リストランテ大澤の庭
<水生植物の植えこみ>と<メダカの引っ越し>

────2011.3.16(「新しいプランターの会」伊藤知恵)

水鉢にヒツジグサ、ゴクヒメガマ、ウリカワを植えました。
小金井市の新小金井街道沿いにあるイタリアンレストランのリストランテ大澤の庭は私のフィールドワークの場所の一つです。2003年に鈴木庭苑の鈴木貴博さんに誘われて草取りを始めたのがはじまりで、2007年からは毎週2日間通っています。
リストランテ大澤の庭では2010年になってから数回に分けて改造されました。3月には車椅子の通れるスロープを造り、4月には坪庭の改造を行い、11月には食堂棟前に落葉樹と山野草の丘がつくられました。それにともなって昔からあった外径86cm、内径69cmの水鉢への植え込みです。


リストランテ大澤の車椅子のための路地の脇に置かれた水鉢です。一昔前には身近に咲いていた水生植物を菊鉢に植えて沈めました。


用意をした水生植物です。前列の3ポットがウリカワ(瓜皮)、後列の大きなポットがヒツジグサ(羊草)、後列の右側がゴクヒメガマ(極姫蒲)です。


白い花の見えるのがウリカワです。水田、日本全土10cm〜20cm、花期は7月〜9月、オモダカ科オモダカ属。この写真は杉並区の荻窪駅近くにある「あんさんぶる荻窪」(杉並環境情報館)にある4階屋上のビオトープで2010年4月25日に写したものです。


マクワウリの皮を縦に剥いた様な形状の葉から、『瓜皮』の名がある。


ゴクヒメガマ(極姫蒲) 改良品種らしい。40cm位、穂は5〜7月、ガマ科 日本にはガマ、コガマ、ヒメガマの3種類のガマが自生する。
ガマは花粉が傷薬・火傷薬となり、漢方薬では「蒲黄」(ほおう)と呼ばれている、外用で傷薬となり、内服すると利尿作用、通経作用があるとされる。
「ガマの油」とはこの花粉を軟膏にしたもので、良く言われる「蟇蛙が自分の姿に恐れをなし、油をタラリ……」ではない。さらに筑波山付近で蟇蛙(ヒキガエル)が特に多いという事実もない。薬効については遥か古代から知られていたようで、古事記にある「因幡の白兎」では、シロウサギがだましたワニ(鮫の古語)に皮を剥ぎ取られた際に治療に用いられたのが本種である。(「日本の水生植物環境省レッドリスト2007」「四季の花事典」による)


ゴクヒメガマの穂

ミツバチは植物各種の蜜や花粉を食料にして生活しているが、上記三種の蒲黄は養蜂の飼料としても利用されている。(「四季の花事典」より)



日本全国の池や沼に広く分布している。ヒツジグサは、スイレン科スイレン属の水生多年草。花期は6月〜11月。地下茎から茎を伸ばし、水面に葉と花を1つ浮かべる。花の大きさは3〜4cm、萼片が4枚、花弁が10枚ほどの白い花を咲かせる。



未の刻(午後2時)頃に花を咲かせることから、ヒツジグサと名付けられたといわれるが、実際は朝から夕方まで花を咲かせる。



先ず、水鉢の中からホテイアオイを取り出しました。



金魚藻と一緒にすくいだしたメダカ。真冬の引っ越しで雪が降る日もあって、バケツの中に避難させたメダカは蔵の中で16日間を過ごしました。



菊鉢に植え込むことにしました。7号鉢にはウリカワとゴクヒメガマを植えて、5号鉢にはヒツジグサを植え込みました。



植物ごとの好みの水深に合わせるために、格好な土台を見つけました。先日まで庭のライティングに使っていた筒状の陶器です。



ヒツジグサは水深が20cm、ゴクヒメガマは水深10cm、ウリカワは水深3cmほどです。高低差あわせが大変でしたが、丁度良い土台となりました。



植え込み完了。写真を撮り忘れてしまいましたが、植え込み用土は荒木田土が5に対して赤玉土の小粒を1の割合で混ぜたものを三種類全部の植物に使用しています。



水鉢の水温とメダカのいる水温合わせ。雪が降って水鉢の水温が下がりメダカの引っ越しをためらっていましたが、気温が緩んできた日にメガカの引っ越しをしました。昔、金魚やさんに教えていただいた金魚がすぐに死なない方法を行いました。気温の上昇と共に水温が上がってきました。計測をするとメダカのいるバケツの中の水温とほぼ同じになっていました。ビニールの袋にバケツの水と一緒に入れたメダカを水鉢の中にしばらく浸しておくと、メダカは風邪を引かないというのです。



中央奥の緑色が金魚藻、慣れ親しんでいるメダカのために入れました。メダカを放しやっと完了。最近は3匹とも日が射すと水面近くへ出てきて泳いでいます。


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