体感温度ってなあに? その2
「日向」と「日陰」と「木陰」の実感

────2010.7.7(「新しいプランターの会」伊藤知恵)






新小金井街道に面しているリストランテ大澤(イタリアンレストラン)の庭は私のフィールドワークの場所の一つです。

この庭とこの庭に面している二本の道路も私の管理する場所となっています。この庭には週に二日間、年間を通して通っていますので、ここで体感している暑熱感について写真を(現場)を見ながら具体的にお伝えします。


実線がレストラン、点線が管理の範囲(食堂棟と蔵を除いたレストランの面積は約364坪、新小金井街道側の道路約101坪、裏通り約97坪で合計約1854平方m)

2010年4月6日
1時頃の写真です。桜の花びらはそのまま散らしておくことにしています。まだ葉は芽吹きだしたところですが、新緑の頃にはこの道は緑陰で覆われます。


芝生、玉砂利、大谷石、石の通路、日向、緑陰……いろいろな場所の体感温度が体験できる庭です。

2010年3月3日
樹齢200年とも言われる白梅をはじめ沢山の梅がその香りを漂わせます。

2009年12月2日
[左]食堂側から見た秋の庭、右奥には築山があり、そこには欅(ケヤキ)や榧(カヤ)、藪椿などの大木があります。夏には樹木の蒸散によって冷気が降りてきます。
[右]窓ガラスに映っている紅葉。


この日の最高気温は23.6℃です。中等度の竹箒で掃く労作量(代謝当量)ですら、日向は暑く感じます。


2010年10月13日
2時頃の写真です。偶然手前の木陰と日向に落ち葉を集めていました。真夏の日差しと違い、桜の幹がより長い陰を落としています。この日の最高気温は23.6℃でした。この日も日向に立つと汗がにじみ出す程に暑くて辛い程で、日向の落ち葉だまりを移動させてから落ち葉を取りました。
丁度、箒が置いてあるあたりは桜の枝がないところで、真夏にも日陰ができません、最高気温が35℃や37℃の夏日にはジリジリと暑く一刻もいられないほどの暑さ(暑熱感)でした。真夏のここの「日向」と「緑陰」とには天国と地獄ほどの差がありました。


涼しそうにみえる写真ですが、とてつもなく熱いのです。
2009年8月12日
[左]真夏には日陰がなく大谷石も岩も敷石も高温でジリジリと焼けています。素手では到底さわれません。
[右]周囲に沢山の樹木があっても頭上に緑陰がなければ夏の直射日光は人を消耗させます。熱射病との戦いです。

国土交通省の屋上での計測によれば。
焼き物の温度は44.5℃ 平成20年8月9日
タイルの温度は56.1℃ 平成19年8月16日
ちなみに、木材の温度は瞬く間に50℃〜60℃以上になります。
芝生で人が感じる暑さは木陰の4倍の暑さです。芝生の上だからといっても涼しくはありません。


周囲から受けるすべての放射熱量が体感温度になります。

[左]2010年8月9日
樹木が側にあっても芝生で感じる暑さは木陰の4倍、それを実感します。アスファルト上と変わらないのです。
[右]2010年9月22
坪庭。日陰と日向の過ごし安さの違いは同じです。

[左]2010年4月13日
2010年の夏は石はより蓄熱し、地面は乾いて一日中水をやっていました。
[右]2010年9月1日
11時半の開店間際に門から続く黒い玉石に水をかけてお客様を迎えます。一番乗りの蝶が水飲みにやってきます。


植物の蒸散作用は天然のクーラー・冷気だまりができます。

[左]2005年7月23日 路地の奥
[右]2009年5月14日 路地の全景

[左]2010年2月23日
[右]2009年6月25日
路地の写真です。路地の奥にはイロハモミジの大木が大きな樹冠を広げています。塀と生け垣に囲まれたイロハモミジの下は葉の蒸散によって生まれる冷気が降りてきて冷気だまりを形成しています。


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