箭内和子……山笑う・山眠る
福島県の山 6
安達太良登山お勧めコース



■安達太良登山お勧めコース

 郡山在住の私にとって、地元の山・安達太良山に登るには、前もって計画を立てていなくても天気を見て、今日は良さそうだから登りに行こうと思えば行くことの出来る山です。
 人それぞれ好みがありますから、一概には言えないのですが、私のお勧めのコースをお話しましょう。たった一度、遠くから来た方が登るとしたらと、考えてみました。
 時期は、紅葉の季節。10月10日、前後1週間くらいでしょうか。紅葉は当たりはずれがあると言われますが、安達太良の紅葉にはずれはありません。
 良くないと言われる年に登ってみても、期待を裏切られた事がありません。登るたびにやはり、安達太良の紅葉は素晴らしいと思います。ツツジの赤と、ハイマツの緑、燃えるような紅葉です。
 登るルートは、塩沢からのコースです。湯川の沢沿いの登山道を歩き、八幡滝で一休み。ここから眺める紅葉は、ため息が出てしまうくらい、綺麗です。滝ですから、岩場です。岩場の紅葉は、なおさら華やかなのです。
 この日は、くろがね小屋に泊まって下さい。ひのきの湯船に白濁の掛け流しの温泉です。シャワーなどはありませんが、温泉に浸かり、汗を流せば気持ちの良いものです。湯船に浸かりながら、窓を開けると、半露天の気分です。
 翌日は、紅葉の中を峰の辻にむかい、安達太良山頂を目指します。峰の辻からは、ガレバになります。
 山頂は晴れていれば、360度の展望。ここは、那須と同様に風の通り道でもあり、強風の時は、立っているのも大変です。
 ここから、縦走気分を味わいながら、牛の背・馬の背を通って、噴火口あとの沼の平を左に見て、鉄山へ。鉄山避難小屋を過ぎて、だらだら下り、笹平の分岐。ここまで来ると、また紅葉のお出迎え。箕輪山へ向かいます。
 箕輪の紅葉も、本当に華やか、錦秋という言葉のイメージどおりです。箕輪山からの下山は、横向温泉でも良いし、鬼面山経由で、土湯峠や野地温泉に下山しても良いのです。どこに下山しても温泉が待っています。
 是非、安達太良の紅葉を味わいに来て下さい。

――2008.1.25 記


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