★0404「クサリ場での体験」
▲岩殿山 2009




★0404「クサリ場での体験」岩殿山=2009
 JR大月駅のホームから右手に岩殿山を見ると、そこから左に低い稜線が伸びていて、5番線ホーム(中央本線上り)からだと眼前にこの岩場が見えています。ほとんどの人は気づかないでしょうが。
 左手の奥に「稚児落とし」という恐ろしい断崖があります。足元深くを覗きながらグルっと回って大月の街を見下ろす展望台となるのが天神山。そこからが大月駅から見上げられる稜線なのですが、それをたどると兜岩に出るのです。現在は迂回路しか通れませんが、以前は兜岩の大月駅から見える岩場をトラバースする鎖場があったのです。私はここを初心者段階の人に効果的な体験の場と考えていたのです。
 私は鎖場の中間にいて、いまこの人の左手が触れているロープを設置しています。60cmほどの補助ロープを輪にしたものを繋いで垂らしていますが、ロープをそのまま握るのではなく、ロープの輪に指を突っ込むかたちで、必要に応じて、自由に利用してもらうのです。そして私はその「必要の度合い」を見ています。「安全かどうか」ではなく「安心かどうか」を見ているのです。この人がこれから左手をどう使うかで、指示の出し方が変わるのですが、「危険は見えない」けれど「不安は見える」と考えてきたのです。
 とくに鎖場の下りに注目していたのは、たとえば男性の多くは、腕力で登りきってしまうおうと考えます。もしそれが「不安を隠すための突撃」だったら、下りでは困るのです。だから初体験の人ならとくに、ゆっくり、じっくり、行動してもらう場としてだいじにしていたのです。
★写真25点