルモ・美姫子のブログ〜いつの間にかアラフィフの日々』に『ギター職人の山小屋 大日三山「大日小屋」』(2012‐10‐01)がありました。
【小屋のご主人は、山小屋を営む家庭に育ちながら、
ご自身は、ギター職人を志され、今や著名ギタリストさん達の御用達なのだそう。
大自然に身をおく事が、製作にプラスになると、夏の3ヶ月間は山小屋を営まれるそう
水は天水。自然へのこだわりでしょうね。。。
自家発電とソーラー発電、夜はランプ。
ランプの小屋と言われるゆえん〜
工房の お弟子さんは、 夏の3ヶ月、山小屋を手伝うことに....
夜、 お弟子さん達が、ギターの演奏を聞かせてくれます。
ヘッドランプを付けての演奏が、なんとも山気分〜
『カントリー・ロード』 を歌う、このお弟子さんは、
ある映画の中で見た、バイオリン職人の姿に、楽器を創るって いいなぁ....、と思ったのが この道に入るきっかけだったそう。
その映画の中で歌われていた 『カントリーロード』は、特別な歌なのだと。
でも、ギター弾く人って、あんまり山登りしないんですよね、
ギターの演奏って、都会の 夜の遊び〜 になりがち。
早寝早起きの山と ほとんど接点がない.....
お弟子さんの殆どが、本格的な登山は初めてだったのではないでしょうかね?
しかも、北アルプスの小屋開きの頃は、雪山 アイゼン&ピッケル必須!!!
大変だったと話されてましたが、想像つきます(^^)
お客さんの方は、正反対で、
山男・山女で、楽器の演奏するって人、あまりいないし、
夜のライブ演奏を聞く習慣も無い人が多い。
なので、この演奏会、ふだん交わることのない異人種が交流するような、
ちょっと ちぐはぐな空気感が、面白かったです(^^)♪♪
山小屋って、連泊は普通ないし、リピーターも普通ない。
こういう山 何回も登る人少ないし、その場合は、違うルートで登るものだし....
だから、これっきり、一期一会の演奏会、とお互いわかり合ってる感じ....
『宜しかったら、また〜』 『また来ますね〜』
ってのが無いライブってのも また良いものでした。
翌朝、朝日に照らされる 大日小屋と 大日岳への稜線を後に〜】

大日岳登山、大日小屋
【撮影】1日目 19時16分=伊藤 幸司
私のカメラには「三脚を使わずに夜景を撮る(手持ち夜景)」という魔法の機能がついているらしいので、初めてそれで撮ってみました。パシャパシャパシャと連続的に撮った画像をコンピューターでそれなりの絵にしてくれるというのです。カメラ任せで撮ると、ブレているような、いないような、ある意味動きのある絵になりました。スマホだとこんな機能は「とっくの昔」かもしれません。
何年前だったか、日帰りで紅葉の京都の弾丸ツアーをしたときに、最後の清水寺で大混雑の中、自撮りをしている外国人カップルに注目してしまいました。あの暗さの中に自分たちの顔があり、背後に照明の入った清水の舞台。とてつもなくむずかしい撮影条件の中、モミクチャにされながらの自撮り。すごいなあと思ったものです。
この写真が良かったかどうかわかりませんが、私はカメラを構えてただシャッターボタンを押しただけです。念のためオリジナル画像を開いてみると、写真がぜんぜん違うのです。私はマックのノートパソコンに大きなモニター(安物です)をつないでいるので、大画面で見たい写真はその大型モニターの側にあるのですが、違う写真を開いてしまったのかと思いました。コントラスやシャープさや、色めもけっこう違うのです。普通の写真ではあまり大きく感じないその違いが、ここでは全体の印象をガラリと変えてしまうのです。
そういう意味で、この写真がインターネット上でどんなキカイで見られるかによって印象がガラリと変わるんだなと思いました。通常、私はその手のことにはほとんど無頓着なんですが。ただ、微妙なブレが動感を与えながら、顔のあたりでは静止感を失っていないという微妙な塩梅はカメラ様の苦労したところのようです。

大日岳登山、大日小屋
【撮影】1日目 19時20分=秋田 守
もうひとり青年が出て来た。小さなコンガみたいな筒状の打楽器を持っている。自己紹介によれば、この小屋の前は雷鳥荘で働いていたという。で、彼が歌うらしい。何を歌うのかと思ったら、生活の柄、だという。これには驚いた。びっくり仰天。酔っ払いシンガーとして有名だった、高田渡の代表作のひとつ。驚いた訳は後ほど。どんなアレンジでやるのかと思ったら、フォーク調はあまり崩さず、素朴な感じで歌い始めた。で、サビの部分、「歩き」「疲れては」の所で、追っかけるのはお約束なので、つい声を出して歌ってしまった。本当はその後の「草に埋もれて寝たのです」はハモリにいかなくてはいけないのだけど、どんなアレンジで歌おうとしてるのか分からなかったのでスルー。結果、中途半端な合いの手を入れてしまった。あまり強引に割り込んで、歌を奪い取ってくるような失礼な真似はしたくなかったので、結局、中途半端な合いの手だけにした。ま、途中から皆さんの手拍子も加わって、演奏してる二人も気持ちよさげにしていたから良かったのかな。
彼らが終わった後に、コーチから歌ってよ、と言われたけど、その気になれなかった理由があるのです。実は、小屋にギターがあると分かっていたので、様子を見て機会があれば少し歌わせてもらおうかなと準備をしていた。ここ数年来、バンドでやってるのはもっぱらオリジナルの日本語ロック。昔はR&Bやロックの定番ナンバーをカバーしてやっていたのだけど。で、1曲か2曲は、同世代の音楽好きなら誰でも知ってるような有名な曲をアレンジして演奏するようにしている。その方が楽しんでもらえると思って。曲はボーカルのぼくが決めている。去年と一昨年は、生活の柄をロック調にアレンジして演った。この曲は、作曲は高田渡だが、詩は沖縄出身の山之口貘。生前は全く売れなかった詩人だ。今では詩集も出ていて読めるが。脱線すると、那覇には栄町という街にその名もズバリ「生活の柄」という店もある。この話はさらに長くなるのでパスするが。で、ロック調アレンジの生活の柄は、なかなか気に入っていて、弾き語りでも歌えるように練習している。iPhoneに念のため歌詞とコードを入れて、もう2曲ほども用意していた。しかし、まさかその曲を目の前で彼らが演奏するとは思いも寄らなかった。これは、今夜はやめておけ、ということだなと思った訳です。もうひとつ、あんなに暗いのでは、iPhoneの画面も読めそうにないなと思ったのだけど、これも言い訳に過ぎないな。ま、また機会があれば、いずれ。

大日岳登山、大日小屋
【撮影】1日目 19時28分=伊藤 幸司
演奏が2人になったとき、ハプニングが起きました。その曲が私たちのメンバーでロックバンドを率いるボーカリストでもある秋田さんの持ち歌のひとつだったから、でした。(ご自身のレポートがあることでしょう)
なおこれはカメラの仕事としては、ちょっとレベル落ちのようですね。

大日岳登山、大日小屋
【撮影】1日目 19時29分=秋田 守
ふたりの最後の演奏は、後から出て来た青年がオーストラリア先住民アボリジニの楽器、ディジュリドゥを吹き、ギターの青年がカホーンを叩いて始まった。ディジュリドゥはメロディを吹くというより、呼吸をリズムに乗せるような感じ。世界で最も古い管楽器と言われるようだが、大昔は音楽というより、儀式などに使われていたそうだ。今思い返せば、あの薄暗い山小屋で聴くのが似つかわしい、とても不思議なひとときだったような気がする。



■2日目

大日岳登山、劔岳
【撮影】2日目 04時30分=野老 和子
大日小屋からの朝焼け。鳥のさえずりに誘われ小屋をでると、一面が赤の世界。これが山の魅力。思わず、寝ている皆様へ声をかけてしまいました。

大日岳登山、劒岳
【撮影】2日目 04時36分=秋田 守
前夜のミーティングでコーチから、朝3時起床で大日岳へ登ると言われていたが、3時ですが外は真っ白で何も見えません、中止します、とコーチの声が上がった。安心してもうひと眠り。4時半頃、きれいな朝焼け、との声が聞こえた。慌てて飛び起きて外へ出ると、劒岳が正面に見えた。頂上だけ少し雲がかかっていたものの、ほぼ全容が見える。険しい稜線。赤く焼けた空も美しい。素晴らしい眺め。長く記憶に残るに違いないシーンだった。

大日岳登山、大日岳山頂
【撮影】2日目 04時34分=秋田 守
左手を見やれば、大日岳も朝日を浴びてはっきり山頂まで見えていた。こうして全体を見ると、昨日は、雪渓の左端あたりをずっと登っていったことになる。この天候状態ならば、中止と一度は言ってたけど、コーチはひょっとしたら一人で山頂まで登りに出かけたのではないかと皆で噂していた。というのも、部屋にも小屋の外にもコーチのお姿を見かけなかったので。結局、真相は不明のままだったが、今回の山行の中で、唯一のミステリー。

大日岳登山、劒岳
【撮影】2日目 04時40分=秋田 守
劒岳の山頂付近をアップにて。おそらく、ぼくはあの山頂まで行くことはないだろうな。すべてのルートを登り尽くしたというお方がいらっしゃるけど。若井さんも単独行で行くなんて凄いなあ。まあ、皆さんと違って、ぼくは根っからの山男でもないし、どこまでいっても、所詮なんちゃって山歩き派なので、致し方ないと自分では納得している。今後、万一、糸の会で劒岳に行くという計画が出て来たとしたら、その時はその時で考えたい。

大日岳登山、
【撮影】2日目 05時21分=秋田 守
朝食の準備に忙しい厨房内。若いスタッフがよく働いてると感心させられた。写真は撮り忘れたけど、朝食もなかなか充実していて美味しかった。炊きあがるのを待って、ご飯のお代わりもした。そういえば、手前の部屋のおじさんグループは、朝食も食べずに早発ちをしていった。我々と同じぐらいの時間帯のバスに乗る相談を昨日していたが、ひとりが足か膝の具合が悪いようで、かなり時間に余裕をもって下山することにしたようだった。

大日岳登山、
【撮影】2日目 05時26分=伊藤 幸司
第2日の朝食風景です。壁にかかっているギターは、さすがにギター職人の山小屋らしくかなりいいものだそうです。左のギターと右のギターがどう違うかさえ私にはわかりませんが。
天井のランプは「ランプの宿」ゆえ正真の石油ランプ。ゆえに昨夜の夜のイベントでの撮影は「三脚を使わずに夜景を撮る(手持ち夜景)」モードで撮ったのですが、この山小屋には自家発電もあるんです。でも「ランプの宿」なんで、夜のトイレまわりなんかはほぼ無灯火。
思い出したのは上高地の山のひだや。2017年2月21日に泊まったときにゴージャスなランプコレクションの中での食事を楽しみました。その後どうなったかわかりませんが、入り口脇に目障りな変電装置があったのに、電力の引き込みに悩んでいました。明神までの送電延長工事に高額の分担金を払ったものの、施設の電化にはまだ悩んでいるとのことでした。
私が泊まったことのあるもうひとつの「ランプの宿」は浅間山の西に当たる高峰温泉。すでにランプはシンボルマークにすぎなくなっていましたが、家族的なサービスがほどよい距離にあって、さらにゲレンデスキー、テレマークスキー、スノーシューなど用具も自由に使わせてもらえるのが嬉しくて一時期冬の定番でした。とくに最初のときに用意されていた四角形のかんじきが好きでしたが、2度と見ることなく、順次スノーシューに置き換わってしまったのは残念でした。

大日岳登山、
【撮影】2日目 06時14分=伊藤 幸司
2日めは03時30分に私が起きて、天気が悪くなければ04時に出発して大日岳へ、04時46分予定の日の出をまとうという計画でした。ところが濃いガス(山霧)にすっぽりと覆われていて、昨日の夜とほとんど同じ感じ。そこで大日岳への日の出散歩は中止にして、寝てしまったのです。
ところが朝食が終わってから朝方ガスが晴れて、劔岳が見えたのだと知りました。
出発時のこの写真では太陽はすでに劔岳の上方、かなりのところまで昇っていて、晴れていれば素晴らしい光景だということがわかりました。
リーダーとしては問題ありでしたが、朝食までぐっすり眠ってしまって、ガスが晴れたという情報が逃げてしまったというお粗末、でした。

大日岳登山、
【撮影】2日目 06時17分=伊藤 幸司
大日小屋から大日平へと下り始めると、小屋をすっぽりと包んでいたガスの様子を見ると、どうも山稜付近だけが雲の中にあったのだろうかという感じがしました。

大日岳登山、
【撮影】2日目 06時18分=伊藤 幸司
標高2.400mからの下りですから、低木林ではありますが、緑の道です。前方の岩尾根に対して、道がどのように進んでいくのか、まだまったく見当がつきません。

大日岳登山、
【撮影】2日目 06時12分=伊藤 幸司
前方に相変わらずの巻道が伸びています。しばらく行って、そこから相当の急斜面に一気に飛び込んでいくらしいことが1/25,000地形図だとわかります。

大日岳登山、
【撮影】2日目 06時27分=伊藤 幸司
伊藤式のパワー計算法では1/25,000地形図上で登山道が50mごとの等高線(計測線)と交わるところに直径4mm(実際の100m)の円を赤ペンでつけていきます。ちなみにその円は事務用品の記号定規(テンプレート)で簡単に描けます。
この斜面は、この写真で測ってみると分度器で30度と出ました。富士山の5合目以上の傾斜がほぼ30度ですからほとんど同じ。富士山ではそこにジグザグの登山道(吉田口登山道は県道)を整備していますが、登山道の平均傾斜を見ると山小屋間ではほぼ20度になります。
このルートは標高2,350mから2,000mまで赤丸が接し合って並んでいます。つまり100mの距離ごとに50m下るとわかります。50/100は0.5ですからtan0.5で約27度。写真の傾斜面が地形図上ではそんなふうに描かれているわけです。
じつは地形図には登山道もかなり精密に示されています。標高2,300mから2,100mのところまで登山道はジグザグに描かれているのです。そのジグザグは実際の登山道のジグザグを1/25,000に縮小したものではなくて「こんな感じのジグザグ道」という表現になっています。ジグザグがいい加減ということは、いい加減な距離で描かれているということなのですが、私流のパワー計算では距離も重要です。経験的に急斜面の登山道では最大20%の誤差が出ると考えていいのです。だから登山道の距離を地形図上で計るというのはナンセンスなのですが、それを距離目盛りから時間目盛りに変えた瞬間に、休憩時間よりも小さい誤差に収まってしまうという魔法を発見して、私のパワー計算は登山道のボリューム(必要パワー)を客観的に計れることに気づいたのです。あとはそれを利用する人が、パワーの違いごとに「係数」を変えていけばいいのです。

大日岳登山、大日平山荘
【撮影】2日目 06時27分=伊藤 幸司
見下ろすと大日平山荘がありました。大日小屋から大日平山荘まで高度差50mごとの赤丸が14個、地形図上で測った500mごとの距離を示す青四角が5個、合わせて19個。平地を時速4km(青四角8つ、すなわち8パワー/毎時)で歩くエネルギーで歩けたら2時間半ということになるのですが、首都圏の歩きやすい登山道では登りでおおよそその計算か、休憩時間がはみ出すぐらいですむのです。もちろん下りでは登りの70%ぐらいの時間と見積もるのが一般的なコースタイムですから正味1時間半ということにもなります。ただ、私は時間が足りなくなることは余ることより何倍もやっかいなので、すべてを登りの計算として、余ったら「ご褒美」と考えることにしています。ですからこの下りがどの程度歩きやすいかわかりませんが、1時間の余りが出たら、あの小屋でゆったりとした時間にしたいと考えます。

大日岳登山、大日平山荘
【撮影】2日目 06時27分=伊藤 幸司
大日平山荘の名の大日平が山荘の手前に広がっています。ここからまっすぐ下っていく感じなのでしょう。

大日岳登山、大日平小屋
【撮影】2日目 06時27分=秋田 守
今日は標高差、1300m以上を一気に下る。歩き始めてすぐに、森の中にポツンと立つ大日平小屋が見えた。見えてはいたものの、そこまで辿り着くのに、結果的には2時間以上かかった。雷鳥荘で同室だった神戸から車で来たというおじさんは、昨日、大日平小屋まで一気に歩き通すと話していたが、無事に辿り着けたのだろうか。下り始めると、初めはゴロゴロした大きな岩だったのが、そのうち苔むした滑りやすい石に変わり、歩きづらかった。

大日岳登山、
【撮影】2日目 06時37分=伊藤 幸司
とりあえず下りはじめの登山道はそれなりにしっかり造られているようです。北アルプスの登山道はやはり難易度が高いのです。私たちは「平地を時速4km」(8パワー/毎時)というエネルギー以上は使わないようにして歩くので、路面の悪さが所要時間に敏感に跳ね返るともいえるのです。

大日岳登山、オオバキスミレ
【撮影】2日目 06時38分=伊藤 幸司
オオバキスミレの登場です。こんな顔をしていますが、なかなか複雑な社会を背負って咲いているようなのです。オオバキスミレ社会の不思議な進化構造に切り込んだという博士論文もネット上に置かれていました。
『北海道大学. 博士(環境科学) 甲第12221号』(2016−03−24)で日本語のタイトルは『オオバキスミレにおける繁殖様式の種内変異と集団分化に関する生態遺伝学的研究』提出したのは『速水 将人』さんです。
【植物の繁殖様式は、花を介し種子を形成する有性繁殖(種子繁殖)と、雌雄の配偶子の受精なしに個体を形成する無性生殖(栄養繁殖)に大別される。さらに種子繁殖には、他家受粉(他殖)と自家受粉(自殖)の2つのプロセスが存在する。固着性で自ら動くことのできない植物は、このような多様な繁殖様式を生育地の複 雑な環境(生物的・非生物的)に適応してきた。従って現在、この地球上に生育する植物種の姿は、繁殖様式 に代表される生活史特性と環境要因との相互作用の一つの帰結といえる。そこで本博士論文では、多年性草本 オオバキスミレ Viola brevistipulataを対象に、繁殖様式を明らかにするとともに、繁殖様式の種内変異と集団 分化の実態を生態学的・分子系統学的アプローチにより解明することを目的として行った。】
【スミレ属植物は、「開放花」と呼ばれる他殖が可能な花を形成するほかに「閉鎖花」と呼ばれる自殖のみを行う花を同じ個体が形成して種子繁殖を行う。本研究では、オオバキスミレの開放花と閉鎖花の形成が、異なる生育地に生育する複数の集団間でも維持されているかどうかを調べるために、北海道の複数の野生集団を対 象に調査を行った。各集団で個体あたりの開放花と閉鎖花の数を追跡調査した結果、開放花と閉鎖花の両方を形成する集団が存在する一方、閉鎖花を形成せず開放花のみを形成する集団が複数存在した。また開放花と閉鎖花の結実率を調査した結果、開放花と閉鎖花を形成する集団では、その両方の花で種子生産が行われていた。しかし、閉鎖花を形成せず開放花のみを形成する集団では、開放花でもほとんど種子生産が認められなかった。さらに生育環境(光環境または送粉環境)が同じであると考えられる隣接集団間でも同様の傾向が認められた。つまり、オオバキスミレにおける開放花と閉鎖花の形成は種内集団間で明瞭に異なり、環境の違いによる可塑的な変異である可能性は少ないと考えられた。】
ここでは省略しますが、いくつかの実験の結果、たどりついたのは……
【以上よりオオバキスミレでは、開放花と閉鎖花による種子繁殖で集団を維持する“種子繁殖集団”と、開放花のみを形成するが、その開放花においてもほとんど種子生産を行わず、主に栄養繁殖 によって集団を維持する“栄養繁殖集団”という、種内で異なる繁殖様式を示すことが明らかになった。このことは、生育環境(光環境または送粉環境)の違いのない同一地点の隣接集団間でも同様の傾向が認められたこ とから、オオバキスミレ種内の繁殖様式の集団分化は、現在の環境条件下で生じたものではなく、過去に繁殖様式の集団分化が生じ、それが現在の種内集団間で維持されている可能性が示唆された。】
【さらに遺伝子型ネットワーク解析より、遺伝 的に同一な個体を形成する栄養繁殖集団において、種子繁殖集団よりも多くの遺伝子型が認められた。この結果は、集団が維持されている時間の長さを反映していると考えられ、種子繁殖集団と栄養繁殖集団は、異なる進化的背景を持つことが示唆された。】
【一連の研究によって、オオバキスミレにおける繁殖様式は極めて多様な変異を持つだけでなく、集団間で明瞭に分化していることが明らかになった。さらに、本種の繁殖様式の種内分化は、遺伝的分化を伴い、集団間の遺伝的多様性にも影響を及ぼしていることが示唆された。本研究より得られた知見は、植物の代表的な繁殖 様式を包含する一般性の高い成果であり、植物の繁殖様式の分化メカニズムや、適応進化の遺伝的背景を理解する上で非常に有意義であると考えられる。】
オオバキスミレの花は集団間でも個体間でもそれぞれの歴史的背景を背負って咲いているというのようです。

大日岳登山、ダブルストック
【撮影】2日目 06時39分=伊藤 幸司
北アルプスの登山道によく見るタイプの道になってきました。洗い出された岩頭を踏みながら、大きな段差を下っていくのです。糸の会の女性たちはダブルストックのおかげで、このような下りに対しての能力はかなり大きく飛躍しています。スピードが落ちないだけでなく、余分な労力を強いられないので、疲労感が危険につながるという要素を大きく削減することができます。
……ですからこのような下りではダブルストックの登山用具としての有効性はきわめて大きいのですが、ひとつだけ私の発言に責任を負わせられないように付け加えておかなければならないことがあります。
★岩場でこそダブルストックはその価値を発揮するのですが、日本の多くの指導者がいう「ゴムキャップをつけなさい」という使い方は岩場での危険を極端に大きなものにします。私などはゴムキャップをしたら、こわくて使えません。刀をさやに入れたまま振り回しているようなものですから。ダブルストックの道具としての命は先端の鋭利な刃物にあるのです。その使い方を極めるのが、登山用具としてのダブルストックの使い方の基本中の基本です。

大日岳登山、弥陀ヶ原ホテル
【撮影】2日目 06時44分=伊藤 幸司
今日になって初めて見えてきたのは手前が弥陀ヶ原ホテル、その向こうにあるのが国民宿舎立山荘。逆に言えば、その2つを結んだ線の延長線が登山道と交わる地点から撮っているということです。
昨日は室堂平と天狗平を見ていましたが、今日は弥陀ヶ原が川向うに広がっているわけですね。

大日岳登山、
【撮影】2日目 06時47分=伊藤 幸司
道は一気に下り始めました。斜面を小さなジグザグを切って下っていきます。
さてこの登山道ですが、国土地理院の地形図では「徒歩道」と呼ばれ「幅員1.0m未満」の道とされています。
『鹿児島大学理学部地学科』の『地形図概説』には『道路等』に関して次のように解説されています。
【道路のうち,図上で幅1.0mm(1:25,000の場合は25m)以上のものは,実際の道幅に応じて正しく表示されており,真幅道路という。これ以下の道路は記号道路といい,大きく誇張されているので注意を要する。】
なお、ここでこの引用をしたのにはちょっとした別の理由もあります。次のような記述があったので記念のために、です。
【2000年3月24日、鹿児島大学理学部地学科最後の卒業生を送り出しましたので、このホームページはこの日をもってフリーズしました。もう更新しません。悪しからず。
なお、「かだいおうち」は日本における大学研究室ホームページの第1号です。歴史的遺産としてここにアーカイブしておきます。】
さらに「かだいおうち」で検索してみるとありました。
『かだいおうち Advanced Course』というサイトに『ご挨拶』がありました。
【鹿児島大学理学部地学教室応用地質学講座のホームページ「かだいおうち」をフリーズしたのは2000年3月、もう一昔以上前のことです。しかし、その後も皆様方に愛読され、アクセス数は100万を突破しています。「かだいおうち※」は元々学生の自主的な講座ニュースが出発点ですので、内容はわかりやすく、学部生向けでした。しかし、彼らも卒業して今や中堅として社会で活躍しています。そこで、ご要望に応じて、advanced courseを作ることにしました。Further readingsとして、なるべく参考文献も付けました。やはり雑学(trivia)を順不同に並べてあります。鹿児島に関わることを中心にしているのは「かだいおうち」と同じ方針です。鹿児島のお国柄(風土)を地学の切り口で見てみようというわけです。いわば「かごしま地学おもしろ物語」です。ジオツアーや地学散歩あるいは暇つぶしにお役に立てば幸いです。
なお、「かだいおうち」を始めた1995年は、研究機関同士の専用回線が鹿児島に到達した年、それに比べて今ではネット環境が激変しました。往時は、ブラウザもNetscapeとMosaicがある程度で、日本語のような2バイト文字は自動折り返し出来ませんでした。Javaもまだver.1の時代でした。上の噴煙も、gifアニメがない時代でしたから、画像を動かすためには、Javaで長いプログラムを組む必要があったのです。地図情報も囲い込みの時代で、今のように積極的にネット公開する時代とは隔世の感があります。電子国土に始まり、地図情報公開の流れを先導した国土地理院に敬意を表します。そこで、今回はjavascriptをフル活用して、Google Map(現在ではフリー使用出来なくなったので使っていません)や地理院地図、さらには産総研シームレス地質図や防災科研地すべり地形分布図などをふんだんに使用したサイトを構築してみました。
2015.11.01  鹿児島大学名誉教授 岩松 暉
※「かだいおうち」とは、鹿大応用地質学講座の略称・愛称です。学生達は岩石学鉱物学講座を岩鉱講座、地質学古生物学講座を層序講座、応用地質学講座を応地講座、地球物理学講座を地物講座と呼んでいました。】
横道から戻って登山道の問題ですが。「かだいおうち」の2000年の情報では古くなっているものもあるようです。
『国土地理院』のサイトから『平成25年2万5千分1地形図図式』を取り出してみると【この図式において「2万5千分1地形図」とは、電子国土基本図を用いて、地表面の状況を縮尺 1/25000で表現した印刷機により印刷した地図】となっていて、これまでの単純な線幅とは状況が違っているようです。
それによると【「真幅道路」とは、幅員19.5m以上の道路をいい、幅員を図上幅0.1mm単位で縮尺化して表示する。】
幅員1m未満の徒歩道(登山道など)は線幅0.2mmの破線で【幅員1.0m未満の道路として、道路中心線が取得されている道路を表示する。】
ついでに林道などの幅員3m未満の軽車道は線幅0.2mmの実線で【幅員3m未満の道路として道路中心線が取得されている道路を表示する。 】
描いている線の太さが0.2mmということは、それを25,000倍すると5mですから、地図上の登山道はこの道の5倍以上の幅に描かれていて、ここに見えるような小さなジグサグの部分は完全に描かれる線幅の中に含まれてしまいます。(地形図の登山道をいくら精密に計っても、ここにあるようなジグザグ道の長さは省略されてしまいまうのです。)

大日岳登山、
【撮影】2日目 06時48分=伊藤 幸司
ところが、小さなジグザグの1分後にこの下りが始まりました。地形図には道幅以上の「ジグザグ感」が表現されています。地図上の、そのジグザグを几帳面に計っても、実際の距離とは違ってしまいます。
だから、登山道の長さを地形図上で計っても誤差が大きくて意味を持たない……と識者はいうでしょう。ところが、平地の道を「時速4kmで歩く」エネルギーで「1時間に300mの高度差を登る」という標準的な登山道を歩くと、水平距離に費やされる時間は1/4、すなわち「時速1km」になるのです。全体の1/4の役割となった距離の長さが20%狂っても、時間としての誤差は1時間のうちのたった3分にしかならないのです。距離目盛りを時間目盛りに置き換えた瞬間に地図上の登山道の長さの狂いは休憩時間内で調整される程度のものとなってしまうのです。地図上で不正確な長さの登山道を計るのにも、大きな意味があるのです。

大日岳登山、大日平山荘
【撮影】2日目 06時53分=伊藤 幸司
新しい発見があったというより、こんな「見下ろし感」がこの下りでの魅力かと思いました。大日平山荘が明らかに近づいています。

大日岳登山、
【撮影】2日目 06時53分=伊藤 幸司
登山道は、非常に丁寧に維持されていると感じました。段差が大きいのは北アルプスなので仕方ないとして、水切りがうまくいっているので置き石が流される気配がなく「3歩先まで見て」要所要所に注意をはらい、あとはできるだけリラックスして歩くことができれば、足への負担も軽くなります。ダブルストックを使う場合は段差をこまかく割って下るのではなく、足場がしっかりした場所ではできるだけ大きな段差を選びます。「大きな段差を、ゆっくりと、スローモーションで」というのがダブルストックで下るときの体に優しく、スピードの落ちない最善の方法だと考えています。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】2日目 07時02分=伊藤 幸司
キヌガサソウが(たぶん今日はじめて)登場しました。この登山道の右手からは、時々沢の水音が聞こえています。そういう場所の木陰にキヌガサソウはありました。

大日岳登山、ダブルストック
【撮影】2日目 07時12分=伊藤 幸司
この画面で先頭にいる人のスタイルが下りの基本イメージと見ていただいてけこうです。ただ、ここではやむなく、かもしれませんが、ストックが「ハの字」に開いているのは「ちょっと残念」というふうに見ていただきたいと思います。基本は「Vの字」です。バランスが不安なぶんだけ「ハの字」に開いていくのです。
考え方の合理性からいって、見るのは足を置く場所、すなわちフットステップだけでいいのです。2歩先、3歩先の、足を置く場所を探りながら、そのフットステップ候補のどこかにストックの支点を見つければ、目の仕事は単純になり、安全性も高まるのです。
じつは私はこういう場所で、みなさんのストックの「ハの字」の開き方を見ています。ダブルストックには「バランスアシスト」と「パワーアシスト」の2つの機能があるのですが、初心者のわかりやすい使い方はバランスアシストです。2本杖ということです。登山道でのバランスアシストは左右のブレに対応するのが基本です。もちろんブレの要素を小さくするとパワーのムダも少なくなるので効果が感じられます。
それに対して私は、スキーヤーが急斜面の縁に立って、これから飛び込もうとするときの深い前傾姿勢を作るためにストックを使う場面を下りでのパワーアシストの基本と考えています。「段差の先端に立って、3歩先にストックを突いて、体をまっすぐ下に下ろします。2歩めのところで、また3歩先にストックを」と言うのですが、腕の力を添えて、体をスローモーションで下げていくことで、下りで使う脚の筋力をセーブします。加えて着地をつま先から行うことを保証できるので、膝への負担が軽減します。瞬間のことですが、重心を一度ストックに預けることができるようになれば、パワーアシストの大きな効果が得られるのです。
私たちは2016年7月20日に椹島から赤石岳まで約2,000mを一気に登り、翌日椹島まで一気に下りましたが、標高差2,000mを休憩を含めて7時間半で下れたのはともかく、筋肉痛以上の人がひとりも出なかったのはダブルストックのおかげでした。
その時のメンバーは私も含めて8人、年齢は59歳〜71歳で平均年齢は67歳3か月。当初からそれを目ざしたわけではなく、私の計画のつまらないミスから、そうしないと山頂に立てないとわかって、急遽トライしてみたのです。ちなみに登りには11時間半かかっていますから普通のシニア登山グループという感じでしょう。ですから、ダブルストックは登山者の下りの能力を大幅にアップし、危険な場所でのサポートにも大きな力を発揮してくれる第一級の登山用具です、といいたいのです。

大日岳登山、キバナノコマノツメ
【撮影】2日目 07時13分=伊藤 幸司
足元のスミレですが、黄色いのは丸い葉のようですからキバナノコマノツメでしょうか。オリジナル画像でよく見ると、短い毛が生えています。
『風花 <フォトサロン ふうか>』の『キバナノコマノツメ』に【本州では1700m以上の高山帯に多い。湿り気の岩場の隙間や、草地に生育しています。】【葉表……緑色。表面や縁に毛がある。】とあります。
白いスミレは花も葉っぱもよく見えませんが。花弁のひらひら感がニョイスミレ(ツボスミレ)やその、高山型といわれるミヤマツボスミレに似ているような気がします。
『MINATO'S HOME PAGE 野草 & 名所旧跡』の『ミヤマスミレ』に【山地に生える多年草。ツボスミレの変種でよく似ているが、花が淡紫色を帯びるので同定の際の参考になる。距は短く、側弁は有毛。】
いずれも大日岳にあるという確証は得られていませんが。

大日岳登山、オオバミゾホウズキ
【撮影】2日目 07時14分=伊藤 幸司
素朴に「高山帯の黄色い花」で検索してみたら、この花と、葉の感じが同じ画像がすぐに出てきました。オオバミゾホウズキにほぼ間違いないと思いましたが、念のため画像からサイトを開いてみると、的確な解説がありました。
『Tam's 素人植物図鑑』の『オオバミゾホウズキ』です。
【山地帯〜亜高山帯に生える多年草で、登山道沿いの水場から流れ出る細流のほとりに群落になって生えているのをよく見かける。高山では7月からやっと見られるが、奥入瀬渓流では5月初旬になれば咲き出す。
細長い根茎を伸ばして殖え、茎は4稜形で軟らかく、分枝せずに直立し高さ10-30cmになる。
葉は十字対生し、長さ3-6cm、幅1.5-3.5cmの長卵形で無柄、縁に上向きのとがった鋸歯がある。質は軟らかく無毛で、縦に伸びる葉脈が目立つ。
花は上部の葉腋から伸びた1-3cmの花柄の先に1個だけつく。花冠は長さ幅とも2.5-3cmの筒状の唇形花で平開する。上唇2裂、下唇3裂し、鮮やかな黄色で下唇に赤褐色の斑点が入る。裂片は互いに離れる。雄しべは4個で下側の2個が上側の2個より長い。萼は筒状で長さ0.8-1.3cmで5稜があって先は5浅裂し、裂片は3角形、花後に伸びて果実を包む。果実は長さ約1cmの長楕円形の蒴果。
標高の低いところでは、全体に小さいミゾホオズキが生え、葉は有柄で、花冠裂片の隙間が狭く、全体に円い形となる。 葉も円い。】

大日岳登山、
【撮影】2日目 07時14分=伊藤 幸司
濡れた岩では足を滑らせる危険が多いので、あたりの岩の滑りそうな部分に靴底を軽くこすりつけて滑りやすさをチェックすることを習慣づけたい。その動作を欠かさないことで、滑る危険に対する準備・警戒が整うからです。
いくぶん不安を感じる岩に対するダブルストックの使い方で重要なのは「なめらかに、向こう側に下っている岩は危険」ということです。平たい面があるので弱気になっていると足を置きたくなるのですが、裏切られる危険があるのです。同時にストックでも、そのような斜面(なめらかに向こう側に傾いている斜面)に石突きを置いただけだと、体重をかけた瞬間に滑る危険が多いのです。ストックに体重をかけるときには自分のほうに向かっている面を探します。必ずしも前方下方に限らず、前方正面だっていいのです。さらに小さな凹みや溝や皺があれば、ストックの石突きは確実に固定されますし、どうにもならなければ強い力でストックで岩を突くと、歯が食い込みますから、その角度を維持できれば、ホールドとして使えます。
石が濡れているときの足さばきに関する重要なポイントは「踏むと痛そうな鋭利な突起」を踏むことです。ただしこれには大前提があって、飛んだり跳ねたりできるような柔らかな靴の場合。以前「運動靴」で山歩きを始めたひとが、八ヶ岳にいくというので人気の軽登山靴を履いてきたら、稜線の道でパニックに陥ってしまったのです。それまでのように「岩の突起」を踏むと、グラグラして安定しないのです。靴底の硬い登山靴では突起を2つ踏んで線状、3つ踏んで面状の接地になるからです。1点だけで踏むとぐらついて足首を痛めるのです。そのため足首に負担をかけないように足首を強く固定するのです。
それは岩場で、つま先で立てるようにするために、まるでスキー靴のようなギブス状態にしなければならないからで、平地でも普通に歩ける軽登山靴では足首のガードをもっと弱めていいと思うのですが、相変わらず重厚長大がいいという気分が登山靴から抜けていません。同じ道をランニングシューズで走っている人たちもいるというのに。

大日岳登山、キヌガサソウ
【撮影】2日目 07時18分=伊藤 幸司
またキヌガサソウがありました。それだけならここで写真をまた載せることはなかったのですが、キヌガサソウの隣にはこの人あり、というべき花が、とうとう登場したのです。

大日岳登山、シラネアオイ
【撮影】2日目 07時18分=伊藤 幸司
キヌガサソウのすぐ近くに、シラネアオイがありました。私にはこれしか見つけられなかったのでこれが精一杯の写真ですが、サンカヨウではなくシラネアオイがあったのです。

大日岳登山、ベニバナイチゴ
【撮影】2日目 07時20分=伊藤 幸司
ベニバナイチゴも登場です。
『国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所』の『今月の自然探訪』というページに『自然探訪2010年8月 ベニバナイチゴ』という記事がありました。
【高標高、寒冷地に生育するキイチゴ類は、そう多くはない。ベニバナイチゴはそうした数少ないキイチゴの一つで、本州中部以北の1500m以上の多雪地帯の偽高山や高山地帯の雪田周辺の湿った環境に生育する。大きな葉と目立たないきれいな濃い紫色の花、そして、赤く熟す果実は、キイチゴとしては大型で、種子も、馬鹿でかい。その重量は、日本に分布するキイチゴ類の中で最大級(3.4mg)である。ただし、一つの果実に含まれる種子数はおよそ21個と少ない。ベニバナイチゴには、キイチゴ属の特徴の一つである棘(トゲ)の類が一切ない。また、温帯性の落葉キイチゴの特徴でもある1-2年での地上部の交代という生活環も持たない。一般に、高冷地、寒冷地に対する植物種の適応は、コガネイチゴやホロムイイチゴのように草本化の道である。しかし、ベニバナイチゴは、木本としての特徴を強く引きずる。即ち、他の低木類同様に、樹高成長は1〜2mと限られるが、地上茎の寿命は基部で3〜4年と比較的長く、枝の枯死、再生が繰り返される。他のキイチゴ類のように地上茎による無性繁殖も、地下茎によるクローン成長も顕著ではない。限りなく叢生型の低木類に近い生活型を持っている。】

大日岳登山、大日平、弥陀ヶ原
【撮影】2日目 07時21分=伊藤 幸司
私たちはまだ急斜面のなかを下っています。でも大日平と称名川を挟んだ向こう岸の弥陀ヶ原が、ずいぶん近くに感じられます。

大日岳登山、
【撮影】2日目 07時24分=伊藤 幸司
崩落してきた岩でしょうね。ときどきこういう破綻がありますが、それでも道はしっかりと延びていきます。

大日岳登山、
【撮影】2日目 07時26分=伊藤 幸司
私たちはこの流れのある谷筋を、左岸〜右岸〜左岸、そしていま右岸へと渡りながら下ってきました。ロープは登ってきた人が沢を登山道と間違えないように張られたものだと思います。
このすぐ先(2分後)に道標があって大日岳から1.9km、大日平へ1.8kmと、このあたりがおよそ中間地点だと示していました。大日小屋から大日平小屋まで8パワー/毎時の計算で2時間15分としたところ、ここまでで1時間15分かかったということになります。

大日岳登山、オガラバナ
【撮影】2日目 07時31分=伊藤 幸司
カエデの葉っぱとシデ類のような穂。特徴ははっきりしているのに、ただでさえ検索に慣れていない樹木の中からその特徴を見つけるのにものすごい時間がかかってしまいました。電車で東京駅まで行って帰ってきたぐらいでしょうか。この写真を捨ててしまえば簡単だったのですが、こんなはっきりした姿形の木の名前がわからないなんて。
この葉っぱはカエデ以外にはなかなかないということで、カエデ類に絞ったら、簡単にわかりました。オガラバナというのが本名らしいのですが、別名ホザキカエデ(穂咲楓)ですからこちらのほうがいいのにね。
これだけユニークな樹木なのに、ネット上にある解説はみんな同じようなもので、ちょっぴりでも愛情のある解説を探すのにまた時間がかかりました。
『かみふらのの郷土を探る会機関誌』のなかに『上富良野百年史』があり、『第1章 上富良野町の自然と環境 第4節 上富良野の植物 53-57p』の中に『森林の代表的な樹木』がありました。
【オガラバナ(麻幹花)とは、ちょっと聞き慣れない名であるが、カエデ科の落葉低木である。要するにカエデの一種で、掌型の葉は黄葉する。ホザキカエデ(穂咲楓)という別名もあるが、こちらの方が特徴をよくとらえている。別名の通り、7月には淡い黄緑色の穂状の花を、まるでトウがたったような直立形で咲かせる。やや湿気のある肥えた土地を好み、針広混交林下に生える。】

大日岳登山、
【撮影】2日目 07時36分=伊藤 幸司
ここでもう一度右岸から左岸にわたりました。ここで休憩したかったのですが、私がしんがりで到着したときには先頭はかなり先まで行っていたので止められませんでした。

大日岳登山、コイワカガミ
【撮影】2日目 07時42分=伊藤 幸司
コイワカガミと、マイヅルソウとが生存競争しているような景色でした。

大日岳登山、マイヅルソウ
【撮影】2日目 07時42分=伊藤 幸司
花をつけているマイヅルソウもありました。
『NHK出版 みんなの趣味の園芸』に『マイヅルソウ』がありました。
【マイヅルソウはやや高い山から亜高山帯、北国の森林や林縁、湿原などに見られる植物です。
花を咲かせる芽は茎を高さ10cm前後に伸ばして葉を2〜3枚つけます。花が咲かない芽は大きめの葉を1枚つけます。葉は幅が広く、はっきりとした柄があります。葉の葉裏に毛はなく、この点で近縁種のヒメマイヅルソウと区別できます。花は径3mmで、茎の先端に長さ2〜5cmの穂状につきます。花後に液果が数個つき、秋に赤く熟します。地下茎は細いひも状で、枝分かれしながら長く伸びます。
日本列島では北のものほど姿が大きく、南のものほど小さい傾向にあり、南限の屋久島産のものは葉の長さが1cm前後しかありません。】

大日岳登山、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウ
【撮影】2日目 07時50分=伊藤 幸司
ゴゼンタチバナとツマトリソウが並んでいました。
『季節の花300』に『褄取草(つまとりそう)』がありました。
【高山地帯に生える。
夏、白い小さな6弁または7弁の花を咲かせる。
花びらの先端が少しピンク色になることがある。
「赤くふちどられる」=「赤く褄(つま)どられる。→ 名の由来。  
”褄取(つまどり)”は「着物のふち」のこと。】

大日岳登山、大日平
【撮影】2日目 07時51分=伊藤 幸司
道が楽になったと思っていたら、もうほとんど大日平の高さまで降りてしまっていたようです。

大日岳登山、アカモノ
【撮影】2日目 07時58分=秋田 守
アカモノが咲いていた。ツガザクラも花は似たような感じだが、葉っぱが違う。この写真では葉が見えない。ひょっとしたら、ツガザクラだったりして。いや、それはないはず、と断言したいが、実は若干不安。この時は葉っぱの写真を撮り忘れてる。コンパクトカメラの時は、写真に対する姿勢がどうしても甘くなりがち。もっと緊張感をもって撮影しないとあかんなあ。反省、反省。で、コーチの写真を見たら、間違いなくアカモノだった。

大日岳登山、アカモノ
【撮影】2日目 08時08分=伊藤 幸司
元気なアカモノが登山道脇にありました。白いのに、なんで赤なのか、という疑問を繰り返しながら親しみを増していくという複雑な関係です。
『コトバンク』で百科事典類を見てみると、伝統的な記名記事の明快な解説がありました。『日本大百科全書(ニッポニカ)』の『アカモノ』です。
【ツツジ科の常緑小低木。イワハゼともいう。高さ10〜30センチメートルで、枝はよく分かれ、開出した赤褐色の長毛を密生する。葉は互生し、卵形、長さ1〜3センチメートル、革質でつやがあり、裏面には剛毛がまばらにつき、縁に細かい鋸歯(きょし)がある。6月ごろ、枝の上部葉腋(ようえき)から赤褐色の毛を密生した長い柄を出し、その先に長さ6〜7ミリメートルの鐘形をした白色花が1個下向きに開く。花冠の先は浅く5裂して反り返り、淡紅色を帯びる。萼(がく)は5裂して赤褐色の毛があり、雄しべは10本ある。萼は花期後に肥大して多肉質となり、果(さくか)を包み、液果状の仮果になり、上を向く。8〜10月に赤く熟し、甘味があり食べられる。
低山または高山の草地に生え、北海道、本州の日本海側に多く分布し、四国の別子(べっし)銅山付近にもある。鉢植えなどにして観賞する。和名アカモノは、仮果を赤桃に見立てたアカモモからなまったものであろうという。[小林義雄]】

大日岳登山、チングルマ
【撮影】2日目 08時17分=伊藤 幸司
坂道が終わって平坦な道になると、木道になりました。そこにチングルマがあって、すでに綿毛をなびかせていました。これが木だと思って見下ろすと、樹林という景色に見えてきました。

大日岳登山、チングルマ
【撮影】2日目 08時17分=伊藤 幸司
チングルマの綿毛は実のひとつひとつが自由に羽ばたいていくための帆となっていく、というところに夢を感じさせます。
『〜自然と時間の流れの中に、癒し・憩いを見つける〜癒し憩い画像データベース/九州がんセンター』に『テーマ別おすすめ画像』というのがあり、そこに『チングルマの「花から実・綿毛へ」』がありました。
【チングルマは本州の中部より北の地域と北海道に自生します。草のように見えますが、地面を這うように生える落葉する低木です。雪が消える頃から生長をはじめる代表的な雪田植物。そして7〜8月ごろに、高さ10cmほどの一つの花茎の先に、2〜3cmほどの白い花を一斉に咲かせます。雪渓の周囲で大群落をつくるチングルマの花畑。陽を受けて光る花の波は、見事。花言葉は可憐です。
また、花が終わって出てくる集合果も、特徴があります。落花の後、花柱が伸びて、先端に淡褐色の長い毛を持った小さな実が密につきます。やがて、束になっていた果実は、ほどけながら放射状に広がった羽毛の白い穂へ。夏の終わり頃の登山で、爽やかな風を受けつつ、この白い毛をなびかせるチングルマの群落に出会うと、疲れを忘れます。そして実は種子となって、風とともに新たな旅へ・・・。チングルマは花も実も種子も、忘れがたい風情をもっています。(潮 信輔)登録日2018年08月20日】

大日岳登山、大日平
【撮影】2日目 08時18分=伊藤 幸司
本格的な木道になりましたが、すぐ前方に小さな谷の気配、大日平山荘ももうすぐかと思うのに、視野から外れてしまいました。

大日岳登山、
【撮影】2日目 08時20分=伊藤 幸司
すぐにまた、沢を渡ります。地形図によればザクロ谷の上流です。登山地図には「増水時には渡れない」とあります。

大日岳登山、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ
【撮影】2日目 08時22分=伊藤 幸司
また、ゴゼンタチバナとマイヅルソウのカップルが登場しました。
『花のデータベース 花しらべ 花図鑑』というサイトに『ゴゼンタチバナ』がありました。
私のこの写真がなかなかよく撮れているので花に執着心のある解説がないかといろいろ探してみたのですが、みつかりません。「花」についてきちんと解説しているいくつかのものから、とりあえず選びました。
【6-8月に茎頂に2cm程の白色の花をつける。花弁に見えるのは総苞片で、小さな花を中央に10-20個つける。】
「花」の数が気になって『コトバンク』の『ゴゼンタチバナ』で事典・辞書の解説をしらべてみました。
小学館の『デジタル大辞泉』では【夏、白い4枚の苞(ほう)をもつ多数の小花をつけ、】
三省堂の『大辞林 第三版』では【初夏、葉心から花柄を出し、頭状に多数の小花をつけ、】
小学館の『精選版 日本国語大辞典』では【夏、茎頂に短い柄のある花序を直立し、白い花弁のような四枚の総苞(ほう)片が平開して、多数の微小な淡緑色の花をあらわす。】
……国語辞典ばかりで百科事典はありません。いくぶん意地になって、手元の図鑑類も見てみました。
平凡社『フィールド版 日本の野生植物・草本』では【花は6‐7月、】
保育社の『原色日本植物図鑑 草本編(中)』では【花は6‐7月に開き、20‐30個頭状に集まる。】
青山順三『山の花1200』では【花(花序)は径2〜4cm、4枚の卵形の白い総苞片からなり、中央に多数の小さな本物の花が頭状に集まる。花期6〜7月。】
木原浩『山溪フィールドブックス 高山植物』では【花弁と思われているのは実は苞で、真ん中のしべ状のものが花である。】
永田芳男『山溪フィールドブックス 夏の野草』では【白い花びらのように見える部分は総苞で、その中心に花が20個ほどついている。右の写真は、花が咲いているものとつぼみとが混じっている。】

大日岳登山、オオシラビソ
【撮影】2日目 08時22分=伊藤 幸司
この顔つきの実をつけるのはシラビソ、オオシラビソ、ウラジロモミのようですが、そのどれかはわかりません。
『楽天ブログ』の『アウトドア・釣り』に『山の樹木を覚えようか 4 オオシラビソ(2)』(2010.04.03 あっちゃん6331)がありました。
【嬬恋周辺で標高2000mを超える亜高山帯は、シラビソとオオシラビソの混成地帯。シラビソとオオシラビソの違いをもう一度、おさらいしておきましょう。
枝からの葉の生え方が違い、上から見ると、シラビソは枝がよく見える。オオシラビソは葉が枝を隠すように生えている。
裏から見るとシラビソは、葉柄が短く直線的。オオシラビソは、葉柄が長く曲がっている。
大体これで見分けが付きますが、木の天辺を見て十字架が付いていればオオシラビソと言う人もいます。チョット、眉唾という気もしていましたが、いっぽん一本確認してみると合っているような気もします。
本州中部では標高1,500m〜2,500mに分布。本州中部の山岳地帯では、シラビソとオオシラビソは混生してますが、太平洋側の比較的雪の少ない山岳にはシラビソ、日本海側の多雪地の山岳ではオオシラビソが優勢で、雪の多い尾瀬周辺ではオオシラビソとなります。針葉樹の中では、もっとも多雪環境に適応した樹種とされています。
シラビソとオオシラビソとも、尾瀬長英新道のように最大で樹高40m、直径1mに達する大木となることもありますが、山岳地帯の過酷な環境のため、それほどの樹高にならないことが多く、寿命も数十年程度と、針葉樹としては比較的短い。
球果は、先端がやや尖っているシラビソ、丸みを帯びるのがオオシラビソと区別できる。ホシガラスが好んで食べます。】
この解説に従えばオオシラビソ(アオモリトドマツ)ですね。テッペンに十字架がありますし。
ホシガラスがこの実を持ち帰って食べる食事処の木の下には、この生ゴミが散乱しています。登山道で何度か見ています。

大日岳登山、大日平
【撮影】2日目 08時23分=伊藤 幸司
大日平。正面に見えているのは鍬崎山(標高2,090m)です。すぐ手前に称名川のすごい峡谷があり、その先に弥陀ヶ原が広がっているはずです。

大日岳登山、大日平
【撮影】2日目 08時27分=伊藤 幸司
大日平。一面のササ原ですが、同じ高さにきれいに刈り込まれています。シカの食害のようですが、ネットで調べてみてもシカが生息しているかどうか、確認できませんでした。

大日岳登山、
【撮影】2日目 08時27分=伊藤 幸司
これはどうなっているんですかね。白い木肌の大木があったので撮ったのですが、2本の木の位置関係が(私の写真では)はっきりしません。これ1枚しか撮っていません。
奥日光・小田代ヶ原の「貴婦人」を思い浮かべて撮ったのは事実ですが、なんとなく「老いらくの恋」を感じました。

大日岳登山、大日平
【撮影】2日目 08時28分=若井 康彦
大日岳、立山曼荼羅でも最も貴い名称を与えられているのは、富山平野から見た正面を占めているからか。
山頂直下から花崗岩のカールを急下り、下り立った大日平は火山性堆積土壌に変わる。

大日岳登山、イワイチョウ
【撮影】2日目 08時28分=伊藤 幸司
この葉っぱとこの花は高山の湿地帯でお馴染みのイワイチョウです。
『岡山理科大学 生物地球学部 生物地球学科  旧植物生態研究室(波田研)のホームページです』の『植物雑学事典』に『イワイチョウ』がありました。
ただ者ではないと感じたのでURLの「ous.ac.jp」のトップページを調べてみると、波田善夫さんの経歴もありました。特にその中で私が注目したのは【研究分野】で【植物生態学】
【湿原植生の植物社会学的研究からこの道に入る。湖沼・河川などの水に関係する植生の成立要因解析およびこれら植生の保護・保全、ビオトープ等に関する研究も行っている。岡山県自然保護センターの湿生植物園造成・岡山県総社市ヒイゴ谷湿原など、数カ所の湿原の移設・造成・保護保全などを行ってきた。
湿原の発達には周辺の森林植生が大きく関与していることなどから、地質・地形と森林植生の関係解析も重要な研究課題。DEMによる地形解析、植生解析を通じ、地域植生の成立要因解明を目指している。
これらの研究は、自然保護・環境アセスメント・地域環境管理計画などにおいて社会とつながっている。】
つまりイワイチョウに最適な解説者と考えていいのでしょう。
【イワイチョウは本州中部以北の亜高山帯に生育する多年草。湿地に生育するが、植生学では雪田を代表する植物とされている。葉は厚く、幅3〜10cmの腎臓形。この形がイチョウに例えられたのが名前の由来との事。花は7月〜8月にかけ、高さ30cmほどの花茎の上に咲かせ、花冠は通常は5つに深裂するが、ここに掲載したもののように、6つに深裂するもの、4つに減数するものもみられる。
イワイチョウの生育地は、遅くまで雪が残る雪田である。どのくらいの期間、残雪があるかは積雪量と気温の影響が大きい。谷などの凹地形には雪がたまりやすいのは当然であるが、北西からの季節風によって、南東斜面には吹き溜まりができて大量の雪が貯蔵されることが多い。この傾向は日本海に面する山岳で顕著であり、白馬の大雪渓などとして知られている。ここ白山でも同様であり、高原状の地形や谷頭部などで雪渓が形成され、遅くまで残雪がみられる。このような地形の中で、平坦あるいは緩傾斜地では溶けていく雪渓から持続的に水分が供給され、湿地ができる。このような場所がイワイチョウの典型的な生育地である。】

大日岳登山、イワイチョウ
【撮影】2日目 08時28分=伊藤 幸司
イワイチョウの花です。
『やまはなブック』というサイトに『イワイチョウ』がありました。
【亜高山から高山の湿地に自生し、集散花序(花茎の先端に1つの花を付け、その下から枝が出てまた花を付けることを繰り返す)で、1〜2㎝ほどの白い花を複数付ける。花弁の縁は波打っていて、中央に黄色い雌しべが1本、その周りに雄しべが5本ある。花の株によってその長さが異なり、雌しべが長く雄しべが長い長花柱花とその逆の短花柱花がある。同じ株の花同士で受粉しないためである。上の写真は長花柱花。】
じつは私は最初、尾瀬でミツガシワをみてすっかり惚れ込んでしまったので、イワイチョウが偽物に見えて仕方ありませんでした。でもその後ミツガシワを見ることはほとんどなく、ツルンとした無毛の花も、キュルリンと丸まった厚ぼったい葉も、どちらかといえば減点対象となっていますが、イワイチョウのほうが主流だとは思うようになりました。
トップページを開いても多才な人の趣味のサイトだということがわかるだけで、名称は不明です。『大雪山系の花々』というページに『イワイチョウ』がありました。
【湿原や池塘の回りに群生し、ミツガシワの花弁の毛を取った感じの花。
咲く場所も花も両者は良く似ているが、なぜか同じ場所で見たことがない。】

大日岳登山、ワタスゲ
【撮影】2日目 08時28分=秋田 守
脚場の悪い急勾配の下り道を一気におりてきた。沢をいくつか越えると、やっと平らな場所に出た。池塘が点在する湿原地帯。ワタスゲが風に揺れていた。山の上に比べれば、少し蒸し暑く感じられる。吹き渡る風が心地よい。足下には木道が敷かれている。深い谷を隔てた向こうの弥陀ヶ原もこんな感じに違いない。弥陀ヶ原と大日平は7年前にラムサール条約に登録された。国内の指定された湿原の中では最も標高の高い所に位置している。

大日岳登山、大日平
【撮影】2日目 08時29分=伊藤 幸司
取って付けたような感じでしたが、小さな池塘がありました。池塘の周りだけ、ササの侵入が阻止されている感じです。

大日岳登山、大日平小屋
【撮影】2日目 08時48分=秋田 守
森の中の大日平小屋で大休憩。1杯600円のコーヒーを注文して、テラスであんパンを食べながらいただいた。ちゃんと豆を挽いて淹れてくれたコーヒーで美味しかった。山の上の大日小屋と違ってこちらは水が湧いているようで、シャワーや風呂もあるという。食事にも力を入れていろいろな工夫をしているようなので、機会があれば一度泊まってみたい。帰ってから小屋のブログを見てみたら、この日は泊まりのお客さんはゼロだったようだ。

大日岳登山、大日平山荘
【撮影】2日目 08時49分=伊藤 幸司
08時30分から09時05分まで大日平山荘で休憩しました。このコーヒーはいくらだったか忘れましたが「高い」という印象を覆す一服でした。

大日岳登山、大日平山荘
【撮影】2日目 08時54分=伊藤 幸司
はっきり言って、この山小屋に泊まる計画で来る登山者がどれだけいるのだろうか、という気がしていました。でもトイレといい、コーヒーといい、瞬間的なふれあいででしたが小屋のスタッフの柔らかな感じ。ちょっと変わった、固定客のいそうな山小屋だという感じになりました。もう一点はここにはパワーショベルがあって、どうもオヤジさんがこのデッキだってなんだって自分で思い通りにやってしまう気配なのです。
『北アルプス 大日平山荘 まったり、のんびりな山小屋です』を見ると、いろんな努力をしているようです。
【大日平山荘は、より楽しく宿泊してもらうためにいろんなことにチャレンジしています。
◎食べる
山荘では少しでもおいしいご飯になるように、お米は地元立山町でつくった 自分のおじさんが作ったお米を山小屋で 精米して使っています。
おかずは自分の手作りタケノコのビン詰めを使って、野菜や山菜を中心に料理したいな〜って考えてます。2012年からは、いろんな料理にも挑戦していきますので楽しみにしてください
◎寝る
山荘では天気がいいと、屋根を使って布団干しをしています。ポカポカ布団を楽しみに!!
干した布団は除湿機のある部屋でジメジメ布団にならないように気をつけて管理しています。
カバーなど予備を沢山用意しています。清潔第一で頑張っています。
◎お風呂
水が豊富な大日平では到着された順にシャワー(2基)を用意しています。顔をふくくらいの濡れならリックに入れても気にならないですが、体をふいたタオルをリックに入れるのはチョット抵抗ありますよね。そこで山荘では貸しタオル(無料)を用意しています。ご自由にお使いください。
◎遊び心
大日平山荘は遊び心がたくさん!! 用意しています。ハンモックでのんびりとブランブラン。
夕焼けを見ながら食事ができるようにテラス&テーブルを用意
夜になれば、このテラスで使うランプの灯がこれまた最高!
長い時間、星を見るのに寝袋も準備しています。
まだまだ大日平山荘泊まりが楽しくなるアイテムが増えていきます。 それも楽しみにきてください。
◎その他
大日平山荘では携帯電話の重要性を感じ、充電コーナーを作りました‼️
玄関を入り、左上に青い箱が目印です。
宿泊者はもちろん、一般のかたでも無料で使用できますので、スタッフに声をかけてご利用ください。
(充電器の用意はしていませんので、各自でお持ちください。)

ご宿泊の方は、水、お茶、水洗トイレ、風呂、無料。
ご宿泊以外の方は、水、水洗トイレ、利用1回100円
ご宿泊以外の方の、食堂での休憩 一人500円(水、お茶、トイレ無料)
ビール・ジュース自販機
大日平周辺に幕営地はありません】

大日岳登山、不動滝
【撮影】2日目 08時54分=秋田 守
小屋の中にトイレがあるのは分かっていたが、靴を脱ぐのが面倒なので、裏へ回って茂みの中で用足し。と、看板が出ていて、展望台へ出ることができた。おお、素晴らしい。大きな風景が目の前に広がっている。弥陀ヶ原と大日平を分け隔てる深い谷間の向こうに豪快に流れ落ちる不動滝。大地の割れ目という感じ。この下流にもっとスケールのデカイ称名滝が待っているのだ。すぐにテラスに戻り、皆さんにこの絶景のことをお知らせした。

大日岳登山、不動滝
【撮影】2日目 08時59分=若井 康彦
元は一枚の? 弥陀ヶ原との間に深い称名谷を刻む。不動滝は対岸支流一ノ谷の合流点。左奥は天狗山で、崩れた立山カルデラの縁だが2,500m以上ある。火山はどれだけ高かったのかしら? さらに奥に薬師岳方面。

大日岳登山、不動滝
【撮影】2日目 08時59分=伊藤 幸司
大日平山荘の裏にあるのが不動滝の展望台。ここからしか! 見えない感じの滝ですね。
でも、ここから下って不動滝を下から見上げた人のレポートがありました。
『瀑へ 日本の美しい渓谷景色に心酔してしまい、いろいろなところを旅しています。特に「滝」を心から愛してやみません。』というサイトに『不動滝 (富山県 立山町)』(2017.09.11)がありました。
【富山県立山町にある不動滝を紹介します。
不動滝は日本一大きな滝である称名滝の上流にあり、称名川の支川 一ノ谷が称名川に合流する渓谷にかかる滝です。
通常は大日平山荘の裏手の滝見台から遠望する滝です。
称名滝Pに駐車し、称名滝へ向かう途中にある大日岳の登山道をのぼります。大日平までは2時間程度でした、急登で結構疲れます(^^;
大日平は広大な湿地で、木道も整備されているので快適に歩くことができます。
称名滝Pから3時間ほどで大日平山荘に着きました。
不動滝へは道路解放時間の関係もあり、日帰りでは厳しいため大日平山荘を拠点として行動することになりました。
大日平山荘に荷物を置かさせて頂き、必要な装備だけにして不動滝を目指します。
□まずは強烈な藪漕ぎから
□序盤
□終盤 視界ほぼゼロ
□動画を撮ってみました(笑)
30分ほどで下降ポイントへ到着。正直、奇跡的なルーファンでたどり着きました。普通なら迷いますが、地形図・GPSの駆使と叔父の天性のルーファン力が発揮されました!
□下降中
□お助けロープも出してもらいました! 叔父はクライミングをしており、手際よいロープワークで安全を確保してくれました(゚ω゚)!
□ほぼ垂直の崖が随所にあります。
□やがて称名川へたどり着きます。奥は称名廊下、禁断の領域へ立ち入ってしまった感覚になる景観です。
□称名川を遡ります。
□称名川を徒渉しますが、こんな感じでもかなり辛いです。帰りはスクラム徒渉を試しました、効果抜群でかなり安定して徒渉出来ました。
出発から5時間で不動滝へ到着
□感動を超えて言葉を失う景色です。
□大きさ比較 落差は90mとされています、横幅もかなりあり、規模としては日本最大級の滝の一つであることは明確です。
□滝前に着くと雲が出てきました(・Д・) この滝は逆光気味かつ飛沫で落ち着いて写真を撮るのが難しいです笑
□少し青空
□この落差とワイドを兼ね備えた滝は本当に稀です。 この滝は分岐瀑なのか、直瀑なのか微妙なところですが、本当に類い稀な巨瀑です
□真下に滝壺はなく優しくサラサラと落ちてきますが、飛沫は暴力的に注いできます
□あまりモタモタしてられないので、サクッと済ませ帰路に。

大日平山荘には16時前に着きました、お風呂もあり素晴らしい山荘です。ゆっくり宿泊させて頂きました(^_^)
不動滝到達は今年の最大の目標であり、8月は大雨で断念。今回は天候にも恵まれて最高の山行になりました。
滝までの道のりは記録がほぼなく、心配でしたが無事に行けて良かったです、本当に冒険の領域でした
同伴してもらった叔父と父はじめ、山荘のご主人 感謝感激です。
翌日朝はドローン撮影をしました、色々凄かったので後日紹介いたします。】

大日岳登山、不動滝展望台
【撮影】2日目 09時02分=伊藤 幸司
大日平山荘の不動滝展望台は称名川の渓谷の断崖の縁にありました。

大日岳登山、大日平
【撮影】2日目 09時08分=伊藤 幸司
大日平山荘からは大日平の核心部を抜けていきます。地図を見るとこの道は東に向かっていて左側に称名川の大峡谷がありますが、右手には08時20分に渡った小川の下流、ザクロ谷がやはり並行しています。

大日岳登山、オオコメツツジ
【撮影】2日目 09時09分=伊藤 幸司
これだけきれいな花なのになかなか見つからなくてイライラした時に、葉っぱの感じからツツジを調べてみると、ツツジには白いきれいな花がいろいろあるんですね。その中でも、これはどうもオオコメツツジではないかと思いました。
『北ひだの森をあるこう』というサイトの『麗しき森の妖精たち 北飛騨の森の植物図鑑』に『オオコメツツジ』がありました。
【山地から亜高山帯の湿原脇など、低木林に生育する。枝先に3〜7個ほどの花をつける。花びらはツツジ独特の透け感がある。高さは1mほど。葉の両面にはうぶ毛がびっしり生えている。】
ちなみにこのサイトは『NPO法人 飛騨市・白川郷自然案内人協会』となっていて、さまざまな活動を展開しているようです。
『自然を楽しむ山歩き>富山 北信越飛』というブログに『同定<103>コメツツジとオオコメツツジ』(2014年01月03日)がありました。
【オオコメツツジ……主に東北から滋賀県辺りの日本海側に分布し、低山帯樹林から高山帯草地に生え、背丈は1-2m近くになる落葉低木。
花期は6-7月、径1〜2cmの白色4弁(裂、蕾の状態を見ると、白米粒の様に見えるが、これが名の由来か?
葉に特徴が有って、葉裏を見ると3脈がはっきりしていると云う。大きさ2-3cm程度で毛が多い。
コメツツジと言う種類が有って良く似るが、花弁は5枚(裂と云うのが特徴。】
『Tam's 素人植物図鑑』にも『オオコメツツジ』がありました。
【コメツツジに比べて葉や花が僅かに大きいことからこの名がある。別名シロバナコメツツジという。コメツツジの名は小さな花を米粒に見立てたもの。
低山帯〜亜高山帯に生える落葉または半常緑の低木で高さ0.3-1mになる。雌雄同株。
葉は枝の先に互生し、長さ1.5-5cm、幅0.4-1.8cmの長楕円状披針形で全縁、先はとがる。両面と縁に褐色の長毛が密生し、基部近くから伸びる3脈(主脈と1対の側脈)が目立つ。
枝先の混芽から白色の花が3-8個出る。花柄は長さ0.5-1.2cm。花冠は直径0.7-1.2cm、長さ5-8mmの筒状漏斗形で裂片の先は4裂し平開する。筒部内面に軟毛がある。裂片は筒部より長い。萼は広卵形で4裂する。雄しべは4個で花冠から突き出る。
果実は長さ4-5.5mmの卵形の蒴果。
なお、この写真の株は説明どおりの4数性であるが、オオコメツツジの5数性の株も混生している。コメツツジは主に太平洋側に生え、主に5数性で全体に小さく側脈は目立たない。オオコメツツジ、コメツツジ、チョウジコメツツジを同種と見る見解もある。】

大日岳登山、シロバナタテヤマリンドウ
【撮影】2日目 09時12分=秋田 守
大日平小屋を後にすると、木道脇の湿地帯にはあれこれと山の花が見られるようになった。嬉しいなあ。これは撮影した時には気がつかなかったけれど、シロバナタテヤマリンドウの咲きかけの花ですね。これからが花盛りなのか、周囲はまだ蕾。曇っていると花は開かず、蕾のままだが、この日は十分に日が差していた。ま、ひとつだけでも咲いていてくれてよかった。タテヤマリンドウはそもそもハルリンドウの高山型変種なんだそうな。

大日岳登山、シロバナタテヤマリンドウ
【撮影】2日目 09時13分=伊藤 幸司
タテヤマリンドウだとすると花弁に青みがあるのがふつうです。
『ウィキペディア』の『タテヤマリンドウ』を見てみました。
【高さは10cmくらいになる。茎につく葉は対生し、幅3mm、長さ7mmほどの披針形で茎に寄り添う。花期にも根元に卵形の根出葉が残る。花期は6-8月で、漏斗状の淡青紫色の花を、茎の上部に1個、上向きにつける。花は日があたっている時だけ開き、曇天、雨天時は、筆先の形をした蕾状態になって閉じている。白花の種をシロバナタテヤマリンドウ(学名:Gentiana thunbergii var. minor f. ochroleuca)という。】
『自然を楽しむ山歩き>富山 北信越飛』の『同定<58>タテヤマリンドウとミヤマリンドウ』(2010年12月16日)を見てみました。
【タテヤマリンドウ……本州中部から北海道に分布し、亜高山帯から高山帯の湿地に生え、背丈10cm位までの越年草。
花期は6-8月頃、花径2cmほどで5弁(烈で、弁中間に小さな副弁が有り、色は淡青紫系白色から、かなり濃い青の縁取りになったものなどが有り、白色のものは、シロバナタテヤマリンドウとして、別扱いされる事もある。どの色のものも、花内部には斑点が有るのが特徴。
ロゼット状の小さな根生葉が有るが余り目立たず、細い茎葉も有るが、これも目立たない。茎は2-3本に枝分かれする事が多く、枝先に1個の花を付ける。
ミヤマリンドウと形も色も良く似るが、はっきりした違いは、タテヤマリンドウの花の内部には斑点が有り、ミヤマリンドウには斑点が無い事で区別が出来る。】

大日岳登山、大日平
【撮影】2日目 09時14分=伊藤 幸司
この大日平は2012年7月に「ラムサール条約登録湿地」に登録されました。……という解説板がありました。
『富山市科学博物館』のサイトに『出版物 とやまと自然』があって『2012年 第35巻秋の号 No.139』のpdfがありました。
【世界の湿地を守るラムサール条約に登録された 立山弥陀ヶ原・大日平湿原
太田道人(富山市科学博物館)
佐藤武彦(環境省自然公園指導員)】
【◎立山弥陀ヶ原・大日平が登録された理由
立山弥陀ヶ原・大日平は訪れる水鳥こそ少ないですが、「餓鬼の田」と呼ばれる小さな池が1000個以上点在する広大な亜寒帯性の湿原があること、国指定の特別天然記念物で絶滅危惧種のライチョウや国内希少野生動物種のイヌワシ、ハヤブサなどの生息地となっていること、希少な植物や昆虫がいることなどが重要とされて、2012年7月3日に新たにラムサール湿地の仲間入りをしたのです。
◎自然の特徴
立山弥陀ヶ原・大日平は、3000m級の高山から続くなだらかな弥陀ヶ原台地の上に広がっています。台地は立山火山が10万年前から何度か噴火した時に出た火山灰や軽石が大量に積もってできた斜面で、東から西に向かって約12km続いています。渓谷を流れる水は台地の末端で日本一の落差(350m)をもつ称名滝となって落ちていきます。
登録された範囲の標高は、中心部分が約1800mで、最も高い所が天狗平の下で2120m、最も低い所が称名滝の下流側で1040mです。亜寒帯にあるゆるやかな斜面が年間5000mmをこえる降水量(半分以上は雪)にうるおされることで、その大部分は雪田草原と呼ばれる湿原になっています。斜面と渓谷には針葉樹林が育っています。
雪がとけた夏の弥陀ヶ原はとても開放的です。餓鬼の田が点在する広大な草原は、ワタスゲやゼンテイカ、イワショウブなどの花に次々と彩られていきます。イワショウブなどの花に次々と彩られていきます。夏鳥のメボソムシクイやルリビタキ、コマドリなども元気に活動し、上空をハヤブサやハチクマなどの猛禽類が舞います。
秋は白く雪化粧した山々を背景にナナカマドやヤマウルシの赤色、オオシラビソやチマキザサの緑色が織りなす鮮やかな紅葉絵巻が圧倒的なスケールで展開します。
一転して冬の弥陀ヶ原は強烈な風雪に閉ざされます。平坦地には5m〜6mの雪が積もりますが、北西からの季節風が強く当たる丘の上ではわずか1m、吹きだまりとなる谷底では20mを超えます。この結果、平坦地には湿原、丘にはハッコウダゴヨウの低木林、谷底の岸壁にはサンカヨウやミヤマシシガシラなど日本海側の多雪地特有の植物が育っています。
地形のちょっとした凹凸でも、多量の雪と季節風が加わることで積雪量に大きな偏りができ、これが雪解けの時期の差となって植物に影響するので、場所ごとの植生の違いが際立ってくるのです。地形と気象条件の様々な組み合わせのあることが、弥陀ヶ原・大日平の自然環境のベースとなっていて、この地の生物多様性を支えています。
ラムサール条約に登録されたエリアは、もともと中部山岳国立公園の特別保護地区であることに加え、国指定鳥獣保護区(弥陀ヶ原は国指定鳥獣保護区立山特別保護地区)、称名滝は国指定名勝天然記念物と、すでに厳重に保護されているので、登録を境に制約が増えることはありません。】

大日岳登山、ニッコウキスゲ
【撮影】2日目 09時16分=秋田 守
事前の予習では、大日平周辺にはちょうどニッコウキスゲがたくさん咲いている、はずだった。が、かろうじてこのあたりで数株咲いていたぐらいで拍子抜け。群れ咲いていたら咲いていたで、ありがたみがないと思ってしまうし、数が少なきゃ少ないで、物足りないと言う。誠に身勝手なもんです。はい、自覚してあります。ただ、ニッコウキスゲだけはある程度群れて咲いていてくれないと絵にならないと思ってしまうのはぼくだけかしら。

大日岳登山、ニッコウキスゲ(ゼンテイカ)
【撮影】2日目 09時17分=伊藤 幸司
ゆるやかに傾斜する大日平の草原にぽつんと咲いていたニッコウキスゲ、ゼンテイカ。
私はこういう風景を撮るときに、慎重に撮れば撮るほど水平が2度前後狂うという癖を持っています。姿勢が悪いからだと思います。この山旅図鑑のほとんどでそういう写真を(ノートリミングですから)出しています。でも、今使っているカメラには電子水準器が内蔵されているので、広い風景を撮るときには(私なりの)構えを修正して撮っています。ときには写したい光景はあまり見ずに水準器のマークが赤から緑に変わるのだけを見てシャッターを切ったりしています。ですから、この傾斜は正しい……はずです。

大日岳登山、ゼンテイカ、ニッコウキスゲ
【撮影】2日目 09時17分=伊藤 幸司
『大阪森林インストラクター会』のサイトに『土井さんの「野山の花と蝶を訪ねて」』というシリーズがあるようで、その第9回が『ゼンテイカ』(2012年7月)でした。
【ゼンテイカは本州中部以北、北海道、南千島、樺太に分布する多年草です。 ブナ帯上部から亜高山帯のやや湿った草原で群生して咲き、 別名の「ニッコウキスゲ」の名称の方が有名です。 加賀白山が分布の西限で関西人は 夏に中部地方の山に登って出会う花という印象をもっているのではないでしょうか。
各地で別々に命名されたために、和名・学名ともに混乱が見られました。 現状では、種の統合・整理の結果、和名は「ゼンテイカ」が標準とされていますが、 一般的にはなじみがない名前です。 さらに最新のAPG分類では、ユリ科からワスレグサ属等の種がワスレグサ科として分離され、 さらにややこしくなっています。
花は7月から8月にかけて咲き、1つの花は1〜2日間開花してしぼんでしまいます。 属名のHemerocallisは、「1日の美しさ」という意味で英語でもDaylilyとよばれています。
ワスレグサ属の種には、 大阪の里山等で見られるノカンゾウ(H. fulva var. disticha)や 夕方から翌朝まで咲くレモンイエローのユウスゲ(H. citrina var. vespertina)があります。 一般にヘメロカリスと呼ばれる園芸品種は、 日本や中国原産のワスレグサ属の原種が、ヨーロッパなどに導入されて改良された品種で、 今では2万種以上の品種あるといわれています。
ワスレグサ属の花は両性花で、真ん中の雌しべが外向きに一本長く伸び、 それを取り囲む6本の雄しべは、カーブして花の内側を向いています。 開花している時間が短いので、他の両性花で見られる、 自家受粉を防ぐための雌雄異熟(葯から花粉が出てくる雄性期と柱頭が花粉をつけられる状態になっている雌性期が時間的にずれる。)ができないために、 花にやってきた昆虫についた花粉が 同じ花の雌しべに着きにくいような形態になっているのだと考えられます。
夏の高原を黄色に染めるゼンテイカ。夏山シーズンの到来を告げています。】

大日岳登山、モウセンゴケ
【撮影】2日目 09時17分=秋田 守
変な角度で撮影してしまったけど、木道近くにモウセンゴケが潜んでいた。改めてここは湿地帯なんだと実感する。しかしモウセンゴケを見る度に、自然の造形美とは凄いなあといつも感心させられる。もし自分が小さな昆虫だったら、絶対、粘毛に捕らえられに、ふらふらと飛び込んでいくと思う。ネバネバしたのが体にくっついて、悶え苦しんで餌食となるんだ。マゾっぽいかなあ。変態チックな連想をさせてくれるモウセンゴケが好きだ。

大日岳登山、モウセンゴケ
【撮影】2日目 09時18分=伊藤 幸司
足元にモウセンゴケがありました。私が見つけたのではありませんが。
『暮らし〜の』というサイトの『ガーデニング』に『モウセンゴケの育て方!上手な増やし方や枯らさない管理方法を解説!』(2019年06月25日 yuki)がありました。
【モウセンゴケは、葉の表面の先から粘液を出し、張り付いた虫を補食・消化吸収する食虫植物です。名前はモウセンゴケですが、花も咲き種をつけるため、コケの種類ではありません。緑の葉と粘液を出す先端部分のピンク色のコントラストが綺麗で、食虫植物好きの方に人気があります。虫をとる姿も生きていることを感じられて面白いですよ。モウセンゴケは自宅でも育てられる植物なので、まだ食虫植物を育てた事が無い方も、ぜひ栽培してみてくださいね。手に入れて水やりや用土作りに慣れたら、ぜひ増やし方や植え替え方法を参考にしてチャレンジしてみてください。】
【モウセンゴケの学名は「Drosera rotundifolia」で、モウセンゴケ科モウセンゴケ属の多年草です。英名では「Sundew」といい、これは太陽の露という意味で、葉の先端から分泌されている粘液の雫が日の光できらきらと輝いているところからきています。また和名の「毛氈苔(モウセンゴケ)」は、一面に育つとまるで毛氈(フェルト)を敷いているように見えることからこの名前がつきました。どれも葉の先の粘毛の特徴をよくとらえた名前ですね。】
【モウセンゴケは、世界中の湿地帯や亜寒帯・亜熱帯で見られる、広く分布している植物です。特に北半球などの暑すぎない地域に多く、日本では湿地帯であれば北海道から九州まで自生しています。あなたの住んでいる側の湿地にも生息しているかもしれませんよ。ただし近年では明るい湿地帯が減っていることもあり、様々な県で絶滅危惧類に登録されている植物でもあります。】
【モウセンゴケは粘液に目がいきがちですが、6月過ぎの開花時期になると、直径1cmほどの可愛らしい白い花をつけます。粘液の葉からちょこんと出る花はとても愛らしいですよ。花の色は白以外にピンクや赤、黄色といった種類もあります。そんなモウセンゴケの花言葉はなんと「不誠実」「詐欺」「物思い」「セレナーデ」などで、可愛い花だけにびっくりしてしまいますね。これは虫を甘い匂いで誘い、粘液にくっつけて食べるモウセンゴケの性質からきたものです。】
【モウセンゴケは基本的に日光を好むため、直射日光の当たる場所が栽培に向いています。地植えであれば日陰になりにくい、開けた場所で育ててあげましょう。また周りの雑草や、隣に植えている植物の葉もかぶらないようにしてあげましょう。ただし暑さには弱いため、夏場は注意が必要で、モウセンゴケの栽培の少し難しいポイントです。夏でも風通しの良い場所、暑過ぎで枯れることのないように手入れしてあげましょう。】
【モウセンゴケは湿地帯に多く生息するように、とても水やりが大好きな植物です。土が乾いてきたらすぐにたっぷりの水やりをしてあげましょう。また水やりが好きというよりは湿った環境が好きで普段から水が必要なので、受け皿に水をためておく栽培が向いています。冬になると地面から出た部分が枯れる休眠状態になりますが、その時も根は生きているので、水やりをし、受け皿は水を溜めたままにしてください。春になると新しい芽がでますよ。】
【モウセンゴケは本来痩せた土地に育つ植物なので、園芸用の品種でも肥料は必要ありません。また虫を粘液で捕まえ栄養を採りますが、わざわざ虫もあげなくて大丈夫です。用土に含まれる水分と光合成で、園芸用としては充分な栄養を自分で作り出すことができます。そのためモウセンゴケは環境が合っていれば最初の用土つくりと、水やりさえしっかりすれば元気に育ちます。】

大日岳登山、大日平
【撮影】2日目 09時36分=伊藤 幸司
このあたりで大日平は終盤という雰囲気になりました。牛ノ首という地点から称名川への断崖を下るはずです。
木道は雨の日に危険な滑りやすさとなるのを防ぐために、表面を削って段差をつけています。私の考えでは一般登山道で一番危険なのが濡れた木の肌です。やむなく濡れた丸木橋を渡らなければならない場合を考えて、軽アイゼンを2セット、夏でも持参しています。この木道も、凹凸をつけて靴底のどこかに木道の角が踏まれるようにしてあるのだと考えます。ありがとうという気持ちです。
おそらく、称名滝から牛ノ首までの一気登り、一気下りの安全を確保するために、いろいろ気配りしていることを感じます。ありがたいことです。

大日岳登山、木道
【撮影】2日目 09時39分=伊藤 幸司
この木道では削る溝の幅を狭めて、ひとつおきに紙やすりのようなザラつきのあるプレートをはめてあります。木の角を滑り止めに利用するのは、じつは慣れない人にはかえって危険な場合があるのです。
濡れた木の橋や木道に足を置くときには、ツーッ、ツーッと軽快に、いかにもスマートに歩く人を私は見逃しません。靴底をできるだけ平たい部分に置いて、スムーズに歩こうとした場合には、ほんのちょっとした重心のズレで、スッポ〜ンと足をすくわれてしまいます。車のタイヤでさえ接地面はハガキ1枚分といわれますから、スムーズに歩いているときの靴底の接地面積は極々小さなものでしょう。ですから私は「異質なものを2つ同時に踏んで!」と最初から重心を狂わした足さばきを要求します。もちろん、怖さゆえにトントントンと軽やかに早歩き(すなわち脱出)しようとする人を最大の危険人物と考えます。
山で一番滑りやすいのは濡れた木で、小さな橋でも落ちたらドボン、ではなくてゴツンです。

大日岳登山、
【撮影】2日目 09時43分=伊藤 幸司
いよいよ下りが始まりましたが、滑り止めの板が階段状に張られていました。とりあえずありがたいことです。

大日岳登山、
【撮影】2日目 09時43分=伊藤 幸司
一気に下っていく感じ、いよいよですね。深い樹林の中に吸い込まれていくような気分です。

大日岳登山、クサリ場
【撮影】2日目 09時44分=伊藤 幸司
クサリがありました。クサリ場だからといってクサリを使うのが優先ではありません。まずは自分の目でルートを見て、そのまま歩けるのならクサリを使うためにわざわざ歩きにくいルートを選ぶ必要はないのです。なぜなら、クサリはこの場所が濡れたり、雪が薄くかぶっていたりした場面を想定したものかもしれません。乾いていたらそんなに難しい感じはしません。
でもクサリを使ってみて、そこで改めて自分の力量と見比べて、考え方を決めたっていいのです。
また私は、自分が登れると思ったところは下れると考えています。そのために「裏返る」というのですが、どうにも危険だと思うところでは躊躇なく「登りの逆モーション」で下るべきです。
技量の問題ではないのです。自分の観察眼(ルートファインディング)に自信がないときには、登りの逆モーションが最高の安全性ということになりますから、それで自分の力量を確かめて、観察眼を育てていくチャンスと考えるべきなのです。
だから私はかならずしも「うまく下る」ことを求めません。安全であろうとする歩き方にはいろいろなアプローチがあるからです。私はストップをかけてロープで安全(しばしば安心)を確保する必要があるかどうか、見ているだけです。

大日岳登山、モミジカラマツ
【撮影】2日目 09時45分=伊藤 幸司
モミジカラマツがありました。本人にとってはいちばん腹立たしい名前にちがいないと、いつも思います。
カラマツの葉に似た爪楊枝状の雄しべによってカラマツソウと名付けられたモノがあり、その葉っぱがモミジの葉に似ている? という怪しさのダブル根拠がこの名前。

大日岳登山、モミジカラマツ
【撮影】2日目 09時45分=伊藤 幸司
モミジカラマツの花。線香花火のようなキリリとした美しさを感じます。
この花の説明は、ネット上でいろいろさがしてみたところなんと『ウィキペディア』の『カラマツソウ』(モミジカラマツではなくカラマツソウ)が詳しいと思いました。
【花は直径約1cm白色または薄紅色を帯び、複散房状に多数上向きにつく。高山帯に生育する個体は花数が少ない。花弁はなく、4-5個の萼片は広楕円形で長さ約4mm、白色または薄紅色を帯び蕾の時に紫色で花時に早く落下する。雄蕊は輪状に多数集まり、花糸は棍棒状に肥厚し、葯より太く葯隔は突出しない。花期は7-9月。】
この花には花弁はなく、萼片は早くに落下してしまうので、雄しべの独壇場になるということです。直線的な白い棍棒状のものが雄しべの「花糸」で先端の耳かきみたいな部分が「葯」なんだそうです。雌しべについて説明しているのは少なくて『やまはなブック』の『モミジカラマツ』(2015年11月12日)に次のように書かれていました。
【細い糸のような線形の花びらは、実は花びらではなく長い雄しべである。花の中心にある雌しべは黄緑色。葉はてのひら状に7〜9に裂けていて、鋭いギザギザの鋸歯がある。】

大日岳登山、オオバギボウシ
【撮影】2日目 09時46分=伊藤 幸司
オオバギボウシ……だと思うのですが、じつはコバギボウシとの違いがわかってのことではありません。この機会にその違いを確認したいと思って軽く『ウィキペディア』で『コバギボウシ』を見てみると【北海道、本州、四国、九州までの広い地域に分布し、日当たりの良い湿った草原や湿原に自生する】とありました。【オオバギボウシに比べると全体に小さい】とのことです。ということはこれまで見てきたオオバギボウシのなかにじつはコバギボウシがあったかもしれないという感じがします。
そこで『ウィキペディア』で『オオバギボウシ』を見てみると【北海道、本州、四国、九州までの広い地域に分布している。山地の草原や林縁に見られる。早春の若葉は山菜のウルイとして利用される】として【他に、湿地に自生する小形のコバギボウシが知られる】とのこと。
なにか画然たる違いはないのかと【特徴】を見てみると、オオバギボウシは【高さは50〜100cmくらいになる。葉は根生葉、形は卵状長楕円形で、葉の長さは30〜40cm、幅は10〜15cmくらいになり、葉柄がつく。花期は6〜8月】でコバギボウシは【花茎の高さは30 - 50cmくらいになる。葉は根生葉、形は長楕円形、披針形で、葉の長さは10 - 20cm、幅は4 - 8cmくらいになり、葉柄がつく。花期は7-9月】
どうもなかなか難しいようです。『自然を楽しむ山歩き>富山 北信越飛』の『同定<34>コバギボウシとオオバギボウシ』(2010年03月18日)には同様の見解が述べられていました。
【ギボウシの仲間は多く、大きさや花色、生えている場所で区別する様だが、外観で区別するのは困難と思う。】
そこで気になったのですが、オオバギボウシは山菜の「ウルイ」として有名です。そしてその「ウルイ」が毒草のバイケイソウ(コバイケイソウも)の若葉と区別しにくいことから、食中毒がしばしばニュースになります。
そこで『田舎センセイによる田舎暮らしでの悩み解決情報サイト』の『【山菜】うるい(オオバギボウシ)|時期・食べ方・バイケイソウとの見分け方』(2018.02.11)を読んでみました。
【春から初夏にかけて楽しめる山菜のひとつに「うるい」があります。
アクが全くなく、サラダなどでも楽しめるうえ、比較的簡単に見つけることができるので、山菜採りシーズンにはウルイを目的に山に入る人も多くなります。
一方で、毒草「バイケイソウ」をウルイと間違えて採ってしまい、食中毒を起こすケースがみられるので、しっかりとした予備知識が必要になってきます。
美味しい旬のウルイを採取するために必要な知識を備えて山に入れるように、この記事ではウルイの特徴や生えている場所、おすすめの食べ方などと共に、誤食の多いバイケイソウ類との見分け方のポイントについて解説します。】
【オオバギボウシは、全国の平地から高地まで様々な湿った場所に生えています。
具体的にいは、日当たりのよい草地や泥沿い、湿地に群生していることが多く、特に沢沿いの傾斜に生えていることが多いため、採取時には滑らないように足元はスパイクシューズなどで行くと安心です。】
湿地でいいんですかね。加えて【バイケイソウ類とウルイの違いの1つ目は、「長い柄があるかどうか」という点】、2つ目は【ウルイは、中央に太い葉脈があり、そこから左右にカーブを描いて葉脈が走っているのに対し、バイケイソウは中央に太い葉脈が無く、葉の付け根から平行に葉脈が走っているという点】なんだそうですが、【前述の2つの見分け方は、ある程度成長して葉が大きくなったからこそ分かる見分け方ですので、地面から顔を出したばかりの若芽の場合はこの鑑別方法が使えないこともあります。】とのこと。
【葉ごと食べるのであれば、まだ葉が開ききっていない若芽の頃が美味しいのですが、その時はよりバイケイソウとの鑑別が難しいので、自信が無い時は採らないという選択肢も大切になってきます。】

大日岳登山、オオバギボウシ
【撮影】2日目 09時46分=伊藤 幸司
オオバギボウシは必ずしも派手な花ではないと思うのですが、葉にしろ、花にしろ、しばしば目に飛び込んできます。なんでですかねえ。

大日岳登山、
【撮影】2日目 09時47分=伊藤 幸司
シダ。という以上の知識はないのですが、登山道を歩いているときの楽しみのひとつはシダ植物の葉っぱです。幾何学的な模様がこちら向きに、こんなふうに垂れ下がってくるので「コンニチワ」という気分になるのです。なによりもその完成度の高さ。名前を知りたくなったら裏返した写真も撮っておかなければならないようなのですが、今はまだ、こちら向きの顔つきを見させていただくだけで十分です。

大日岳登山、エンレイソウ
【撮影】2日目 09時49分=伊藤 幸司
まだ初々しいエンレイソウです。若いのに延齢といってもあちらも困るだけでしょうがその「延齢」もちょっと複雑な名前のようです。
『イー薬草・ドット・コム』の『薬用植物一覧表』で『エンレイソウ』の『薬効・使い方』を見てみました。
【中国では、民間薬として用いられていて、漢名では、延齢草根(えんれいそうこん)といい、高血圧、神経衰弱、健胃、腹痛、食あたりに、乾燥した根茎(こんけい)を、1日量3〜5グラム程度煮出して服用する。
一般には、有毒植物として服用はしない、特に体質の弱い人は用いてはいけない。
多量に使用した場合には、嘔吐、下痢、血便が生じる。
有毒成分:サポニンほか
中毒症状:嘔吐、下痢、血便、酩酊など 】

大日岳登山、
【撮影】2日目 09時49分=伊藤 幸司
ナナカマドの葉っぱみたいだなあ、と思いながら撮りました。帰ってネットでいろいろ見ましたが、そうみたいでもあり、そうでないみたいでもあり、という状態です。そんなことより、道際にこんなふうに、ひとつの造形作品としてあった、ということのほうに私は意味があると再確認したのです。私流の言葉でいえば「おだやかな未来志向」なんてことでしょうか。

大日岳登山、クモマニガナ、タカネニガナ
【撮影】2日目 09時53分=伊藤 幸司
花びらの数を数えると11枚です。この手の黄色い花はニガナの仲間ということは一目瞭然なのですが、その「ニガナ」が思い出せずにグーグルの画像検索で「黄色い山の花、花弁11枚」という捜索願いを出したら、まずは【クモマニガナ】が出てきました。そうそうニガナだったっけ。
そこでいくつかのサイトを見るうちに『自然を楽しむ山歩き>富山 北信越飛』の『同定<52>タカネニガナとクモマニガナ』(2010年11月15日)にたどり着いたのです。私が好きな「不確定情報」ですけれど。
【タカネニガナ……北海道から本州、四国・九州の一部に分布、亜高山帯から高山帯の岩場に生え、背丈10-20cm程度の多年草。
花は径2cm程度、花弁は8枚以上で黄花が普通なのだが、白花も見かける事が多い。
他のニガナ類は、茎葉の基部が茎を抱くのに対し、タカネニガナの葉は茎を抱かないのが特徴。
良く似たニガナ、ハナニガナ、クモマニガナは茎葉の基部が茎を抱く事で区別出来る。
この映像のものは葉の基部が茎を抱いていなかったので、クモマニガナではなく、タカネニガナだろうと思うが、あちこちのHPや図鑑を見ると、外観だけでクモマニガナとタカネニガナの、決定的な違いは無いとの紹介が多い。
クモマニガナ……本州中部から北海道に分布、亜高山帯から高山帯に生え、背丈20-40cm程度の多年草。(この映像は2000m程度の所で撮った)
根生葉は柄が有り、長さ4-8cmの長楕円形で先が尖り、茎葉は基部が茎を抱くものが多いが、葉柄に翼の様になり、ほとんど抱かないものも有るらしい。
花期は7-8月、花径15mm前後で黄色か白色、花弁数(舌状花)は11枚(本当に定まっているか?)、だと云う。
平地のニガナやハナニガナより小さく、岩場のタカネニガナより大きいものがクモマニガナと云う事だが、この3種は本当に違うのだろうか。環境の違いで外形が違っただけと云う事は無いのだろうか。
ニガナ系はいろいろ変化が有る様で、中間種も多く有って、同定が困難なものも多いのだとか。】

大日岳登山、クモマニガナ
【撮影】2日目 09時53分=秋田 守
クモマニガナが咲いていた。タカネニガナかと思ったが、花弁の数を数えると11枚。タカネニガナであれば、9〜10枚とのこと。へえ、知らなかった。白い花はシロバナニガナだろう。ニガナは観るのもいいけど、食べるのも好きだなあ。ニガナの白和えは大好き。メニューで見かけると必ず頼んでしまう。ニガナは沖縄ならどこでもあるが、なぜか渡名喜島を思い出す。電動カーで小さな島内を走り回った際、道端にたくさん生えていたからかな。

大日岳登山、タカネニガナ、クモマニガナ
【撮影】2日目 09時54分=伊藤 幸司
これがその、タカネニガナだかクモマニガナだか。

大日岳登山、ハシゴ
【撮影】2日目 09時56分=秋田 守
牛ノ首から先は、再び一気に急坂を下った。ハシゴも何ヵ所か、ロープのある箇所も。登山道は点検されているようで、険しいが、安心して下ることが出来た。一度、尻餅ついたけど。このあたりだったと思うが、足下に不思議な石片が落ちていた。掌より二回りほど小さな薄い石。周囲はさらに薄く削られている。そう、まさに石器。拾ってくれば良かった。写真を撮ることさえ忘れてた。なぜそんな所に石器があったのかしら。不思議だなあ。

大日岳登山、ハシゴ
【撮影】2日目 09時59分=伊藤 幸司
大日平から、いよいよ称名川の谷底に向かって急な下りが始まるようです。最初のハシゴ、という場面です。

大日岳登山、
【撮影】2日目 10時00分=伊藤 幸司
直前の写真の「最初のハシゴ」の右側にあった巨木の根です。そこが完全にマイヅルソウの家になっていました。ただこの木の後継者かどうかわかりませんが、幼樹も根を張りつつあるようです。でもどう考えたって、この巨木が命を落としたのは1年、2年、あるいは数年という最近のことではないでしょう。幼樹の親がこの元巨木だったという可能性は大きくないと思います。
……なぜ、そんなヘンなことを考えるのかというと、屋久島ではそういうドラマをたくさん見るからです。有名な「三代杉」なんかも3世代だか、自分自身の3分身なんだかわかりませんが、3本が合体して屋久杉になったのです。「縄文杉」だって素人目には同様の合体杉のように見えてきます。この枯木に新しい木が癒着できるかどうかは心配なところですけれど。

大日岳登山、シロバナニガナ
【撮影】2日目 10時01分=伊藤 幸司
白花のニガナがありました。花弁は12枚です。これに連なる親戚関係がまた厄介なのです。
例えば『山野草の育て方、植物図鑑、庭造り──山野草を育てるNori&Wako』というサイトで『シロバナニガナ(白花苦菜)、ハナニガナ(花苦菜)、ニガナ(苦菜)の比較』を見ると次のように書かれていました。
【シロバナニガナ(白花苦菜)は、ニガナの変種で、日本全土の低山帯〜高山帯の道ばたに生える多年草で、全体にニガナより大きいのが特徴です。
シロバナハナニガナ(白花花苦菜)と呼び、ニガナの亜種であるイソニガナ subsp. nipponicum の変種として分類されることもあるようですが Ixeris dentata ssp. nipponica f. amplifolia とされることもあるようですが、シロバナニガナ(白花苦菜)Ixeris dentata var. albiflora とされることもあるようです。
シロバナニガナ(白花苦菜)もシロバナハナニガナ(白花花苦菜)も同じということです。
ニガナの変種のシロバナニガナの品種で、舌状花が黄色のものをハナニガナ(オオバナニガナ)といいます。】
さらに『四季の山野草』というサイトで『シロバナニガナ』(2016/02/22)を見てみました。
【北海道、本州、四国、九州に分布。山地の明るい土手や草地に群生する多年草。】
【茎の上部に 集散花序に出し、白い頭花を付ける。舌状花が8〜11枚。】
【近縁種──
イワニガナ (日本各地に分布。日当たりの良い野山に自生する。別名ジシバリ。)
オオジシバリ (北海道西南部〜沖縄に分布。日当たりの良い道ばたに自生。)
クモマニガナ (本州〜九州に分布。高山帯の岩場に自生。 茎が太く、花弁が11枚 。)
シロニガナ (白花で、舌状花が5〜7枚。)
タカネニガナ (本州〜九州に分布。高山帯の岩場に自生。花弁が9〜10枚。)
ニガナ (シロバナニガナの母種。野山の草地に生える多年草。)
ハナニガナ (シロバナニガナの黄花。ニガナより茎が丈夫で、高く育つ。)
ハマニガナ (本州〜九州に分布。砂浜に多く自生。)】

大日岳登山、牛ノ首
【撮影】2日目 10時02分=伊藤 幸司
「牛ノ首」の標識がありました。手書きですが、そうとう力の入った、立派な作品です。
1/25,000地形図を見ると標高約1,750mの大日平山荘からゆっくりと下ってきて、ここで称名谷へ落ちる標高差約300mの急斜面へと切り替わる標高約1,600mの地点です。そこに何を意味するのか不明なまま「牛ノ首」と書かれているのですから「すごい」何かがあるのでしょう。
帰ってからですが、『いこまいけ高岡』というサイトで『牛ノ首』を読みました。逆方向の登りのレポートですが。
【大日岳登山道から称名川の北側斜面を登りきった場所(尾根)が「牛ノ首(うしのくび)」です。「牛首(うしくび)」とも呼ばれるようです。南には称名谷、北にはザクロ谷(雑穀谷の上流部)があります。つまり、登山道の左右は切れ落ちる断崖ということです。雪のある時期は雪渓を踏み抜かないよう、夏道でもガスが掛かると見え難いので要注意の場所です。「牛ノ首」という名前の由来は、「上から見た首」のよう尾根の両サイドが切れ落ちているためこのような名前になったらしいです。牛じゃなくて、馬でもよさそうですが、この牛ノ首は何箇所も梯子があるほど急な起伏があり、スーと伸びる馬の首より、デコボコのある牛の首に形容し易かったのでしょう。
牛ノ首は登山道のある尾根一体を指す地名らしいので、ピンポイントでここが牛ノ首って場所はなく、国土地理院の地図でも登山道のある尾根付近に「牛ノ首」と記載されているだけです。ただし山と高原地図では、標高 1,550m地点に「牛首」のポイントが記されています。また現地では、牛ノ首 西端の標高 1,475mくらいの場所に「牛ノ首」と書かれた指導標があります。なので、わたし的に、「牛ノ首 西端」から「大日平 西端」までが牛ノ首としました。いや〜、尾根に出れば楽な登山道になるかと思いきや、梯子の連続でした。景色は綺麗で、2014年10月9日に行った時は、ちょうどこの辺りの標高が紅葉真っ只中でした。また、ザクロ谷の向こうにある山も綺麗に紅葉しており絶景でした。】
さらに『北アルプス 大日平山荘』のホームページに『今日は牛首の土砂崩れを整備してきました』(2018年5月30日・Saeki_naoki)がありました。
【頑張ってきたよ(๑・̑◡・̑๑)
今日は牛首の土砂崩れを整備してきました(๑・̑◡・̑๑)

見ての通り、通せんぼしてます!:(;゙゚’ω゚’):
まあ、崩れた下を通っていけばいいのですが…
この場所の下は木々がなく、滑落すると底まで20m〜30mの岩の崖。
命にかかわる危険地帯。
そして…
そのままにしておくと…
シーズン中に雨等で崩れる危険もあるな〜っと思って頑張ってきましたよ。
なかなか命がけの大変な仕事になりました!!

ね!!綺麗になったでしょ(笑)
人間、1人でも…
成せばなるなる何事も!!です。
大日平の大自然に鍛えられました(笑)
うん!うん!
明日は道具を取りに下山します。
お風呂にも入りたいし…
栄養補給もしたいし…
家族にも会いたいし…
明々後日に登ってきますね。】

大日岳登山、
【撮影】2日目 10時07分=伊藤 幸司
もともとこちら側の大日平と向こう側に見える弥陀ヶ原とはひと続きの溶岩台地だったのだそうです。そこを称名川が勝手に掘り進んで、深い谷を刻んでしまったというのです。私たちは対岸の風景で自分の位置を測りながら、下っていくことになるようです。

大日岳登山、
【撮影】2日目 10時13分=伊藤 幸司
断崖の下りが始まりました。私たちは女性たちがダブルストックで下りの技術ではそうとうな安全性を身につけているので、急ぎさえしなければ北アルプスの難所とはいえ、通過可能と考えています。でも、恐怖心が絡むと事情は大きく変化しますから、そこのところには私は注意しなければなりません。でもこれまでのように危険な要素があるということでトップを歩いていると、必要以上に安全重視に動いて、逆効果だと思うことになります。この道は「下りには要注意」とは書かれているようですが「登りがおすすめ」という程度の「一般登山道」なので、余分なプレッシャーがかからなければ「下れる」と見ています。でも、それも「ヒト」と「場面」と「状況」によりますけれど。
ちなみに糸の会方式ではメンバーの前後間隔が開くことが多いのですが、基本的には「10分交代」で、最後尾の人が先頭になります。そのとき必ず全員が揃うのでこの写真のように前の人の動きが把握できない状況になっても、10分後には全員の顔を見られるので、リスク管理としては不安は大きくありません。もし私が不安を感じたら、(10分後にはなりますが)私がトップに出ますから。

大日岳登山、ヤマアジサイ
【撮影】2日目 10時18分=伊藤 幸司
アジサイがありました。じつはこれを見てヤマアジサイなのかガクアジサイなのかわかっていません。
過去に調べていないはずがないのですが、もちろん覚えているはずがありません。図鑑などだと同じところを何度も見返すことになって、だんだん嫌になるところですが、ネットで調べると新しい情報に出会った気分になるので疲れません。
『緑ある住環境を考えるブルーミングスケープ』というサイトのブログに『ヤマアジサイとガクアジサイの見分け方(違い)』(2012年6月25日・チュピさん)がありました。
【よく、「ガクアジサイですね」と、近所の方にいわれるのですが、これは本当にヤマアジサイなのでしょうか? ヤマアジサイとガクアジサイの違いもよく分かりません。ヤマアジサイとしたら、なにか固有の名前でもあるものでしょうか?
◎投稿者 ふら@フラウラさん 投稿日時: 2012-6-25 23:31
ヤマアジサイの葉は光沢に乏しく、先端が細く尖る点で区別できますね。お近くにアジサイやガクアジサイがあるなら、葉を持ってきて並べて比べてみると光沢の差の有無で判断できると思います。固有の名前――ヤマアジサイもアジサイ同様、たくさんの変種や園芸品種があります。写真からの判断はとても難しいと思います。
◎投稿者 チュピさん 投稿日時: 2012-6-27 13:49
よそ様のいろいろなアジサイ(特に葉っぱ)を見てきました。確かに、うちの葉っぱはよそ様に比べて、光沢がなく、先端も細くなっていました。ヤマアジサイの特徴でもあるのですね。よく分かりました。固有の名前の判断は難しいとのことですが、ヤマアジサイの見方が少しわかっただけでうれしいです。ありがとうございました。
◎投稿者 さんたさん 投稿日時: 2012-6-29 15:11
見分け方として、
・ガクアジサイは、うぶ毛が少ない
・ヤマアジサイは、うぶ毛が多い
・ガクアジサイは、葉が厚めでやや光沢がある
・ヤマアジサイは、葉が薄めで、光沢がない
・ガクアジサイは、背丈が高い
・ヤマアジサイは、背丈が低め
・ガクアジサイは、開花時期が6月中旬〜7月頃
・ヤマアジサイは、開花時期が5月下旬頃〜6月頃
といった感じになります。】

ところが、もっと簡単な「目安」が見つかったのです。
『ほぼ日刊イトイ新聞』の『吉本由美さんといっしょにおぼえる・みちくさの名前』に『「八ヶ岳倶楽部」の柳生真吾さん』との『名前その51 ヤマアジサイ』がありました。
【「八ヶ岳倶楽部編」、最初のみちくさはヤマアジサイです。
柳生……じゃ、もう一度言いますね。
アジサイには大きくわけて2種類あります。
ヤマアジサイとガクアジサイ。
ヤマアジサイは山に咲いていて、
ガクアジサイは海の近くに咲いている。
吉本……知らなかった。
そういうことなんですね。
柳生……そうなんですよ。】

大日岳登山、ヤマアジサイ
【撮影】2日目 10時18分=伊藤 幸司
続いてさらに『ほぼ日刊イトイ新聞』の『吉本由美さんといっしょにおぼえる・みちくさの名前』に『「八ヶ岳倶楽部」の柳生真吾さん』との『名前その51 ヤマアジサイ』です。
ヤマアジサイとガクアジサイの違いについて、さらに細かい話が出ます。
【柳生……そうなんですよ。ヤマアジサイは
すごく葉っぱが尖がっているんです。
吉本……ほんとだ、細くて尖ってますね。
柳生……あれは、さわると柔らかいんですよ。
吉本……へええー。
柳生……ガクアジサイの葉っぱは、もっと丸くて分厚いんです。
吉本……色もちがう?
柳生……ちがいます。ガクアジサイの方が、緑色が濃い。
吉本……そうなんですか。
柳生……いま世の中には、改良されたアジサイの種類がほんとにたくさんあるんですけど、大きくわけると、その2種類なんです。
吉本……ヤマアジサイか、ガクアジサイ。
柳生……そうです。葉っぱを見れば、どっちかがわかる。細くて尖っていれば、ヤマアジサイの仲間。丸くて分厚くて緑の濃い葉っぱなら、ガクアジサイ。
吉本……なるほどー。
柳生……あとね、ヤマアジサイは日陰好きなんです。だから、葉っぱが尖っているならそういう場所に植えてあげるといいんですよ。
吉本……へえー。じゃあガクアジサイは、日なた?
柳生……そう。先祖が海沿いのアジサイですから、日当たりのいい場所が好きです。
吉本……そうかぁー。
柳生……ね、これを知ってるだけでたのしいでしょ?
吉本……はい。私、どうして鎌倉には紫陽花寺がたくさんあるんだろうと思ってたんですけど、そういうことだったんですね。
柳生……そうなんです。
吉本……やっぱり海辺だから。
柳生……そう、ガクアジサイは海風にも強い。だから鎌倉あたりにはやっぱり、ガクアジサイが多いと思いますよ。そういう場所にこいつを持っていくと枯れちゃうんです。
吉本……だめなのね?
柳生……だめなんですよ。
吉本……へえー、そうかぁ‥‥。アジサイは、山と海。
柳生……はい。
吉本……山は日陰、海は日なた。
柳生……そうそう。
吉本……おもしろーい。】

大日岳登山、
【撮影】2日目 10時34分=伊藤 幸司
牛ヶ首から20分ほど下ると猿ヶ馬場というベンチ広場がありました。標識は牛ヶ首の堂々たる手書きとセットのものと、環境省と富山県が中部山岳国立公園のシリーズとして設置したものの2つがありました。地形図で見るとこれからいよいよ、称名谷の北壁という雰囲気になるように思われるのですが、その道が始まりました。

大日岳登山、ヤマアジサイ
【撮影】2日目 10時45分=伊藤 幸司
またアジサイ、ヤマアジサイがありました。15分ほど前に見たアジサイとはほんのちょっぴりですが、色合いが違います。アジサイの花の色は土壌によって変わるというのは常識ですけれど、そのへんのこと、もう一度調べてみました。
『アジサイの育て方.net』というのがあるんですね、そこに『アジサイ 花の色を変えるには』(2019年05月30日)というのがありました。
【アジサイの鉢花の販売が盛んな時期に、ホームセンターや園芸店では、同じ品種なのに青系の花と赤系の花の両方が売られていることがあります。
それぞれ同じ系統で、赤と青に分けて確立した種というわけではありません。
アジサイの花は、土の酸性度によって青系や赤系に変わります。
酸性に傾いた土では青系に、アルカリ性に傾いた土では赤系に変わります。
何年か育てたアジサイが、最初とは違う色の花を咲かせるようになるのは、土の酸性度が変わったのが原因であることがほとんどです。
では自分好みの色に仕上げるには、どのようにすれば良いのでしょうか。
◎色が変わるしくみ
アジサイの花の色を変えるには、土の酸性度を調整する必要があります。
まず色が変わる仕組みについてご説明します。
アジサイの花には、ブルーベリーなどに含まれていることで知られる、「アントシアニン」という色素が含まれています。
このアントシアニンとアルミニウムが結合することで、色の変化が起こります。
アントシアニンがアルミニウムと結合すると、青く変色します。
アルミニウムは酸性の土に溶けやすく、アルカリ性の土には溶けにくいという特性があります。
つまり、酸性の土にはアルミニウムが溶け込んでいるため、酸性土で育てたアジサイは青くなるのです。
反対に、アルカリ性の土にはアルミニウムが溶けにくいため、アルカリ性の土で育てたアジサイは赤くなりやすいということになります。
実際に、土の酸性度合いの違いによって、アジサイの色は変わります。
ところが、すべてのアジサイがキレイな色を出すわけではありません。
アジサイの品種によって、色むらができたり、思ったような色に発色しないことはよくあります。
環境や酸度によっても差が出てくるので、思ったような色を出すには何年も試行錯誤することもあります。
アジサイの中には、赤や青、白など、色が固定されている品種もあります。そのような品種の場合は、土の酸性度を変えたとしても、色は変わりません。
アジサイの色を変えたい場合、まず育てているアジサイの品種を調べて、酸度で色の変わる品種がどうかを確認しておくと確実です。】
【花を青色にする場合は、硫酸アルミニウムを500倍〜1000倍に薄めたものを与えます。
20日に1回、2回〜3回ほど与えると、アルミニウムを吸収したアジサイの花が青になります。】
【花を赤くしたい場合は、4月〜5月頃、アジサイの株元に苦土石灰をまいておきます。
土と苦土石灰が混ざって土がアルカリに傾き、アルミニウムの吸収を防ぐことができます。】

大日岳登山、
【撮影】2日目 10時46分=伊藤 幸司
対岸の壁を見てもだいぶ下ってきたことがわかります。斜面は急ですが、ジグザグに延びる登山道は快適です。

大日岳登山、サンカヨウ
【撮影】2日目 10時46分=伊藤 幸司
サンカヨウがありました。なんだかずいぶんほころびの多い葉っぱですが、サンカヨウがあるとすればキヌガサソウやシラネアオイもあるかもしれないとかなり注意して見たのですが、ありませんでした。

大日岳登山、
【撮影】2日目 10時49分=伊藤 幸司
私たちはこの急峻な壁の中をいまや快適な気分で歩いています。登山道がなければ木の枝を頼りに真直ぐ登り、まっすぐ下るとてつもない場所なんでしょうが、何人もの山男が何年もかけてすこしずつ歩きやすくしてきた登山道、私はそういう道を感謝の気持ちも込めて「一般登山道」と呼ぶことにしようと考え始めているのですが、その幸福感とともにシャッターを切っています。

大日岳登山、
【撮影】2日目 10時55分=伊藤 幸司
この堂々たるまっすぐ感をウバユリみたいだなと思って撮ったのですが、全然違いますね。でもこの「まっすぐ感」ははじめてのような気がします。

大日岳登山、
【撮影】2日目 10時56分=伊藤 幸司
もちろん、もうすごい水音が聞こえています。それが称名の滝だろうと想像しながら、下ります。

大日岳登山、大日岳登山口
【撮影】2日目 11時07分=秋田 守
11時7分、大日岳登山口へ無事に下山。当初計画では4時間半の予定。実際には5時間弱で到着。大日平小屋で結構ゆっくり時間をとったから、まずまずのタイムでしょう。ここから左手へ向かい、称名滝の展望台へと舗装道を登っていく。休憩小屋やトイレを道路脇に見ながら、滝音に近づいていくと、滝そのものは見えないうちから、しぶきが降り注ぎ始める。まるで雨のように。橋を渡り始めると、お、見えてきた。迫力満点の滝の一部が。

大日岳登山、
【撮影】2日目 11時09分=伊藤 幸司
下山した登山口は立派な舗装路に面していました。右手に行けばバス停ですが、私たちはもちろん左手、上流に向かいました。
私たちは昨日、今日と見てきた広大な平原を頭上はるかに見上げるところを歩いています。この称名川は天井となる平原を削って流れ落ちてきたということになります。
これは地質学者『中野俊』さんのホームページで『産業技術総合研究所 地質調査総合センター』時代の研究成果も含めて掲示されています。
【立山火山は北アルプスの北部、富山県に位置します。立山火山は“室堂山”(標高約2,670m)を最高地点とした活火山です。これまでは、立山火山には歴史時代の噴火記録はないとされたりあるとされたり混乱していましたが、1836年の水蒸気爆発が複数の古文書に記録されていることを確認しました(中野・伊藤,1998,火山,vol.43)。
 立山三山(富士ノ折立、大汝山、雄山)そのものは火山ではありませんので、弥陀ヶ原火山と呼ぶ人もいます。立山黒部アルペンルートのケーブルカーの終点、美女平の西端(標高約950m)から高原バスが走っていく終点の室堂平(標高約2,450m)まで、下ノ小平・上ノ小平・弥陀ヶ原・天狗平など、数段に分かれた傾斜の緩い平坦面が東西約13kmにわたって続く高原地帯と、それとは孤立して、鷲岳(標高2,617m)・鳶山(標高2,616m)から広がる標高2,540mから2,330mの高原、五色ヶ原に大きく分かれます。前者は、基本的には火砕流が厚くたまって形成された台地ですが、その表層部のかなりの部分が火砕流よりも後の火山噴出物や氷河や融氷水流によってもたらされた堆積物に薄く覆われています。それに対し後者(五色ヶ原)は、主に溶岩流が積み重なってできた台地です。その表層部は弥陀ヶ原一帯をつくるのと同じ火砕流堆積物や氷河が運んだ堆積物に薄く覆われています。そして、両者の繋がりを裁つかのように断崖絶壁に囲まれた東西約6.5km、南北約5km の“立山カルデラ”が広がっています。砂防工事で名高い場所です。立山カルデラは、弥陀ヶ原一帯に広く厚く分布する火砕流が噴出することによってそれまでの山頂部が陥没した陥没カルデラである、と考えられていました。しかし、最近の研究では、立山カルデラは谷の源頭部が浸食や崩壊により拡大した浸食カルデラと考えられています。立山カルデラの名称はすっかり定着しているので、湯川谷上流部に発達する大規模な崩壊地形全体を表す地名として用います。このカルデラの発達(拡大)により立山火山の山頂部は失われ、もとの火山の山体を復元することは困難になっています。しかし、詳しい地質調査により明らかになった火山噴出物の分布などからは、標高2,800mを優に超える火口がいくつも存在したらしいのです。
 現在の立山火山を特徴づけるものは、高原状の緩斜面や立山カルデラのほか、次のようなものがあげられます。まず、称名川の下刻作用です。室堂付近から火山体の北側を西流する称名川は、硬い溶結凝灰岩(堆積した火砕流が高温の熱により押しつぶされて固まってできた岩石)を深く浸食し、称名滝より下流では最大比高が500mに達する垂直の壁に囲まれた幅約1kmの広い谷が、称名滝より上流では谷底までの比高が200mを超える断崖絶壁が続く峡谷が続いています。称名川沿いには、称名滝、ハンノキ滝、不動滝、ソーメン滝のほか、悪城の壁などの急峻な地形が随所に見られます。次に、氷河作用です。火山活動と同時期に氷河の盛衰がおこりました。氷河が運んだ岩屑のほか、氷河が削ったU字谷(例えば、国見岳と天狗岳の間)や擦痕としてその痕跡が残っています。そのほかさまざまなことがおこっています。弥陀ヶ原には活断層が走っています。常願寺川の支流である真川をせき止め、大きな湖ができたこと(真川湖成層が堆積しました)、硫黄を噴出する地獄谷では縞々のある堆積物(地獄谷縞状硫黄堆積物)が堆積したこと、百数十年前に地震とともに大規模な山崩れがおこったこと(鳶崩れ)などでしょうか。】

大日岳登山、
【撮影】2日目 11時13分=伊藤 幸司
まず最初に驚いたのはこの欄干。まぎれもなく雪の重みでジワ〜ッと押し曲げられた状態です。

大日岳登山、称名滝
【撮影】2日目 11時33分=若井 康彦
牛首から谷底まで200m、さらに称名滝350m、550m余りを一挙に下る逆落しの称名坂、中々でしたね。かつては称名唱えつつ上ったのだとか。
称名滝の一枚岩、柱状節理、火砕流。滝は元15km下流にあって、年10cmずつ後退して今の位置にあるそうです。恐るべし、立山の造山、火山、降雨降雪、水流の自然力。

大日岳登山、称名滝
【撮影】2日目 11時33分=秋田 守
ここのところ雨も降っているからか、水量たっぷりで轟音をあげて、水塊が落ちていた。上から3段目が一番激しい流れに見えた。全体の落差は350m、日本一の落差と言われる。国指定の名勝および天然記念物。春先の雪解け水が多い時などには、右側に500mの落差のハンノキ滝が現れるという。先月、大杉谷でたくさんの滝を目の前にして凄い凄いと連発していたが、いやあ、上には上があるもんだ。この迫力には敵わない。いいものを観た。

大日岳登山、称名滝
【撮影】2日目 11時35分=伊藤 幸司
これが称名滝。私たちは左手の右岸(川の流れに従って右側をいいます)から歩道橋を渡って左岸の展望台に上がりました。そしてこれが展望台からの称名滝です。

大日岳登山、
【撮影】2日目 11時39分=秋田 守
称名滝の展望台、皆さん当然、滝に見入っているのだけど、ちょいと後ろを振り返ると、立派なコケが数種類、びっしり石垣に付いていた。早速、ぐいぐいっと近づいて接写モード。なかなか美しい。神は細部に宿る。なんちゃって。これはハイゴケの仲間ではないかと思います。自信はないけど。フレッシュな感じが好ましい。もう1枚のカットもさらに小さなコケでそちらの方が好きなんだけど、どうにも特定できないので割愛しておきます。

大日岳登山、称名滝
【撮影】2日目 11時44分=伊藤 幸司
まずは全員で記念写真を撮りました。

大日岳登山、称名滝
【撮影】2日目 11時57分=秋田 守
称名滝を見て、若井さんがコーチやぼくにその成り立ちを解説してくれた。すると、これは面白いと、コーチが全員を集めて、若井さんの特別地学講座が始まった。一番下の巨大な岩は元々このあたりを形成していた海底から隆起した岩盤。その上に、立山が噴火して噴き出したマグマが柱状節理となり、さらに一番上には火砕流の層が載っていて、水によってそれぞれが削られて、谷となり、だんだん谷が後退して今に至っている、というお話。

大日岳登山、称名滝
【撮影】2日目 11時58分=伊藤 幸司
カメラマンとしては滝の落口を覆い隠している右側の斜面を画面から追い出したい。施設側は転落の事故を防ぐために、なんとかこれで我慢させようとする攻防があります。できれば滝壺まで見下ろせる張り出しを造ってほしかったというのが正直なところです……けれど。
このあとバス停まで行くと、そこにあった称名平休憩所の2階に『称名滝の開拓』という解説がありました。
【明治39年……登山家として最初に称名滝へ探検を試み、芦峅から称名川を分けのぼった記録「越中立山のぼった偉観」を顕した。大平晟
明治42年……大日岳の峰を伝い、滝つぼに下る難コースの探検行「立山案内」を著した。大井冷光
大正11年……「立山遊覧」には称名川をさか登って滝つぼに至るコースを詳細に記した。吉沢庄作
大正13年……名案内人。佐伯八郎の名を冠した八郎坂の開拓。
昭和2年……称名小屋の建設。立山登山のメインルートとなる。】

大日岳登山、称名滝
【撮影】2日目 11時59分=伊藤 幸司
立山町の教育委員会が書いたと思われる称名滝の解説板が道筋にありました。
【国指定 名称・天然記念物 称名滝
富山県中新川郡立山町
昭和四八年五月二九日措定
称名滝は、立山にその源を発する称名川の流れが立山の大噴火による溶結凝灰岩をV字型に一五〇米も深く侵蝕した称名廊下の末端から落下する大瀑布である。
この滝は、四段に分かれ、第一段は四〇米、第二段は五八米、第三段は九六米、第四段は一二六米で、これが連続して一条の滝となり、最上部の爆流落差三〇米を含め、その全落差は三五〇米を有している。
また、直径約六〇米、水深六米の滝壺に落下する水は、すさまじい自然の力を誇示している。
称名滝を含む称名峡谷は、自然景観に優れ、学術的価値も高く、また保護すべきものとして、国の名勝及び天然記念物に指定されている。
文化庁 富山県教育委員会 立山町教育委員会】

大日岳登山、称名滝
【撮影】2日目 11時59分=伊藤 幸司
じつは帰路のタクシーがどうにも確保できず、バス待ちの時間を利用して参加メンバーの若井康彦さんに称名滝と立山火山の関係についての即席の講座をひらいていただきました。
若井 康彦さんはウィキペディアを見ると千葉13区から立候補して野党系衆議院議員を3期勤めたとして「日本の政治家」として紹介されていますが、本業は都市計画プランナーで、無類の旅好き、ということのようです。地理、地質、酒、地方文化などにめっちゃ詳しい人として中学の同級生の矢野さんが(ひょっとしたら強引に?)勧誘したメンバーです。
ちなみに若井さんから最初に届いた「キャプション先駆け便」をご紹介しておきます。
【一の越から雄山の上りの記憶から腑に落ちなかったのですが、立山連峰の主稜自体はやはりミカゲの壁ですね (ちなみに剱岳はその上にさらに硬い閃緑岩の鋼を纏っているとか )。
標高2,500mの室堂あたりから下が火山体の成れの果てで、今も硫黄谷あたりはいつ水蒸気爆発くらいあっても不思議ではないとか。それにしてもあの絶景といい温泉といい、他に替え難いですね。
称名滝は元は15km下流にあって、年10cmずつ後退して今の位置に到っています。とにかく立山の雪と雨の量はハンパではなく、何もかも洗い流され続けて原形をイメージし難い (ところが面白い) 。】

大日岳登山、
【撮影】2日目 12時20分=伊藤 幸司
滝の飛沫がかろうじてかからないあたりにあずま屋とトイレがあったので長めの休憩をしました。もちろんバスの待ち時間を埋めるためです。

大日岳登山、ミヤマシシウド
【撮影】2日目 12時24分=伊藤 幸司
バス停の方へと歩き始めると称名川の右岸の法面(のりめん。道路際の斜面)は野草の楽園のようでした。これはミヤマシシウド。登山者には馴染みの花のひとつです。

大日岳登山、ミヤマシシウド
【撮影】2日目 12時24分=伊藤 幸司
白い花をほとんど無数というべき数つけていて、小さな昆虫が群がっているとひとつの世界を作り上げているように感じます。
この花について『尾瀬マウンテンガイド』というサイトに『ミヤマシシウド』という記事がありました。
【やたらに背が高く尾瀬で存在感抜群のミヤマシシウド。
花塊(花の集まり)も特大サイズで湿原でひときわ目立ちます。
ミヤマシシウドは2m近くまで育つものもあるんですよ。
一年でここまで一気に大きくなるパワーはもの凄いものです。
尾瀬でミヤマシシウドと同じように大きくなる植物はオオウバユリがあります。
この二つの植物はとても目立つのですぐに気がつくと思います。】
【豆知識……
◎極小の花
ミヤマシシウドは一つの花自体は大きさ5mmほど。
小さな花が大量に集まって咲きます。
◎昆虫が大好き
ミヤマシシウドの小さな花の集まりに昆虫が群がります。
たくさん蜜があり昆虫のオアシスのような存在です。
◎観察ポイント
蝶やハナカミキリの観察にピッタリ。
ミヤマシシウドと昆虫観察をセットで楽しみましょう。】
ちなみにこの写真、中央に見える緑色の「花塊」は花の前の蕾なんですかね、あるいは後の種子なんでしょうか。

大日岳登山、ミヤマシシウド、ヒョウモンチョウ
【撮影】2日目 12時24分=秋田 守
称名滝からバス停へと下る。途中、休憩所でトイレタイム。さらに下っていくと、セリ科の花、オオハナウドかなあ、白い花にヒョウモンチョウが優雅に舞い降りて蜜を吸っていた。セリ科はいつまでたっても個別の名前を覚えられない。アマニュウ、ミヤマトウキ、ミヤマシシウド、ミヤマセンキュウ、ハクサンボウフウなどなど。7年前に植物写真の専門家でもある白馬のペンションオーナーにこのあたりの見分け方を教わったのだけど…。

大日岳登山、ミヤマシシウド、ヒョウモンチョウ
【撮影】2日目 12時25分=伊藤 幸司
ミヤマシシウドの花に、蝶が悠然ととまっていました。青山潤三さんの『山の花1200』(平凡社)にある「山の蝶117種」を見ると、これはヒョウモンチョウの仲間のようです。それ以上のことはわかりませんが、『週末がさがさ団』というサイトの『がさがさフィールドノート』に『大酷暑の高原で〜ウスイロ調査に〜 10.7/25』『<2>但馬地方某所 続き』というページがありました。
そこにこの写真とものすごくよく似た蝶の写真が出ていたのです。それによるとミドリヒョウモンかもしれません。まったくの当てずっぽうではありますが。

大日岳登山、アジサイ
【撮影】2日目 12時26分=伊藤 幸司
アジサイの花が、登山道に沿って微妙に変化していくのを追っていくと、小さな変化が面白くなってきます。どうして? どの程度? という理由はほとんどわかりませんが。

大日岳登山、
【撮影】2日目 12時26分=伊藤 幸司
おそらく、相当危険な崖下にこの道路は開かれたのだと思います。でもさすがに観光道路ですから、小さな落石ひとつ、ありませんでした。そしてこんなふうな城壁みたいな法面(のりめん)はあまり多くなくて、内実はともかく緑の壁がこの道の主役ですから、峡谷の風景はどれほど壊されているわけではありません。
ただ。あれほど豪快だった称名川の深い河谷はずいぶん穏やかになっていて、この道路の左側の足元に穏やかな流れがあるだけです。

大日岳登山、カメバヒキオコシ
【撮影】2日目 12時27分=伊藤 幸司
葉っぱの先端が亀のしっぽに見えるとすぐにカメバヒキオコシだと思ってしまいますが、これはどうも亀さんがもぞもぞ蠢いているようには見えません。調べてみるとハクサンカメバヒキオコシというのがあるんですね。見ているうちにそっちみたい、という気分になりました。
『三河の植物観察』の『ハクサンカメバヒキオコシ』を読んでみました。
【カメバヒキオコシに似て、葉先が3裂するが、中央の裂片が太く、鋸歯がある。
茎は4稜形、下向きの短毛が生える。葉は対生し、長さ5〜12㎝、の広卵形、鋭い鋸歯がある。葉先が3裂し、中央裂片が幅広く、鋸歯があり、先だけ細長く尖り、2段になる。葉柄は長く、根元にいくほど狭くなる翼がある。枝先に花穂を出し、唇形花を多数つける。花穂軸の苞葉は卵形。花柄には開出毛が密生する。花冠は青紫色、2唇形、上唇は4裂し、下唇はボート形。萼は2唇形、上唇は3裂、下唇は2裂し、萼歯は上側の萼歯が三角形で、下側の萼歯は短い。2n-24
カメバヒキオコシIsodon umbrosus var. leucanthus form. kameba は葉の中央裂片が細く、鋸歯がない。
タイリンヤマハッカIsodon umbrosus var. excisinflexus は本州(北陸〜東北地方)の日本海側に分布する。カメバヒキオコシの葉に似て3裂するが、3裂しないことも多い。花冠が大きい。】

大日岳登山、登山口
【撮影】2日目 12時28分=伊藤 幸司
私たちが下ってきた登山口まで戻りました。そこには「大日岳登山道」というルート案内図がありました。それによると【登山口→(3.3km/3時間)→大日平→(3.7km/2時間40分)→大日岳→(3.3km/2時間20分)→奥大日岳→(2.7km/1時間40分)→新室堂乗越→(0.9km/30分)→雷鳥平→(1.9km/1時間)→室堂ターミナル】とありました。こちらからの一方向だけの情報ではありますが。

大日岳登山、トリアシショウマ、ヤマブキショウマ
【撮影】2日目 12時31分=伊藤 幸司
トリアシショウマかもしれないけれど、ちょっと繊細な感じかなと思いました。
地元にあるのはどちらか、ということで『立山山麓 植物図鑑』というサイトの『ヤマブキショウマ』に着目しました。
【トリアシショウマと間違えやすい。ヤマブキの葉と似ているからヤマブキショウマと名付けられる。】
【トリアシショウマとヤマブキショウマは、とても似てるんですが科が違うんですよ。とても似てるのにすごく不思議です。】
『ウィキペディア』で『ヤマブキショウマ』を見てみると『似た植物』でトリアシショウマとの違いが詳しく述べられていました。
【葉や花が、ユキノシタ科のトリアシショウマによく似る。
若い芽のうちは、トリアシショウマは茎が赤褐色で毛が生え、茎先が鳥の足状に3つに分枝するのに対し、ヤマブキショウマは、茎が緑色で毛がなく、数段になって分枝する。同じ生育環境で、花期が同じ時期であるため、成長するとまぎらわしい。
ヤマブキショウマは、側脈が平行して葉の縁にまで達し、側脈の平行した様子がはっきりしている点でトリアシショウマやトリアシショウマと同属のアカショウマと異なる。
また、ヤマブキショウマの雌花の心皮は3個であるのに対し、トリアシショウマ、アカショウマは2個である点で異なる。】
……で結局どちらかというと、この写真1枚しか撮っていないのでわかりません。

大日岳登山、
【撮影】2日目 12時31分=伊藤 幸司
私たちはほとんど谷底を歩いているので、弥陀ヶ原の溶岩台地はもう完全に山の上という感じです。

大日岳登山、ヤマホタルブクロ
【撮影】2日目 12時32分=伊藤 幸司
みごとなホタルブクロがありました。ただ、ホタルブクロなのか、ヤマホタルブクロなのかはこの段階ではわかりません。
『山野草を育てるNori&Wako』の『夏の花・山野草の育て方』に『ヤマホタルブクロ(山蛍袋)とホタルブクロ(蛍袋)の違いと育て方』がありました。
【ヤマホタルブクロ(山蛍袋)は、本州(東北地方南部〜近畿地方東部)の山地から亜高山帯、まれに海岸近くに広く分布する、高さ30〜60cmの多年草です。
ホタルブクロは、山野や丘陵に生える高さ40cm〜80cmの多年草で、かなり丈夫な植物ですが、萼片の形を見ることで見分けることが出来ます。
ヤマホタルブクロは、萼片の間の湾入部がふくらみますが、ホタルブクロは萼片の湾入部には反り返った付属帯があります。下の写真を見れば違いが確認できます。】

大日岳登山、ヤマホタルブクロ
【撮影】2日目 12時32分=伊藤 幸司
萼片の間の湾入部がふくらんでいますから、ヤマホタルブクロだと思います。

大日岳登山、オオバギボウシ
【撮影】2日目 12時33分=伊藤 幸司
オオバギボウシだか、コバギボウシだか。やっぱりわかりませんよね。

大日岳登山、ヤマホトトギス、ヤマジノホトトギス
【撮影】2日目 12時36分=伊藤 幸司
ヤマホトトギスなのか、ヤマジノホトトギスなのか、たぶんそのどちらかだと思うのですが、わかりません。
『373773 日々の趣味日記 ゴルフ、家庭菜園、ドライブ旅行などなどの日々の出来事を、思いつくままメモっています』というブログに『ヤマホトトギスとヤマジノホトトギス』(2018-09-06)がありました。
【山でこんな姿(写真)の花を見ると花名は「ヤマジノホトトギス」とばかり思っていました。ところが、他の人のブログやヤマレコなどでは「ヤマホトトギス」とも書かれています。それで、この花は2つの呼び名があるのかな?と思ったりしていました。
一昨日、以前に寒風山でお会いした「花遊び 山遊び」さんのブログを見ていると『ヤマホトトギス……これぞ「山」ホトトギスという形をしているので「ヤマジノ」とは間違わないですね。』と書かれています。
目からうろこで、「違う花なのだ」と思い調べて見ました。同じように見えますが、そう言えばよく見ると違います。違いは
『ヤマホトトギス』……◎花弁が下に下がっている ◎花柱に紫の斑点がある ◎茎の先端に花が咲く
『ヤマジノホトトギス』……◎花弁が水平 ◎花柱に紫の斑点が無い ◎葉の付け根から1〜3個の花が咲く】
けっきょく、どちらなんでしょうか、この写真の場合は。

大日岳登山、ヨメナ、ノコンギク
【撮影】2日目 12時36分=伊藤 幸司
こういう紫色を帯びた野菊を見るとノコンギクとヨメナのどちらを先に言ったほうがいいのか悩みます。
『京都九条山の自然観察日記』というサイトに『ノコンギクとヨメナの違い』(2009年10月11日)がありました。
【ノコンギクとヨメナの花はどちらも淡紫色をしていて,よく似ています。】
というところから始まります。
【それぞれ個体差が大きいので,色や形,大きさはあてになりません。
判別のポイントは,葉の手触りと,冠毛の長さにあるようです。
ノコンギクの葉はざらざらしているのに対し,ヨメナの葉はつるつるしています。
ヨメナは嫁菜とも書き,若葉を食用にするくらいなので,葉は優しい肌ざわりです。
冠毛の長さは,頭花をほぐして,ひとつひとつの花を見るとわかります。
ノコンギクは管状花,舌状花どちらにも,ふさふさの毛がついているのに対し,ヨメナには毛がありません。(正確には,ヨメナには冠毛がない訳ではなく,短いだけのようです)
これも「野」と「嫁」を対比させると,「嫁」は毛深くないということでしょうか。】
とりあえずヨメナについてですが、『四季の花事典 花のすがた・花のこころ』(麓次郎・八坂書房・1985)にちょっと深い解説がありました。
【──有史以前に成立した自然交雑種
由良川の霧とぶ岸の草むらに嫁菜が花はあざやかに見ゆ 長塚節
 強烈な暑い日差しや樹々を吹きぬける風の中に、なんとなくさらっとした爽やかさを感じる盛夏頃から、多少湿気のある畦道、野原や山裾、川岸などに、淡い紫色の頭花をつけたヨメナ(Kalimeris yomena Kitanura)がよく見られるようになる。普通、あまり目立つことなく、つつましく咲くヨメナではあるが、この花にはしっとりとした奥ゆかしい清楚な美しさがあるためか、昔からノギク(野菊)として、かつ春の摘み菜としてことのほか親しまれている植物である。
 このヨメナは本州中部以西、四国、九州に分布するが、特に関西地方に多いキク科(Compositae)、ヨメナ属(Kalimeris Cass.)の多年草で、日本でできた特産種である。北村四郎博士によれば、ヨメナがこの世に現れたのは人の歴史より古い時代であろうとのことである。
 すなわち、地球が寒冷期で日本がまだ朝鮮などと陸続きであった太古の頃、シベリア東部や旧満州などの北国に原生するオオユウガギク(K.incia DC. 染色体数2n=72)が朝鮮を経由して四国や九州、中国地方にまで分布するようになった。しかし、やがて到来した暖期にはこの植物のみならず、北国系の種類の大部分は死滅したが、オオユウガギクの一部は久住や阿蘇などの九州山地に辛うじて生き残った。そしてこの暖期には中国中南部からベトナム、タイ、インド、台湾などに原生分布する南方系のコヨメナ(K.indica Sch.Bip. 染色体数2n=54)が琉球、九州、四国などに伝わってきた。
 その結果、阿蘇や久住の山地に残存していたオオユウガギク(n=36)と、新しく入ってきたコヨメナ(n=27)とが九州山地で自然交雑し、ここに新種のヨメナ(n=63 ←36+27)が出現した。それでも発生的には、ヨメナは比較的新しい雑種起源の種であると想定されている。これでヨメナの発祥は九州とほぼ九州とほぼ決したが、その当時日本は大陸から離れて孤島となっていたのか、古い大陸にはヨメナは伝播しておらず、真の日本特産種となっている。現在中国の上海地区などに生えているヨメナは近世に日本から入ったものである。
 とにかくヨメナは最も普通にある丈夫な雑草で地下茎を伸ばしてよくふえる。草丈は40‐120cm、上部でよく分枝する。葉は互生し、長さ8−10cm、幅3cm内外の卵状長楕円形で縁には粗い鋸歯がある。質はやや厚く、上面の縁にわずかに毛があるほかはほとんど無毛で、ざらつかず、光沢があり、緑色で多少紫色を帯びる。花期は7‐10月頃までと長く、頭花は小枝の先に1個つく。花は普通、淡紫色であるが、生育地その他によって濃淡が見られ、雅味もなかなか豊かである。
一二りん活けてゆかしき嫁菜かな 澄泉】
京大系植物学者で京都府立植物園の元園長の筆者の解説はまだまだ続くのですが、きりがありません。
とにかく、この写真だけではヨメナかノコンギクか、よくわからん、というこのようです。

大日岳登山、シモツケソウ
【撮影】2日目 12時36分=伊藤 幸司
シモツケソウもフレッシュな花を咲かせていました。シモツケとシモツケソウもヨメナとノコンギク同様、花だけでは区別がつかないのですが、葉っぱが大きく違うので(私にも)一度覚えれば区別できます。
『山の花1200』(青山潤三・平凡社・2003)にはそのそっくり度がうまく書かれています。
【シモツケとシモツケソウほど紛らわしい存在も、そうそうないと思う。ともにバラ科だが、シモツケはシモツケ亜科、シモツケソウはバラ亜科に属し、類縁的には相当離れている。シモツケソウの名はシモツケ(下野=栃木県に由来するが、特に下野地方に多いというわけではない)に似た草本、ということでつけられたもの。しかし草本とはいっても草丈は高く、むしろ低木のシモツケを凌駕するほどである。両者は開花期も生育環境もよく似ていて、隣り合って生えていることも少なくない。】

大日岳登山、
【撮影】2日目 12時39分=伊藤 幸司
降り出した雨の中、まだバス停は見えてきません。

大日岳登山、
【撮影】2日目 12時54分=伊藤 幸司
雨の中、ようやくバス停にたどり着きました。見上げた空はこんな感じ。もう天気がどうなろうと構わない気分ではありましたが、ドラマチックではありました。

大日岳登山、悪城の壁
【撮影】2日目 12時59分=伊藤 幸司
称名滝バス停のところにある称名平休憩所は雨宿りに絶好でしたが、2階にはささやかな展示もありました。
そこに悪城の壁(あくしろのかべ)の解説がありました。
【悪城の壁……溶結凝灰岩がつくり出した高さ500mの日本有数の大岸壁。黒っぽい岩肌は斜長石や黒雲母、角閃岩の斑晶を持つ安山岩から成り立っています。
上部には、なだれの雪食地形があり、鍋底状にけずられた大きな階段のような形をもち「二階」と呼ばれています。ここには柱状節理の露頭が見られます。
下流に広がる「惶性寺の壁」と合わせると、約8.6kmもの巨大な断崖を形成しています。】
もうすこしわかりやすい説明が『いこまいけ高岡』の『悪城の壁』にありました。
【悪城の壁(あくしろ の かべ)は、古立山火山の噴出で形成された溶岩台地(弥陀ヶ原)を氷河と称名川の浸食作用によって10万年の歳月を掛けて造られたと考えられています。「悪城の壁」全体が、溶結凝灰岩で出来ており、横方向2キロメートル・高さ500メートルもあります。一枚岩の大断崖としては日本一と言われています。所々には「材木岩」と呼ばれる柱状節理石があります。悪城の壁という名前は「とても恐ろしく、砦のように人を寄せつけない崖」という意味で名付けられたと伝えられています。
称名滝へ向かう県道立山称名線の途中(立山有料道路・桂台料金所から約1.5km、称名平バス停から約1km)にあります。車で走ると「あ〜険しい山だな」と素通りしてしまいがちですが、称名滝探勝バスの「悪城の壁バス停」に隣接して悪城の壁展望台(駐車場併設)もあり一見の価値があります。10月中旬から下旬の紅葉の時期が特に見ごたえがあります。】
たぶん「ジャストここ」ではないと思いますが、このあたりに悪城の壁は見えていたのだと思います。

大日岳登山、称名滝探勝バス
【撮影】2日目 13時00分=秋田 守
11時10分の後は13時5分発までバスの便がなかった。おかげで称名滝をゆっくり見ることができたから良かった。バスに乗り込む頃には雨が降り始めていた。下山中に降られずに済んで本当に良かった。今回もお天気には恵まれた。同じバスに、朝ご飯も食べずに出発していった大日小屋に宿泊していたグループも乗っていた。相当な余裕を持って下山したんだな。ご無事で何より。称名滝探勝バスはここから15分で立山駅まで結ぶ。運賃500円。

大日岳登山、立山駅
【撮影】2日目 13時23分=伊藤 幸司
称名滝の登山口に下ったのが11時10分、立山駅と称名滝を結ぶ路線バス「称名探勝バス」の発時刻でした。1日7本あるそのバスの次の発時刻はおよそ2時間後の13時05分。いずれにしたって称名滝を見ずに帰るわけにはいかないので、滝のところで考えようと展望台に向かったのです。
バスの所要時間は15分ほどですから、いざとなれば歩いたって行ける距離です。タクシーも1台あればピストンで4往復してもらえばいいだけなので、どうにでもなると考えていたのですが、そうは問屋がおりませんでした。立山駅で配車可能なタクシー会社2社に連絡すると、どちらも車を動かせられないとのこと。行くとなるとめっぽうな時間と、驚くべき料金がかかるという。要するに立山駅にはタクシーが配車されていないような気配なのです。しかたなく私たちは称名滝で時間をたっぷり使ってバス待ちの2時間を使ったのです。
富山地方鉄道の立山駅を出たのは13時33分、約1時間で富山に出ました。

大日岳登山、立山駅
【撮影】2日目 13時23分=秋田 守
立山駅で列車を待っていると、14760系の2両編成が入ってきた。折り返し運転。この車両は40年ほど前に製造されたものらしい。製造当時は名車の誉れ高く、鉄道友の会のローレル賞も受賞したという。加速性能がすぐれていると評判だったようだ。左奥に見えるのは東急大井町線で走っていたオールステンレス製の車両。他には西武鉄道レッドアローや、京阪電鉄の車両などが今も活躍しているようだ。車両の追っかけを趣味にしている人もいる。

大日岳登山、
【撮影】2日目 16時02分=秋田 守
富山までいったん出て、タクシーに分乗して、アパホテルに併設されている天然温泉サウナスパックスへ向かった。驚いたことに同じバスに乗っていた大日小屋同宿の早発ち組も同じ温泉にやってきた。ちょうど65歳以上は500円になるサービスデイ。ぼくは少々サバを読ませてもらった。温泉もサウナもよかったが、汗を流して着替えしてさっぱりした後に、リクライニングシートがずらり並んだ部屋で湯あがりのビールを呑めたのが一番良かった。

大日岳登山、
【撮影】2日目 16時27分=秋田 守
食事は駅前の廻転とやま鮨。立山から富山に向かう列車から電話であらかじめ予約しておいた。小さな店だったが、2つのテーブルにぎりぎり13名着席。飲み物は、地酒飲み比べ呉西三種にした。砺波市の若鶴酒造、茜加屋(のうかや)。五箇山の三笑楽。氷見市高澤酒造所、曙。右から順に並べたが、この順番で気に入った。富山では、曙は蔵が海際にあるため「海の酒」、対して五箇山の三笑楽は「山の酒」と呼ばれているとは、帰宅後知った。

大日岳登山、
【撮影】2日目 16時28分=伊藤 幸司
富山に出て、タクシーでアパホテル富山で入浴、そこで食事場所を探したのですが、時間が中途半端なうえにこちらは13人という大人数、候補リストの上の方からどんどんだめになって、富山駅南口の廻転とやま鮨に。昼営業と夜営業のちょうど変わり目でスタッフ不足の感はありましたが、半貸し切り状態で盛り上がることができました。

大日岳登山、白えび
【撮影】2日目 16時32分=伊藤 幸司
これは廻転とやま鮨の「白えび」。1貫700円を3貫注文して豪快に食べてみました。これにつらなる「白えび」報告は20時09分の写真のところで。

大日岳登山、白海老
【撮影】2日目 16時41分=秋田 守
富山湾スペシャル三種、980円。ほたるいか沖漬け、白海老、ズワイガニ。白海老、美味しい。コーチは白海老を3皿もとってたけど。こういうのは一口、ちょっと食べるから有難味があると思うのだが。ま、人それぞれだから、いいけど。あとは、店長おすすめ三種(がんどぶり、生タコ、飛魚)、富山活貝三種、氷見イワシ、バイガイ、煮穴子などを美味しくいただいた。最後に、鮨じゃないけど、白海老コロッケを。白海老のいい香り。満足。

大日岳登山、
【撮影】2日目 17時01分=伊藤 幸司
みなさんかなり豪快に食べていましたが、さすがに富山の回転寿司、一口ごとの満足感があって、しかも最後の支払いのところではけっこうなお得感。私はここで出たガリを土産にしましたがさすが昆布消費量日本一の富山のガリ、という感じで東京都民には絶好評でした。

大日岳登山、
【撮影】2日目 17時01分=伊藤 幸司
我がグループのお姉さま方も、色とりどりの皿を重ねていました。

大日岳登山、ゲンゲ干物
【撮影】2日目 17時46分=秋田 守
駅前の廻転とやま鮨を出て、富山駅へ向かう皆さんと別れて、ぼくと若井さんは、駅前ビル地下にある「ちょい呑みあらさん」という店に向かった。半円形のカウンターのみの小さな店だった。10席ちょっとぐらいだったか。ザックはコート掛けみたいなハンガーの根元に並べて立てかけた。メニューを見て、ゲンゲ干物を注文。実は富山駅前には4年前まで戦後の闇市時代を彷彿させる飲み屋街の一角が残っていて、行きつけの店があった。初音という店。昔から京大山岳部の溜まり場だった。能登には30年近く前から年に数回通う宿があり、能登空港が開港する前は、小松空港からレンタカーで行くのが一番便利だったが、初音に寄りたいがためにわざわざ富山で1泊することも多かったほど。カウンターの上には自家製の柚餅子がたくさんぶら下がっていて、それらはお酒のボトルをキープするように常連さんがキープしている柚餅子だった。店が消えると知って、閉店少し前の冬に訪れたのが最後だった。話がどんどん脱線するが、その初音でよく食べていたのがゲンゲ汁とゲンゲ干物。ゲンゲとはノロゲンゲともゲンゲンボウともミズウオとも日本海各地で呼ばれる深海魚で、身は透明なゼラチン質でぷるぷるしている。輪島で初めてノロゲンゲの汁を食べたのは、もう35年以上昔のこと。輪島の重蔵神社で地元の男たちが郷土料理を作って食べる会を取材させてもらった時のこと。輪島塗の椀に、透明なゲンゲのぶつ切りと葱だけを具にしたすまし汁。その味わい深さに驚いたことをはっきり覚えている。この干物は、噛むとじんわり海の旨味が滲み出る逸品。砺波市の銘酒、太刀山を合わせたが、深く沁みるマリアージュ。

大日岳登山、みぎすのすり身揚げ
【撮影】2日目 17時48分=秋田 守
ちょい呑みあらさんでもう1品頼んだつまみは、みぎすのすり身揚げ。いい香り。ぶるんとした食感もいいねえ。店の酒はすべて富山県内の酒。富山の酒と言えば、立山、銀盤、満寿泉、勝駒、成政など。それらは呑んだことがある。これまで呑んだことがなくて濃いめの酒をと店主にリクエストしたら太刀山を最初に勧められ、次のお勧めが魚津の北洋だった。これは呑みやすい。言い換えるとやや物足りない。まあ、でも悪くはない。
さあ、そろそろこの店で出会った人の話へと繋げていこうか。店に着いた時、他に客はいなかった。半円形カウンターのほぼ真ん中に二人で並んで坐った。間もなく、老人がひとり来て、空いてる席は他にたくさんあるのに、わざわざぼくの隣に座った。その瞬間は正直、嫌だなあと思った。物語はここから始まる。

大日岳登山、
【撮影】2日目 18時11分=秋田 守
「ジローと呼んでくれ」
名前を尋ねたら、昭和3年生まれというジイさんはそう答えた。
「極楽トンボやで」
仕事は何をしていたのかと訊いた答がそれだった。
酔いどれの耄碌ジイさんかと初めは思ったのだが、話せば話すほど、格好いいのだ、このジイさん。
ぼくたちが置いた山のザックと山の出で立ち姿を見たからこそ、わざわざ隣に坐ったのだと、話し始めてすぐに分かった。どこへ行ってきたのかと訊かれたから、室堂から大日岳へ行き大日小屋に泊まって称名滝へ下りてきた、と答えると、
「ほう、そうかね」
と実に嬉しそうに目を細めた。
昔から山男で大日小屋へはよく通ったという。小屋のオーナーがギター職人というのはこの人から教えられた。
昔は称名滝の近くに山小屋があったという。そこにもよく通ったそうで、ある時、泊まっていた客が、称名滝の小屋から弥陀ヶ原へ登って室堂を経て、大日岳を登り称名滝まで日帰りで歩きたいと言ったそうだ。時間がかかるからと心配して、一緒に付き合って歩いたいうから凄い。若井さんが、初日に弥陀ヶ原から室堂まで歩き、翌日、奥大日から大日小屋へ、最終日に称名滝へ下りてきたと話したら、それはそれは、と反応して、その昔話をしてくれたのだ。3日がかりのルートを日帰りで歩いてしまうのだから、その健脚ぶりにびっくりしてしまう。ジローさんは小柄でスリムな体つき。どこにそんな体力があるのか。
昭和30年頃、近所に住む金持ちの年寄りから、もう先も短いから金はどれだけかかってもいいから、正月に富士山に登らせてくれと頼まれたそうだ。その時に一緒にその人を担いで登ったのが、翌年昭和31年に第一次南極観測隊に参加した佐伯富男さん。ちなみにこの観測隊には立山のガイドとして活躍していた芦峅寺5人衆が参加。全員佐伯姓だ。で、ジローさんも実は佐伯姓。なるほど、山に強い訳だ。正月富士登山サポートは無事に成功し、ご褒美はどこでも好きな所へ行ってスキーをしてこいだったそうだ。
ジローさんが美味しそうに呑んでいるのは吉乃友だった。あ、大日小屋で呑んだ酒だ。いろんなものが繋がってるなあ。ぼく達も最後の1杯を吉乃友にして、ジローさんにも面白い話のお礼に1杯差し上げた。
息子さん達は東京の実業界で活躍されているそうで、令和になってから孫が二人生まれたそうで、近々、東京に孫の顔を見に行くのだと顔をほころばせた。
ジローさんの話、改めてもう一度会いに行って聞いてみたいなあ。1冊の本が書けるはず。誰か物書きを唆そうかな。眠っていた編集者魂がむくむく湧き起こってきた。

大日岳登山、
【撮影】2日目 19時54分=秋田 守
富山から、19時37分発かがやき516号に乗り込んだ。若井さんは遅い時間の指定席を取っていたので、変更。ぼくの隣席はふさがっていたので近い席に。キオスクで〆のワンカップ立山を購入。臨席には外国のビジネスマン。席を替わってもらえないかと頼むと、いいよと即答。ありがとう。先ほどのジローさんの興奮冷めやらぬまま二人で最後に盛り上がった。若井さんは大宮下車、ぼくは席を替わってくれた人にお礼を言って上野で下車した。

大日岳登山、白えび
【撮影】2日目 20時09分=伊藤 幸司
私は長距離の移動には夜行バス(できるだけいろいろな会社のもの)を使うようにしています。新幹線で帰る皆さんを送ってから「富山の白えび」に関する私なりの体験をもうひとつ、ということで、駅ビルの大衆的な白えび専門店で閉店間際に時間をとって夕食としたのです。
そのレポートを翌日にはホームページに載せました。以下はその全文です。
【「大日岳」のみなさんへ
*お疲れ様でした。
*「廻転とやま鮨」は本格営業前ゆえにスタッフ不足・廻転なしのドタバタでしたが、それもけっこうおもしろく、なんだかあれが「富山ふう」と誤解されそうな楽しい体験だったように思います。
*じつはあれ、旅の達人コンビ(若井・秋田)に急遽お願いした結果の3番手でした。一番は駅ビルの「八兆屋」若井さん太鼓判の居酒屋ですがすでに満席でとても無理、二番手はやはり駅ビルの「廻る富山湾すし玉」でしたが、予約不可で13人が並んだらいつになることやら。そして駅前で1130-2100営業の「廻転とやま鮨」にあたってみたら「どうぞどぞ」ということだったそうです。
*結論からいえば17時からの夜営業までのつなぎだったということのようです。私は湯上がりにタクシーにいうべき行き先を確認しようとしたところ、その電話に出た若い衆はそこが「南口」かどうか奥に確かめるという怪しげな状態でした、ひとりで頑張っていたあのお兄さんです。
*私はこれまで富山で何度か「白えび」の味を知りたいと思って、たとえば雨飾山のあと、夜行バスの乗るために富山に出て「すし玉」にも行きましたが、なんとも残念なことにわかりません。
*今回、もしチャンスがあったら「白えび」の味がわかるかどうかを第一目標にしたいと考えていたので、回転寿司になったのはラッキーでした。というわけで、1貫盛りで700円ぐらいの白えびを3皿並べて一気に食べました。
*けっきょくわからずに、軍艦巻きにしたとろろ昆布が記憶に残っただけでした。佐渡や新潟でしつこくのどぐろに挑戦したときにも痛感したのですが、同じぐらいわかりませんでした。舌に自信があるわけでは、もちろんないのですが。
*1630からわずか30分のすしフェスティバルが終わってみなさんと別れたら、スタバに行って、22時の閉店まで、夕食の30分をはさんで正味4時間半近くここ何年もできなかった考えごとをA4判4ページ分やりました。うれしい時間でした。
*……で報告なんですが、私のレストラン候補にあった駅ビルの「白えび亭」に行ったのです。どこの駅ビルにもあるラーメン屋みたいな店で、21時までというので夕食はそこの「白えび刺身丼」と決めていたのです。
*500円? 600円? ……とんでもない1,980円で「白えび約90尾使用」です。廻転とやま鮨では白えびを見た若井さんが「20尾いる? いないかな?」でしたから3貫合わせて60尾というところ、その3貫とほぼ同じ値段で90尾ですから、安いのでしょう。
*せっかくなので700円ほどの「白えびから揚げ」ももらうと、刺身とから揚げで丼の具としてはちょうどいいくらいという量でした。つまり白えびだけで丼を食べたら最後のご飯の食べ方に苦労したという感じ。
*そういう意見が多いのでしょう、牛丼の特盛みたいな「白えび刺身丼スペシャル」というのがあって「白えび約200尾使用」でなんと3,980円なんです。駅ビルのラーメン屋みたいな店で。……でもそれぐらいの値段でないと「白えびで満腹」にはならないのだと(勝手に)思った次第です。
*もちろんそんな値段を払うのならほかに使いようがあるわけで、あの小さなエビの味を私のような舌ではとても無理……と考えたものの、けっきょく合計150尾ほどに4,000円ほど使ったことになるのです。……終わり!】



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