山旅図鑑 no.170
小楢山
2017.11.2

山旅図鑑目次


糸の会(no.1057)
2017.11.2
小楢山
38パワー

登り10p→稜線4p→下り11p→林道下り13p

*計画書には次のように書きました。
────
*時期的には、いよいよカラマツの黃葉です。10/24の倉掛山ではまさに今一歩という状態。今年はどうでしょうか。
*目的地は幕岩と名付けられた素晴らしい展望台。眼下のカラマツが黄金に輝いている? という計算です。昼寝ができれば最高なんですが……
*下りは「父恋し道」を経て、旧オーチャードビレッジ・フフの保健農園ホテル・フフ山梨へ。そこからタクシーで塩山へ。
*予定でははやぶさ温泉と、小楢山を望めるパスタのかざはなを予定しています。

11月2日
・0940……焼山峠を出発(標高約1,550m)
・1330-35……休憩(標高約1,650m)
・1100-10……小楢山山頂で休憩(標高1,713m)
・1120……母恋し道分岐(標高約1,650m)
・1145-1255……幕岩で展望休憩(標高約1,650m)
・1300……大沢丿頭を通過。父恋し道へ(標高1,673m)
・1350-55……休憩(標高約1,500m)
・1415-20……白雲ノ滝で休憩(標高約1,400m)
・1430……林道へ出る。母恋し道合流(標高約1,300m)
・1530……林道終点(標高約850m)

今回の写真出展メンバー(提出順)は以下の2人です。

藤原 由香里、伊藤 幸司



山旅図鑑 no.170
小楢山
2017.11.2

小楢山=登山、子育地蔵
【撮影】09時42分=伊藤 幸司
塩山駅から焼山峠へとタクシーで直行。09時40分に出発しました。登山口には大小の石仏が半ば放棄された状態でかたまっていました。
そこに石碑があって、その由来にかかわるかなり長い文章が刻まれていました。「平成17年11月吉日 牧丘町・牧丘町観光協会」とありました。一応写真に撮ったので書き起こすことも不可能ではありませんが、一字一句というのは難しい状態です。
『山梨市 誇れる日本を、ここ山梨市から』というサイトに『子授け地蔵』があって、石碑の文章をいくぶん読みやすくして載せてありました。
【江戸中期の頃、焼山峠の麓でごん鉢など生活用具を作る木地師がいた。
この夫婦が仕事をしていると峠付近で子供の泣く声が聞こえたのでそこへ行って見ると子供の様な石地蔵らしきものがあった。
夫婦は子供がいなかったので不思議に思い、石地蔵を人目につかぬようこっそりと自宅に持ち帰り、何日もお水や果物をささげ、朝な夕なにお参りをしていた。すると、不思議なことにその夫婦に子供が授かり、お礼に石地蔵を一体添えてお返ししたのが、子授け地蔵様のいわれとなり、口伝えに広がったもので、現在も新しいお地蔵様が数多く見られ、最近でも恩恵にあずかった県内外のご夫婦が多いといわれている。】

小楢山=登山、子育地蔵
【撮影】09時43分=伊藤 幸司
これらの石仏のひとつを持ち帰って、子が授かったら新しいもう一体を添えてお返しするとのこと。放置された感じがあるのはそのためだったようです。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】09時43分=伊藤 幸司
防火帯に登山道が延びていました。

小楢山=登山
【撮影】09時43分=藤原 由香里
本日は、焼山峠から、フフ山梨に抜けるルートです。標識を見ていたTさんが、この後、『フフってどういうこと?』とおっしゃるのでした。

小楢山=登山、子育地蔵
【撮影】09時44分=藤原 由香里
子授け地蔵の方々です。古い方から、新しい方まで、また、様々な可愛らしいお顔のお地蔵様がいらっしゃいました。

小楢山=登山
【撮影】09時47分=伊藤 幸司
やわらかな陽射しがあるので、空気が秋色に染まります。穏やかな天気です。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】09時51分=伊藤 幸司
登ったり下ったりしていますが、焼山峠が標高約1,550mなのに、1.5kmほど先でようやく50m登るだけです。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】09時53分=伊藤 幸司
登ったら、また大胆に下ります。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】09時54分=藤原 由香里
Tさんと、フフについて他愛もない話をしているうちに、歩くペースが上がり、ハァハァと息が切れる始末となりました。それにしても、幅の広い尾根です。落ち葉が雪の様に積もり、ゲレンデを思いました。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】10時02分=伊藤 幸司
下ったら、また登ります。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】10時04分=伊藤 幸司
次に登りが来るか、下りが来るかわかりません。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】10時08分=伊藤 幸司
ゆっくり下るみたいですが、前方に行くべき稜線が見えてきた感じがします。
アップだのダウンだの、まだこんなことをしていていいのだろうかと思いますが、時計を見てみると驚くほど小さな起伏に翻弄されてきたことがわかります。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】10時10分=伊藤 幸司
ずいぶん登ったような、全然登ってはいないような気分ですが、防火帯はおおらかな気分で歩けて、心地よさは感じます。

小楢山=登山
【撮影】10時11分=伊藤 幸司
紅葉しかかっているところでしょうか。葉っぱを見ると切れ込みが浅くてシャープな感じではありません。私のカメラは見た目シャープに写るのですが、オリジナルデータを拡大してみても、もうひとつはっきりしません。おそらくその雰囲気からコハウチワカエデではないかと思うのですがいかがでしょうか。

小楢山=登山
【撮影】10時11分=伊藤 幸司
じつは秋の小楢山で狙うのはカラマツの黄葉です。
……なんですが、前方に見えているのが今現在のカラマツです。小楢山から焼山峠を経て金峰山や瑞牆山へと延びる山梨側の山地はかなり素晴らしいカラマツの黄葉地帯だと思っているのですが、黄金色に輝くそのピークに当たるのはかなり難しく、さらに近年はあまりいい黄葉に恵まれていません。今年もそんな不安を抱きながら、来ているのです。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】10時17分=伊藤 幸司
カラマツはたしかに紅葉しているようです。でも葉が薄い。だいぶ落ちてしまって、わずかに残った葉が、いま黄色に染まっているように見えてきました。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】10時18分=伊藤 幸司
たぶん、私の地形図(1/25,000)で標高1,600mの等高線を越えて、標高1,653mの水準点のある小ピークへの登りにかかったようです。

小楢山=登山
【撮影】10時18分=藤原 由香里
小楢山への道は、ここで旧道と新道(眺めが良い)に分かれます。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】10時18分=藤原 由香里
眺めが良い新道はこの傾斜。ジグザグに登るのでした。まだ眺めはありません。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】10時21分=藤原 由香里
新道を登っていくと、徐々に空が開け、紅葉が陽に照らされる。

小楢山=登山
【撮影】10時23分=藤原 由香里
新道を登って振り返ると、山が開け、眺めが望めた。紅葉の割れ目からというのが、一味違うと思った。

小楢山=登山
【撮影】10時29分=伊藤 幸司
ようやく、広い風景を見ることができました。ドラマチックではありましたが、50分ほどのドラマ。眼前にはカラマツの森がびっしりと続いています。

小楢山=登山
【撮影】10時30分=伊藤 幸司
ここが標高1,653m、小楢山の山頂が標高1,713mですから、タラタラと登っていけばいいのです。たった5分の休憩ですが、リフレッシュです。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】10時32分=伊藤 幸司
稜線に出ても、道はやっぱり防火帯です。
『ウィキペディア』の『防火帯』では森林の防火帯について、次のように書かれています。
【大規模な森林火災の際は、火勢が強過ぎて消火活動が追い付かない場合も多いため、あらかじめ防火活動の一環として延焼が予想される地域の樹木を伐採する。公益的に見て必要な場合は、森林法で定められている防火保安林として管理されることがある。こうした場所では、必要に応じて帯状に散水して延焼を防止することもある。】
でも本当にこれで森林火災の延焼を食い止めることができると考えられているのだろうか、と疑います。
その火災現場の具体的な記述だと思えるものが「林野庁補助事業」で作成されたという『森林火災対策協会』の『林野火災の発生・拡大防止と安全確保に向けた 火入れ作業の手引き』(2011年)にありました。
【飛び火による延焼
 林野火災は、他の火災に比較して飛び火延焼が多い。飛び火とは、火のついた枯れ葉、枯れ枝等が上昇気流に乗って舞い上がり、風に運ばれて未燃焼地域に落下して新たな火点を作って拡大するものである。
 飛び火が道路や防火帯あるいは谷を越えて発生すると、発見の遅れ等により火災が大規模化しやすい。
 林野火災は、地表火(林地や原野の地表可燃物が燃える)、樹冠火(木の樹冠部=枝葉が燃える)、樹幹火(木の幹部が燃える)及び地中火に分類することができるが、樹冠火や地表火は、多数の火の粉が空中に舞い上がるので、飛び火火災を引き起こしやすい。
飛び火延焼の起こりやすさは、風速、湿度、火の粉のサイズ、可燃物の乾燥度合いに影響されるが、風速が10m/秒を超え、相対湿度が20%を下回ると多数の飛び火が発生する危険性が非常に高い。】

小楢山=登山、防火帯
【撮影】10時34分=伊藤 幸司
たぶん、左手前方に見える稜線が小楢山、かもしれない……という希望的観測は危険です。あの先に、まだ山頂が隠れているという例は多いのです。1度ならず2度、3度と裏切られた例は私もたくさんて意見しています。疲れているんですよね、そういうときは。
とりあえず、あそこまで行ってみればいいんです。

小楢山=登山
【撮影】10時36分=伊藤 幸司
突如、丸っこい岩が出てきました。林の中にももっと丸い岩が転がりかけていて「的岩」という標識がありました。丸みのある岩ができた理由がわかるかとネットで探してみましたがみつかりません。
その代わりもっと大きな地質学上の問題を語る論文が出てきました。内容が理解でききるわけではありませんが「小楢山火山岩類」などという名前が出てきたので無視するわけにはいきません。
『東山梨火山深成複合岩体を構成する火砕岩類の地質および構造とコールドロンの形成プロセス』『日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要 No.44(2009)pp.121-137 金丸 龍夫・高橋 正樹』に私にも分かりやすい部分のある記述がありました。
【2. これまでの研究
加藤(1968)は,本地域に分布する強溶結凝灰岩を,牧平(まきだいら)石英斑岩,乾徳(けんとく)安山岩,小楢山(こならやま)火山砕屑岩に区分し,花崗閃緑岩については黒金(くろがね)型花崗岩と名付けているが,これらを一連のマグマ活動の産物として明確に位置づけ
てはいない。
三村ほか(1984)は,これらの強溶結凝灰岩と花崗岩類を,両者がきわめて密接な成因的関係を有する火山深成複合岩体として認識し,初めて「東山梨火山深成複合岩体」という名称でよんだ。そして「東山梨火山深成複合岩体」を構成する強溶結凝灰岩を小楢山火山岩類,花崗閃緑岩体を小烏(こがらす)花崗閃緑岩と名付け,さらに,小楢山火山岩類を,下位から,馬場(ばば)溶結凝灰岩,西平等川(にしびょうどうがわ)泥岩,徳和(とくわ)火山角礫岩,上岩下(かみいわした)安山岩質溶岩,大平(おおだいら)溶結凝灰岩に区分した。三村らは,東山梨火山深成複合岩体は,北北東―南南西方向の正断層による陥没を伴いながら,間に湖成層を形成した休止期と安山岩質溶岩の流出を挟んで2回の大規模な火砕流噴火が生じ,最後に花崗閃緑岩が貫入することで形成されたと考えた。】
なんだかわかりませんが、元・火山の吹き出物みたいな岩なんでしょうね。私が怪我で休業したとき、助っ人リーダーをお願いした三輪主彦さんは地質屋さんですからきっと一言あるんでしょうがね。

小楢山=登山、防火帯
【撮影】10時36分=藤原 由香里
また、幅広の尾根を歩きます。

小楢山=登山
【撮影】10時38分=伊藤 幸司
画面中央に小さな道標があって右手を指しています。それを見ると「焼山峠(旧道)→」となっています。この写真だとわかりませんが、今歩いているこの道は「←焼山峠(新道)・小楢山→」となっています。私の地図には載っていませんが、旧道はほんの短い迂回路となっているだけです。

小楢山=登山
【撮影】10時38分=藤原 由香里
名前のついた石。こんなのが、結構ありました。

小楢山=登山
【撮影】10時40分=伊藤 幸司
防火帯から抜け出ると、なんだか別の山に来たような雰囲気です。そろそろこの陽射しが新たな期待感につながってきます。

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】10時58分=伊藤 幸司
出ました! 小楢山山頂です。真正面に富士山がありました。

小楢山=登山
【撮影】10時58分=藤原 由香里
山の中を、秋の植物を見ながら山頂を目指す。あら? 山頂らしき標識が見えるなぁ。と思いながら進むと…

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】10時59分=伊藤 幸司
空の雰囲気もよければ、霞んでいる下界の雰囲気もなかなかです。まだ霧が漂っている街の左端に塩山の「塩ノ山」も小さく見えています。すばらしい富士山です。

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】10時59分=伊藤 幸司
富士山の記念写真会。富士山を見てにっこり、温泉に使ってほっこりという日本人丸出しの集団です。

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】10時59分=伊藤 幸司
ススキをからめた富士山ですが、あまりうまくいっていませんんね。

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】10時59分=藤原 由香里
突然、山頂が開けた。『うわ〜!』とか言って大騒ぎをして駆け上がり、興奮していると、『随分賑やかだなぁ』と見ず知らずのおじさまが。
『うるさくしてスミマセン』
『いいよ、もう1時間いたから』
『⁉︎イチジカン⁉︎』
素敵ですものねぇ。

小楢山=登山、南アルプス遠望
【撮影】11時04分=藤原 由香里
南アルプス、日本第2位3位と、鳳凰山のオベリスク。北岳や間ノ岳は、単独では分からないから、オベリスクから山を確認するのだと教えて頂きました。先日、このオベリスクの下ではしゃいでいましたから、感慨もひとしおです!

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】11時04分=藤原 由香里
霞がかかって、青のコントラストが絶妙。富士山は、何をさせても様になるイケメン山だなぁ。富士山からは卒業出来ません‼︎

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】11時06分=伊藤 幸司
富士山のアップです。横に長く延びているが御坂山地で、画面左端の高まりが最高峰の黒岳、富士山の右翼と重なるあたりにあるピークは十二ヶ岳と節刀ヶ岳だと思います。広がる甲府盆地のこのあたりは桃の町・一宮。

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】11時06分=伊藤 幸司
ススキを入れつつ「今日の富士山」という感じでしょうか。左は杓子山から右は毛無山まで富士山展望の最前列の山々が並んでいます。右奥には南アルプス南端部の山々も。

小楢山=登山
【撮影】11時08分=伊藤 幸司
小楢山山頂で。顔主体の記念撮影。

小楢山=登山
【撮影】11時08分=伊藤 幸司
小楢山山頂で。富士山主体の記念撮影。

小楢山=登山
【撮影】11時09分=藤原 由香里
富士山の反対の眺めはこんな感じ。皆さんが景色に夢中になっている間、ザックたちは休憩をとってます。穏やかな風景です。

小楢山=登山
【撮影】11時20分=伊藤 幸司
生木が圧倒的な力でねじ伏せられた状態です。元気な常緑樹の場合には早春にドカ雪が降ったりすると真上から圧倒的な力で圧殺されるという例が出てきます。このカラマツはそういうことではないようですから風ですかねえ。でも暴力的な風が吹いたら、この1本だけということはありえません。落雷といいう気配もないので、私にはわかりません。

小楢山=登山
【撮影】11時26分=藤原 由香里
幕岩へ尾根を歩きます。

小楢山=登山、幕岩
【撮影】11時43分=藤原 由香里
ここを登るのですねぇ。

小楢山=登山、幕岩
【撮影】11時48分=藤原 由香里
皆さん、次々に登って行きます。

小楢山=登山。幕岩
【撮影】11時48分=藤原 由香里
先生もアドバイスしながら写真を撮っています。

小楢山=登山、幕岩
【撮影】12時04分=藤原 由香里
岩の上では、先生が甘いミルクティーをいれてくださいました。

小楢山=登山、小楢山遠望
【撮影】12時07分=藤原 由香里
先程いた、小楢山の山頂が見えている。

小楢山=登山、幕岩
【撮影】12時10分=藤原 由香里
ミルクティー、頂きま〜す!

小楢山=登山、幕岩
【撮影】12時18分=藤原 由香里
山の黄葉。

小楢山=登山、南アルプス遠望
【撮影】12時19分=藤原 由香里
甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳など。

小楢山=登山、八ヶ岳遠望
【撮影】12時20分=藤原 由香里
八ヶ岳。

小楢山=登山
【撮影】12時21分=藤原 由香里
眩しすぎて、白くなってしまった⁉︎

小楢山=登山、幕岩
【撮影】12時23分=伊藤 幸司
幕岩に上がりました。小楢山の山頂が正面に見えています。眼下に広がるこのカラマツが、運がよければ黄金色に波打つのです。

小楢山=登山、幕岩
【撮影】12時23分=伊藤 幸司
幕岩の頂上部分です。奥に休んでいる人がいますが「あちら側」で待っている人です。「あちら側」の小さな岩と「こちら側」の大きな岩との間に上り下りするクサリ場があるのですが、高年齢化してくるとその溝を、引っかかってつないでいる岩を踏んでこちら側にくるのはもちろん、ちょっと難易度が上がる帰路がこわいという人が出てきます。若いときには安全を確保するなどしても強引にこちらに渡ってもらったのですが、もう無理強いしません。ここまで上がっただけで十分と考えます。
ちなみに、この写真でカラマツの黄葉の色がよくわかります。

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】12時24分=伊藤 幸司
富士山がきれいに見えたら、億劫がらずにとりあえず撮っておきます。

小楢山=登山、南アルプス遠望
【撮影】12時24分=伊藤 幸司
おやおや、南アルプスが見えているじゃないですか。右から1/3ぐらいのところに三角形の大きめの山があって、その左斜面にちいさなコブがあります。甲斐・駒ヶ岳と摩利支天です。その左、奥に見えるのが仙丈ヶ岳です。さらに左、山頂が平たい山と、そこからちょっと下がってもう一度盛り上がる山が手前側に見えています。オリジナル写真を拡大してみると平たく見える山の中央部分にオベリスクと呼ばれる岩峰が立っています。ですから鳳凰三山です。
その鳳凰三山に重なって高くそびえている丸く見える山が日本第2位の高峰・北岳です。北岳の左には間ノ岳、農鳥岳が続いて3,000m峰が連なる白根三山となっています。ちなみに甲斐・駒ヶ岳から右手に延びているのは鋸岳。

小楢山=登山、幕岩
【撮影】12時24分=伊藤 幸司
幕岩の一番高いところが狭い展望台となっています。右手奥に見えるのが奥秩父連峰の金峰山のあたり、画面左手に見えているのは八ヶ岳で、最高峰の赤岳から左へ権現岳、編笠山。カラマツの大海原が金峰山の山裾まで続いているのです。

小楢山=登山、幕岩
【撮影】12時25分=伊藤 幸司
これは特徴のない写真ですが、画面中央に「塩ノ山」があります。
『山梨県甲州市観光協会・ぐるり甲州市』に『塩ノ山』がありました。
【市の南西部に位置し、「塩山」の地名の由来にもなった山です。「古今和歌集」の賀部の中に、「志ほの山 差出の磯に住む千鳥 君が御代をば 八千代とぞなく」と詠まれており、「四方から見える山」の意で「しほうのやま」が「しおのやま」と呼ばれるようになったと考えられます。】
でもこの塩ノ山をパワースポットと見る説がいろいろあって、はまり込むと抜け出られない雰囲気が漂っています。そのちょっと怪しい気分をさらりと表現しようとした文章がありました。
『甲府市移住支援ポータルサイト』に『謎多き、しおのやま!?』というのが。
【この塩ノ山は、地元では「塩山山(えんざんやま)」との愛称で親しまれ、子どもはここで遊んだり、大人はトレッキングを楽しむなど、馴染みのある山のひとつです。また、様々な噂があり「塩ノ山 秘密」で検索してみると様々な説が!? 】
写真に戻ると、塩山から左手へ登っていくと大菩薩嶺です。大菩薩嶺から右手に下る長い稜線をかつては湯ノ沢峠までの小金沢連嶺といっていたと思いますが、いまや笹子峠まで一気に下る南大菩薩連嶺と呼ぶべきだと考えます。この写真では左から右に下っていく稜線がそれで、一番下ったところにJR中央本線の笹子トンネルが通じています。そこから右手に伸び上がっていく稜線は三ッ峠山から黒岳までの御坂山地が見えていて、写真右端に富士山が切れています。

小楢山=登山、幕岩
【撮影】12時28分=伊藤 幸司
幕岩の展望台です。

小楢山=登山、金峰山遠望
【撮影】12時28分=藤原 由香里
8月に行った金峰山の五条岩がみえた。他の山から五条岩をはっきりと見たのは初めてだったので、なるほどと思った。やや視力検査的な大きさではあるが、マーカーとして問題はなさそう。

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】12時30分=藤原 由香里
ここからも富士山が見えた。富士山が見えると嬉しいのは、なぜだろう。

小楢山=登山、幕岩
【撮影】12時37分=藤原 由香里
さあ、岩を降ります。順番待ちしてます。

小楢山=登山、幕岩
【撮影】12時44分=藤原 由香里
この順番待ちの様子は、ウォータースライダーの順番待ちを思い出してしまった。

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】13時01分=伊藤 幸司
幕岩を降りて約5分で大沢丿頭(標高1,673m)。そこでまた、富士山を、懲りず撮りました。

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】13時03分=藤原 由香里
大沢山頭からの富士山。この日はいろいろなところから拝むことができました。

小楢山=登山
【撮影】13時03分=藤原 由香里
大沢山頭で写真を撮る伊藤先生。他の山でもカメラマンらしき人は、液晶画面を見るのではなく、ファインダーを覗いてる。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時03分=藤原 由香里
ここから先は登山地図では、点線で表記されている、父恋し道。落ち葉の上をすべらないように慎重に。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時04分=伊藤 幸司
落ち葉が深く散り敷かれた急な下りが始まります。「父恋し道」と呼ばれてきました。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時05分=伊藤 幸司
下りでのダブルストックは深い前傾姿勢をつくるために使います。スキーストックの考え方です。
だから一般にいわれるように下りでストックそのものを長くするという使い方は「杖」すなわちステッキの考え方です。姿勢を変えずに、視野の中に補助棒を繰り出していくという考え方です。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時06分=藤原 由香里
近すぎても全体が見えないし、離れても木に隠れて見えないし、結局どんな岩なのか分からない。と言う岩が時々ある。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時11分=伊藤 幸司
父恋し道のこういう演出こそ、小楢山の魅力です。裏山を歩くような気分が漂います。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時19分=藤原 由香里
登山地図では点線の道のせいか、倒木が多く見られた。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時27分=伊藤 幸司
これで、道はしっかりしているのです。あわてなければ大丈夫。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時43分=藤原 由香里
紅葉の山道をザクザク進む。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時43分=藤原 由香里
落ち葉の絨毯はザクザクと大きな音がして何も聞こえない。あまりにも大きな音がするので、笑ってしまった。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時45分=藤原 由香里
伸びやかです! 心も体も解放していますか?

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時53分=伊藤 幸司
あまりきれいとはいえない紅葉ですが、秋の森という感じが広がっていいました。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】13時56分=伊藤 幸司
落ち葉がゴミではないのです。歩くに心地いいカーペット。カサコソと歩きます。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】14時03分=伊藤 幸司
おおよそ谷筋を下ってきたのですが、小さな流れが生まれました。そしてそこに、小さな滝が現れるのです。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】14時04分=藤原 由香里
白雲の滝の横にこんなお地蔵様がいらっしゃいました。顎がしゃくれていておとぼけ顔です。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】14時06分=藤原 由香里
白雲の滝。沢が流れていると山道に味がでます。が、ここはやや危険地帯なので慎重に。

小楢山=登山、父恋し道
【撮影】14時10分=伊藤 幸司
白雲の滝という立派な名前がついています。

小楢山=登山
【撮影】14時31分=伊藤 幸司
母恋し道と合体して、林道になりました。空が大きく広がったので飛行機雲を撮ったのですが、もちろんカラマツにも目がいっています。

小楢山=登山、ススキ
【撮影】14時37分=伊藤 幸司
白髪を思わせるススキがものすごい迫力で迫ってきました。

小楢山=登山
【撮影】14時37分=伊藤 幸司
ショートカットの山道で、またカサコソ歩きを楽しむことができました。木の種類が特別なんですかね。

小楢山=登山、マムシグサ
【撮影】14時39分=伊藤 幸司
秋の顔つきのマムシグサですが、なぜかその姿勢のよさに見とれました。

小楢山=登山
【撮影】14時40分=藤原 由香里
道祖神でしょうか。

小楢山=登山
【撮影】14時49分=伊藤 幸司
ここまでくれば、あとは散歩同然ですから歩くのは楽。ただし下りに長い林道がある場合、未舗装でも舗装でも、きちんと歩かなければいけないのです。足を痛めるので、1時間以上歩かなければいけないときには、むしろ早足競争をしたほうがいい。緊張感のあるきちんとした歩き方になるからです。

小楢山=登山
【撮影】14時56分=伊藤 幸司
マムシグサかどうか葉のつき方が見えなくなっているのでわかりませんが、たぶんマムシグサ、がありました。

小楢山=登山
【撮影】15時05分=藤原 由香里
林道に出てからも、紅葉が続きます。

小楢山=登山
【撮影】15時06分=藤原 由香里
私は沢が好きなようで、特に、石がゴツゴツしていると、水に表情が出来てよい。

小楢山=登山
【撮影】15時15分=伊藤 幸司
ススキがあったので、撮りました。

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】15時18分=伊藤 幸司
すすきの向こうに富士山が再び姿を見せてくれました。

小楢山=登山、富士山遠望
【撮影】15時19分=藤原 由香里
今回最後の富士山。ススキと一緒で秋の風景です。

小楢山=登山
【撮影】15時27分=藤原 由香里
Sさんと伊藤先生。

小楢山=登山
【撮影】16時53分=伊藤 幸司
糸の会の塩山での定番「かざはな」からは小楢山が見えるのです。右のピークが小楢山山頂、左のピークが大沢丿頭。大沢丿頭の右脇に幕岩が見えているような、いないような。

小楢山=登山
【撮影】17時01分=伊藤 幸司
飛行機雲がなんだか不思議な絵を描いてくれました。

小楢山=登山
【撮影】17時21分=伊藤 幸司
林道が終わったところにかつてあったのが「ホテル・オーチャード・フフ」、それが今では「保健農園ホテル・フフ山梨」に変わっていました。15時30分の到着予定ということでタクシーに待っていてもらって「はやぶさ温泉」に直行。ジャスト1時間で迎えに来てもらって「かざはな」へ。そして18時29分塩山発のJR上り列車に間に合うようにまた迎えに来てもらうことにしての夕食。最初は上り口を知らないタクシー運転手もいた店ですが、入浴から食事へとスムーズに展開できるようになりました。ちなみに今日の山梨県での日没は16時50分でした。

小楢山=登山
【撮影】17時23分=藤原 由香里
イタリアンレストランの『かざはな』からの夕景。南アルプスから富士山に連なる山々に囲まれた甲府盆地。

小楢山=登山
【撮影】17時23分=藤原 由香里
オシャレな店内。また、来てみたいお店です。

小楢山=登山
【撮影】17時37分=伊藤 幸司
パスタも好みで選べますが、このケーキとコーヒーがなぜかとても嬉しいのです。今日はゆっくり楽しみました。



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