発見写真旅・展(37)――2014.7.4 東武カルチュアスクール・旧古河庭園 発見写真旅・展(37)――2014.7.4 東武カルチュアスクール・旧古河庭園



東武カルチュアスクールの写真講座は新シリーズに。7月4日、初対面のおふたりとJR駒込駅から旧古河庭園に行きました。
発見写真旅も入口の入口、まずは手合わせ……というべきところですが、おふたりとも一眼レフカメラの所有者。小雨もよいの中、1周するだけに2時間、濃密に歩きました。
じつは初回ゆえに、ある意味理不尽な注文をつけました。それは「オートで撮ること」「ズームレンズは広角側で固定、動かさないこと」でした。ところがオートにすると林内の暗いところではフラッシュが自動発光してしまうことから「フルオートのAではなくプログラムオートのPで」などと修正したところ、今度は薄暗いところでカメラが撮影を拒否するなど、想定外の出来事に悩まされたのが長谷川さんです。カメラとの「肉体関係」をリセットしていただくためにそうしたのですが、けっこうやっかいな注文になったようです。そして、粗選びした写真をL判にプリントして、次回見せ合うということにしたのです。
写真講座の第2回目、六本木ヒルズの中庭というべき毛利庭園での撮影後、初回の写真を見せていただきました。
本来なら初手合わせ段階ですから「いいと思った写真を適当枚数、それぞれに写真キャプションをつけて送ってください」というべきところですが、おふたりの力量の感じから「5点セット」の話をすでにしてありました。そこに「5点セット」の試みをした力作がゾロリと並んだので、写真をグループ化しながら見るというところに力点を置いて見せていただきました。一般的に語られる「組写真」とはちょっと違って、個々の写真がそれぞれの引力で近寄ったり離れたりするときに「5枚」という作業枠を設けると、自分の写真を多面的に見られるという手法です。
おふたりは難題を何重にもつきつけられたかっこうでたいへん苦労されていましたが、その後、改めて写真が送られてきました。


今回の写真出展メンバー(応募順)は以下の3人です。
富士 阿佐美(3点×2)
長谷川 由美子(5点×5+3点)
伊藤 幸司(5点×4)


【01】から始まる本編の写真は提出された写真をシャッフルしてランダムに並べた「仮展示」の状態のままです。ネット上での二次的な「発見写真旅」を楽しんでいただけたかと思います。
さらに今回、写真サンプルを撮影者別に並べた索引ページを作りました。それによって複数枚セットのテーマ写真の意図も明らかになります。そのサンプル写真をクリックすると展示写真に飛ぶことができます。
この「本展示」に対しても「自由投稿コメント」を募集しています。写真番号をつけてメールでお送りください。コメントは糸の会の会員に限定されていません。どなたのものでも順次掲載させていただきますのでよろしくお願いいたします。


撮影:長谷川 由美子────テーマA:洋館

【03】 【36】 【17】 【06】 【52】


【03】7月4日、旧古河庭園に行きました。七夕近くとあって、笹が飾ってありました。幼稚園児などが飾れるように低くなっています。道を進むと洋館が建っていました。洋館には、予約をしないと入れないので、周りを見ました。
【36】洋館の花壇には、バラの花がきれいに咲いていました。洋館の白い窓枠にバラの花が映えています。白いリボンを付けた可愛らしい女の子が、窓からのぞいて挨拶してくれそうでした。
【17】洋館の一角に、大きな植物が植えてありました。(名前は分かりません。)バラと洋館の組み合わせの優しさと異なり、力強く館を守っているようです。館・木々・バラ・芝生の取り合わせがしっくりして好きでした。
【06】洋館のバルコニーに、テーブルと椅子がありました。真っ白なテーブルクロスと真っ赤な椅子が、とても可愛らしく、バラの花を見ながらお茶を頂く婦人たちのおしゃべりが聞こえるようでした。
【52】洋館と離れた木立の中に、書庫がありました。頑丈な石壁に囲まれ、窓枠には鉄格子がはまっていました。どんな書物が収められているのか、この館で生活していた人々、また、その祖先の方々の歴史が偲ばれました。


撮影:長谷川 由美子────テーマB:木々のアーチ越しに見た景色

【44】 【46】 【54】 【21】 【08】


【44】旧古河庭園には日本庭園と西洋庭園があります。少し離れて眺めてみました。芝生越しに見える洋館は、森の中に建っているようで落ち着いた雰囲気でした。広々したお庭があります。ここで、お茶会などをしたのでしょうか?
【46】日本庭園と西洋庭園が見えます。木と木がアーチを作り、のどかな風景を見せています。私もこの世界に入り込み、庭園に集う人々を眺めているような気持ちになりました。きっと、顔には微笑みが浮かんでいることでしょう。
【54】木々が繁る小道を歩いています。隙間から洋館が僅かに見えました。雨に煙り、印象的な風景でした。モノクロ写真のようで、好きな写真です。
【21】暗い木の間を抜けると、向こうに石壁が見えました。雨に濡れてひっそり建っていました。古書が保存されている書庫でした。小道を通っていにしえの世界にいざなわれた気がしました。
【08】木々をくぐって日本庭園を抜けると、洋館の正面(?)に出ました。石段の向こうにバラ園と洋館が見えます。絵本の世界をのぞいている気がしました。


撮影:長谷川 由美子────テーマC:立

【27】 【01】 【16】 【50】 【31】


【27】石壁を見つけました。元は見晴台だったのでしょうか?今では、木が生い茂って何も見えません。この上に立ち、周りを見ていたのでしょうか?何が見えたのか、見てみたいです。
【01】日本庭園にあずまやがあり写しました。前にある二本の木が邪魔だったのですが、プリントしてみると、太く、また、力強いので気に入ってしまいました。
【16】池に、雪見灯籠が立っていました。静かな池の風景の中に凛と立つ姿が印象的で、美しく見えました。石畳の上に立っているのも、枯山水を思わせ素敵でした。
【50】笹薮の中に石灯籠がありました。雨に濡れた肌合いが黒ずみ、向こうに広がる空の明るさと対照的でした。すっくと立っている様子に近寄りがたい感じがしました。
【31】岩と羊歯を土台にして木が生えています。水際の不安定な場所ですが、力強く立っています。木と草と岩という取り合わせと水の表情が相まって美しく見えました。


撮影:長谷川 由美子────テーマD:雨と植物

【37】 【25】 【10】 【20】 【40】


【37】旧古河庭園を散策していると、雨が降ってきました。見る間に石段が濡れていきます。石段の脇の石に付いている苔が、青々と美しくなってきました。羊歯も生き生きしています。雨を喜んでいるようでした。
【25】大きな百合の花が咲いていました。同行者が、大きな花のことを話していました。頭を垂れ、細い茎がしなっています。必然性があってのことと聞きますが、雨に打たれじっと耐えているようで、辛くなりました。
【10】西洋庭園のバラの花も盛りが終わり、くき(?)が多くみられました。「花が終わってもまだまだ私たちがいますよ。」と、アピールしているようです。勢い良く伸びるくきには、雨粒が一列に並んでいました。花の代わりに飾っているようで、とても可愛らしく見えました。
【20】黄色いバラの花が可憐に咲いていました。まだ、咲き初めなのでしょうか? 雨に打たれて心細そうに見えます。葉の上では、雨粒がはじけています。ころがりおちる雨粒が、「元気を出して!」と、励ましているようです。
【40】華やかなオレンジ色のバラの花が咲いていました。花の上では大小さまざまな雨粒が、楽しそうに踊っています。雨に見せる植物の表情に、生きる力を感じました。


撮影:長谷川 由美子────テーマE:旧古河庭園の心字池にて

【35】 【19】 【22】 【39】 【14】


【35】旧古河庭園には心字池があります。池には舟着き石でしょうか?大きな石がありました。模様もとてもきれいでした。池に舟を浮かべて、そこから上がってみたいと思いました。
【19】水面に小さな羊歯の影が映っていました。その影は、とても可愛らしく、それでいて力強さもありました。まるで、断崖絶壁の頂上で、岩から空に向かって伸びているようでした。
【22】こんもりした小道を入っていくと、池には木の影が重なり合って映り、不思議な模様を作っていました。見とれていると、雨で波紋が広がり、面白い模様が次々にできました。一つとして同じ模様がなく見飽きませんでした。
【39】池の周りには雨に煙る木々が生え、水面には波紋が拡がっています。しっとりした風景で心が落ち着きました。見る人の心を大切にした造りだからと思います。日本庭園の造園者の素晴らしさを感じました。
【14】プリントした写真を見て、不思議な感じがしました。(自分で写したはずなのに)「宙に浮いて木が生えている」そんな風に見えたのです。ですが、よく考えてみると、木の枝が池の上に張り出して伸びていたのでした。見る位置・角度により、実際とは随分違った写真が撮れるものと、写真撮影に、より興味がわきました。


撮影:長谷川 由美子────テーマF:その他

【09】 【13】 【28】


【09】池を渡る石の橋がありました。とても長く、どこまでも続くようです。実際には、池を渡り終わると途切れるのですが…。先を歩いている人が、続いているように見せてくれました。
【13】洋館の角の所です。実際には芝生や庭園に囲まれているのですが…。先の方を見ると海のように見え、海辺に建っている建物のような気がしました。
【28】くぐり戸がひっそり建っています。周りは木々に囲まれ、人の気配は感じられません。かすかに光が差してきて神秘的に見えました。


撮影:富士 阿佐美────テーマA:たてもの
古く立派な建物もプラスアルファで七変化
全てと共生出来そうな 凛とした佇まいが素晴らしい

【02】 【15】 【33】


【02】2階の窓から和室の片鱗が見えませんか? 時間をつくって素敵な佇まいを見学せねば
【15】真直ぐなシュロは 凛とした植物 建物でもバラ園や 日本庭園とも調和します
【33】いつも注目されるバラ達なのに まるで 首を長くして室内を覗いてるようです


撮影:富士 阿佐美────テーマB:ゆらぎ
緑の葉っぱが風にまかせてゆらりゆらりと踊ってる
無駄な気負いがなく雑踏からの訪問者を和ませてくれる

【24】 【45】 【48】


【24】天を仰ぐとユラユラ木の葉が話しかけてきます のんびりとゆっくりと過ごしましょう
【45】右巻き左巻きそして捩れない花も 風まかせの かわいいネジバナの姿に癒されます
【48】ヤマユリは大きな花を支えてゆっくり揺れる 風の日は自然界のメトロノームのようです


撮影:伊藤 幸司────テーマA:笹

【18】 【30】 【49】 【05】 【42】


【18】園遊会などというお祭りのために用意されたのでしょうか、芝生の明るい庭を取り囲むように大きな木がそびえていました。その根元を端正な小笹が埋めているのが新鮮に感じました。
【30】入口の入園窓口から入ってくると地域の子どもたちが参加しているらしい七夕の飾りがあり、その奥に1本、ヤマユリが咲いていました。たまたま1本なのか、この1本に意味があるのか分かりませんが、そのことより、これだけ密集した小笹の円陣から1本だけ抜け出したヤマユリは印象的でした。
【49】私には「小笹」としか見えませんが、目を近づけるとこの小笹には明らかな斑があるので、選ばれた種類だと思われます。しかもここには小笹と共存しているらしい草が何種類か見てとれます。荒れた庭という感じではありません。この庭園で小笹が重要な位置を占めているゆえの、造園上のバリエーションだと思いました。
【05】普通だったら芝生になるような場面でも小笹があくまでも主役を担っています。この庭園では洋の領域と和の領域が二重奏を奏でているというふうに感じるのですが、そのなかで小笹の存在は重要だと感じます。
【42】高台にある洋の庭園から低地にある和の庭園へと下ったあたり。英国人建築家コンドルの洋館+洋風庭園から京都の有名庭師・小川治兵衛による和風庭園の核心部にさしかかりました。小笹の下草が広がっています。すこし疲れた感じではありますが。


撮影:伊藤 幸司────テーマB:楓

【04】 【07】 【32】 【29】 【51】


【04】日本庭園の中心となっているのが心字池。雪見灯籠が主役の座を保っていますが、私にはここでたまたまその屋根をおおうように見えたモミジが日本庭園全体の主役と思えてきました。秋の深まりとともに、日本庭園全体を紅葉がひとつながりに結びつけていくのだろうなと空想しました。
【07】これは心字池の南岸にそそぐ枯山水。枯滝を落ちる流れを想像できれば成功なのでしょうが、楓がここでも重要な役割を担っているようです。
【32】日本庭園の静かな林の中に茶室があります。緑の斜面に囲まれてひっそりとしたたたずまいなのですが、周囲を広葉樹の疎林にして明るい空間を感じさせます。よく見るとそこでも楓が要所を締めているようです。紅葉の時期はもちろん、4月〜5月の新緑の時期にも来てみたい。
【29】洋風庭園にはバラ園がみごとに作られているのですが、その外壁が秋になるとみごとに紅葉するはずです。洋と和の2つの庭園を仕切っている……というか、つなげている役目が楓に託されているようです。
【51】洋館の窓の下にバラ園があり、その縁に楓の壁があるのですが、これは外側から楓の緑を透かして洋館を見ています。日本庭園から洋風庭園をのぞき見る風景といってもいいかと思います。


撮影:伊藤 幸司────テーマC:薔薇

【43】 【26】 【47】 【34】 【12】


【43】1917年(大正6)にジョサイア・コンドルによって設計されたこの洋館は、古河虎之助の住居→古河家の迎賓館→陸軍施設→連合軍施設→物納国有財産→都立公園と変転し、1989年(平成元年)に修復されて現在に至るとか。パンフレットによれば「外壁は真鶴産の赤味をおびた新小松石で仕上げられており、雨にぬれると落ち着いた色調をかもしだします」とか。
【26】名前はなんといったか、深紅の薔薇です。雨の中で咲いていました。90種180株の薔薇が咲くそうで、5月初旬からの1か月は「春のバラフェスティバル」とか。
【47】春のバラフェスティバルが終わって1か月、薔薇園はまだその面目を保っているのだと思います。奥の芝生で園遊会などが行われた時代があるのでしょうが、いつ頃がそのベストシーズンだったのでしょうか。
【34】洋館はテラスをほぼ南に向けていて、そこから下ったところに本格的な薔薇園をつくっています。この時期、ちょっとさみしい感じがするけれど。
【12】洋館から階段を下って薔薇園に下りる途中。この正面通路の右側の薔薇園、左側にもほぼ対称形のものがあって、ゴージャス感をかもしだしています。周囲を取り囲んでいるのは「楓」のところで紹介した「もみじ」の壁面。


撮影:伊藤 幸司────テーマD:石

【38】 【53】 【41】 【11】 【23】


【38】受付から洋館へと向かうメイン通路にはめられていた玉砂利固定枠(というのかどうか)。歩く道をできるだけ自然に、かつ安全、かつ頑丈にしようという試みを、各地でいろいろ見てきたけれど、このタイプは初めてでした。人によってはひんしゅくものかと思うけれど、いろんな点で私は好きです。舗装する前に試みてほしいかたち?
【53】一般的にいえば歩きにくい石の道。でもその顔つきを見ていると、石のそれぞれに名前がついていたかもしれないとも思えます。私が普段歩いている登山道では「濡れて平ったい石は要注意」というのが大原則なので身構えてしまいますが、ともかく手の込んだ石の廊下。
【41】明らかに彫刻の領域に入ると思う石の橋。庭の規模からすると驚くほど本格的な川の風情、渓谷の風情が味わえます。
【11】石灯籠がたくさんあって、これは名札によれば「奥の院型灯籠」とか。園内にはけっこうな数の石灯籠があるけれど、春日大社にあるものを模しているものが多いようです。
【23】ここにも解説札があって、京都由来の「崩石積」とか。石を立てて並べて「崩れそうで崩れない姿」を演出しているそうです。京都を代表する庭師・小川治兵衛の腕の見せどころ、というふうに見なくてはいけないらしいのですが。




【01】撮影:長谷川 由美子
日本庭園にあずまやがあり写しました。前にある二本の木が邪魔だったのですが、プリントしてみると、太く、また、力強いので気に入ってしまいました。

■自由投稿コメント:(仮展示中)伊藤幸司
見るたびに松のあまりにも直情的な幹が、力を増してくるように感じます。
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【02】撮影:富士 阿佐美
2階の窓から和室の片鱗が見えませんか?
時間をつくって素敵な佇まいを見学せねば

■自由投稿コメント:(仮展示中)伊藤幸司
パッと見にはありふれた洋館風景に見えますが、実際に同じ時に同じ場所に立っていた者としては、あの庭園のひとつの「正面風景」かと思います。しだいに直線の美しさに目がいきます。
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【03】撮影:長谷川 由美子
7月4日、旧古河庭園に行きました。七夕近くとあって、笹が飾ってありました。幼稚園児などが飾れるように低くなっています。
道を進むと洋館が建っていました。洋館には、予約をしないと入れないので、周りを見ました。

自由投稿コメント:
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【04】撮影:伊藤幸司
日本庭園の中心となっているのが心字池。雪見灯籠が主役の座を保っていますが、私にはここでたまたまその屋根をおおうように見えたモミジが日本庭園全体の主役と思えてきました。秋の深まりとともに、日本庭園全体を紅葉がひとつながりに結びつけていくのだろうなと空想しました。

自由投稿コメント:
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【05】撮影:伊藤幸司
普通だったら芝生になるような場面でも小笹があくまでも主役を担っています。この庭園では洋の領域と和の領域が二重奏を奏でているというふうに感じるのですが、そのなかで小笹の存在は重要だと感じます。

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【06】撮影:長谷川 由美子
洋館のバルコニーに、テーブルと椅子がありました。
真っ白なテーブルクロスと真っ赤な椅子が、とても可愛らしく、バラの花を見ながらお茶を頂く婦人たちのおしゃべりが聞こえるようでした。

■自由投稿コメント:(仮展示中)伊藤幸司
象徴的な光景というのでしょうか。このテーブルが使われている状態なのか、飾られているだけなのかわかりませんが、いまはブライダルスタジオとして利用され、時に館内見学やお茶の楽しみも味わえるというこの館の、内部の雰囲気をこのテーブルセットが感じさせます。すると木造のドアの端正な感じや、やわらかな石組みの味わいなど、すべてが好ましい組み合わせとして見え始めます。
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【07】撮影:伊藤幸司
これは心字池の南岸にそそぐ枯山水。枯滝を落ちる流れを想像できれば成功なのでしょうが、楓がここでも重要な役割を担っているようです。

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【08】撮影:長谷川 由美子
木々をくぐって日本庭園を抜けると、洋館の正面(?)に出ました。
石段の向こうにバラ園と洋館が見えます。絵本の世界をのぞいている気がしました。

自由投稿コメント:
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【09】撮影:長谷川 由美子
池を渡る石の橋がありました。とても長く、どこまでも続くようです。実際には、池を渡り終わると途切れるのですが…。
先を歩いている人が、続いているように見せてくれました。

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【10】撮影:長谷川 由美子
西洋庭園のバラの花も盛りが終わり、くき(?)が多くみられました。「花が終わってもまだまだ私たちがいますよ。」と、アピールしているようです。
勢い良く伸びるくきには、雨粒が一列に並んでいました。花の代わりに飾っているようで、とても可愛らしく見えました。

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【11】撮影:伊藤幸司
石灯籠がたくさんあって、これは名札によれば「奥の院型灯籠」とか。園内にはけっこうな数の石灯籠があるけれど、春日大社にあるものを模しているものが多いようです。

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【12】撮影:伊藤幸司
洋館から階段を下って薔薇園に下りる途中。この正面通路の右側の薔薇園、左側にもほぼ対称形のものがあって、ゴージャス感をかもしだしています。周囲を取り囲んでいるのは「楓」のところで紹介した「もみじ」の壁面。

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【13】撮影:長谷川 由美子
洋館の角の所です。実際には芝生や庭園に囲まれているのですが…。
先の方を見ると海のように見え、海辺に建っている建物のような気がしました。

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【14】撮影:長谷川 由美子
プリントした写真を見て、不思議な感じがしました。(自分で写したはずなのに)「宙に浮いて木が生えている」そんな風に見えたのです。
ですが、よく考えてみると、木の枝が池の上に張り出して伸びていたのでした。見る位置・角度により、実際とは随分違った写真が撮れるものと、写真撮影に、より興味がわきました。

■自由投稿コメント:(仮展示中)伊藤幸司
このヘンな木を見て3人とも笑ってしまったけれど、もちろん写真を撮ったけれど、それを使う文脈を作れるかどうかで提出できるかどうかが違ってくるわけです。
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【15】撮影:富士 阿佐美
真直ぐなシュロは 凛とした植物
建物でもバラ園や 日本庭園とも調和します

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【16】撮影:長谷川 由美子
池に、雪見灯籠が立っていました。静かな池の風景の中に凛と立つ姿が印象的で、美しく見えました。
石畳の上に立っているのも、枯山水を思わせ素敵でした。

■自由投稿コメント:(仮展示中)伊藤幸司
これは撮った人の「正面出し」の写真だと思います。「ここだ!」という動かぬ一点が見えた瞬間にシャッターを切ったという感じがします。なぜなら静かな風景写真にもかかわらず動きを感じるから。それは広角系レンズの遠近感に由来するゆがみ(パースペクティブ)のためと判定する人もいるかと思いますが、違います。写真を見るときに「そこにあった光景」という客観的な見え方もすれば、撮影者が見ていた光景を提示されたと感じることもあります。そしてこれはカメラとカメラマンをスルーして、見るものが直接見ているという臨場感。頭で撮ったのではなく、反射神経で撮った写真だから見る者に「自分が見た」と錯覚させるのだと思うのです。カメラが肉体の一部になった瞬間を感じます。
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【17】撮影:長谷川 由美子
洋館の一角に、大きな植物が植えてありました。(名前は分かりません。)
バラと洋館の組み合わせの優しさと異なり、力強く館を守っているようです。館・木々・バラ・芝生の取り合わせがしっくりして好きでした。

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【18】撮影:伊藤幸司
園遊会などというお祭りのために用意されたのでしょうか、芝生の明るい庭を取り囲むように大きな木がそびえていました。その根元を端正な小笹が埋めているのが新鮮に感じました。

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【19】撮影:長谷川 由美子
水面に小さな羊歯の影が映っていました。その影は、とても可愛らしく、それでいて力強さもありました。
まるで、断崖絶壁の頂上で、岩から空に向かって伸びているようでした。

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【20】撮影:長谷川 由美子
黄色いバラの花が可憐に咲いていました。まだ、咲き初めなのでしょうか? 雨に打たれて心細そうに見えます。
葉の上では、雨粒がはじけています。ころがりおちる雨粒が、「元気を出して!」と、励ましているようです。

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【21】撮影:長谷川 由美子
暗い木の間を抜けると、向こうに石壁が見えました。雨に濡れてひっそり建っていました。
古書が保存されている書庫でした。小道を通っていにしえの世界にいざなわれた気がしました。

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【22】撮影:長谷川 由美子
こんもりした小道を入っていくと、池には木の影が重なり合って映り、不思議な模様を作っていました。
見とれていると、雨で波紋が広がり、面白い模様が次々にできました。一つとして同じ模様がなく見飽きませんでした。

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【23】撮影:伊藤幸司
ここにも解説札があって、京都由来の「崩石積」とか。石を立てて並べて「崩れそうで崩れない姿」を演出しているそうです。京都を代表する庭師・小川治兵衛の腕の見せどころ、というふうに見なくてはいけないらしいのですが。

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【24】撮影:富士 阿佐美
天を仰ぐとユラユラ木の葉が話しかけてきます
のんびりとゆっくりと過ごしましょう

自由投稿コメント:長谷川 由美子
光を通してゆれている葉に、心が優しく包まれました。
作者のおおらかさ・明るさが伝わってきたからでしょうか。
大好きな作品です。
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【25】撮影:長谷川 由美子
大きな百合の花が咲いていました。同行者が、大きな花のことを話していました。頭を垂れ、細い茎がしなっています。
必然性があってのことと聞きますが、雨に打たれじっと耐えているようで、辛くなりました。

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【26】撮影:伊藤幸司
名前はなんといったか、深紅の薔薇です。雨の中で咲いていました。90種180株の薔薇が咲くそうで、5月初旬からの1か月は「春のバラフェスティバル」とか。

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【27】撮影:長谷川 由美子
石壁を見つけました。元は見晴台だったのでしょうか?今では、木が生い茂って何も見えません。
この上に立ち、周りを見ていたのでしょうか?何が見えたのか、見てみたいです。

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【28】撮影:長谷川 由美子
くぐり戸がひっそり建っています。周りは木々に囲まれ、人の気配は感じられません。
かすかに光が差してきて神秘的に見えました。

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【29】撮影:伊藤幸司
洋風庭園にはバラ園がみごとに作られているのですが、その外壁が秋になるとみごとに紅葉するはずです。洋と和の2つの庭園を仕切っている……というか、つなげている役目が楓に託されているようです。

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【30】撮影:伊藤幸司
入口の入園窓口から入ってくると地域の子どもたちが参加しているらしい七夕の飾りがあり、その奥に1本、ヤマユリが咲いていました。たまたま1本なのか、この1本に意味があるのか分かりませんが、そのことより、これだけ密集した小笹の円陣から1本だけ抜け出したヤマユリは印象的でした。

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【31】撮影:長谷川 由美子
岩と羊歯を土台にして木が生えています。水際の不安定な場所ですが、力強く立っています。
木と草と岩という取り合わせと水の表情が相まって美しく見えました。

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【32】撮影:伊藤幸司
日本庭園の静かな林の中に茶室があります。緑の斜面に囲まれてひっそりとしたたたずまいなのですが、周囲を広葉樹の疎林にして明るい空間を感じさせます。よく見るとそこでも楓が要所を締めているようです。紅葉の時期はもちろん、4月〜5月の新緑の時期にも来てみたい。

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【33】撮影:富士 阿佐美
いつも注目されるバラ達なのに
まるで 首を長くして室内を覗いてるようです

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【34】撮影:伊藤幸司
洋館はテラスをほぼ南に向けていて、そこから下ったところに本格的な薔薇園をつくっています。この時期、ちょっとさみしい感じがするけれど。

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【35】撮影:長谷川 由美子
旧古河庭園には心字池があります。池には舟着き石でしょうか?大きな石がありました。
模様もとてもきれいでした。池に舟を浮かべて、そこから上がってみたいと思いました。

■自由投稿コメント:(仮展示中)伊藤幸司
この写真は見た結果ではなくて、知る始まりだと思います。周囲のビルが映る池の岸辺にあるこの石。京都の一流庭師が造った庭なら、ひと目でこの石が何処を象徴しているか明らかなはずです。少なくともこの石には名前がある。京都の民家のありふれて見える石でもそれが鞍馬山だったり、太閤さんのお城だったりするそうだから。おそらく東京の人間に「どうだ!」と言うべく置いた石に違いないのです。この写真はたまたま無知の目で見つけた(かどうかは撮影者のキャプション待ちですが)として、自分の審美眼で「見つけてしまった」ことに責任を感じる必要があるのだと思います。
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【36】撮影:長谷川 由美子
洋館の花壇には、バラの花がきれいに咲いていました。洋館の白い窓枠にバラの花が映えています。
白いリボンを付けた可愛らしい女の子が、窓からのぞいて挨拶してくれそうでした。

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【37】撮影:長谷川 由美子
旧古河庭園を散策していると、雨が降ってきました。見る間に石段が濡れていきます。石段の脇の石に付いている苔が、青々と美しくなってきました。
羊歯も生き生きしています。雨を喜んでいるようでした。

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【38】撮影:伊藤幸司
受付から洋館へと向かうメイン通路にはめられていた玉砂利固定枠(というのかどうか)。歩く道をできるだけ自然に、かつ安全、かつ頑丈にしようという試みを、各地でいろいろ見てきたけれど、このタイプは初めてでした。人によってはひんしゅくものかと思うけれど、いろんな点で私は好きです。舗装する前に試みてほしいかたち?

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【39】撮影:長谷川 由美子
池の周りには雨に煙る木々が生え、水面には波紋が拡がっています。しっとりした風景で心が落ち着きました。
見る人の心を大切にした造りだからと思います。日本庭園の造園者の素晴らしさを感じました。

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【40】撮影:長谷川 由美子
華やかなオレンジ色のバラの花が咲いていました。花の上では大小さまざまな雨粒が、楽しそうに踊っています。
雨に見せる植物の表情に、生きる力を感じました。

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【41】撮影:伊藤幸司
明らかに彫刻の領域に入ると思う石の橋。庭の規模からすると驚くほど本格的な川の風情、渓谷の風情が味わえます。

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【42】撮影:伊藤幸司
高台にある洋の庭園から低地にある和の庭園へと下ったあたり。英国人建築家コンドルの洋館+洋風庭園から京都の有名庭師・小川治兵衛による和風庭園の核心部にさしかかりました。小笹の下草が広がっています。すこし疲れた感じではありますが。

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【43】撮影:伊藤幸司
1917年(大正6)にジョサイア・コンドルによって設計されたこの洋館は、古河虎之助の住居→古河家の迎賓館→陸軍施設→連合軍施設→物納国有財産→都立公園と変転し、1989年(平成元年)に修復されて現在に至るとか。パンフレットによれば「外壁は真鶴産の赤味をおびた新小松石で仕上げられており、雨にぬれると落ち着いた色調をかもしだします」とか。

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【44】撮影:長谷川 由美子
旧古河庭園には日本庭園と西洋庭園があります。少し離れて眺めてみました。芝生越しに見える洋館は、森の中に建っているようで落ち着いた雰囲気でした。
広々したお庭があります。ここで、お茶会などをしたのでしょうか?

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【45】撮影:富士 阿佐美
右巻き左巻きそして捩れない花も
風まかせの かわいいネジバナの姿に癒されます

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【46】撮影:長谷川 由美子
日本庭園と西洋庭園が見えます。木と木がアーチを作り、のどかな風景を見せています。
私もこの世界に入り込み、庭園に集う人々を眺めているような気持ちになりました。きっと、顔には微笑みが浮かんでいることでしょう。

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【47】撮影:伊藤幸司
春のバラフェスティバルが終わって1か月、薔薇園はまだその面目を保っているのだと思います。奥の芝生で園遊会などが行われた時代があるのでしょうが、いつ頃がそのベストシーズンだったのでしょうか。

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【48】撮影:富士 阿佐美
ヤマユリは大きな花を支えてゆっくり揺れる
風の日は自然界のメトロノームのようです

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【49】撮影:伊藤幸司
私には「小笹」としか見えませんが、目を近づけるとこの小笹には明らかな斑があるので、選ばれた種類だと思われます。しかもここには小笹と共存しているらしい草が何種類か見てとれます。荒れた庭という感じではありません。この庭園で小笹が重要な位置を占めているゆえの、造園上のバリエーションだと思いました。

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【50】撮影:長谷川 由美子
笹薮の中に石灯籠がありました。雨に濡れた肌合いが黒ずみ、向こうに広がる空の明るさと対照的でした。
すっくと立っている様子に近寄りがたい感じがしました。

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【51】撮影:伊藤幸司
洋館の窓の下にバラ園があり、その縁に楓の壁があるのですが、これは外側から楓の緑を透かして洋館を見ています。日本庭園から洋風庭園をのぞき見る風景といってもいいかと思います。

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【52】撮影:長谷川 由美子
洋館と離れた木立の中に、書庫がありました。頑丈な石壁に囲まれ、窓枠には鉄格子がはまっていました。
どんな書物が収められているのか、この館で生活していた人々、また、その祖先の方々の歴史が偲ばれました。

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【53】撮影:伊藤幸司
一般的にいえば歩きにくい石の道。でもその顔つきを見ていると、石のそれぞれに名前がついていたかもしれないとも思えます。私が普段歩いている登山道では「濡れて平ったい石は要注意」というのが大原則なので身構えてしまいますが、ともかく手の込んだ石の廊下。

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【54】撮影:長谷川 由美子
木々が繁る小道を歩いています。隙間から洋館が僅かに見えました。
雨に煙り、印象的な風景でした。モノクロ写真のようで、好きな写真です。

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