箭内 和子――山笑う・山眠る
東北の山 9
葛根田川(かっこんだかわ)――2011.9.16〜17



■葛根田川(かっこんだかわ)
岩手山の西側、秋田駒の北東の山域を流れる川です。
福島登高会の和泉さんから、葛根田川遡行の誘いがあった。何年も前から、行ってみたい沢だったので、克行と私は、同行させていただいた。
メンバーは、和泉さん、小野さん、克行、和子の4人

●9月16日  午後7時に福島の山道具屋「ビックフット」に集合。「ビックフット」の駐車に克行の車を置かせていただく。
 福島西ICを7時半。滝の上温泉着11時頃。被災証明により、東北道の高速料金5700円、無料です。駐車場脇のトイレに併設されている休憩スペースで、仮眠。
●9月17日
 4時半起床。午後から雨の予報。今日は、どうしましょうか・・・? 途中撤退でもかまわないので、お函まで行きたいと、話す。
 6時10分発。地熱発電所脇の道路を50分位歩く。
 7時入渓。水量は、ほどほど。水勢があり、渡渉の時にふらつくので克行とスクラム渡渉をする。やはり、沢というより川です。
 8時20分〜40分休憩。空は、明るい。雨は、まだ降らない。すでにお函手前まで来てしまった。もう、進むしかないようだ。
 9時40分 大石沢出会。水が澄んでいて、和泉さんの後を歩 いていても、川底の石が見えるので安心して歩ける。
 10時30分 中の又沢出会。
 10時50分 葛根田大滝、登れないので、左岸の巻道を上がる。水量は、随分少なくなる。
 11時20分〜30分 ランチタイム
 雨が、ぽつりぽつり、降り出した。ここからは、八瀬森山荘まで、行くしかないので、頑張ろう。
 北の又沢から滝の又沢を分けて、左股へ。滑があったり、小滝があったり、高度を稼ぐ。2段8mの滝。ここだけ、ロープを出してもらう。滝上からは、左、左と進む。ここで、アクシデント発生。左、左と進んでいたが、ラストの小野さんが来ない。
 私達3人、笛を吹きながら、滝のすぐ上の右沢の入り口まで引き返す。小野さんは、多分この沢に入ったのだろう。上の方から、笛の音がする。待つ事、10分。小野さんが戻ってきた。良かった、良かった。私達は、左沢しか目に入らなかったが、ラストの小野さんには、右沢が目に入ったのだ。本来、この右沢のある所で、先頭は待っているべきだった。反省、反省。
 15時20分 大場谷地の湿原に出る。GPSで、八瀬森山荘の方角を確認しながら登山道に出る。
 15時30分 八瀬森山荘着。先着は、40代のつり屋さん2人。泊まりは、このつり屋さん達と、私達だけだった。
 9月18日  雨は、一晩中降り続いた。この雨では、秋取沢の下降は無理なので、登山道の下山とする。
 6時20分 八瀬森山荘発。関東森の登山道の間に湿原がある。草紅葉が始まっている。晴れていたら、綺麗だろうなあ〜と、思いながら歩く。
 12時〜12時30分 三つ石山荘着。ランチタイム。小屋の中で、ホッとする。雨を気にせず休めるのは、
本当に有り難い。雨降りなのに登山者が、数名休んでいた。
 14時30分 滝の上温泉駐車場着。滝の上温泉の「滝観荘」で、汗を流し、帰途に就く。経営者らしいおじさんが、沢の様子を聞いてきた。葛の根の川と言う名の通り、枝沢がたくさんあり、雨の水を集積するので、葛根田川は、すぐ、増水する川らしい。
 16時55分 盛岡ICに入る。福島西ICに20時半頃着。

 グリーンタフ(緑灰岩)の青白い水、大きなスケールの川(沢)を楽しむ事が出来て、嬉しかった。下山も沢下降が出来れば、言う事なしだが、登山道歩きも、悪くなかった。
 滝とへつりの難しい沢ではなく、水量の多さと、その「ゆったり」さ、を楽しむ沢(川)です。枝沢の流入が、1本1本美しく、ヒタヒタと歩くことが、この上なく楽しい沢です。増水後の葛根田川は、土色の水。川底をゴロンゴロンと石が転がっている音がして、気味悪い位だった。
(2011年10月6日 記)


★トップページに戻ります