緑のカーテンはエアコン節電の決定版────1
  伊藤知恵(新しいプランターの会/株式会社マップ研究員)────2011.4.10

緑のカーテンは、その「遮熱効果」と「打ち水効果」が真夏の日中に最大出力となる精密な冷却装置となります。体感温度計(WBGT)で計るとその効果の大きさに驚きます。


2006.9.16撮影
●板橋区役所の壁面に株式会社マップがマップ式プランターを並べてつくったヘチマの緑のカーテンです。
●植物の吸水分だけが自動的に給水される仕掛けのプランターで、ここに並べたのは90cm×90cm×高さ34.5 cmのプランターです。
●奥にヘチマが植えられており、手前には稲が植えられて、秋には重い稲穂が見られました。
●高さが15.5m、幅が9.6mで緑化面積が145平方メートルのサイズでした。苗を植えたプランターの面積はたったの7平方メートル弱です。土地の限られた都会向けの緑化法ですね。
●板橋区役所が発表した効果によると、緑のカーテンの日向側と日陰側の気温差は8月の平均で8.8℃、カーテンを設置している部屋としていない部屋の室内温度差は5.0℃だったそうです。
●詳しいデータをご覧になりたい方は板橋区役所ホームページへ。



緑のカーテンは精密なグリーン・クーラー
●原子力発電所の事故のために、今夏には大規模な節電が
求められるといいます。
●ヒートアイランド現象や空気汚染の観点から
「もっと都会に緑を」という思いを抱いて過ごすうちに、
いつの間にかそれを仕事とするようになって10年になります。
●私はいま、この夏こそ「緑のカーテンをつくりましょう」と
呼びかけなければならないと強く思います。
植物たちが水を蒸散させる「グリーン・クーラー」機能を
利用させてもらうためです。
●太陽光と水と肥料があれば
自ら成長しつつ「打ち水効果」を発揮する植物たち、
とくにつる植物は植え付け面積が狭くとも
広い面積の緑化を実現してくれます。
●また窓辺や壁面を覆って
建物の蓄熱素材を高温にしない働きをします。
海岸の砂浜を素足で歩くあの熱さが
コンクリートやアスファルト、敷石やタイルに溜め込まれるのです。
ウッドデッキもすぐに60℃を超えることは案外認識されていません。
●植物の葉の蒸散作用で窓辺の空気は冷やされ、
通り抜ける風も涼しくなります。
茂った葉陰がそこにあると体に感じる「涼しさ」が生まれます。
輻射熱を加えて計る体感温度計を用いると
緑のカーテンの冷却効果ははっきりと示されます。
●緑のカーテンの場合、できるだけたくさんの水を根から吸い上げ、
活発な光合成活動をして水を葉から蒸散してもらいたいから、
日差しの強い日中にこそ、土の水枯れを起こさないように、
十分な水の補給をしてやるべきなのです。
その水をどんどん吸い上げることのできる元気な根を
育ててあげるということも重要なポイントになります。


緑のカーテン3タイプ
【1】団地サイズのベランダで自作する場合
*1.8m幅の緑のカーテンとしての予算(材料費)は約16,000円。
・プランター ────2個で約3,000円
・ネット────オーダーメードで約5000円(寸法は10cm単位)
・土────野菜と花の培養土・腐葉土・鉢底用石・籾殻燻炭など約5,000円
・肥料・苗────約3,000円
*土の保水性を高め、植物の吸水量を高めるためには土の量が重要です。
*植物の葉が茂るほど葉からの蒸散が増えて、涼しさを生み出します。
なるべく梅雨明けの頃までには豊かな緑を茂らせておきたいのです。
*培養土はPH6.5〜6.8の調整済みの物を購入してください。
未調整かつ廉価な培養土は使用しないようにご注意。
*縁かがりをしたシルバーグレーのオーダーメードのネットは「新しいプランターの会」で取り扱っています。作業にうかがう場合は職人1人あたり半日=15,000円、1日=25,000円です。

【2】マップ式プランター(ネット幅1.8m)
*90cm×60cm×高さ34.5cmのプランターを2個並べて、ネットを張り、
電気を使用しない24時間自動水やりのシステムを整えます。
そして次年度以降主力となるつる性落葉樹
(ブドウ・サルナシ・バラ・フジ・クレマチスなど)も植え込んでいきます。
*東京周辺では「新しいプランターの会」で設計・設置・メンテナンスを行っております。個々に見積りを出させていただきますが目安としては約20万円です。

【3】本格的なビル対応・緑のカーテン *設置・維持管理は株式会社マップが行います。

★メールはこちらへ 新しいプランターの会・伊藤 知恵chie-ito@mbp.nifty.com


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