発見写真旅・展(31)――2014.5.10 箱根・神山(38パワー) 発見写真旅・展(31)――2014.5.10 箱根・神山(38パワー)



★糸の会山行[912]箱根・神山(38パワー)――2014.5.10
*登り10p→稜線11p→下り17p

箱根の最高峰・神山の計画は、じつは特別の狙いがあったわけではなく、定番の軽い山歩きの一候補として、たまたま5月に選んだものでした。
ところがそれがラッキーでした。全山に点在するマメザクラが満開だったのです。別名フジザクラですが、ハコネザクラとも呼ばれるそのサクラのピークの状態を堪能することができました。加えてキクザキイチゲ。思わざる豊穣の山旅となりました。(あとで気づいたことですが、全部がハコネザクラであったかどうか、問われると自信がありません。稲葉さんがヤマザクラとしているサクラもありますから)
多くのメンバーが夢中で写真を撮っていたのでたくさんの応募があるに違いないと門戸を広げていたつもりですが、このところ義務的に協力していただいている稲葉和平さんのみの参加となり、少々がっかりしたところです。
今回私(伊藤幸司)は多い枚数を応募していますが、これはそういう動きに対応してのことではありません。「028笠山」で皆さんの写真とぶつかることを避けるために遠慮したことの反省から、いい山であったのなら必然的に枚数が増えてしまうという自然な流れに沿うことで、そうなってしまったのです。

今回の写真出展メンバー(応募順)は以下の2人です。
稲葉 和平(a風景5点+b花3点)
伊藤 幸司(aハコネザクラ15点+bキクザキイチゲ5点+cその他の花5点)


【01】から始まる本編の写真は提出された写真をシャッフルしてランダムに並べた「仮展示」の状態のままです。ネット上での二次的な「発見写真旅」を楽しんでいただけたかと思います。
さらに今回、写真サンプルを撮影者別に並べた索引ページを作りました。それによって複数枚セットのテーマ写真の意図も明らかになります。そのサンプル写真をクリックすると展示写真に飛ぶことができます。
この「本展示」に対しても「自由投稿コメント」を募集しています。写真番号をつけてメールでお送りください。コメントは糸の会の会員に限定されていません。どなたのものでも順次掲載させていただきますのでよろしくお願いいたします。


撮影:稲葉 和平────テーマA:風景

【09】 【33】 【15】 【03】 【13】


【09】大涌谷からの富士山。雲が残念だが春にしては良く見えた方だと思う。一度富士山の写真をちゃんと撮ってみたいという気持ちがないわけではないが、まあ、それほど関心はない。幼稚園から中学(富士見台)まで、富士山の見えるところに住んでいたから身近な山だけれど、最近はめったに見ることができなくなったのは寂しい。
【33】大涌谷越しに冠が岳。吹き上がる蒸気と硫黄の匂いで温泉に来たという気分になる。効能とは関係ないのだろうが、温泉はやはり硫黄のにおいがしないと物足りない。
【15】結構山を歩いていても、なかなかこういうところはない。青い空のもと、開けた山腹で富士山を眺めながらののんびりとしたひとときなど、そうざらには訪れない。
【03】もうすぐ駒ヶ岳の頂上。いつ歩いても、この辺りは気分がいい。とくに今回はやわらかな新緑のなかにサクラのピンクが点在していて、なんだか幸せな気分だった。
【13】赤い鳥居の向こう側に少し行けばすぐ下に芦ノ湖、その先には駿河湾が広がる。 少し左手に行けば熱海から真鶴半島、相模湾。箱根なんて、とバカにする人もいるが、箱根はこの駒ヶ岳の素晴らしい眺望だけでも十分価値があると思う。


撮影:稲葉 和平────テーマB:花

【27】 【07】 【01】 【18】 【23】


【27】東京は急に暖かくなったせいか桜の時期も一気に過ぎ去っていたため、花はほとんど期待していなかった。しかしサクラがまだ見頃の状態だった。折角なので、青い空の色を背景に生き生きとしたサクラの花を写真に撮りたかったのだが、やはり難しい。
【07】キクザキイチゲ。花びらが千切れているようであまりきれいな写真ではないけれど、残念ながら残ったのはこの1枚。後はピントが合っていなかったり、色が飛んでいたり、で全滅。
【01】白いスミレ、名前は分かりません。白色のスミレの種類はそれほど多いわけではないから調べればわかると思うけれど、手元の花図鑑では???。分類調べ嫌い、と言うか、じゃんけんで負けて以来、「生物」が嫌いなので・・・・と言っても他の人にはわかりませんね。
【18】サクラの種類をよく認識しないまま、ヤマザクラにしては背が低いと思いながら、ソメイヨシノではないし、オオシマザクラでもないし、葉は出ているからエドヒガンでもなさそうなので、山に咲いているから「ヤマザクラの類」といい加減に決めつけて書いてしまったが、しかしコーチの言う通り、マメザクラのようです。
花と同時に葉も出ているサクラは、見る距離、位置、背景によって随分と感じが変わってくる。写真では空の青と、花のピンクと、葉の緑が良くわかるが、実際はなかなかこうは見えない、というか、はっきり見えても、それで美しいかというと、違う。
 話は横道にそれるが、サトザクラ、と言うのがある。近所にある跡見学園大学は桜をシンボルとするほど桜で有名で、構内には多くの種類の立派な桜が180本以上植栽されている。その桜を見たときに解説をきちんと読めばよかったのだが、一見同じとは思えないサクラに「里桜」と標識が付いていたため、それ以来、自分の目ではサクラの種類の識別は不可能、と思い込んでしまっていた。跡見学園のキャンパスにはヤマザクラ、エドヒガンなど6種類の野生種とならんで、栽培品種36種類、未同定のもの3種類が植栽されている。サトザクラとは、その36種類の栽培品種のことを言うらしい。多摩森林科学園の桜は一つの品種について育った地域ごとに比較できるように育てているから、さらに種類が多い。
【23】この時期の、木々の若い緑の中に、ポツンポツンと桜の淡いピンクが浮かんで見える。山道を歩きながら、ふと見上げた時に目に入る、春の山ならではの優しい、美しい景色だ。


撮影:伊藤 幸司────テーマA:ハコネザクラ(1)

【25】 【10】 【31】 【28】 【21】


【25】箱根の観光案内ではマメザクラとしていてそれはもちろんいいのだけれど、この地域なら若干ローカルながらフジザクラという方がいいのに、と思う。もっといえば、このサクラにはハコネザクラという別名もある。箱根山にはたくさんあるけれど、観光客が訪れる山麓では珍種らしい。
【10】花が小振りなのでマメザクラなのだが、クローズアップするとなかなかどうして存在感のあるサクラではある。
【31】樹高があまり高くならず、花も小さく、山地に多いタカネザクラ(ミネザクラ)の近隣種にこのマメザクラがあり、本州中央部に分布域があることからフジザクラ、ハコネザクラなどとも呼ばれてきた。これはまさに本家・本元のハコネザクラ。
【28】樹高が低いというのはこういうレベル。高い山でタカネザクラとかミネザクラを見るときの位置関係もおおかたこういうふうになる。
【21】花は小さいけれど、この日はうれしいことに、花数が圧倒的に多かった。満開というわけ。
じつは箱根の神山は冬の風景には見るべきものがいろいろあると思っていたけれど、サクラの名所だという認識は正直なかった。


撮影:伊藤 幸司────テーマA:ハコネザクラ(2)

【32】 【14】 【17】 【08】 【06】


【32】花がこれだけ密集していると中心部の赤がずいぶん主張を強めてくる。この雰囲気を覚えておくと、タカネザクラと出会ったときにも、懐かしい感じがよみがえるはず。
【14】少し引いて見ると、花びらの白と、その中心の赤みとが微妙な陰影となって立体感を作り出す。ササの葉との対比から見ても、ちょっと不思議な縮尺感がある。ディズニーランドの建物群が微妙なコンパクト比率によって夢の空間を演出しているのに似ていると思う。
【17】ソメイヨシノの花見だったら、花がまるごと見えるような純粋な花見であってほしいと思う。しかしこれはマメザクラだから、ほかの木々に埋もれながら、チラチラと見え隠れに寄り添ってくれる……というかたちになる。こちらから積極的に見てあげる必要があるのだ。
【08】ここまで遠ざかると花のつき方にマメザクラという名が与えられたというふうにも感じられる。霞たなびくハコネザクラという感じがした。
【06】これほどの満開に出会うと、咲き誇っているサクラをすべて撮っておきたいという気分になる。1本1本のサクラが、それぞれ個性的な表情に見えてくる。


撮影:伊藤 幸司────テーマA:ハコネザクラ(3)

【04】 【24】 【16】 【30】 【19】


【04】さて、これは満開状態からすこし先へと進んでしまった状態。花の後に控える葉が徐々に背後から押し上がってくる気配がすごい。
【24】神山から下って駒ヶ岳との鞍部に出ると、そこにこの日最大級のハコネザクラがあった。ヤマのヌシというべき風格があった。
【16】その「ヤマのヌシ」から下って来た方向を見ると、そこにも大きな木があった。
【30】神山から下ってくる斜面にはこんなふうにハコネザクラが点在していた。新緑の木々のなかに、堂々と存在感を示していた。
【19】これが振り返って見た神山の斜面。箱根火山の中央火口丘にして最高峰の神山にハコネザクラがこれだけある……という風景。


撮影:伊藤 幸司────テーマB:キクザキイチゲ

【05】 【22】 【35】 【11】 【20】


【05】神山から下り始めると道際にキクザキイチゲが登場した。ここでこんな花が見られるとは! という驚きで見ていると、この状態がズ〜ッと続くではないか。
【22】別名菊咲一輪草。春先の、まだ緑が整わない時期に急いで地表の人生をまっとうさせてしまおうという春の妖精のひとつ。カタクリと春の兆しを競う花でもあるけれど、ここではカタクリは見なかった。
【35】キクザキイチゲには白花のほかにこんな紫色の花がある。紫色の花の方が、やはり色っぽく見えるのはどうしてだろうか。
【11】こちらは紫色ながら、かなり白いキクザキイチゲ。紫色の気配を漂わせているけれど、全体にモノトーンの方向に寄っている。
【20】駒ヶ岳への登りにかかるあたりまで、キクザキイチゲはハコネザクラと並ぶ二大主役という感じで続いていた。


撮影:伊藤 幸司────テーマB:その他の花

【02】 【26】 【12】 【29】 【34】


【02】これはアセビ。あまりたくさん見なかったけれど、この花を見る限り、まさにこの花の時期だということがわかる。
【26】ずいぶん立派なスミレだけれど、たぶんふつうのタチツボスミレだと思う。ともかくおおらかに咲いていた。
【12】この白いスミレは葉が丸みを帯びていることからマルバスミレではないかと思う。これも立派な花が堂々と咲いていた。
【29】これは驚くほど美人のエイザンスミレ。多くは貧相な感じの花だが、ときにふくよかな雰囲気を漂わせることもある。しかしこれは色合いといい、大きさといい、際だって美しいエイザンスミレといえるだろう。
【34】これは私にはわかりません。特徴的な花だから有名だと思うけれど。ご存じ方はここにコメントを――お願いします。




【01】撮影:稲葉 和平
白いスミレ、名前は分かりません。白色のスミレの種類はそれほど多いわけではないから調べればわかると思うけれど、手元の花図鑑では???。分類調べ嫌い、と言うか、じゃんけんで負けて以来、「生物」が嫌いなので・・・・と言っても他の人にはわかりませんね。

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【02】撮影:伊藤 幸司
これはアセビ。あまりたくさん見なかったけれど、この花を見る限り、まさにこの花の時期だということがわかる。

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【03】撮影:稲葉 和平
もうすぐ駒ヶ岳の頂上。いつ歩いても、この辺りは気分がいい。とくに今回はやわらかな新緑のなかにサクラのピンクが点在していて、なんだか幸せな気分だった。

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【04】撮影:伊藤 幸司
さて、これは満開状態からすこし先へと進んでしまった状態。花の後に控える葉が徐々に背後から押し上がってくる気配がすごい。

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【05】撮影:伊藤 幸司
神山から下り始めると道際にキクザキイチゲが登場した。ここでこんな花が見られるとは! という驚きで見ていると、この状態がズ〜ッと続くではないか。

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【06】撮影:伊藤 幸司
これほどの満開に出会うと、咲き誇っているサクラをすべて撮っておきたいという気分になる。1本1本のサクラが、それぞれ個性的な表情に見えてくる。

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【07】撮影:稲葉 和平
キクザキイチゲ。花びらが千切れているようであまりきれいな写真ではないけれど、残念ながら残ったのはこの1枚。後はピントが合っていなかったり、色が飛んでいたり、で全滅。

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【08】撮影:伊藤 幸司
ここまで遠ざかると花のつき方にマメザクラという名が与えられたというふうにも感じられる。霞たなびくハコネザクラという感じがした。

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【09】撮影:稲葉 和平
大涌谷からの富士山。雲が残念だが春にしては良く見えた方だと思う。一度富士山の写真をちゃんと撮ってみたいという気持ちがないわけではないが、まあ、それほど関心はない。幼稚園から中学(富士見台)まで、富士山の見えるところに住んでいたから身近な山だけれど、最近はめったに見ることができなくなったのは寂しい。

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【10】撮影:伊藤 幸司
花が小振りなのでマメザクラなのだが、クローズアップするとなかなかどうして存在感のあるサクラではある。

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【11】撮影:伊藤 幸司
こちらは紫色ながら、かなり白いキクザキイチゲ。紫色の気配を漂わせているけれど、全体にモノトーンの方向に寄っている。

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【12】撮影:伊藤 幸司
この白いスミレは葉が丸みを帯びていることからマルバスミレではないかと思う。これも立派な花が堂々と咲いていた。

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【13】撮影:稲葉 和平
赤い鳥居の向こう側に少し行けばすぐ下に芦ノ湖、その先には駿河湾が広がる。 少し左手に行けば熱海から真鶴半島、相模湾。箱根なんて、とバカにする人もいるが、箱根はこの駒ヶ岳の素晴らしい眺望だけでも十分価値があると思う。

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【14】撮影:伊藤 幸司
少し引いて見ると、花びらの白と、その中心の赤みとが微妙な陰影となって立体感を作り出す。ササの葉との対比から見ても、ちょっと不思議な縮尺感がある。ディズニーランドの建物群が微妙なコンパクト比率によって夢の空間を演出しているのに似ていると思う。

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【15】撮影:稲葉 和平
結構山を歩いていても、なかなかこういうところはない。青い空のもと、開けた山腹で富士山を眺めながらののんびりとしたひとときなど、そうざらには訪れない。

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【16】撮影:伊藤 幸司
その「ヤマのヌシ」から下って来た方向を見ると、そこにも大きな木があった。

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【17】撮影:伊藤 幸司
ソメイヨシノの花見だったら、花がまるごと見えるような純粋な花見であってほしいと思う。しかしこれはマメザクラだから、ほかの木々に埋もれながら、チラチラと見え隠れに寄り添ってくれる……というかたちになる。こちらから積極的に見てあげる必要があるのだ。

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【18】撮影:稲葉 和平
サクラの種類をよく認識しないまま、ヤマザクラにしては背が低いと思いながら、ソメイヨシノではないし、オオシマザクラでもないし、葉は出ているからエドヒガンでもなさそうなので、山に咲いているから「ヤマザクラの類」といい加減に決めつけて書いてしまったが、しかしコーチの言う通り、マメザクラのようです。
花と同時に葉も出ているサクラは、見る距離、位置、背景によって随分と感じが変わってくる。写真では空の青と、花のピンクと、葉の緑が良くわかるが、実際はなかなかこうは見えない、というか、はっきり見えても、それで美しいかというと、違う。
 話は横道にそれるが、サトザクラ、と言うのがある。近所にある跡見学園大学は桜をシンボルとするほど桜で有名で、構内には多くの種類の立派な桜が180本以上植栽されている。その桜を見たときに解説をきちんと読めばよかったのだが、一見同じとは思えないサクラに「里桜」と標識が付いていたため、それ以来、自分の目ではサクラの種類の識別は不可能、と思い込んでしまっていた。跡見学園のキャンパスにはヤマザクラ、エドヒガンなど6種類の野生種とならんで、栽培品種36種類、未同定のもの3種類が植栽されている。サトザクラとは、その36種類の栽培品種のことを言うらしい。多摩森林科学園の桜は一つの品種について育った地域ごとに比較できるように育てているから、さらに種類が多い。

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【19】撮影:伊藤 幸司
これが振り返って見た神山の斜面。箱根火山の中央火口丘にして最高峰の神山にハコネザクラがこれだけある……という風景。

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【20】撮影:伊藤 幸司
駒ヶ岳への登りにかかるあたりまで、キクザキイチゲはハコネザクラと並ぶ二大主役という感じで続いていた。

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【21】撮影:伊藤 幸司
花は小さいけれど、この日はうれしいことに、花数が圧倒的に多かった。満開というわけ。じつは箱根の神山は冬の風景には見るべきものがいろいろあると思っていたけれど、サクラの名所だという認識は正直なかった。

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【22】撮影:伊藤 幸司
別名菊咲一輪草。春先の、まだ緑が整わない時期に急いで地表の人生をまっとうさせてしまおうという春の妖精のひとつ。カタクリと春の兆しを競う花でもあるけれど、ここではカタクリは見なかった。

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【23】撮影:稲葉 和平
この時期の、木々の若い緑の中に、ポツンポツンと桜の淡いピンクが浮かんで見える。山道を歩きながら、ふと見上げた時に目に入る、春の山ならではの優しい、美しい景色だ。

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【24】撮影:伊藤 幸司
神山から下って駒ヶ岳との鞍部に出ると、そこにこの日最大級のハコネザクラがあった。ヤマのヌシというべき風格があった。

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【25】撮影:伊藤 幸司
箱根の観光案内ではマメザクラとしていてそれはもちろんいいのだけれど、この地域なら若干ローカルながらフジザクラという方がいいのに、と思う。もっといえば、このサクラにはハコネザクラという別名もある。箱根山にはたくさんあるけれど、観光客が訪れる山麓では珍種らしい。

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【26】撮影:伊藤 幸司
ずいぶん立派なスミレだけれど、たぶんふつうのタチツボスミレだと思う。ともかくおおらかに咲いていた。

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【27】撮影:稲葉 和平
東京は急に暖かくなったせいか桜の時期も一気に過ぎ去っていたため、花はほとんど期待していなかった。しかしサクラがまだ見頃の状態だった。折角なので、青い空の色を背景に生き生きとしたサクラの花を写真に撮りたかったのだが、やはり難しい。

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【28】撮影:伊藤 幸司
樹高が低いというのはこういうレベル。高い山でタカネザクラとかミネザクラを見るときの位置関係もおおかたこういうふうになる。

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【29】撮影:伊藤 幸司
これは驚くほど美人のエイザンスミレ。多くは貧相な感じの花だが、ときにふくよかな雰囲気を漂わせることもある。しかしこれは色合いといい、大きさといい、際だって美しいエイザンスミレといえるだろう。

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【30】撮影:伊藤 幸司
神山から下ってくる斜面にはこんなふうにハコネザクラが点在していた。新緑の木々のなかに、堂々と存在感を示していた。

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【31】撮影:伊藤 幸司
樹高があまり高くならず、花も小さく、山地に多いタカネザクラ(ミネザクラ)の近隣種にこのマメザクラがあり、本州中央部に分布域があることからフジザクラ、ハコネザクラなどとも呼ばれてきた。これはまさに本家・本元のハコネザクラ。

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【32】撮影:伊藤 幸司
花がこれだけ密集していると中心部の赤がずいぶん主張を強めてくる。この雰囲気を覚えておくと、タカネザクラと出会ったときにも、懐かしい感じがよみがえるはず。

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【33】撮影:稲葉 和平
大涌谷越しに冠が岳。吹き上がる蒸気と硫黄の匂いで温泉に来たという気分になる。効能とは関係ないのだろうが、温泉はやはり硫黄のにおいがしないと物足りない。

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【34】撮影:伊藤 幸司
これは私にはわかりません。特徴的な花だから有名だと思うけれど。ご存じ方はここにコメントを――お願いします。

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【35】撮影:伊藤 幸司
キクザキイチゲには白花のほかにこんな紫色の花がある。紫色の花の方が、やはり色っぽく見えるのはどうしてだろうか。

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