発見写真旅・展(26)――2013.8.6 長瀞渓谷 発見写真旅・展(26)――2013.8.6 長瀞渓谷



糸の会で誕生した「発見写真旅」は伊藤の中に眠っていた「写真」への古い思いをかき立てて、急速に夢をふくらませることになりました。
それから1年半、糸の会のみなさんには実験的な写真を撮るということがかなり重苦しいことになったようです。正規の「発見写真旅」企画としては(これがとりあえず)最終回。
その「発端人」のひとり鈴木明美さんが重い腰を上げて応募してくれたので、それに応じて私も(当初、できれば……と想定していた)5枚×3組を選びました。
他の人にも声をかけましたが、とりあえず2人分で一気に発表してしまいます。

今回の写真出展メンバー(五十音順)は以下の2人です。
伊藤 幸司(5点×3)
鈴木 明美(6点)


【01】から始まる本編の写真は提出された写真をシャッフルしてランダムに並べた「仮展示」の状態のままです。
ネット上での二次的な「発見写真旅」を楽しんでいただいた方から、そこにさまざまな「投票」が寄せられました。
投票締切後、それぞれの写真に撮影者のキャプション(あらかじめ提出されていました)を加えたので、写真の意図が初めて明らかにされたというものもあるかもしれません。この段階でも二次的な「発見写真旅」を楽しんでいただけるかと思います。
さらに写真サンプルを撮影者別に並べた索引ページを作りました。それによって5枚セットのテーマ写真の意図も明らかになります。そのサンプル写真をクリックすると展示写真に飛ぶことができます。
この「本展示」に対する「投票」もいただいたものは順次掲載させていただきます。


撮影:鈴木 明美────テーマ:石と水と植物

【03】 【18】 【01】 【06】 【08】 【15】


【03】この写真からいくつもの物語が出来そうな気がします。
【18】巨大な石と川、その中の小さな人間。
【01】回りにあまり「色」がない中でミソハギの色が一段と映えていた。
【06】川沿いにたくさんの藤のみがぶら下がっていた。珍しくはないが写真でみると何となく可愛らしい。
【08】この花は子供の頃の一つの思い出がある。小さくて、きれいで、手にとって思わず投げ捨てた。何故ならその「香り」である。およそその姿に似合わない「臭い」でした。
【15】「わたし」が何処にいるか分かりますか?


撮影:伊藤 幸司────テーマA:岩

【21】 【19】 【13】 【20】 【09】


【21】国の名勝・天然記念物「長瀞」の岩畳はこんな岩からできていました。大昔、海底にたまった火山の噴出物や泥や砂が8,000万年前ぐらいにプレートの活動によって地下深く、20〜30kmも沈み込んで、200〜300度(C)という高温と6,000〜7,000気圧という圧力を受けて新しい岩石(結晶)になったといいます。それが地表に押し上げられてきたときにあちこちにひび割れ状の割れ目が生じて「片岩」になったといいます。この結晶片岩は関東から九州まで800kmも続いているのだそうですが、ここは明治初年にナウマン博士によって地質学的研究が行われた「日本地質学発祥の地」であることもあり、結晶片岩のよく見られる場所として知られている……と解説板にありました。
【19】岩の上に止まっていた蝶には、この距離まで接近してとることができました。帰って図鑑を調べてみても、けっきょくよくわかりません。色合いからしてテングチョウではないかと思うのですが頭が天狗の鼻状になっていたかどうか、……わかりません。
【13】岩のひび割れには水平方向の「片理」と垂直方向の「節理」とがあるのだそうですが、これは節理でしょうか。
【20】向こうにそびえているのが秩父赤壁、手前が石畳。長瀞渓谷はたぶん昔から流れのゆるやかな瀞場だったのでしょう。そこを観光船が下るようになったのが大正時代とか。今は「長瀞ライン下り」(ラインはドイツのライン川のことのようです)と称して全長6km、約40分、2,900円(上下半分も可)の和船下りがあります。写真にあるこちらはラフティングと呼ばれるゴムボートによる川下り。3時間7,000円で半分が川下り、残り半分でバーベキューなど楽しむようです。長い瀞場ですから中央の岩を利用してスリリングな運行を試みたり、「赤壁の戦い」を模したりしています。水しぶきは左側2隻が向かい合っての戦いの水しぶきです。見ているとこの手前とこの先でボートを転覆させたりしてアドベンチャーを演出しています。最後尾に腰掛けているのがスキッパー(船頭)です。
【09】荒川の流れが石畳にかかるところにある急流部。ドジってひとりが落ちました。こちらは演出ではなくてマジ下り。私も50年ほど昔、こんな風に下ったことがありました。昔から変わらないあんな付属のパドルではなくて、ベニヤ板の巨大な水かき(ブレード)をつけた自作の大型パドルを使っていましたが。このチームは初心者なので楽しそう。


撮影:伊藤 幸司────テーマB:鉄

【02】 【17】 【10】 【05】 【14】


【02】熊谷駅は上越・長野新幹線とJR高崎線、それに秩父鉄道が一つになった堂々たるローカル駅という感じ。これは秩父鉄道の光景。
【17】秩父の武甲山から掘り出した石灰岩を運び出すために開通した秩父鉄道。なにかものすごい意味があって、しかも判読不可能という感じのトレードマーク。
【10】カエルです……が、鉄板製です。何かを部品として利用したらしく、意表をつく表情が気になりました。
【05】こちらはバイク。ハーレー・ダビッドソンのイメージでしょうが、よく見るとナマのボルトが使われていたりします。価格は2,500円。
【14】2,200円は安いと思う人もいるでしょう。長瀞駅前の売店に置いてあります。どんな人が作っているのかちょっと知りたい感じがしました。


撮影:伊藤 幸司────テーマC:緑

【07】 【04】 【16】 【12】 【11】


【07】石畳の一角にガマの穂がありました。この花粉には幾分の薬効成分があるとのことで、神話の因幡の白兎では大国主命が白兎を救っています。筑波山に名物ガマの油がありますが、四六のガマガエルが脂汗をタラ〜リ、タラ〜リとたらすわけもなく、元はガマの穂に由来する薬であったかもしれないという説明を読んだ記憶があります。
【04】実りの秋に向かうドングリがありました。帰って図鑑で調べてみるとイチイガシのようですが、自信はありません。とにかく堂々とした葉に守られて、スクスクと育っているドングリ……という感じがしました。
【16】石畳が終わったところから岸に上がろうとしたときに現れた竹林。手入れはされていないようですが、荒れた感じより、エネルギーに満ちあふれた緑のかたまりという迫力を感じました。
【12】「埼玉県立自然の博物館」のあたりにはカエデの大木が空を覆うような明るい緑が広がっていました。秋になったら素晴らしいと思わせる元気な緑です。
【11】石畳のところでこの長いさやを数本ぶら下げたフジの木を見ました。岸に上がると藤棚はこのとおり。元気さが全然違いました。岩場のひび割れにたまたま根を張ったフジの木もこの木と姻戚関係にあるのでしょうか。




【01】撮影:鈴木 明美
回りにあまり「色」がない中でミソハギの色が一段と映えていた。
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【02】撮影:伊藤 幸司
熊谷駅は上越・長野新幹線とJR高崎線、それに秩父鉄道が一つになった堂々たるローカル駅という感じ。これは秩父鉄道の光景。
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【03】撮影:鈴木 明美
この写真からいくつもの物語が出来そうな気がします。
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【04】撮影:伊藤 幸司
実りの秋に向かうドングリがありました。帰って図鑑で調べてみるとイチイガシのようですが、自信はありません。とにかく堂々とした葉に守られて、スクスクと育っているドングリ……という感じがしました。
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【05】撮影:伊藤 幸司
こちらはバイク。ハーレー・ダビッドソンのイメージでしょうが、よく見るとナマのボルトが使われていたりします。価格は2,500円。
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【06】撮影:鈴木 明美
川沿いにたくさんの藤のみがぶら下がっていた。珍しくはないが写真でみると何となく可愛らしい。
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【07】撮影:伊藤 幸司
石畳の一角にガマの穂がありました。この花粉には幾分の薬効成分があるとのことで、神話の因幡の白兎では大国主命が白兎を救っています。筑波山に名物ガマの油がありますが、四六のガマガエルが脂汗をタラ〜リ、タラ〜リとたらすわけもなく、元はガマの穂に由来する薬であったかもしれないという説明を読んだ記憶があります。
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【08】撮影:鈴木 明美
この花は子供の頃の一つの思い出がある。小さくて、きれいで、
手にとって思わず投げ捨てた。何故ならその「香り」である。
およそその姿に似合わない「臭い」でした。
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【09】撮影:伊藤 幸司
荒川の流れが石畳にかかるところにある急流部。ドジってひとりが落ちました。こちらは演出ではなくてマジ下り。私も50年ほど昔、こんな風に下ったことがありました。昔から変わらないあんな付属のパドルではなくて、ベニヤ板の巨大な水かき(ブレード)をつけた自作の大型パドルを使っていましたが。このチームは初心者なので楽しそう。
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【10】撮影:伊藤 幸司
カエルです……が、鉄板製です。何かを部品として利用したらしく、意表をつく表情が気になりました。
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【11】撮影:伊藤 幸司
石畳のところでこの長いさやを数本ぶら下げたフジの木を見ました。岸に上がると藤棚はこのとおり。元気さが全然違いました。岩場のひび割れにたまたま根を張ったフジの木もこの木と姻戚関係にあるのでしょうか。
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【12】撮影:伊藤 幸司
「埼玉県立自然の博物館」のあたりにはカエデの大木が空を覆うような明るい緑が広がっていました。秋になったら素晴らしいと思わせる元気な緑です。
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【13】撮影:伊藤 幸司
岩のひび割れには水平方向の「片理」と垂直方向の「節理」とがあるのだそうですが、これは節理でしょうか。
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【14】撮影:伊藤 幸司
2,200円は安いと思う人もいるでしょう。長瀞駅前の売店に置いてあります。どんな人が作っているのかちょっと知りたい感じがしました。
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【15】撮影:鈴木 明美
「わたし」が何処にいるか分かりますか?
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【16】撮影:伊藤 幸司
石畳が終わったところから岸に上がろうとしたときに現れた竹林。手入れはされていないようですが、荒れた感じより、エネルギーに満ちあふれた緑のかたまりという迫力を感じました。
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【17】撮影:伊藤 幸司
秩父の武甲山から掘り出した石灰岩を運び出すために開通した秩父鉄道。なにかものすごい意味があって、しかも判読不可能という感じのトレードマーク。
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【18】撮影:鈴木 明美
巨大な石と川、その中の小さな人間。
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【19】撮影:伊藤 幸司
岩の上に止まっていた蝶には、この距離まで接近してとることができました。帰って図鑑を調べてみても、けっきょくよくわかりません。色合いからしてテングチョウではないかと思うのですが頭が天狗の鼻状になっていたかどうか、……わかりません。
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【20】撮影:伊藤 幸司
向こうにそびえているのが秩父赤壁、手前が石畳。長瀞渓谷はたぶん昔から流れのゆるやかな瀞場だったのでしょう。そこを観光船が下るようになったのが大正時代とか。今は「長瀞ライン下り」(ラインはドイツのライン川のことのようです)と称して全長6km、約40分、2,900円(上下半分も可)の和船下りがあります。
写真にあるこちらはラフティングと呼ばれるゴムボートによる川下り。3時間7,000円で半分が川下り、残り半分でバーベキューなど楽しむようです。
長い瀞場ですから中央の岩を利用してスリリングな運行を試みたり、「赤壁の戦い」を模したりしています。水しぶきは左側2隻が向かい合っての戦いの水しぶきです。見ているとこの手前とこの先でボートを転覆させたりしてアドベンチャーを演出しています。最後尾に腰掛けているのがスキッパー(船頭)です。
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【21】撮影:伊藤 幸司
国の名勝・天然記念物「長瀞」の岩畳はこんな岩からできていました。
大昔、海底にたまった火山の噴出物や泥や砂が8,000万年前ぐらいにプレートの活動によって地下深く、20〜30kmも沈み込んで、200〜300度(C)という高温と6,000〜7,000気圧という圧力を受けて新しい岩石(結晶)になったといいます。それが地表に押し上げられてきたときにあちこちにひび割れ状の割れ目が生じて「片岩」になったといいます。
この結晶片岩は関東から九州まで800kmも続いているのだそうですが、ここは明治初年にナウマン博士によって地質学的研究が行われた「日本地質学発祥の地」であることもあり、結晶片岩のよく見られる場所として知られている……と解説板にありました。


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