箭内和子……山笑う・山眠る
福島県の山 16
尾瀬・トガクシショウマを探しに(パート1)――2006.6.3-4



■尾瀬・トガクシショウマを探しに(パート1)

 トガクシショウマの時期に尾瀬に行きませんか?と、恵利子さんを誘う。恵利子さんから、OKの返事が来た。ワクワクしながら、山に出かける日を待っていた。
 2006年6月3日・4日
 2日の夜、恵利子さん東京から、郡山へ。私の家に泊まる。
 3日・5時・私の運転で自宅発。7時50分・桧枝岐経由で御池の駐車場着。山スキー姿の登山者を見かけて、嫌な予感。やはり、残雪が多い。燧ケ岳に登るのは、無理かもしれないと思った。
 当初の予定では、初日に燧ケ岳に登り、翌日、トガクシショウマを探しながら、燧裏林道を歩いて御池に戻るつもりだった。
 燧裏林道を進む。燧ケ岳の登山口も、ほとんど雪に埋まっている。恵利子さんに今日は、裏林道を歩くから・・・と話す。上田代、残雪の中にブナの姿が浮き上がり、美しい。雪は適度に締まっていて、坪足で歩いても、沈まない。先行者は、いないようだ。
 11時・三条の滝。雪解けの水をたっぷりと、勢いよく、落としている滝を眺めながら、ランチタイム。平滑の滝〜元湯山荘〜温泉小屋へ。宿泊手続きをする。
 時間があるので、尾瀬ケ原の散策。東電小屋〜ヨッピ橋〜竜宮〜見晴〜温泉小屋。
 東電小屋の周りだけ、リュウキンカや水芭蕉が咲いていた。見晴では、まだ何も咲いていない。見晴から眺める燧ケ岳には、雪がないように見えるのだけど。
 至仏山の方は、ガスがかかっている。至仏山と燧ケ岳に囲まれた尾瀬ヶ原の風景は、何時見ても良いものです。
 4日・6時45分・温泉小屋発
 段吉新道経由燧裏林道を歩く。ブナの林が、何とも言えず、きれいです。
 マイズルソウ、ショウジョウバカマ、エンレイソウ、ゴゼンタチバナなどの葉が、出始めた頃の感じです。花は、まだまだです。トガクシショウマは、全然、分からなかった。3時間で、御池に着いた。桧枝岐で、温泉と、お蕎麦と、はっとう。
 恵利子さんに「来年、もう一度ね。」と約束をする。彼女を「会津高原・尾瀬口」駅に送り、私は、郡山に戻った。
 雪が多くて、燧ケ岳に登れなくて、残念だった。でも、好天に恵まれ、残雪の中のブナの新緑は、強く印象に残った。ブナが私達に笑いかけてくれているようだった。
――2008.3.27 記


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