発見写真旅・展(15)――2012.8.24-26 槍ヶ岳(132パワー)
発見写真旅・展(15)――2012.8.24-26 槍ヶ岳(132パワー)



★糸の会山行[834]槍ヶ岳(132パワー)――2012.8.24-26
*1日目…ほぼ平坦13p
*2日目…ほぼ平坦19p→登り35p
*3日目…下り65p

槍ヶ岳が「まだ憧れ」の人が糸の会の中にも増えてきた感じがします。前年の表銀座コースによる槍ヶ岳が素晴らしい天気だったのでそれが周囲の皆さんに期待感を抱かせたようでもあります。
今回はですから「初槍ヶ岳」のプランとして考えたのですが、参加された8人のみなさんが実に見事にその「初槍ヶ岳」でした。糸の会ではこういうことはきわめて珍しいことです。「私2回目」「私3回目」というような人がかならずいるからです。
計画は(上高地側の)槍沢から登って(新穂高温泉側の)槍平に下るという縦断コースにしました。下りの道は7月なら花を期待できるところですが、この時期はどうでしょうか。
今回歩いてみて槍ヶ岳山頂からだと槍沢ヒュッテと槍平小屋はほぼ等間隔という感じがしました。槍平から登ってくる人がけっこう多いので驚きましたが、イーブンな感じで選択していいと感じました。花はたくさんではありませんでしたが、要所要所で現れてくれました。
さて、2週間が経って誰も写真を応募してこないでの流れたかな……と思っていたところ、泊瀬川 哲さんからとどきました。あわてて伊藤も本気で写真選びをしました。ちょっと枚数が多いですが、5枚×2テーマの「連作」としてみました。

今回の写真出展メンバー(五十音順)は以下の2人です。
伊藤 幸司(5点×2)
泊瀬川 哲(4点)


【01】から始まる本編の写真は提出された写真をシャッフルしてランダムに並べた「仮展示」の状態のままです。
ネット上での二次的な「発見写真旅」を楽しんでいただいた方から、そこにさまざまな「投票」が寄せられました。
投票締切後、それぞれの写真に撮影者のキャプション(あらかじめ提出されていました)を加えたので、写真の意図が初めて明らかにされたというものもあるかもしれません。この段階でも二次的な「発見写真旅」を楽しんでいただけるかと思います。
さらに写真サンプルを撮影者別に並べた索引ページを作りました。そのサンプル写真からも展示写真に飛ぶことができます。


撮影:泊瀬川 哲

【11】 【01】 【08】 【05】


【11】花
【01】the 槍
【08】めざめ
【05】槍から富士


撮影:伊藤 幸司────槍を見る

【03】 【14】 【06】 【09】 【04】


【03】槍を見る1……槍沢ルートから槍の穂先が見える最初は、横尾からしばらく進んだところにある槍見河原。標高は約1,650mでしょうか。以前はここがアプローチで最も重要な展望地点でしたが、その先、槍沢ロッジのところで巨木が倒れてこれとほとんど同じ角度で槍が見えるようになりました。槍沢ロッジには望遠鏡を置いてあるので覗くと、山頂の登山者がよく見えます。おかげで、こちらの旧展望地点を素通りしていく登山者も今は多いかと思います。
【14】槍を見る2……天狗池です。槍沢ルートを標高約2,350mまで登ると、天狗原への分岐があります。天狗池は標高約2,500mですからちょっとした登りですが、天気が良ければぜひ立ち寄っておきたい場所です。
【06】06-068
槍を見る3……槍ヶ岳ピークから東南に広がる広々としたU字谷のど真ん中に、奇跡のような岩屋があります。地形図には「坊主岩屋」とありますが、標識には槍ヶ岳の開祖・播隆上人が籠もったということで「播隆窟」とありました。その真ん前にあるまろやかな岩が、じつは私好みでありまして、頭を下にして寝転がると、槍ヶ岳は突如大パノラマとなって見る人を包み込みます。播隆上人が悟りに至る道として同じことをしたかどうかはわかりませんが、日本一の特異点であることは間違いありません。私たち以外にその価値を知っている人はいないようです。この写真がそのパノラミックな体験を写し取っているとは思えませんが、槍見のはずせないポイントです。
【09】槍を見る4……いよいよ槍に近づいてきました。山頂への登山ルートの全貌を正面に眺めながら最後のジグザグ道を登っていきます。一番楽しい時間であり、人によってはどうにも苦しい最後の登りです。
【04】槍を見る5……朝日が山頂に届くと、笠ヶ岳の斜面に「影槍」が映ります。


撮影:伊藤 幸司────槍から見る

【12】 【13】 【02】 【07】 【10】


【12】槍から見る1……画面ほぼ中央に富士山が見えています。その右に連なるのは南アルプス全山。左手に伸びているのは八ヶ岳連峰です。その手前、まろやかに伸びているのは蝶ヶ岳の稜線です。
【13】槍から見る2……真ん中の岩峰の左端に建物が見えます。北穂高小屋です。……ということはその左にあるのが前穂高岳。右手に高く聳えているのは奧穂高岳といいたいところですが、手前の涸沢岳が邪魔しています。
【02】槍から見る3……北穂に向けて視野を広げると、左手に8つのピークを並べた前穂高岳の北尾根が見えてきました。涸沢岳〜奧穂高の高まりから右に下っていくのは西穂高岳の稜線です。その右に低くてまろやかな山容を見せているが焼岳、その向こうにある大きな山は3,000m級の乗鞍岳で、じつはさらにその向こうの、やはり3,000m級の御嶽山と重なっています。
【07】槍から見る4……山頂からほぼ真北に見えるのが立山連峰〜剱岳の稜線です。この日はさらに右手に、鹿島槍ヶ岳の美しい双耳峰があり、その先に白馬岳の尖ったピークも見えていました。
【10】槍から見る5……遠くに見える大きな山は薬師岳です。稜線を右手にたどると立山連峰に至ります。その手前、右寄りに黒味のピラミダムな山がありますが水晶岳(黒岳)。左にたどると鷲羽岳、三俣蓮華岳があってその間、裏銀座縦走ルートの大きなたわみのところには三俣山荘が見えました。鷲羽岳の左奧にひそやかに見える祖父岳は黒部川源流であり、雲ノ平に続く山です。


 


【01】撮影:泊瀬川 哲
the 槍

■投票:矢野 博子
壮大で 気分が 広々する。今日の舞台は ここ。  役者は 揃ったかな?
■投票:畑 芳夫
さすがに北アルプス。槍ヶ岳はこれ一枚で決まり。
でも、あまりにも見事に決まりすぎて、「ちょっと絵葉書的、かな!?」と嫌味がいいたくなりますね。

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【02】撮影:伊藤 幸司
北穂に向けて視野を広げると、左手に8つのピークを並べた前穂高岳の北尾根が見えてきました。涸沢岳〜奧穂高の高まりから右に下っていくのは西穂高岳の稜線です。
その右に低くてまろやかな山容を見せているが焼岳、その向こうにある大きな山は3,000m級の乗鞍岳で、じつはさらにその向こうの、やはり3,000m級の御嶽山と重なっています。
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【03】撮影:伊藤 幸司
槍沢ルートから槍の穂先が見える最初は、横尾からしばらく進んだところにある槍見河原。標高は約1,650mでしょうか。
以前はここがアプローチで最も重要な展望地点でしたが、その先、槍沢ロッジのところで巨木が倒れてこれとほとんど同じ角度で槍が見えるようになりました。
槍沢ロッジには望遠鏡を置いてあるので覗くと、山頂の登山者がよく見えます。おかげで、こちらの旧展望地点を素通りしていく登山者も今は多いかと思います。

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【04】撮影:伊藤 幸司
朝日が山頂に届くと、笠ヶ岳の斜面に「影槍」が映ります。

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【05】撮影:泊瀬川 哲
槍から富士

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【06】撮影:伊藤 幸司
槍ヶ岳ピークから東南に広がる広々としたU字谷のど真ん中に、奇跡のような岩屋があります。地形図には「坊主岩屋」とありますが、標識には槍ヶ岳の開祖・播隆上人が籠もったということで「播隆窟」とありました。
その真ん前にあるまろやかな岩が、じつは私好みでありまして、頭を下にして寝転がると、槍ヶ岳は突如大パノラマとなって見る人を包み込みます。播隆上人が悟りに至る道として同じことをしたかどうかはわかりませんが、日本一の特異点であることは間違いありません。私たち以外にその価値を知っている人はいないようです。
この写真がそのパノラミックな体験を写し取っているとは思えませんが、槍見のはずせないポイントです。

■投票:矢野 博子
ちょっと分からないのですが 6 は 逆さまではないのでしょうか?

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【07】撮影:伊藤 幸司
山頂からほぼ真北に見えるのが立山連峰〜剱岳の稜線です。この日はさらに右手に、鹿島槍ヶ岳の美しい双耳峰があり、その先に白馬岳の尖ったピークも見えていました。

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【08】撮影:泊瀬川 哲
めざめ

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【09】撮影:伊藤 幸司
いよいよ槍に近づいてきました。山頂への登山ルートの全貌を正面に眺めながら最後のジグザグ道を登っていきます。一番楽しい時間であり、人によってはどうにも苦しい最後の登りです。

■投票:畑 芳夫
この写真を見てふと思い出したのは、芥川の『蜘蛛の糸』でございます。
「下の方には、数限もない罪人たちが、自分ののぼった後をつけて、まるで蟻の行列のように、やはり上へ上へ一心によじのぼって来るではございませんか」
ああ、人は何故、岩にかじりつくのでしょう。
人間の負うた業の深さを感じるのでございます。

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【10】撮影:伊藤 幸司
遠くに見える大きな山は薬師岳です。稜線を右手にたどると立山連峰に至ります。
その手前、右寄りに黒味のピラミダムな山がありますが水晶岳(黒岳)。左にたどると鷲羽岳、三俣蓮華岳があってその間、裏銀座縦走ルートの大きなたわみのところには三俣山荘が見えました。鷲羽岳の左奧にひそやかに見える祖父岳は黒部川源流であり、雲ノ平に続く山です。

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【11】撮影:泊瀬川 哲


■投票:矢野 博子
花の名前は わかりませんが 白の色と 光りが まぶしい。

■投票:畑 芳夫
あたかも極楽に咲いた蓮のようでございます。
「その玉のような白い花は、御釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆら萼を動かして、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります」
グンナイフウロでしょうか。気高い花です。

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【12】撮影:伊藤 幸司
画面ほぼ中央に富士山が見えています。その右に連なるのは南アルプス全山。左手に伸びているのは八ヶ岳連峰です。
その手前、まろやかに伸びているのは蝶ヶ岳の稜線です。

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【13】撮影:伊藤 幸司
真ん中の岩峰の左端に建物が見えます。北穂高小屋です。……ということはその左にあるのが前穂高岳。右手に高く聳えているのは奧穂高岳といいたいところですが、手前の涸沢岳が邪魔しています。

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【14】撮影:伊藤 幸司
天狗池です。槍沢ルートを標高約2,350mまで登ると、天狗原への分岐があります。天狗池は標高約2,500mですからちょっとした登りですが、天気が良ければぜひ立ち寄っておきたい場所です。

■投票:矢野 博子
水面に映る景色が きれい。 歩いている人の明るい声が 聞こえてくる。
■投票:畑 芳夫
ここはまるで、御釈迦様がぶらぶら御歩きになっていらっしゃった極楽の蓮池のようでございます。
「この極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当って居ります」


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