発見写真旅・展(57)――2015.1.30 明治神宮・御苑 発見写真旅・展(57)――2015.1.30 明治神宮・御苑
写真先頭【01】
写真の話=カメラにカイロを


 東武カルチュアスクールの写真講座は毎月第1金曜日なのですが、1月は正月休みとぶつかって第5金曜日のこの日になりました。そしてたまたま、東京は前夜からの雪、日中はあがるというのでなんとか雪が降っている間に撮影を始めたい。千載一隅のラッキーチャンス……と思っていたのですが、この日は1-3月期の開始日なので講座料を直接支払う人のために池袋の東武カルチュアスクールが集合場所。いろいろごたついたこともあって明治神宮に着いたときには雪が雨に変わっていました。
 ちょっと残念でしたが、もともとそういう外的条件のピークを望んで撮る企画ではないので、寒さの中で2時間からだが持つかどうかという一般的な心配の方が、この天気で大きくふくらんでいました。
 おまけに、庭園としての「御苑」はどうも小さい。花菖蒲の時期でもないので、雪景色だけで「もつだろうか」というほうが、大きな心配でした。そこで明治神宮そのものも写真の範囲に加えようと決めました。


今回の写真出展メンバー(提出順)は以下の4人です。
稲田 郁子(5テーマ27点)
土屋千鶴子(3テーマ17点)
伊藤 朝(4テーマ20点)
伊藤 幸司(4テーマ20点)


【01】から始まる本編の写真は提出された写真をシャッフルしてランダムに並べた「仮展示」の状態のままです。この状態ですべての写真を「10秒ずつ」見ていただくと、その中にかならず「動き出す写真」「語り出す写真」があるはずです。
撮影者にとっての「発見写真旅」は撮影現場と写真選びにあって、写真選びでは全ての写真を「10秒見る」という方法を強くすすめてきました。そしてこの展示を見ていただく方にも「10秒見る」ことで「発見写真旅」を体験していただけると考えています。
その後、それぞれの写真に撮影者のキャプション(あらかじめ提出されていました)を加えたので、写真の意図が明らかにされたものも多いかと思います。この段階でも再び「発見写真旅」を楽しんでいただけると思います。
さらに写真サンプルを撮影者別に並べた索引ページも作りました。それによって複数枚セットのテーマ写真の意図も明らかになります。そのサンプル写真をクリックすると展示写真に飛ぶことができます。サンプル写真に戻るにはデリートキー(delete key、削除キー)を押してみてください。
この「発見写真旅・展」では「自由投稿コメント」を募集しています。写真番号をつけてメールでお送りください。順次掲載させていただきますのでよろしくお願いいたします。


撮影:稲田 郁子────テーマA:スタート前

【37】 【34】 【01】 【31】 【26】


【37】本隊より先に原宿に着いたので、一回り。竹下通りの入り口は急坂で、雪かきの人がさっそく働いていました。
【34】10時10分位か、一番雪が積もり、線路沿いの坂は、要注意です。
【01】これは明治神宮の中、完全なフライングですが、その分雪がきれいです。外人さんを含めたくさん人がお参りに来ています。
【31】代々木公園は、訪れる人もなく、ひっそりしています。
【26】原宿としては欠かせない代々木競技場前は、思ったよりも雪がすくなく、残念。


撮影:稲田 郁子────テーマB:凍った池

【42】 【65】 【48】 【16】 【51】


【42】早く入らないと雪がとけると、あせって入った神宮御苑。南池はまだ一部凍り、一部雪が積もり、一部シャーベット状。微妙な表情でした。
【65】雪(氷)の色は、グレー系になるか、ブルー系になるか。ここで2枚撮ったら、風景モードより、オートのほうがこのようにブルー系になったと思いますが、確証なしです。
【48】例によって、水平が狂っていますが、変化のある一枚になりました。
【16】雪が雨に変わり、隠れていた色が見え始めました。
【51】私としては珍しい接写、水面です。


撮影:稲田 郁子────テーマC:菖蒲田

【10】 【36】 【22】 【59】 【44】


【10】神宮御苑といえば、菖蒲田が有名です。この時期でも、それなりの雰囲気があり、見ごたえがあります。
【36】菖蒲は、水の調整がたいへんそうです。これだけ立派な水路も納得です。
【22】一株ごとに土が盛ってあるのか、水玉模様ができています。
【59】一株ごとに品種が違うのか、すべて木札に名前が書いてあります。これでは、“宇宙”と“鶴の毛衣”など読めます。他に、“熊奮迅”というのもありました。
【44】これは四阿(あずまや、地図のとおり)から見た眺めで、かやぶきの屋根が写っています。5枚そろえるのは、たいへん…。


撮影:稲田 郁子────テーマD:足跡

【15】 【67】 【20】 【12】 【29】 【73】


【15】木陰の橋は、積もった雪もうっすらで、足跡もうっすら。これを見て、雪の日ならではのテーマを思いつきました。
【67】芝生の斜面の道には、1人だけの足跡が。気持ちいいことでしょう。
【20】これも1人の足跡、同じ人かもしれません。ただし、右に行ったり左に行ったり。何を見て何を思いながら歩いていたのでしょうか。
【12】菖蒲池の橋は踏み荒らされて、風情のない足跡です。
【29】御苑の一番奥、清正井の水源近くの石に目立つ足跡。ここまで下りたのは、写真をとるためでしょうか。
【73】番外……これは御苑ではなく、正殿前です。四方八方へ向かう足跡が、新鮮です。


撮影:稲田 郁子────テーマE:竹の柵

【81】 【24】 【54】 【08】 【40】 【49】


【81】清正井の周りに、太い立派な竹の柵がありました。ほかにも竹がふんだんに使ってあるのに気付きました。
【24】清正井へ下りる道は、手すりが両側についた、親切な柵です。
【54】御苑の周囲も竹の柵で仕切られている所もあるようです。風通しがよさそう。
【08】よく見れば、遊歩道にも竹の柵です。昔はどこの公園でも見られたけれども、この頃は、杭とロープが多い気がします。
【40】御苑内隔雲亭の竹垣。これも昔はよく見たけれど、今は街中ではほとんど見られません。
【49】番外……参道にも竹垣がありました。撮った時は意識していませんでしたが。


撮影:土屋 千鶴子────テーマA:参道

【17】 【72】 【50】 【61】 【45】


【17】御社殿へ向かう鳥居のまえ雪は雨にかわりました
【72】りっぱな山門です
【50】御社殿むかって左側にあるご神木、大きいものを無条件で敬う信仰の原点かも。
【61】釣り灯籠、菊のご紋が入っています。この下を通って参拝させて頂いたもちろん奮発してお賽銭も。
【45】ご社殿を後ろに歩き出して目に入った木。参拝者の為にきれいに整備された道、木にとっては迷惑なのでしょうね、寄り添ってしたたかに生きる声がする。


撮影:土屋 千鶴子────テーマB:大鳥居あたり

【39】 【33】 【56】 【23】 【69】


【39】この時間、雪はみぞれに変わってきました。アスファルトの歩道は雪がとけて水びたしこんな悪天候にも関わらず訪れている人は意外と多い。
【33】大鳥居を過ぎるとアスファルト道からじゃり道に変わるので雪の溶けるのが少し遅い。
【56】雪と明治神宮なんてなかなか巡り合えないチャンスなのでカメラを向ける人が多い
【23】参道脇、遮る大木がない場所のくさむらにうっすらと雪がかぶっている。
【69】全国の蔵元から奉納された化粧樽、ここに陳列されているのは一千個には満たないと思うが。先日テレビで日本の蔵元は二千余あるといっていたその蔵元が何種類かの酒を作るので酒の種類は相当の数になるとの事。


撮影:土屋 千鶴子────テーマC:御苑 1/2

【28】 【02】 【07】 【41】 【58】


【28】北門を入ってすぐ隔雲亭とある、数寄屋風の造りが美しい。
【02】何の木か花か確認するのを忘れた、でも写っている様子はつつじのようですね。
【07】めずらしく雪よけが掛けてありましたこの園内ではめずらしい。
【41】池の表面に今朝降った雪がみぞれ状態に浮いています
【58】「41」の場所から遠くを写してみました、木々についた雪の量が白の濃淡で知ることができます。


撮影:土屋 千鶴子────テーマC:御苑 2/2

【05】 【55】


【05】写真の中央あたりは池の端が奥に細くなる所なのですがカメラの結露のせいで白くボケが入ってしまいました。
【55】菖蒲田にて、このような札が沢山ありました、アップで撮ってわかりました菖蒲の名前をかいたものだったのです。


撮影:伊藤 朝────テーマA:おもたい つめたい あまい あったかい

【25】 【83】 【14】 【11】 【71】


【25】ひょろっと伸びた笹の茎は、雪の積もる重たい葉を支えるにはあまりにも華奢で。それでも、体をしなやかに倒し、懸命に耐えている。その姿が、とてもけなげに見えたので、がんばれ、がんばれ! と気持ちを込めて写真におさめる。
【83】雪が雨に変わり、水をたくさん含んだ雪が、植物を包み込む。まるで砂糖菓子のようで、おもわずパクっ・・・としたくなった。
【14】自らが傘のように、枝や葉を密集させ、体いっぱいに雪を積もらせていた。幹のふもとにある、なにか大切なものを守るように、冷たい雪を押しのける。
【11】空から舞い降りてきた結晶たちは、次から次へ手と手をつなぎ、積もってゆく。こんなに細い枝にも降り積もる雪は、とっても器用だ。
【71】キノコが寒くないように、雪の毛布を丸太がまとう。軽く柔らかで、気持ちが良いい。そんな風に見えた、雪降りの寒い朝。


撮影:伊藤 朝────テーマB:さむい

【03】 【68】 【30】 【52】 【35】


【03】続々と降ってくる大粒の雪。空はいちだんと白く、幹の焦げ茶も、葉の深緑も、見えている世界の全てが雪の粒と重なって、ぼんやりと靄のかかった幻のように見えた。色が奪われてゆく。温度が奪われてゆく。
【68】私だって寒いんです。おなかは冷やしちゃいけません。だから、腹巻きだってするんです。苔のコートも着るんです。寒い寒い雪の日のひとりごと。
【30】青い石、雨水に溶けた茶色い土。うっすらと水が張り、雪とあられが散らばっている。きれいだけれど、気分はひんやり。
【52】凍える砂利道。濡れた体で投げ出され、あぁ冷たそう!あぁ寒そう!・・・でもなんだか、いたずらっぽい表情に心が弾む。
【35】雪降りの今日は、長靴で。雪の冷たさがじわじわと伝わり、指先が凍え、じんじんと痛かった。タイツと靴下と長靴と。たくさんの装備をしていても、靴の中に入れたカイロが温まらない、たったそれだけで指先の感覚が無くなり、歩く事すらままならなくなった。植物の強さを思い知る。


撮影:伊藤 朝────テーマC:景色

【75】 【63】 【66】 【43】 【57】


【75】吸い込まれてしまいそうな白い空。その空が崩れ落ちてきたように降り積もった雪。はたまた、樹々の色も周囲の景色を飲み込んでしまいそうに深い。キリッと締まった冷たい空気の中、どちらも荘厳に感じられ背筋が伸びる。
【63】雪なのか、雨なのか、霧なのか。水なのか、氷なのか。明るいのか、暗いのか。様々な境にいる写真。
【66】白い空に白い雪。不思議なもので、細い枝振りまでくっきり見えます。白い花が満開です。絶好のお花見日和です。
【43】地面に、竹柵に、優しく降り注ぐあたたかい光。だけどこれは冷たい雪。とても寒い一日だったので、一瞬心が温まる。実際のところは極寒だったのだけれど。
【57】この日一番最後に撮ったのがこの写真。道の先が何となくぼんやりと明るくて、見送られているように感じた。そこに何かが・・・誰かが居るような、少し不思議な気分。今日はありがとうございました。お邪魔しました。


撮影:伊藤 朝────テーマD:跡

【79】 【60】 【19】 【06】 【21】


【79】踏みしめられた雪。たくさんのひとの足跡が、歴史を刻むように残されてゆく。けれど、明日になれば雪と一緒に消えてゆく。
【60】この人は、なんてラッキー! 誰の足跡もない雪道を歩く! 誰もがうらやむシチュエーション! その誇らしげな顔!見てはないけれど、この足跡からばっちりと想像がつきます!
【19】影が落ちたような植木のシルエット。小さな虫や動物の避難場所になっているかもしれない。小さい命の安心サークル。お邪魔しては悪いので、遠くから想像します。
【06】雪の上にぽつぽつと雨が降る。音が聞こえてきそうなぽつぽつ跡。空から直接落ちてきた雨粒。木を滑り落ちて大きくなった雨粒。ぽつぽつぽつぽつ。
【21】水辺が騒がしい。ひっきりなしに降る雨粒に、ひっきりなしに踊る池。水門から音楽や笑い声や、怒鳴り声やかけ声や。雪の去り際を飾るフィナーレのよう。


撮影:伊藤 幸司────テーマA:森

【32】 【13】 【47】 【18】 【80】


【32】百歳となった明治神宮の森。御料地ながら畑や荒れ地だったところに全国から奉納された10万本の献木が植えられて、突如雑木林が生まれたのだといいます。献木は365種に及んだといいますが、現在は234種と明治神宮のホームページに記されています。じつはこのとき、神社に多いスギ・ヒノキを排して、シイ・カシなどの照葉樹を中心にして、環境にあった「百年の森」を計画したのは東京帝大の林学の専門家たちでした。当時、皇室財産の御料林や国有林の林業技術は完全に東京帝大がリードしていました。そのひとつの方向がここで試されたといわれています。その現場をまかされた若き研究者・上原敬二に『人のつくった森──明治神宮の森「永遠の杜」造成の記録』(2009年)という著書があります。
【13】私は初詣で明治神宮に出かけたことはないのですが、三が日の参拝者は300万人とか。参道そのものがすでに広場ともいえる広大さを誇っているわけですが、ここが人の列で埋め尽くされたようなニュース映像などを見ると、とても遠い存在に思えてしまいます。
【47】造園の考え方では落ち葉の扱いが大きく2つに分かれるようです。林床をきれいにするために落ち葉をかき集めてしまうのが一般的かと思います。しかしここは「百年の森」を目指すことから、落ち葉を森の栄養分として考えるという立場をとっているそうです。
【18】12月の皇居一周は、紅葉の盛りを堪能できる「秋季皇居乾通り一般公開」が行われているその日にぶつかったのですが、外周から見えたのは皇居の緑ばかりでした。マツの緑に囲まれて、内部の紅葉はほとんど想像もできないのでした。明治神宮の森も、参道の周囲は濃い緑に囲まれていました。スギ・ヒノキではなく常緑・広葉の照葉樹のシイ・カシが主体だということですが、内側の御苑に入ると、そこは落葉樹の世界。枯れ木に雪が積もっていました。
【80】菖蒲田のかたわらにある四阿(あずまや)。すでに雪は雨に変わっていたけれど、冬の山里の雰囲気が、まだここには漂っていました。


撮影:伊藤 幸司────テーマB:雪

【04】 【76】 【64】 【46】 【38】


【04】夜間降り積もった雪は、原宿駅付近では午前10時ごろを境に雨になりました。御苑の道は雪のぬかるみという感じです。でもさすが、平日のこんな日にも、けっこう多くの人が有料のこの庭園を訪れているのです。
【76】明治天皇が皇后のために建てたことに始まるという隔雲亭。それを見る雪の斜面に小さな雪だるま。
【64】この雪だるまをつくったのは、たぶん子どもではないでしょう。若い男女が瞬間的に本気になって、ちょい、ちょい、と作った……のではないだろうかと感じました。祈りの気持ちが見てとれます。
【46】雪だるまのところから振り返るとこういう場所。雪が静かに降り続いた時間があったとわかります。
【38】この御苑を代表する菖蒲田。明治天皇が皇后のために1,000株のハナショウブを植えたと説明されています。現在は約150種、1,500株が咲き誇るといいます。


撮影:伊藤 幸司────テーマC:水

【82】 【74】 【84】 【78】 【27】


【82】江戸時代から枯れたことがないという清正井。最近ではパワースポットという噂が若い人たちを呼び寄せているようです。それよりも、この湧き水は神宮本殿のすぐ近くにあって、地表面に近い地下水脈をうまく集めているそうです。そして流れ出た水は菖蒲田を潤し、南池にゆったりとした池をつくり、原宿駅方面に流れ出ます。加藤清正までさかのぼる井戸かどうかは不明のようですが、この井戸があってこその明治神宮だと思われます。
【74】清正井から流れ出した水はすぐに渓谷の雰囲気をつくり出します。私はアフリカでナイル河の最長源頭と考えた地点に立ったことがありますが、それはルワンダ共和国の奥地、ニュングエ(豹)の森と呼ばれるところで、ほんの小さな尾根はコンゴ川(ザイール川)と流れを分ける「コンゴ・ニル(ナイル)」と呼ばれる分水嶺。その下からチョロチョロとわき出る清水でした。そのことからすれば、小さな井戸からあふれた小さな流れが、たちまちにしてこんな風景を作り出しても、驚くには当たらないのです。
【84】昨夜来の雪の痕跡は池の水面に薄く張った氷の表面に残っていました。ついさっきまでは水面に雪がひらひらと吸い込まれていたのでしょうが、雨になって、大小いろんな波紋が躍っていました。
【78】おそらくこの池が最初からあったのではないでしょう。少しずつ流れ出てくる水をゆっくりと溜めると、池はたちまち湖になり、日本庭園に標準的な「海」にもなってしまうのです。
【27】これは原宿駅のところから鳥居をくぐって始まる広い参道にかかる橋です。流れの先になんとなく見えている人工物は原宿駅の構造物だと思います。御苑から流れ出た水はすでに立派な川といっていいでしょう。


撮影:伊藤 幸司────テーマD:祈り

【62】 【77】 【70】 【53】 【09】


【62】「薦被り」は日本の信仰空間にはおなじみのものですが、薦(こも)がマコモのことであり、のちに稲藁で包まれた四斗樽(約72リットル)のこと……というあたりまでは知らなかったこととはいえ、予想の範囲ではあったのですが、同じ銘柄が並んでいたり孤軍奮闘のものがあったりするのを見ていくと、誰がどのように、そして何のために奉納したのかということに関する適切な回答をネット上で見つけることができませんでした。薦被りの値段を調べてみるとピンキリで、最低でも5万円はする(1升約1,250円)うえに、ここに並べてもらうためには奉納料を納めなければいけないはずでしょうし。そして中身はづなっているのでしょうか。
じつはこの向かい側に葡萄酒の樽が並んでいるのです。フランス・ブルゴーニュ地方の醸造各社が献納したそうですが、ブルゴーニュ地方に歴史的建造物にして最高級ホテルを所有している佐多保彦さんという人の奮闘によるものとか。個人の発案でも受け入れてくれるものらしいとはわかりますが。
【77】300万人といわれる初詣の人々にとっては、参道がここで終わって、いよいよ本殿、という南神門。じつはこの左手に御苑の水源・清正井があるという位置関係なのです。
【70】この日、南神門をくぐると、そこは「明治神宮第61回全国青少年新春書道展」の会場となっていました。小中学生が対象とのことですが、そのレベルの高いこと。自分でも読めなくなる文字しか書けない私などには文字が威圧してくる感じがしました。
【53】神宮本殿は1945年4月に米軍の空襲によって消失したということなので、左右両翼にそびえるクスノキがどのような運命をたどってきたものか私にはまだわかっていませんが、たった百年の信仰施設にしてはあまりにも立派です。
【09】御苑の中で特別な存在感を示していたマツの木。江戸時代伊井家の下屋敷であり、明治時代には皇室の代々木御苑と称されて明治天皇・昭憲皇太后がしばしば訪れたといいます。その隔雲亭から眺めると南池のかたわらにあるこのマツが庭の中心と見えたのではないでしょうか。明治天皇のプライベートな別荘空間であったと想像されるところから、このマツは特別な存在であったかと思われます。



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【01】撮影:稲田 郁子
これは明治神宮の中、完全なフライングですが、その分雪がきれいです。外人さんを含めたくさん人がお参りに来ています。
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【02】撮影:土屋 千鶴子
何の木か花か確認するのを忘れた、でも写っている様子はつつじのようですね。
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【03】撮影:伊藤 朝
続々と降ってくる大粒の雪。
空はいちだんと白く、幹の焦げ茶も、葉の深緑も、見えている世界の全てが雪の粒と重なって、ぼんやりと靄のかかった幻のように見えた。
色が奪われてゆく。
温度が奪われてゆく。
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【04】撮影:伊藤 幸司
夜間降り積もった雪は、原宿駅付近では午前10時ごろを境に雨になりました。御苑の道は雪のぬかるみという感じです。でもさすが、平日のこんな日にも、けっこう多くの人が有料のこの庭園を訪れているのです。
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【05】撮影:土屋 千鶴子
写真の中央あたりは池の端が奥に細くなる所なのですがカメラの結露のせいで白くボケが入ってしまいました。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
ものすごく素直に撮れている写真だと感じます。清正井から湧き出た清水が菖蒲田を潤したあと、この南池をつくっています。この小さな庭園の中では十分に大きく見える池ですが、手前にある杭が遠近感を演出して、十分に大きな風景に感じさせます。風景を捉えきっていると感じると小さく見え、捉えきれていないと感じると大きく見えるという、その微妙なところでうまく撮れているのだと思います。



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【06】撮影:伊藤 朝
雪の上にぽつぽつと雨が降る。
音が聞こえてきそうなぽつぽつ跡。
空から直接落ちてきた雨粒。
木を滑り落ちて大きくなった雨粒。
ぽつぽつぽつぽつ。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
さあて、このブツブツはなんでしょうか。雪の上に何かが落ちてランダムな模様をつくったということではあるでしょうが、この写真がいったいどんな文脈でここに提出されているのか、ある意味ではこの段階で見る人への挑戦状とも感じます。キャプションが示されたら、なあ〜んだということになるのかもしれませんが。



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【07】撮影:土屋 千鶴子
めずらしく雪よけが掛けてありましたこの園内ではめずらしい。
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【08】撮影:稲田 郁子
よく見れば、遊歩道にも竹の柵です。昔はどこの公園でも見られたけれども、この頃は、杭とロープが多い気がします。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
特段凝った作りの写真には見えないのですが、庭園の道を歩いている気分を強く感じるのはなぜでしょうか。歩道にたくさんの足跡がついていますが、それによるというふうにも思えません。竹の……なんというのでしょうか、半円形に刺した柵によって道がゆっくりとカーブしていきます。その道がほんのちょっと「傾いでいる」というところに写真に動きをつけているのではないかと思います。これを意図的にやったのであれば、たいへんなものだと思いますが、感覚をシャープにしていれば、十分にあり得ることだとも思います。



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【09】撮影:伊藤 幸司
御苑の中で特別な存在感を示していたマツの木。江戸時代伊井家の下屋敷であり、明治時代には皇室の代々木御苑と称されて明治天皇・昭憲皇太后がしばしば訪れたといいます。その隔雲亭から眺めると南池のかたわらにあるこのマツが庭の中心と見えたのではないでしょうか。明治天皇のプライベートな別荘空間であったと想像されるところから、このマツは特別な存在であったかと思われます。
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【10】撮影:稲田 郁子
神宮御苑といえば、菖蒲田が有名です。この時期でも、それなりの雰囲気があり、見ごたえがあります。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
ひょっとしてこの写真にも【08】と同じ匂いを感じます。菖蒲田の水路が描く曲線が見るものの目を引き込む感じがします。



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【11】撮影:伊藤 朝
空から舞い降りてきた結晶たちは、次から次へ手と手をつなぎ、積もってゆく。
こんなに細い枝にも降り積もる雪は、とっても器用だ。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
撮影者の関心はおもに踏み跡にあるのだと思いますが、それを大きくコントロールしただろうと思われる直線的な橋桁が踏み跡と闘っていた感じが残っています。私だけの印象かもしれませんが。



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【12】撮影:稲田 郁子
菖蒲池の橋は踏み荒らされて、風情のない足跡です。
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【13】撮影:伊藤 幸司
私は初詣で明治神宮に出かけたことはないのですが、三が日の参拝者は300万人とか。参道そのものがすでに広場ともいえる広大さを誇っているわけですが、ここが人の列で埋め尽くされたようなニュース映像などを見ると、とても遠い存在に思えてしまいます。
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【14】撮影:伊藤 朝
自らが傘のように、枝や葉を密集させ、体いっぱいに雪を積もらせていた。
幹のふもとにある、なにか大切なものを守るように、冷たい雪を押しのける。
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【15】撮影:稲田 郁子
木陰の橋は、積もった雪もうっすらで、足跡もうっすら。これを見て、雪の日ならではのテーマを思いつきました。
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【16】撮影:稲田 郁子
雪が雨に変わり、隠れていた色が見え始めました。
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【17】撮影:土屋 千鶴子
御社殿へ向かう鳥居のまえ雪は雨にかわりました
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【18】撮影:伊藤 幸司
12月の皇居一周は、紅葉の盛りを堪能できる「秋季皇居乾通り一般公開」が行われているその日にぶつかったのですが、外周から見えたのは皇居の緑ばかりでした。マツの緑に囲まれて、内部の紅葉はほとんど想像もできないのでした。明治神宮の森も、参道の周囲は濃い緑に囲まれていました。スギ・ヒノキではなく常緑・広葉の照葉樹のシイ・カシが主体だということですが、内側の御苑に入ると、そこは落葉樹の世界。枯れ木に雪が積もっていました。
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【19】撮影:伊藤 朝
影が落ちたような植木のシルエット。
小さな虫や動物の避難場所になっているかもしれない。
小さい命の安心サークル。
お邪魔しては悪いので、遠くから想像します。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
雪と植え込みのあいだにある黒々としたものは、影のようにも見えるけれど、雪が降り積もらなかった地面のようにも思われます。この写真のある種の「暗さ」が意図的なものなのかどうかわかりませんが、見ているうちに植え込みの木がゆっくりと見えてくるのはフシギです。



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【20】撮影:稲田 郁子
これも1人の足跡、同じ人かもしれません。ただし、右に行ったり左に行ったり。何を見て何を思いながら歩いていたのでしょうか。
■自由投稿コメント:



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【21】撮影:伊藤 朝
水辺が騒がしい。
ひっきりなしに降る雨粒に、ひっきりなしに踊る池。
水門から音楽や笑い声や、怒鳴り声やかけ声や。
雪の去り際を飾るフィナーレのよう。
■自由投稿コメント(仮展示中):稲田 郁子
雨粒の模様も、雪がとけかけた水溜まりでは、これほど繊細な模様になるものなのですね。感心。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
降っていた雪が雨に変わって、凍りかけていた池の水面がどんどん緩んでいくその微妙な移行期間のなかで、雨の波紋が独特の姿を見せてくれている。その場にいた人間にとってはある種象徴的な光景をつかまえた……と感じます。



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【22】撮影:稲田 郁子
一株ごとに土が盛ってあるのか、水玉模様ができています。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
なぜだかわからないけれど、花菖蒲の名札ごとに雪まんじゅうができていて、墓場のような気配も感じられます。昨夜来の雪がとけ始めたところで見られた造形ということでしょうか。



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【23】撮影:土屋 千鶴子
参道脇、遮る大木がない場所のくさむらにうっすらと雪がかぶっている。
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【24】撮影:稲田 郁子
清正井へ下りる道は、手すりが両側についた、親切な柵です。
■自由投稿コメント:



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【25】撮影:伊藤 朝
ひょろっと伸びた笹の茎は、雪の積もる重たい葉を支えるにはあまりにも華奢で。
それでも、体をしなやかに倒し、懸命に耐えている。
その姿が、とてもけなげに見えたので、がんばれ、がんばれ!と気持ちを込めて写真におさめる。
■自由投稿コメント(仮展示中):稲田 郁子
雪のなかの雨の穴、それだけでもおもしろいけれど、小さな枝があるとまた、趣がちがいますね。



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【26】撮影:稲田 郁子
原宿としては欠かせない代々木競技場前は、思ったよりも雪がすくなく、残念。
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【27】撮影:伊藤 幸司
これは原宿駅のところから鳥居をくぐって始まる広い参道にかかる橋です。流れの先になんとなく見えている人工物は原宿駅の構造物だと思います。御苑から流れ出た水はすでに立派な川といっていいでしょう。
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【28】撮影:土屋 千鶴子
北門を入ってすぐ隔雲亭とある、数寄屋風の造りが美しい。
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【29】撮影:稲田 郁子
御苑の一番奥、清正井の水源近くの石に目立つ足跡。ここまで下りたのは、写真をとるためでしょうか。
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【30】撮影:伊藤 朝
青い石、雨水に溶けた茶色い土。
うっすらと水が張り、雪とあられが散らばっている。
きれいだけれど、気分はひんやり。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
これも雪が降り終わって、その痕跡をゆっくりと消しつつある風景だけれど、これがどんな文脈の中に置かれているのか、本展示が楽しみというところ。



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【31】撮影:稲田 郁子
代々木公園は、訪れる人もなく、ひっそりしています。
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【32】撮影:伊藤 幸司
百歳となった明治神宮の森。御料地ながら畑や荒れ地だったところに全国から奉納された10万本の献木が植えられて、突如雑木林が生まれたのだといいます。献木は365種に及んだといいますが、現在は234種と明治神宮のホームページに記されています。じつはこのとき、神社に多いスギ・ヒノキを排して、シイ・カシなどの照葉樹を中心にして、環境にあった「百年の森」を計画したのは東京帝大の林学の専門家たちでした。当時、皇室財産の御料林や国有林の林業技術は完全に東京帝大がリードしていました。そのひとつの方向がここで試されたといわれています。その現場をまかされた若き研究者・上原敬二に『人のつくった森──明治神宮の森「永遠の杜」造成の記録』(2009年)という著書があります。
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【33】撮影:土屋 千鶴子
大鳥居を過ぎるとアスファルト道からじゃり道に変わるので雪の溶けるのが少し遅い。
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【34】撮影:稲田 郁子
10時10分位か、一番雪が積もり、線路沿いの坂は、要注意です。
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【35】撮影:伊藤 朝
雪降りの今日は、長靴で。
雪の冷たさがじわじわと伝わり、指先が凍え、じんじんと痛かった。
タイツと靴下と長靴と。
たくさんの装備をしていても、靴の中に入れたカイロが温まらない、たったそれだけで指先の感覚が無くなり、歩く事すらままならなくなった。
植物の強さを思い知る。
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【36】撮影:稲田 郁子
菖蒲は、水の調整がたいへんそうです。これだけ立派な水路も納得です。
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【37】撮影:稲田 郁子
本隊より先に原宿に着いたので、一回り。竹下通りの入り口は急坂で、雪かきの人がさっそく働いていました。
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【38】撮影:伊藤 幸司
この御苑を代表する菖蒲田。明治天皇が皇后のために1,000株のハナショウブを植えたと説明されています。現在は約150種、1,500株が咲き誇るといいます。
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【39】撮影:土屋 千鶴子
この時間、雪はみぞれに変わってきました。アスファルトの歩道は雪がとけて
水びたしこんな悪天候にも関わらず訪れている人は意外と多い。
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【40】撮影:稲田 郁子
御苑内隔雲亭の竹垣。これも昔はよく見たけれど、今は街中ではほとんど見られません。
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【41】撮影:土屋 千鶴子
池の表面に今朝降った雪がみぞれ状態に浮いています
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【42】撮影:稲田 郁子
早く入らないと雪がとけると、あせって入った神宮御苑。南池はまだ一部凍り、一部雪が積もり、一部シャーベット状。微妙な表情でした。
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【43】撮影:伊藤 朝
地面に、竹柵に、優しく降り注ぐあたたかい光。
だけどこれは冷たい雪。
とても寒い一日だったので、一瞬心が温まる。
実際のところは極寒だったのだけれど。
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【44】撮影:稲田 郁子
これは四阿(あずまや、地図のとおり)から見た眺めで、かやぶきの屋根が写っています。5枚そろえるのは、たいへん…。
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【45】撮影:土屋 千鶴子
ご社殿を後ろに歩き出して目に入った木。参拝者の為にきれいに整備された
道、木にとっては迷惑なのでしょうね、寄り添ってしたたかに生きる声がする。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
参詣路に取り残された木の根っこ。みんながカメラを向けたけれど、なにか巨大な足のように感じさせるこの写真にはなんとなく動きさえ感じられます。



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【46】撮影:伊藤 幸司
雪だるまのところから振り返るとこういう場所。雪が静かに降り続いた時間があったとわかります。
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【47】撮影:伊藤 幸司
造園の考え方では落ち葉の扱いが大きく2つに分かれるようです。林床をきれいにするために落ち葉をかき集めてしまうのが一般的かと思います。しかしここは「百年の森」を目指すことから、落ち葉を森の栄養分として考えるという立場をとっているそうです。
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【48】撮影:稲田 郁子
例によって、水平が狂っていますが、変化のある一枚になりました。
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【49】撮影:稲田 郁子
参道にも竹垣がありました。撮った時は意識していませんでしたが。
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【50】撮影:土屋 千鶴子
御社殿むかって左側にあるご神木、大きいものを無条件で敬う信仰の原点かも。
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【51】撮影:稲田 郁子
私としては珍しい接写、水面です。
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【52】撮影:伊藤 朝
凍える砂利道。
濡れた体で投げ出され、あぁ冷たそう!あぁ寒そう!
・・・でもなんだか、いたずらっぽい表情に心が弾む。
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【53】撮影:伊藤 幸司
神宮本殿は1945年4月に米軍の空襲によって消失したということなので、左右両翼にそびえるクスノキがどのような運命をたどってきたものか私にはまだわかっていませんが、たった百年の信仰施設にしてはあまりにも立派です。
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【54】撮影:稲田 郁子
御苑の周囲も竹の柵で仕切られている所もあるようです。風通しがよさそう。
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【55】撮影:土屋 千鶴子
菖蒲田にて、このような札が沢山ありました、アップで撮ってわかりました菖蒲の名前をかいたものだったのです。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
さて、この写真は花菖蒲の名前を写したのか、文字が書かれた名札の杭を写したのか、杭の立つ雪面を写したのか、写真を見せられただけでは皆目見当がつきません。ある意味あいまいな写真ともいえるのですが、それよりも強烈に、この写真は「正面」を写し取っていると感じます。その強烈な意志がこの写真を不思議な平面に閉じ込めたと感じます。当たっているかどうかわかりませんが。



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【56】撮影:土屋 千鶴子
雪と明治神宮なんてなかなか巡り合えないチャンスなのでカメラを向ける人が多い
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【57】撮影:伊藤 朝
この日一番最後に撮ったのがこの写真。
道の先が何となくぼんやりと明るくて、見送られているように感じた。
そこに何かが・・・誰かが居るような、少し不思議な気分。
今日はありがとうございました。
お邪魔しました。
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【58】撮影:土屋 千鶴子
「41」の場所から遠くを写してみました、木々についた雪の量が白の濃淡で知ることができます。
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
いい風景を見ましたね、という写真ではないでしょうか。水面の梨地が静かに広がっています。ほとんど同じ時刻にみんなこの池の前に立ったのに、この静けさは見ていません。



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【59】撮影:稲田 郁子
一株ごとに品種が違うのか、すべて木札に名前が書いてあります。これでは、“宇宙”と“鶴の毛衣”など読めます。他に、“熊奮迅”というのもありました。
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【60】撮影:伊藤 朝
この人は、なんてラッキー!
誰の足跡もない雪道を歩く!
誰もがうらやむシチュエーション!
その誇らしげな顔!
見てはないけれど、この足跡からばっちりと想像がつきます!
■自由投稿コメント(仮展示中):伊藤 幸司
フッ、フッ、フッ、この足跡はあなたのものですよね。写真を「つくる」楽しさが想像できます。



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【61】撮影:土屋 千鶴子
釣り灯籠、菊のご紋が入っています。この下を通って参拝させて頂いたもちろん奮発してお賽銭も。
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【62】撮影:伊藤 幸司
「薦被り」は日本の信仰空間にはおなじみのものですが、薦(こも)がマコモのことであり、のちに稲藁で包まれた四斗樽(約72リットル)のこと……というあたりまでは知らなかったこととはいえ、予想の範囲ではあったのですが、同じ銘柄が並んでいたり孤軍奮闘のものがあったりするのを見ていくと、誰がどのように、そして何のために奉納したのかということに関する適切な回答をネット上で見つけることができませんでした。薦被りの値段を調べてみるとピンキリで、最低でも5万円はする(1升約1,250円)うえに、ここに並べてもらうためには奉納料を納めなければいけないはずでしょうし。そして中身はづなっているのでしょうか。
じつはこの向かい側に葡萄酒の樽が並んでいるのです。フランス・ブルゴーニュ地方の醸造各社が献納したそうですが、ブルゴーニュ地方に歴史的建造物にして最高級ホテルを所有している佐多保彦さんという人の奮闘によるものとか。個人の発案でも受け入れてくれるものらしいとはわかりますが。
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【63】撮影:伊藤 朝
雪なのか、雨なのか、霧なのか。
水なのか、氷なのか。
明るいのか、暗いのか。
様々な境にいる写真。
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【64】撮影:伊藤 幸司
この雪だるまをつくったのは、たぶん子どもではないでしょう。若い男女が瞬間的に本気になって、ちょい、ちょい、と作った……のではないだろうかと感じました。祈りの気持ちが見てとれます。
■自由投稿コメント(仮展示中):稲田 郁子
ミニミニ雪だるま、かわいいですね。あるのに全然気づきませんでした。



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【65】撮影:稲田 郁子
雪(氷)の色は、グレー系になるか、ブルー系になるか。ここで2枚撮ったら、風景モードより、オートのほうがこのようにブルー系になったと思いますが、確証なしです。
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【66】撮影:伊藤 朝
白い空に白い雪。
不思議なもので、細い枝振りまでくっきり見えます。
白い花が満開です。
絶好のお花見日和です。
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【67】撮影:稲田 郁子
芝生の斜面の道には、1人だけの足跡が。気持ちいいことでしょう。
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【68】撮影:伊藤 朝
私だって寒いんです。
おなかは冷やしちゃいけません。
だから、腹巻きだってするんです。
苔のコートも着るんです。
寒い寒い雪の日のひとりごと。
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【69】撮影:土屋 千鶴子
全国の蔵元から奉納された化粧樽、ここに陳列されているのは一千個には満た
ないと思うが。先日テレビで日本の蔵元は二千余あるといっていたその蔵元が何種類かの酒を作るので酒の種類は相当の数になるとの事。
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【70】撮影:伊藤 幸司
この日、南神門をくぐると、そこは「明治神宮第61回全国青少年新春書道展」の会場となっていました。小中学生が対象とのことですが、そのレベルの高いこと。自分でも読めなくなる文字しか書けない私などには文字が威圧してくる感じがしました。
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【71】撮影:伊藤 朝
キノコが寒くないように、雪の毛布を丸太がまとう。
軽く柔らかで、気持ちが良いい。
そんな風に見えた、雪降りの寒い朝。
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【72】撮影:土屋 千鶴子
りっぱな山門です
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【73】撮影:稲田 郁子
これは御苑ではなく、正殿前です。四方八方へ向かう足跡が、新鮮です。
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【74】撮影:伊藤 幸司
清正井から流れ出した水はすぐに渓谷の雰囲気をつくり出します。私はアフリカでナイル河の最長源頭と考えた地点に立ったことがありますが、それはルワンダ共和国の奥地、ニュングエ(豹)の森と呼ばれるところで、ほんの小さな尾根はコンゴ川(ザイール川)と流れを分ける「コンゴ・ニル(ナイル)」と呼ばれる分水嶺。その下からチョロチョロとわき出る清水でした。そのことからすれば、小さな井戸からあふれた小さな流れが、たちまちにしてこんな風景を作り出しても、驚くには当たらないのです。
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【75】撮影:伊藤 朝
吸い込まれてしまいそうな白い空。
その空が崩れ落ちてきたように降り積もった雪。
はたまた、樹々の色も周囲の景色を飲み込んでしまいそうに深い。
キリッと締まった冷たい空気の中、どちらも荘厳に感じられ背筋が伸びる。
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【76】撮影:伊藤 幸司
明治天皇が皇后のために建てたことに始まるという隔雲亭。それを見る雪の斜面に小さな雪だるま。
■自由投稿コメント(仮展示中):稲田 郁子
遠景のはいったミニミニ雪だるまもいいですね。64とセットで並べてみたいです。



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【77】撮影:伊藤 幸司
300万人といわれる初詣の人々にとっては、参道がここで終わって、いよいよ本殿、という南神門。じつはこの左手に御苑の水源・清正井があるという位置関係なのです。
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【78】撮影:伊藤 幸司
おそらくこの池が最初からあったのではないでしょう。少しずつ流れ出てくる水をゆっくりと溜めると、池はたちまち湖になり、日本庭園に標準的な「海」にもなってしまうのです。
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【79】撮影:伊藤 朝
踏みしめられた雪。
たくさんのひとの足跡が、歴史を刻むように残されてゆく。
けれど、明日になれば雪と一緒に消えてゆく。
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【80】撮影:伊藤 幸司
菖蒲田のかたわらにある四阿(あずまや)。すでに雪は雨に変わっていたけれど、冬の山里の雰囲気が、まだここには漂っていました。
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【81】撮影:稲田 郁子
清正井の周りに、太い立派な竹の柵がありました。ほかにも竹がふんだんに使ってあるのに気付きました。
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【82】撮影:伊藤 幸司
江戸時代から枯れたことがないという清正井。最近ではパワースポットという噂が若い人たちを呼び寄せているようです。それよりも、この湧き水は神宮本殿のすぐ近くにあって、地表面に近い地下水脈をうまく集めているそうです。そして流れ出た水は菖蒲田を潤し、南池にゆったりとした池をつくり、原宿駅方面に流れ出ます。加藤清正までさかのぼる井戸かどうかは不明のようですが、この井戸があってこその明治神宮だと思われます。
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【83】撮影:伊藤 朝
雪が雨に変わり、水をたくさん含んだ雪が、植物を包み込む。
まるで砂糖菓子のようで、おもわずパクっ・・・としたくなった。
■自由投稿コメント(仮展示中):稲田 郁子
枝の雪が溶け落ちる前のわずかな時間でなければ、撮れない写真ですね。



【84】撮影:伊藤 幸司
昨夜来の雪の痕跡は池の水面に薄く張った氷の表面に残っていました。ついさっきまでは水面に雪がひらひらと吸い込まれていたのでしょうが、雨になって、大小いろんな波紋が躍っていました。
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写真の話=カメラにカイロを

 1月30日は雪の日でした。明治神宮での発見写真旅ということで、私は通常山に持参する「貼るカイロ」を余分めに持参しました。それを押しつけがましくみなさんに渡したのですが、それはみなさんのためではなく、みなさんのカメラのためでした。
 秋から冬にかけて、山に出かけるときには、私はカメラケースに使い捨てのカイロを入れておきます。まずはレンズが曇らないように、次にはカメラ内部に結露しないようにというのがその目的です。
 カメラは日本の冬なら低温で動かなくなるという心配は基本的に不要です。しかし秋になると、雨の中で撮影しているとフッとレンズが曇ったりします。テレビの番組でも室内に突入するときレンズが曇る場面がありますが、湿度の高いところではカメラの外部に結露する危険があります。レンズが曇るというのはそういう状態のいわば最初の異変です。
 ところが雪山だと、山小屋に入ったらうかつにカメラを出せません。一瞬にしてレンズは曇り、ボディもじっとりと湿ります。そういうときにはポリ袋などに入れて密封して、カメラが室温に近づくまで待たなくてはなりません。カメラ自体の温度が0度Cに近づき、さらに氷点下になると、暖かい空気に触れるだけで一瞬にして結露が生じてしまうのです。
 レンズが曇ったぐらいでは大騒ぎする必要はないと考えることもできますが、カメラがデジタル化したいま、カメラの結露はもっとも注意すべき問題です。
 というのは一眼レフカメラだとミラーの奥にあるイメージセンサー表面がけっこう簡単に結露します。画面上に黒い丸いシミが出てきたら、それはゴミではなく、結露が乾いた跡だと思います。曇り空のところに薄いグレーの丸印が出てきます。(自分で拭いていいカメラもありますが)基本的にはメーカーのサービスセンターで清掃してもらいます。
 問題はポケットタイプのカメラです。このところ私が常用しているキヤノンのパワーショットG7にいくつかの結露跡が見えるようになり、画面ほぼ中央にくっきりと1個見えるようになりました。レンズ交換のできないカメラはレンズからイメージセンサーまでが密封された空間になっているはずで、ゴミや湿気の侵入を防いでいます。メーカーが心配するのはズームレンズなどの可動部から出てくる微細なゴミがイメージセンサーに付着した場合の対処で、そのためにカメラにはイメージセンサーを振動させてゴミをふるい落とす機能がついています。もとより密閉空間で結露しにくい構造になっているのですが、いったん結露してしまうとゴミと違って揺すっても落ちません。私の場合、最近どこかで、かなり重傷の結露付着を起こしてしまったのだと思います。
 じつはこのカメラ、昨年買ったのですが2006年製なので、メーカーでの修理期間が過ぎていて、クリーニングは不能、しかも修理可能期間中でもかなりの金額がかかるということがわかりました。……ということはプロの道具として考えると、有料でも1,000円程度で清掃を頼める一眼レフでないとかえって高価な道具になってしまうことになりかねません。あくまでもサブカメラとして考えるところを、私はいまメインカメラとして使っているのだということに気づいたのです。
 イメージセンサーへの結露という危険を軽視できないことから、私はみなさんに「貼るカイロ」を用意したのですが、じつはあまり効果的ではありませんでした。カメラが暖かく感じられるほどの保温が必要だとは思いませんが、イメージとしては撮影が終わったら、カメラが冷えないうちに懐に入れる、ポケットに入れるという配慮がほしいところです。それと同等の保温……というより「防寒」をカメラケースの中でできれば十分です。
 しかし、速写性を考えたカメラケースでは保温などという配慮はないのが普通なのでカイロを1枚どこかに貼りつけてもほとんど効果がありません。
 撮影中はカメラを冷やしてしまってもやむを得ないとして……も、その後、暖かいところではその空気に直接触れさせない心遣いが、カメラをいたわるために重要だと思います。(2015.1.30)


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