★0128-29「冬の蔵王の本当の魅力を知った日」
▲蔵王 2006




★0128-29「冬の蔵王の本当の魅力を知った日」蔵王=2006
 糸の会では、小屋泊まりを毎月実施することにしていて、冬も、雪遊びレベルではあっても雪山を楽しむ計画を立てることにしていました。北欧型のテレマークスキーが流行ったときには、そのブームの中心が「北八ヶ岳」にもあったので、麦草ヒュッテにお世話になるなどして、超初心者向けの歩くスキーを「転ぶスキー」として楽しんでもらいました。
 その後MSRという会社のコンパクトなスノーシュー(DENALI CLASSIC)なら私たちに向いているとわかって、買える人には買っていただくとお願いしつつ、大胆にも最悪の気象状況を狙った樹氷の八甲田山が定番となるなどしたのです。当然、蔵王の樹氷も見てみたいということになった、というのがこの段階。
 じつはスノーシューまで購入するという人がまだ少なかったのでレンタルを探してみたのですが、2日借りるとけっこうな金額になります。それに対して観光協会が「かんじき」(日本古来の輪かんじき)を1日500円で貸し出してくれるというので、それを利用させていただくことにしたのです。
 冬の蔵王は、高校生のときにスキーで来たことがありました。ロープウェイの山頂駅から樹氷のなかに入り込んで自由に滑れるというすばらしいスキー場だと思いました。ところが今回来てみると、スキーヤーはゲレンデから出てはならず、観光客や登山者はスキーゲレンデに立ち入ってはいけないというルールが確立されていたのです。
 そこで私たちは「やむなく」、広大な斜面に広がる白いモンスターたちの森を、自分たちの踏み跡を残しながら、下る、しか、ない、という現実を目の前にしたのです。ほんとうに、わたしたちの踏み跡しかなく、私たち以外の旅行者も登山者もまったく見えない世界に踏み込んでいったのです。先頭を順次変えながら、遠くに見え隠れするロープウェイを目印のひとつとするだけで、先頭が好き勝手な方向に下っていくという「白いモンスター世界の探検ツアー」だったのです。
 加えて、蔵王ロープウェイ中間点の樹氷高原駅から下は、雪国のどこにである里山の、樹林帯の雪の斜面を、小さな危険を乗り越えながら「たんけん遊び」という気分で温泉街まで下ったのです。ここでは「滑る機能」を加えたスノーシューより、観光協会の「輪かんじき」のほうが私たちには合っていると確信して、以後それがシリーズになったのです。ただし、白いモンスターたちが世界トップといわれるまでに成長し、晴れておだやかな日々が続く3月に。
▲写真52点