山旅図鑑目次

写真アルバム(時系列速報)目次


糸の会(コロナとともに no.20)
2020.11.24
高水三山
47パワー

車道8p→登り9p→稜線11p→下り19p

★ITOの失敗談(今回は失敗はなかったかと思いますが、糸の会の初めての山がこの高水三山だったことを忘れていました。ファイリングケースに残っていたのはまっさらな計画書だけなのでその行動がどんなだったかはわかりません。ちなみにその13ページに及ぶ計画書の文字情報が残っていましたから、この巻末に加えておきます。
*どうして糸の会が誕生したかについての説明はこのホームページのどこかに眠っているはずですが、基本的には突如本社法務部からの閉鎖命令で路頭に迷うことになった東急セミナーBEの受講生の皆さんに対する私的講座の立ち上げなので、その最初の計画書は力作にしてはた迷惑な長文になっています。なおその東急セミナーBEでの講座は講座担当の三好律子さんの努力で「登山ではない」というかたちで復活するのですが、この回の参加メンバー11人にとっては東急セミナーBEでの8回目の実技とあまり変わりなかったと思います。

*さて今回の計画書には次のように書きました。
【◆ポイント
*奥多摩山地の一番手前に位置する代表的な入門ルートです。
*軍畑駅から3つのピークをたどって御嶽駅へという今回と同じルートで、しっかりした行動記録が残っている古いものを文末に並べてみました。先にホームページの予定欄に「でももし健脚がそろったら、タイムトライアルにしましょうか。」と書いてしまったので、(どういうトライアルになるかわかりませんが)その資料となるかどうか……】
*ホームページの予定欄に軽い気持ちで「タイムトライアル」なんて書いてしまったので、私の方も資料を探してみるというような作業を、けっこういろいろしてしまいました。
*高水三山は奥多摩の入口にあって、小さいながら「ちゃんとした登り」と「ちゃんとした下り」があって、それをつなぐ縦走路が高水山〜岩茸石山〜惣岳山(あるいはその逆)とたどれて、ほぼ馬蹄形というんでしょうか、ただ単に「こっちからあっちまで」というこちらの事情で長さを決めるというのではなく、ひとつの完結した世界を味わわせてくれるのです。
*……と考えているので、わたしはみなさんが超初心者の時期に、かならずこの「高水三山」を入れてきました。(ここ10年ほどの間に入会してきた皆さんの中には、驚くことに未体験の人がいると知りましたが、1995年からの実施リストを見てみると、全11回のうちここ10年にやったのは3回だけでした。)
*そこで高水三山の古い資料を調べてみたら、行動記録をきちんと書いたものがいくつか出てきました。今回の「タイムトライアル」に関わってくるかもしれないということで計画書に次のように書きました。
【◆参考データ
◎2003.12.23_東武カルチュアスクール
1030軍畑駅→1055-1105高源寺→1120林道終了→1150-1200尾根に出て休憩→1230-50常福院(高水山)→1340-1405岩茸石山→1450-1500惣岳山→1555-1600休憩→1630御嶽駅で休憩
◎2004.12.18_朝日カルチャーセンター千葉
1005軍畑駅→1030-40高源寺→1130-35尾根に出て休憩→1200-20常福院(高水山)→-1310-20岩茸石山→1400-20惣岳山→1510-15休憩→1540御嶽駅
◎2008.4.19_朝日カルチャーセンター千葉
0925軍畑駅→0955-1005高源寺→1045-50尾根に出て休憩→1045-50休憩→1130-40常福院(高水山)→-1240-50岩茸石山→1345-1400惣岳山→1505-10休憩→1550御嶽駅
◎2011.5.17_糸の会
0950軍畑駅→1015-25高源寺→1045-50堰堤上→1110-15尾根に出て休憩→1150-1205常福院(高水山)→-1245-55岩茸石山→1335-45惣岳山→1500御嶽駅】

*とりあえず大雑把にでも比較にするには、軍畑駅から御嶽駅までの時間から、休憩時間を引いてみるとどうなるか……です。
◎2003.12.23_東武カルチュアスクール
1030軍畑駅→1630御嶽駅で6時間、うち1時間20分休憩で正味4時間40分
◎2004.12.18_朝日カルチャーセンター千葉
1005軍畑駅→1540御嶽駅で5時間35分、うち1時間10分休憩で正味4時間25分
◎2008.4.19_朝日カルチャーセンター千葉
0925軍畑駅→1550御嶽駅で6時間25分、うち1時間休憩で正味5時間25分
◎2011.5.17_糸の会
0950軍畑駅→1500御嶽駅で5時間10分、うち55分休憩で正味4時間15分
となりましたネ。
◎そこで今回、2020.11.24_糸の会です。
0910軍畑駅→1430御嶽駅で4時間20分、うち55分休憩で正味3時間25分
*ちなみに今回の計画書では行動ボリュームを「車道8p→登り9p→稜線11p→下り19p」の合計47パワーをしました。糸の会では行動係数を「8パワーを1時間」で概算していますから約6時間と出ます。そしてA=休憩時間を含んで6時間以内か、B=休憩時間を外して6時間以内か、C=完全に時間オーバーとなったか、でその日のこちら側の調子と、登山道の難易度とを「糸の会としてどうだったか」という判断にしてきました。
*今回は47パワーのルートを4時間20分で歩いたわけですから、休憩込みで「1時間に10パワー」というペース(糸の会のパワー係数を1時間あたり8パワーからすこし引き上げなければいけないか、高川山の縦走路が平均時速2kmに近い高速歩行を可能にしたというような結果なのか、必要ならもうすこしこまかく分析する必要がありますが)、休憩時間を抜けば平地の道を時速6.5kmで歩いたのと同様のパワーを発揮したということになります(私の計算に凡ミスがなければ、ですが)

*ともかく、伊藤がトップを歩いてプロとして(?)全体の満足感を最大にしようとして歩いた過去の4例の高水三山より、今回「10分交代」でトップになったみなさんがそれぞれ好きなペースで歩いた結果が、ダントツに速かったということがわかります。どうでしょうか、スピードが速かったことによって得られたこと、失ったことなど、なにかありますか? 休憩時間だけは伊藤が「5分」か「10分」か、「ずるずるとそれ以上」かを決める場面が多いのですが、休憩時間ということに関してなにか感じたことはありますでしょうか。今回のこの「山旅写真(速報)」を見ながら、感じたことをぜひお寄せください。ここに「コメント」として並べさせていただきたいと思います。
*どうですかね「タイムトライアル」というちょっとした意識が、山旅の奥行きををいくらか広げてくれたのではないかと思うのですが。高水三山という「超入門的」な山は、完結性が高いだけに、時間という要素を加えることでいろいろな味わいを加えてくれるのかもしれませんね。「困ったときの高水三山・タイムトライアル」……みたいなことでも。
*ちなみに今回の参加者は(私も入れて)9名、男性3名で女性6名、年齢は68歳(2人)から81歳まで、平均で72.4歳でした。

最寄り駅はJR青梅線・軍畑駅
0910ごろ_軍畑駅を出発(標高約250m)
0935-45ごろ_高源寺で休憩(標高約300m)
1000ごろ_堰堤脇から登山道(標高約400m)
1025-35ごろ_急登を経て尾根へ(標高約550m)11℃
1100-15ごろ_高水山常福院でトイレ休憩(標高約750m)
1125ごろ_高水山山頂(標高=759m)
1155-1210ごろ_岩茸石山山頂(標高=793m)
1255-1305ごろ_惣岳山山頂(標高=756m)
1350ごろ_沢井駅分岐(標高約400m)
1430ごろ_御嶽駅(標高約250m)
JR青梅線河辺駅・梅の湯で食事・入浴。自由解散

今回の写真出展メンバーは(現在のところ)2人です。
秋田 守、伊藤 幸司

*速報写真は「粗選び」のもの、メンバー相互の「記念写真」、「道標」や「解説板」なども含めて何枚でもお送りください。追加でも簡単に挿入できます。
*写真はWeb上に表示された画面から簡単に取り出すことができ、プリントも可能ですのでメンバー間の相互利用にもおすすめします(ここに載ると公開されてしまいますけれど)。
*「山旅図鑑」にはキャプションが送られてきた写真のみ(順次)掲載させていただきます。たとえば自分が撮影した写真をメール欄に取り出して、そこにキャプションをつけて送っていただければデータ管理上完璧です。写真点数の少ない方には簡単な方法かと思います。


高水三山
【撮影】06時51分=秋田 守

高水三山
【撮影】09時08分=秋田 守

高水三山
【撮影】09時09分=秋田 守

高水三山
【撮影】09時10分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時10分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時11分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時11分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時14分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時18分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時21分=秋田 守

高水三山
【撮影】09時24分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時24分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時24分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時26分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時27分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時27分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時27分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時29分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時30分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時30分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時31分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時31分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時32分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時33分=秋田 守

高水三山
【撮影】09時33分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時34分=秋田 守

高水三山
【撮影】09時35分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時36分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時37分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時38分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時42分=秋田 守

高水三山
【撮影】09時42分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時49分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時49分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時49分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時49分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時49分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時50分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時50分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時50分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時50分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時51分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時51分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時52分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時52分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時52分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時52分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時53分=秋田 守

高水三山
【撮影】09時53分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時53分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時53分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時56分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時56分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】09時57分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時00分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時02分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時03分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時05分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時05分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時08分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時09分=秋田 守

高水三山
【撮影】10時10分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時11分=秋田 守

高水三山
【撮影】10時11分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時13分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時14分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時15分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時15分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時17分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時18分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時18分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時19分=秋田 守

高水三山
【撮影】10時19分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時20分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時20分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時20分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時22分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時22分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時23分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時26分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時36分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時40分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時40分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時40分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時45分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時48分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時49分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時52分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時52分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時56分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時57分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時58分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時59分=秋田 守

高水三山
【撮影】10時59分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】10時59分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時00分=秋田 守

高水三山
【撮影】11時00分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時00分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時00分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時01分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時01分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時03分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時05分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時11分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時12分=秋田 守

高水三山
【撮影】11時12分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時14分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時14分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時15分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時16分=秋田 守

高水三山
【撮影】11時16分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時18分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時19分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時19分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時20分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時20分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時21分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時21分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時22分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時22分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時24分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時24分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時27分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時29分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時30分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時32分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時32分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時33分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時39分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時40分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時41分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時41分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時42分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時47分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時47分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時48分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時53分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時54分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時55分=秋田 守

高水三山
【撮影】11時57分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時57分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】11時58分=秋田 守

高水三山
【撮影】11時58分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時04分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時04分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時04分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時05分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時12分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時12分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時13分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時15分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時16分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時19分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時19分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時19分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時20分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時23分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時23分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時25分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時25分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時26分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時27分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時28分=秋田 守

高水三山
【撮影】12時29分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時31分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時33分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時36分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時37分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時37分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時38分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時38分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時38分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時39分=秋田 守

高水三山
【撮影】12時39分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時39分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時40分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時40分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時40分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時41分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時41分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時41分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時42分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時43分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時45分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時46分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時47分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時49分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時49分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時49分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時50分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時51分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時53分=秋田 守

高水三山
【撮影】12時56分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時56分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時57分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時57分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時58分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】12時59分=秋田 守

高水三山
【撮影】13時03分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時04分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時08分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時10分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時11分=秋田 守

高水三山
【撮影】13時13分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時14分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時14分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時17分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時18分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時19分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時19分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時21分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時22分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時22分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時23分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時24分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時24分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時25分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時27分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時30分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時40分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時40分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時50分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時51分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時52分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】13時53分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時03分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時05分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時06分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時08分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時09分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時11分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時12分=秋田 守

高水三山
【撮影】14時12分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時15分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時15分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時15分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時15分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時16分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時17分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時19分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時21分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時24分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時24分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時25分=秋田 守

高水三山
【撮影】14時25分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時26分=秋田 守

高水三山
【撮影】14時26分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時27分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時27分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時27分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時27分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時27分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時29分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時39分=伊藤 幸司

高水三山
【撮影】14時54分=秋田 守

高水三山
【撮影】15時07分=秋田 守

高水三山
【撮影】15時33分=秋田 守

高水三山
【撮影】16時49分=伊藤 幸司



■1995.11.11 糸の会第1回山行計画書「奥多摩=高水三山」の全文

★orientation letter

糸の会
1995.11.11(土)
奥多摩=高水三山

 奥多摩の入り口に、御岳山+日ノ出山と向かい合う高水山(759m)+岩茸石山(793m)+惣岳山の高水三山。まさに奥多摩の入門コース。ゆっくり歩きますが、ウインターシーズンの幕開けですから、歩きながらの体温調節を厳密にやってみましょう。

 これが「糸の会」の最初の山行となります。以下に当面の山行予定を列記しておきます。

12月9日(第2土)……高尾周辺・北高尾山稜
1月13日(第2土)……丹沢・大山三峰山……初参加可能
2月10日(第2土)……大月・九鬼山
2月24-25日(土-日)……北八ヶ岳(1泊2日)……特別合宿
3月9日(第2土)……秋川・浅間嶺……初参加可能
4月13日(第2土)……奥武蔵・伊豆ヶ岳〜竹寺
5月11日(第2土)……日光・鳴虫山……初参加可能
 初参加可能としたものには、事前(前月末まで)に申し込みしていただければ、どなたにもこれと同様のオリエンテーションレターとお送りし、参加していただけます。今回は夏から抱えていた仕事が10月中旬までかかってしまって準備が遅れましたが、そういう初参加の方が参加された場合も想定して準備しています。今回に限り、申し込みは前日に電話でもけっこうです。

◆集合
11.11(土)
0830=JR新宿駅該当ホーム中央部
0943=JR青梅駅ホーム

●標準往路
0847=新宿発(ホリデー快速おくたま5号)
0852=中野
0902=三鷹
0908=国分寺
0915=立川
0943=青梅(集合。鈍行乗換))
0953=青梅発
0910頃=軍畑下車
●登山
0930頃=登山開始
1500頃=JR御嶽駅で下山・解散(予定)
●道草
1=手打ちそばの玉川屋
2=青梅温泉(銭湯)

●費用
・奥多摩・秋川自由キップ(1,440円前後)
・道草代

★equipments

装備表

この時期、このコースでは、初参加者の方が新しい装備を買う必要はありません。下記のリストのものを、あるものでそろえて下さい。買うならきちんとしたものを選びたいので——。
●足ごしらえ
運動靴(*スノトレ)+ソックス
●行動着
*登山用肌着+長ズボン+長袖シャツ
●防寒専用
セーター+手袋+帽子
●防寒・防雨
ウインドブレーカー兼用のレインウェア+折りたたみかさ+70リットルポリ袋
●食べ物・飲み物
水筒+昼食+*昼食用飲み物+おやつ
●小物
地図+時計+ポケットライト+(高度計)+(カメラ)+(双眼鏡)
●その他
ザック
*初参加者は普通の運動靴でけっこうです。登山靴もスノトレも買わないで下さい。
*初参加者で登山用肌着をお持ちでない人は、セーターとウインドブレーカー必携。
*昼食時に暖かい紅茶を1杯ずつ出すつもりですが、計算には加えないでおいてください。

★for this season

秋の手袋

 紅葉を境にして山歩きのシーズンは冬に入ると考えましょう。平均気温が10℃を割り、冷え込みが厳しくなります。雨は氷雨といった感じになりますから、小雨のうちから濡れない工夫をしておく慎重さが必要になります。
 気温が10℃のとき素肌の手先がどんな感じで冷たくなるか知っておくと、体感温度計として便利です。結論からいいますが、気温が10℃を割り込んだら手袋が必要です。5℃まで下がると、手袋がないことから大きな事故が誘発されることもあり得ます。
 手袋が必要なときには防寒用の帽子も必要だと考えておくといいでしょう。ですから防寒用の手袋と耳覆いのついた帽子とはセットで用意しておきたいものです。ただし厳冬期ではありませんから薄くてポケットにねじ込める程度のものでいいのです。持っているかどうかは大きな違いですが、性能を問うほどのものではない、ということです。みなさんで、いろいろ試してみるといいと思います。

★for this season

レインバリア

 雨具としてはあいかわらず傘が基本ですが、レインウエアを着ても汗をかかずに歩ける季節になりました。夏ならつけたくなかった雨具のズボンを早めにつけるというような慎重さが必要になります。
 ゴアテックスのレインウェアをお持ちでない人は、そろそろ決断の時期かもしれません。というのは、これからの時期の雨は体温を急激に奪うようなかたちになる危険があります。それをふせぐためにゴアテックスがベスト——とはいえません(使い方によるからです)が、万一服を湿らせてしまった後のコトを考えると、透湿・防水のゴアテックスをバリアとして使えると、安全係数をかなり高めることができるからです。実売価格20,000円程度の薄手のレインウエアの、ワンサイズ大きいものを購入しておけば雪の上でも存分に使えます。手首も足首も絞ることができますから、腕を縮めたら手が袖の中に隠れるくらいダブダブのものがバリアとしては優秀です。
 ゴアテックスでない人に対してはリーダーが非常用装備を備えていますが、登山用の肌着を上下着て、足ごしらえはスノトレだと安心です。したがってタイツの分、上を薄着にできるように考えておきましょう。そうすれば傘とビニール雨具だけでも危険な雨をしのげます。

★for this season

ズボンの内側

 紅葉の季節にはよく、タイツをはこうかはくまいか悩むことがあるのではないでしょうか。風に吹かれるとズボンの布目を通して冷気がしみこんでくることがあるからです。しかし下に登山用のタイツをはいてしまうと、今度は登りで大汗をかいてしまうかもしれません。
 登山では途中で肌着を替えることがなかなかできません。そのためにドライタイプの登山用肌着はTシャツにして、暑ければそれ1枚にもなれるというふうにしているはずです。下半身も同じで、暑かったら1枚になれる肌着を用意すればいいのです。
 肌着1枚といってもステテコを連想してはいけません。あれは下着を街着? にしてしまった例。逆に表ではけるもので肌着にもなるものをさがせばいいのです。女性にはスパッツというのですか? タイツ風ズボンがありますね。男だって志茂田景樹風ファッションを内側に仕込めばいいわけです。
 そういうドキンとするような重ね着はいやだというひとは正統的なオーバーズボンという考え方ですね。もちろん雨具のズボンでもいいのですが、もうすこしおしゃれなもの、さがせばありそうですね。中間期ならではの工夫のひとつかもしれません。

★route simulation 1

ルート概観
地図引用
国土地理院発行
1/25,000地形図
東京14号-1
(武蔵御岳)

 左の地図はコース全図のつもりですが、原図に対して91%の縮小となっています。計算すると1/27,473ということになりますが、そういうことにはこだわらないでください。伊藤流の地形図の使い方では1/50,000地形図も1/25,000地形図も混在使用しますから、中間的などんな縮尺だっていいのです。この方法論になじまないベテラン登山者の方には最初にご注意申し上げます(折を見て地図については紙上講義いたします)
 縮尺を気にしないで使えるのは距離目盛りを入れたからです。軍畑駅を起点として登山終了地点の御嶽駅まで、距離(水平距離)は9.1kmと出ました。【12】ページの右段上部に「私の場合は全行程の水平距離が8.5kmと出ました」とありますが、あれは1/50,000地形図での計測です。距離については概算でいいということもここでは素通りしておいて、地図上に入れた500mごとの距離目盛りが(これもここでは省略しますが「1時間モデル」を設定すると)7.5分目盛りになっているということを記憶しておいて下さい。

★route simulation 2

登山口まで

 JR青梅線の軍畑駅は等高線によって標高240mであることがわかります。駅のすぐ山側に引かれている太い等高線(5本目ごとの計測線で1/25,000地形図では50mごと)が標高250mだということを周囲の情報から見つければわかります。
 駅は南(地図の下側)を向いているようですが、駅前には小さな村落があるだけで、川(多摩川)に下っていくと国道があります。
 国道から駅にあがってくる一条線(実線)の道を山側へたどるとすぐに踏切があって、二条線の道に合流します。ポツンポツンと家が続く谷間の村をゆくと0.8kmほどでY字分岐。左手の細い道を入ります。そのあたりが標高250mですから道は平坦ということがわかります。
 左の地図ではよくわかりませんが、地形図にはブルーで平溝川が示されています。谷道ですから川があって当然。分岐を右へ行く太い道は北小曽木川流域に抜ける峠道です。
 分岐から0.7〜0.8kmで標高300mの第2の分岐。ここが登山口で、寺の記号がありますが、高源寺というようです。駅から1.5kmは0.5km目盛り3つですから水平距離で22.5分、標高差50mの目盛り(これも7.5分目盛り)1つと合わせて30分という計算法です。

★route simulation 3

高水山まで

 1.5km地点・標高300mの高源寺から3.5km地点・標高759mの高水山までがこのコースの登りの部分です。2km先で459mですから、時間目盛りを数えると距離に30分、高度差で69分、合わせて1時間と40分といったところ。水平距離1km先で300m登るという伊藤式1時間モデルと比べると勾配がずいぶんゆるやかですが、2km地点から3km地点に限れば1km行って300m登るというモデルそのものになっています。この1時間をそのつもりで歩いてみましょう。
 高源寺から前半の約1kmは谷道です。15分ほどいくと地図上では畑や人家が尽きます。谷はどんどんせばまって、2.5km地点付近で急登になります。地図上の登山道は直線的に書かれていますが、もうすこし長い登りならジグザグに表現されているかもしれません。じっさいの道もこの急坂を直登しているか? 机上ではまさにクエスチョンマークをつけておきたいところです。
 これは谷の奥から尾根に上がる典型的な急斜面なのです。標高550mあたりで道は尾根に出ますが、尾根道になるというのではなくて、進行方向右手が山側という斜めトラバースの道です。
道の性格がはっきり変わる標高550m地点までは高源寺から1km+250mですから50分ちょっと。後半は気分が変わります。

★route simulation 4

三山の稜線

標高759mの高水山に登ってしまうと、岩茸石山(793m)、惣岳山(756m)までの約2.5kmはこまかなアップダウンがあるだけです。もちろん登りと同じように細かく計算して時間を出すこともできますが、このような稜線の道は、時速2kmで概算するのが一般的です。それにたっぷり時間の昼食休憩と、記念写真休憩とを加算しておけばどうにでもなります。逆にいえばきっちり計算しても、いい展望台があってそこでゆっくり休んだらメチャクチャです。
 ちなみにいえば、時速2kmというのは平地で時速4km、登山道の1時間モデルで時速1kmというのの中間的な水平速度であることを示しています。
 稜線に出てピークを踏むとなれば楽しみは展望ですが、本州中央部では標高2,500m以下は森林帯と考えていいので、展望は樹木によって遮られているかもしれないという不安があります。山頂部に岩の記号があれば展望台になっていると期待していいのですが、それ以上のことはわかりません。
 また紅葉以後新緑までは広葉樹林では葉が落ちて樹間からの眺めを楽しめる可能性があります。しかし標高1,000m以下の山では杉・桧の植林地であることも多いのです。ページ【10】のガイドブックの読み比べをチェックしてみて下さい。

★route simulation 5

下り

 6.2km地点あたりの惣岳山(標高756m)から9.1km地点・標高240mの御嶽駅まで、約3km、標高差約500mの下りです。
 これを登りの時間で計算すると約2時間です。まあ、妥当な計算法としては下りを登りのエネルギーの3/4として、1時間30分、あるいは2/3として1時間20分と心づもりしておくわけですが、計画では2時間まるまるとっておきます。
 リーダー役を体験するとわかりますが、こわいのは下りです。ちょっとしたことで足を痛める危険があります。疲労したメンバーが出ているかもしれません。雨でスピードが落ちているとか、紅葉のシーズン以後ならうっすらと雪がかぶったりします。そういう悪条件が最後の下りに加わってくるかもしれないのですから、時間だけはたっぷり確保しておきたいわけです。それと、このコースなど、多摩川の渓谷に向かって下りていくのですから、気持ちのいい休み場所があるかもしれません。無事で下りられそうなら、あまった時間での道草をあれこれと考えたほうが心豊かではないでしょうか。
 地図上で下りはほとんど同じ勾配。一気に下る明快な尾根道だということを確認しておきましょう。したがって下り口さえ間違えなければいいのです。

★from Ito Koji's works

登山ガイドを読む
出典
毎日新聞社1994.8
日本の大自然16巻
『秩父多摩国立公園』
「国立公園物語[秩父多摩]」

●奥多摩のガイドブック
 多摩川をさかのぼっていくと、標高100mのところで流れ込む大きな支流・秋川があります。この川に沿ってJRの五日市線が伸びています。
 青梅はさらにちょっと上流。多摩川はその水面標高150mあたりで武蔵野台地へと飛び出してくるかっこうです。JR青梅線は青梅から多摩川の渓谷を上流にまだ20kmほどさかのぼっていくのですが、電車が青梅駅を出て2つめの日向和田駅のところから秩父多摩国立公園は始まります。
 JR中央線で東京→立川が40分ちょっと、立川→青梅が30〜40分、そして青梅→奥多摩も40分前後です。日曜早朝のホリデー快速は、週末の山歩きを欠かさないという感じの登山者たちの専用列車というおもむきです。奥多摩は首都圏のワンデーハイクや初心者向け登山の定番エリアといっていいのです。そこでとりあえず、シリーズガイドブックの中で「奥多摩」を書名に含むものを買い集めてみました。
 2冊は専業メーカーの登山専用ガイドというべきものです。
1——山と溪谷社…アルペンガイド6「奥多摩・奥秩父・大菩薩」
2——東京新聞出版局…岳人カラーガイド12「奥多摩」
 「登山・ハイキングの定番シリーズ」とうたうアルペンガイドは伝統的な文字主体の分厚な造りで、北から南へ日本の主な登山コースを20冊でカバーしています。この「奥多摩・奥秩父・大菩薩」は秩父多摩国立公園をカバーする1冊となっています。
 岳人カラーガイドブックスは山岳雑誌「岳人」の発行元である東京新聞出版局のシリーズで「山岳カメラマンによるカラー写真と克明な地図付きコースガイド」とうたっています。見開きごとにガイドと写真が繰り返されるというぜいたくなつくりで、山歩きの楽しさ、美しさ、感動などを視覚的に訴えようとしています。「奥多摩」と「奥秩父」の2冊で秩父多摩国立公園の範囲になります。
 登山ガイドには付録として地図がついていますが、地図メーカーでは逆に登山用ガイド地図にシンプルな解説パンフレットを加えた形のものをシリーズ化しています。
3——日地出版…登山・ハイキング21「奥多摩」
4——昭文社…山と高原地図24「奥多摩」
 日地出版の「奥多摩」には大菩薩嶺が含まれていて、シリーズ22に「奥秩父」もあります。それに対して昭文社は23=大菩薩連嶺、26=奥秩父1(雲取山・両神山)、27=奥秩父2(金峰山・甲武信岳)とこまかく分け、いずれも「1994年版」と明記しています。
 どちらも一般登山者にはほとんど十分という精密な地図ですかから使われる頻度は非常に高く、いまや登山に国土地理院の地形図を持つ人は少数派という状況です。
 ガイド主体と地図主体の中間にあたるのが「大登山地図付」と銘打ったガイドブックです。
5——日地出版…地球の風3「奥多摩 大菩薩」
 これは全体で22冊になるという新しいシリーズで、まだ未刊行のものが多いようですが「奥秩父」も予定されています。
 いわゆる旅行ガイドの中で「奥多摩」をタイトルにかかげたものは2冊ありました。
6——日本交通公社…JTBのポケットガイド19「奥多摩・秩父」
7——弘済出版社…ニューガイド・トップ22「奥多摩・秩父」
 ニューガイド・トップの範囲は秋川渓谷〜奥多摩+川越〜奥武蔵〜秩父盆地周辺で、国立公園を背景に見ながら車で入っていける観光ポイントのガイドということになります。JTBのポケットガイドの「奥多摩・秩父」もほぼ同様ですが、こちらには高尾山と相模湖が加わって相模湖〜高尾山〜秋川渓谷〜奥多摩というブロックを形作っています。
 しかしいずれも山はあくまで背景で、わずかに触れられている山歩きも、背景の中のひとつのポイントという感じです。登山ガイドが基本的には山を越えて向こうの世界に下っていくクロスカントリーとなるのに対し、旅行ガイドではそのクロスカントリーの部分を列車や車にゆだねています。それゆえ登山ガイドと旅行ガイドでは距離感覚がまったく違っているように思えます。
 目についたものを、さらに2冊選んでみました。
8——日本交通公社…新日本ガイド8「武蔵野 秩父 多摩」
9——聖岳社…奥多摩絵図
 新日本ガイドは日本のすべての市町村を網羅するシリーズで、観光ガイドというより観光百科事典というべきものです。私は旧版をワンセットもっていますが、今回購入した改訂新版は1989年の初版となっています。
 小さなポイントごとのつまみ食いがいわば常識の観光ガイドにしては例外的に、網羅的な記述がこのシリーズのきわだった価値といえます。索引がよく整備されていることもあって、地名などの表記や読みに関してチェックするときの資料としても手放すことができません。
 ところが今回、その地名表記に関して奇妙な問題にはまり込んでしまったのです。山名によく現われる「ガ」と「ケ/ヶ」に関する混乱なのですが、それについては最終章で詳しく触れたいと思います。
 もう1冊は村松昭さんという人がコツコツと書いてきた東京周辺の絵地図のシリーズで、ほかに「秩父・奥武蔵絵図」もありました。
 注意書きに「この絵図は登山地図ではありません。登山には正式な地形図、登山地図をご持参下さい」とありますが、地図にあまりなじみのない人が地図上で山歩きを想像してみるのに最適なものとなっています。
 この絵地図が見た目の印象よりずっと登山の実際に近い理由は、国土地理院の5万分の1地形図を重ねてみるとわかります。地形図の等高線を標高の高いものから1本ずつ順にトレースしながら、等高線の1本ごとに一定の距離だけトレーシングペーパーをずらしていくという方法で鳥瞰図の骨格を造っているに違いありません。
 筆のタッチはかなりラフに見えても、骨格は地形図を几帳面にコピーしているはずなのです。ご本人に確かめたわけではありませんからあくまでも推理の域を出ませんが、山道が実際の印象と近い感じで再現されているのは、地形を勝手にゆがめていないからです。

●奥多摩の概観
 さて、ガイドブックを読んでいきます。本格派のアルペンガイドでは奥多摩は八王子在住の登山家・寺田政晴さんが執筆しています。巻頭でこう書いています。
 ——観光地として人を集めている奥多摩ではあるが、山登りについても交通事情に恵まれているうえ、低山から2,000mクラスの亜高山まで変化に富んだ山々が連なり、ビギナーからベテランまでが、それぞれの経験に応じた登山を楽しむことができるため、年間を通じて多くの人たちに親しまれている。
 地理的には、秩父山塊の東端を形成している奥多摩の山々であるが、だいたい3つのブロックに分けて考えることができる。日原川を囲む山々を中心とした北部ブロック。三頭山、御前山、大岳山の奥多摩三山を中心とした中央ブロック。そして、多摩川の支流、秋川の右岸に続く南部ブロックの3つである。——
 岳人カラーガイドブックスの著者・渡辺千昭さんは山なみを連なりとして解説します。
 ——奥多摩にはいくつかの山系が横たわっている。山域の北部を東から西に向かって走り雲取山(2,018m)に至る都県界尾根(長沢脊稜)の主な山には、棒ノ折山(969m)、川苔山(1,364m)、蕎麦粒山(1,473m)、天目山(1,576m)、白岩山(1,921m)などの峰々。雲取山から南に派生している石尾根には、七ッ石山(1,757m)、鷹ノ巣山(1,737m)、六ッ石山(1,479m)などの山やまがそびえている。
 奥多摩主脈と呼ばれる三頭山(1,528m)から東に向かって起伏をしている山なみには、月夜見山(1,147m)、御前山(1,405m)、大岳山(1,267m)などの山があり、三頭山から東に向かって甲武相の境界につらなる山には笹尾根がある。——
 地図なしに読んでいっても混乱するばかりかもしれませんが岳人カラーガイドブックスで書かれた山の並びを西端の雲取山から東に向けて整理してみると、山の高さはおおむね西高東低であることに気づきます。そこのところをもう1歩俯瞰して見るのは、登山ガイドではなくて地質ガイドの仕事なのかもしれません。国立公園協会と日本自然保護協会が編集した『日本の自然公園』(1989年、講談社)では秩父多摩国立公園はつぎのように解説されています。
 ——この公園は関東平野の西側に連なる関東山地の中央部に位置する。関東山地は周囲を断層で囲まれた地塁状の地塊といわれており、全体として起伏の大きい壮年期の山地からなる。ここの地形的な特徴を一言でいえば、比較的なだらかな山稜と急峻なV字谷のコントラストであろう。——
 ——関東山地の山頂は、瑞墻山や金峰山を除いて岩峰が少なく、一般にやや丸みを持った形態を示す。とくに花崗岩や閃緑岩地域でその形態が目立つ。飛竜山や雲取山のように稜線より突出する山頂は、チャート・石灰岩などのかたい岩石からなる場合が多い。
 また、となり合う山頂の標高がよくそろう定高性山稜が数段認められる。おもなものを高い方から挙げると、金峰山から甲武信ケ岳にかけての2,600〜2,400mの山稜、笠取山から雲取山にかけての2,000m前後の山稜、七ツ石から鷹ノ巣山にかけての1,700m前後の山稜などで、そこから東は漸次高度を下げ、関東平野に接している。関東山地は第四紀に入っておよそ1,000mほど隆起したと推定されており、定高性山稜はその隆起以前の第三紀末ごろの小起伏面(準平原の小規模なもの)の残辺とみなされる。——
 そのような山域にどのようにアプローチしていったらいいのでしょうか。概括的なガイダンスがきちんとしているのは日地出版の解説パンフレットで、調査・執筆を担当しているのは日本山岳会会員の横山厚夫さん。
 ——コースは一部のやや草深いところをのぞいては、よく整備され、指導標も完備していて、歩きやすい。数多い奥多摩の山々のうち、比較的入門的なものとしては、高水三山、御岳山、日ノ出山、大岳山付近となろう。これらは青梅線の各駅からすぐに登り始めることができ、歩行時間も短い。まず、最初のうちは、それらの山に登って、奥多摩という山域の概念をしっかりつかんでおくことをおすすめしたい。
 秋川流域の戸倉三山はやや手応えのあるところ。そして、つぎの段階としては、御前山、三頭山、川苔山、鹿倉山などが中級にランクされる山々としてあげられよう。標高も1,500m前後となり、なかなか楽しい山行が約束される。
 雲取山の周辺は奥多摩では上級向きの所だ。多摩川と日原川の谷から多くのコースがあるが、いずれも半日以上はかかり、山頂付近の山小屋で1泊しなくてはならない。それだけに、いかにも山に登ったという強い感激が味わえるに違いない。早朝、山小屋をたって山頂に登れば、富士山、南アルプス、上越の山々などに向かっての展望は広く、また、飛竜山を目前にして奥秩父の主脈が西に高まり延びていくのが見られる。それらを目にした時、奥多摩を出発点として、さらにつぎの山々が今後の課題として数えられてくるのではなかろうか。——

●高水三山のコースタイム
 横山さんのこのガイダンスは妥当なものだと思います。そこでここでは奥多摩の一番手前にある入門向きの高水三山縦走をこまかく読んでみたいと思います。なお以下の引用の最後につけた番号はガイドブック紹介のところで頭につけた番号と一致します。
 まず高水三山についてのキャッチフレーズ、あるいは概説を見てみます。
 ——初めて奥多摩を訪れる人やファミリーでのハイキングに最適の縦走コース——1
 ——多摩川をはさんで御岳山の反対側にある標高700mあまりの高水山・岩茸石山・惣岳山の3つを高水三山と呼んでいる。三山縦走は標高が低いわりに展望がよく手軽な日帰り登山として親しまれている。高水山頂付近には浪切不動尊を祭る常福院があり、また、惣岳山には青渭神社が祭られ、その近くに水場がある。——8
 山名などにつけた振り仮名がだんだんわずらわしくなってきますが、ここでは重複を恐れずに、振り仮名まで含めて引用していきます。つづいて山頂に関する部分を引用してみます。
 まずは高水山の山頂。
 ——電波中継施設のある山頂部から、少し岩茸石山方面に寄れば、若い植林越しに御岳山から御前山への眺めが得られる。——1
 ——電波中継施設のある山頂部から、少し岩茸石山方面に寄れば、若い植林越しに御岳山から御前山への眺めが得られる。——5
 引用の1と5が同じ文章になっているのは盗作ではなく、同じ著者による流用です。ここでは5の引用で「いわたけいしやま」と「やま」まで振り仮名を振ってあることにご注目いただきたい。
 三山の最高峰・岩茸石山の山頂です。
 ——岩の出た急登が終われば明るい岩茸石山である。東から北東への眺めがよい。自然林の山頂は広くはないが、好ましい雰囲気である。ベンチもしつらえてあるので、ゆっくりと休んでいこう。——1
 3つめの惣岳山。
 ——林の中の展望は皆無の山頂だが、青渭神社があって、静かな雰囲気にみたされている。——3
 この3つの山頂をめぐる4時間前後のコースということですが、ここでは登山用語で「コースタイム」というものをすこし詳しく見ていきたいと思うのです。
 登山のコースタイムは通常、登り/下りの双方行の区間所要時間の標準/目安を示しているのですが、ここではどのガイドも本文の記述が同じ方向であることから、煩雑にならないために片方向のコースタイムだけを見ていきます。
 ——軍畑駅→(30分)→平溝→(1時間)→高水山→(35分)→岩茸石山→(40分)→惣岳山→(10分)→真名井天神→(50分)→御嶽駅——1
 このアルペンガイドではファミリー向けコースで歩行時間=3時間45分、累積標高差580mというくくりをしています。
 ——軍畑駅→(30分)→平溝・高水山登山口→(1時間)→高水山→(35分)→岩茸石山→(40分)→惣岳山→(1時間)→御嶽駅——2
 こちらもコースタイムの合計は3時間45分です。そして3、4、5と登山ガイド/登山マップもすべて同じコースタイムとなっています。
 ところが旅行ガイドではすこし違ってきます。
 ——軍畑駅→(30分)→高源寺→(1時間20分)→高水山→(35分)→岩茸石山→(40分)→惣岳山→(1時間30分)→御嶽駅——7
 このニューガイドトップでは合計時間が4時間35分となって、登山口の高源寺から高水山への登りがプラス20分の33%増、惣岳山からの下りがプラス30分の50%増。このことに関してはあとで考えます。。
 ——軍畑駅→(30分)→高源寺→(1時間)→高水山→(40分)→岩茸石山→(40分)→惣岳山→(1時間)→御嶽駅——8
 新日本ガイドでは合計時間が3時間50分となっています。このタイムが登山ガイドと違うのは高水山から岩茸石山の35分が40分になったということで、これはコースタイムを10分単位で表記するため、35分を40分に切り上げたと見ていいでしょう。長い登り/下りが同じ時間であるということから、時間の測り方の基準が違うとは思えません。
 登山ガイドのコースタイムがどれをみても同じだと、一般の人はきっと、それが正しいと思うに違いありません。しかし私などは、そういうときこそ眉をしかめてしまうのです。これは、最初の1人をのぞいて、だれも本気で書いていない、と思ってしまうのです。
 というのは、登山のコースタイムを計算する方法というのが確立されていないうえに、コースタイムは歩き方によって、歩く人によって、その日の状況によって同じではありえません。だからあくまでも目安なのです。アルペンガイドの凡例にはつぎのように書いてあります。
 ——コースタイムは、該当コースに必要な装備一切を携行して歩いた際の、標準的な所要タイムで、休憩や食事に要する時間は一切含まれていません。——1
 ここで「標準的」という言葉が出てきますが、その説明はありません。そしてつぎのように続きます。
 ——コースタイムは体力、経験のほか、その時々の天候や体調に左右され、さらにコースの混雑度、パーティーの人数によっても差が生じます。とくに高齢の人は、本書コースタイムの5割増を目安として計画されるようお勧めします。——1
 ここに「目安」という言葉が出てきます。今度は岳人カラーガイドブックスを見てみます。
 ——コースタイムは一応の標準時間を記載した。この中には休憩時間は含まれていない。荷物の重量や天候、子供連れなどの条件により大幅に異なるので参考程度にしていただきたい。——2
 こちらは「一応の標準時間」であり「参考程度」とか。ついでにほかのものも見てみます。
 ——コースタイムは夏山晴天時2・3人のパーティー(休憩を含みません)の標準記録です。したがって休憩・個人差など考えて行動して下さい。——3
 ——コースタイムは、時期や天候によるコース状況、パーティ構成、体力または疲労度などによってかなりの差異が生じます。あくまで参考として、十分に余裕をもった山行計画をお立てください。——4
 登山のコースタイムは人によってほとんど同じではなさそうなのに、何の根拠もないコースタイムが、ほとんどのガイドで同じというのは、手抜き以外のなにものでもないのです。
 それに山のコースタイムのほとんどは「標準」などと自称しながら、登山者自身が計算(あるいは修正)できるという配慮をしていないのが片手落ちです。登山者が別の著者のガイドを手にすると、べつの「標準」を基準にしなければならないという不思議なことがおこってしまうのです。
 そこで、ここではひとつのモデルを提示します。それは「1km先で300m上がる」という登山道の一般的なモデル(あるいは「一般登山道」の基本的なモデル)です。この(平均)勾配は1000分の300、すなわち30%、あるいは約17度ということになります。
 この登山道モデルを(とりあえず)1時間で登るというふうに決めると、登山靴やハイキングシューズなどで未舗装の平坦路(林道など)を歩く速度は毎時4kmがいいところですから、水平距離で1km歩くのに必要な時間は15分。すると1時間からの残りは45分。それで高度差300mを登るとすると高度差100mが15分という計算になります。ゆえに一般登山道での「標準的な目安」として、水平距離1km=15分、垂直距離100m=15分という目盛を用意して登山のエネルギーを時間に換算していくことを可能にしたいのです。
 これは道の構造が変化するごとに、コースをどんどん細かく区切って計算していくことが可能ですから特定の部分だけの精密なコースタイムも得られます。しかし逆に、登山のように環境の変化などの外的な因子が圧倒的に大きいときには、おおづかみな概算のほうに価値があるということも事実です。そこでまず5万分の1地形図で概算してみます。
 紙片に縮尺スケールの1kmの目盛を写しとって、登山コースの距離を測ってみました。私の場合は全行程の水平距離が8.5kmと出ました。登山道の実測値というのはあまりないのですが、もし実際に測ればこの数字の1.5倍以上になるのではないかと思います。その程度のいい加減な測り方ですが、精密に測っても実用上あまり意味がないのです。
 つぎに等高線を見ながら登り下りの高度差を見ていきます。標高200mの軍畑駅から標高約800mの岩茸石山に登って標高300mの御嶽駅に至る8.5kmですから、登りの標高差が600m、下りが500mとなります。水平距離は8.5×15分で2時間08分。登りの垂直距離は6×15分で1時間30分となります。
 下りをどう計算するかですが、山歩きの合理的な考え方としては後半に時間の余裕を残すためにも登りと同じ計算をしておいたほうがいいのですが、ガイドブックのコースタイムとの差を見たいというような場合には登りに対して下りは70%のパワー(時間)でいいと考えることもできます。すると下りの垂直距離500mは5×15分×0.7で50分となります。全部を合計すると4時間28分となります。
 この方法でニューガイドトップの問題の区間を計算してみます。登山口から高水山への登りは距離が約2km、標高差が460mですから水平に30分、垂直に1時間10分で合計1時間40分と出ます。他のガイドがここを1時間としているのに対してニュートップが1時間20分としているのは、より現実的で親切だといえるでしょう。一般の人があそこを1時間で登ろうとすると大汗をかいてしまいます。
 また下りでは惣岳山から御嶽駅までが距離2.5km、標高差456mですから登りを計算すると1時間47分とでます。これと比べるとおおかたのガイドではその56%を下りのタイムとしているわけです。それに対してニュートップでは84%。70%なら1時間15分となります。
 最後の長い下りを早く歩こうとするとひざや腰に大きな負担をかけるだけに、初心者ほど下りに時間をかけるのが常識です。コースタイム破りにささやかな征服感を感じる自称ベテランたちにおもねず、初心者向きの現実的なコースタイムをただ1人出しているという点でニュートップの登山担当者に敬意を払います。
 空中写真測量という方法で作られる現在の地形図でもっとも信頼できる情報は等高線ですから高度差の計算はきわめて正確だと考えていいのです。それに対して山道の距離計算はいい加減です、道のカーブ自体が縮尺の関係であらかた省略されていますし、測り方でも長短20%ぐらいの誤差は出ます。しかし距離情報を時間(エネルギー量)に換算したとたんに、ウエートが低くなってしまうので大きな問題にはならないのです。
 そのことよりも地形図に1kmごとの目盛を入れてやることで、登山コースを一定の距離感でじっくりと見ることができるようになります。2万5000分の1と5万分の1との縮尺の違いによる図上の距離感の違いなどもまったく問題にならなくなります。
 登山道がもっと急になっていくと、極端な例が、たとえばヒマラヤ登山です。そこでは距離はほとんど関係なくなって高度差だけで登山活動を管理することができます。その逆はハイキング。車でかろうじて走れそうな勾配(たとえば10%=6度)の遊歩道では、高度差はあまり大きなファクターにならないので、距離だけで運動量を管理しても問題は起きません。田舎道をあるくマーチングなどではマラソンと同様に距離だけを目安にしています。
 登山コースにもアプローチ部分に林道など、勾配のゆるい部分がありますから、厳密にいえば区別して計算したいところですが、車の道は直線的でカーブも大きいので地形図ならかなり正確な距離が測れてしまいます。
 このあたりのこまかな問題については朝日カルチャーセンター横浜登山教室+伊藤幸司『トレーニング不要!おじさんの登山術』(1990年、朝日新聞社)にもくわしく書いてあります。


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