緑のカーテンはエアコン節電の決定版────3
  伊藤知恵(新しいプランターの会/株式会社マップ研究員)────2011.4.10

緑のカーテンは、その「遮熱効果」と「打ち水効果」が真夏の日中に最大出力となる精密な冷却装置となります。体感温度計(WBGT)で計るとその効果の大きさに驚きます。


2009.8.20撮影
●杉並区役所の南側壁面でヘチマが28mの屋上まで届いた日本最大級の緑のカーテンです。
●一般的なビルだと、9階建ての屋上にまで届いたことになります。9月の写真ですが、みずみずしい葉をご覧下さい。
●マップ式プランターは植物が吸水した分だけすぐさま自動的に補充していくので、給水量と給水する時間を記録すると植えられている植物が自身で管理している給水量がわかります。マップ式プランターでは土の湿り加減は常時一定ですから、真夏の昼の日差しの中でも葉がしおれることもなく生き生きとしています。
●生き生きとしたこのカーテンの前を通りかかったご婦人に「田舎の緑を思い出しましたよ…。」と話しかけられました。
●圧倒的なこの緑のもたらした効用が杉並区役所のホームページと、製作者である株式会社マップから発表されています、私のまとめた「体感温度ってなあに? その1」「体感温度ってなあに? その2」もここに記載いたします。

■杉並区役所・緑のカーテン2010
■マップ式緑のカーテン
■体感温度ってなあに? その1植物のつくる潜熱──伊藤知恵
■体感温度ってなあに? その2「日向」と「日陰」と「木陰」の実感──伊藤知恵




緑のカーテンは精密なグリーン・クーラー
●原子力発電所の事故のために、今夏には大規模な節電が
求められるといいます。
●ヒートアイランド現象や空気汚染の観点から
「もっと都会に緑を」という思いを抱いて過ごすうちに、
いつの間にかそれを仕事とするようになって10年になります。
●私はいま、この夏こそ「緑のカーテンをつくりましょう」と
呼びかけなければならないと強く思います。
植物たちが水を蒸散させる「グリーン・クーラー」機能を
利用させてもらうためです。
●太陽光と水と肥料があれば
自ら成長しつつ「打ち水効果」を発揮する植物たち、
とくにつる植物は植え付け面積が狭くとも
広い面積の緑化を実現してくれます。
●また窓辺や壁面を覆って
建物の蓄熱素材を高温にしない働きをします。
海岸の砂浜を素足で歩くあの熱さが
コンクリートやアスファルト、敷石やタイルに溜め込まれるのです。
ウッドデッキもすぐに60℃を超えることは案外認識されていません。
●植物の葉の蒸散作用で窓辺の空気は冷やされ、
通り抜ける風も涼しくなります。
茂った葉陰がそこにあると体に感じる「涼しさ」が生まれます。
輻射熱を加えて計る体感温度計を用いると
緑のカーテンの冷却効果ははっきりと示されます。
●緑のカーテンの場合、できるだけたくさんの水を根から吸い上げ、
活発な光合成活動をして水を葉から蒸散してもらいたいから、
日差しの強い日中にこそ、土の水枯れを起こさないように、
十分な水の補給をしてやるべきなのです。
その水をどんどん吸い上げることのできる元気な根を
育ててあげるということも重要なポイントになります。



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