箭内和子……山笑う・山眠る
遠くの山 15
近畿の百名山巡り(大峰山と大台が原)――2010.5.23-25



■近畿の百名山巡り(大峰山と大台が原)2010年5月

 二泊三日・10人乗りのジャンボタクシーで、郡山から奈良の登山口までの往復と、ドライバーさん2人分の経費を含めて21万円で、某タクシー会社に引き受けてもらう。7人参加者が集まれば、交通費がひとり当り3万円で済む。
 早速、参加者集めをする。順調に7人集まったが、出発までにキャンセルが続出。代わりの参加者集めに努力したが、参加者は5人(俊郎、キヨ子、圭子、ヒロ子、和子)だった。ひとり当りの交通費4万2千円。

 5月23日(日)こちらは、晴れているが、低気圧の進行方向に向かって、雨の中の山歩きを覚悟して、午前2時に郡山・喜久田を出発する。
 磐越道〜北陸道〜上信越道〜中央道〜東名〜伊勢湾岸道〜名阪国道〜奈良・川上村へ。
 13時20分に行者還トンネル西口・弥山の登山口に着く。2台の小型バスが停まっていた。登山の準備をしていると、10数名のパーテイが下山してきた。メンバーの方が、7時間(登り4時間、下り3時間)の行程だったと話していた。
 13時50分に雨の中、私達も出発する。弥山小屋まで3時間位の行程だ。樹林帯の中の登山道のせいか、雨もそんなにひどいと感じない。もう1台のバスのパーテイとスライドする。良く整備された登山道をシャクナゲの花に誘われながら、順調に登る。
 オオカメノキの花が、雨に濡れて揺れていた。先頭を30分ごとに交代しながら、登った。弥山小屋近くになって、木の階段が出てくる。疲れて来たし、最後の登りは、長く感じた。16時35分、やっと、弥山小屋に着く。
 玄関脇の乾燥室に濡れ物一式、ハンガーに掛けて、部屋に入る。すぐ、17時の夕食になった。今日の泊りは、私達5人と単独の女性と男性の計7人。19時半には、皆眠りに就いた。

 5月24日(月)雨と風。6時朝食。小屋番さんから、お昼頃に低気圧の中心がこの辺を通過する予報です・・・と言われる。お昼頃には下山できるだろうから、予定通り、天川川合に向かって下山する。
 6時45分発。弥山神社参拝。風があり、小雨。立ち枯れの樹林帯を八経ケ岳へ。7時半着。オオヤマレンゲを鹿の食害から守るために組まれたネットの中を歩く。
 弥山方面に戻らずにトウヒやシラビソの樹林の中を真っすぐ栃尾辻方面に向かう。途中から少し戻るようになるが、ゆっくり休みたいので狼平の避難小屋へ向かう。狼平は、開けた地形で、そばに沢があり、時間があれば、ここの避難小屋に一晩泊まりたいような所だった。9時5分〜9時25分まで休憩。
 栃尾辻に進み、稜線を下る。稜線を境に東側は吉野杉の林、西側は広葉樹林の林だった。林道を一つ越すと天川バス停まで、70分の標識があった。雨が強くなり、登山道が川になった。杉林の急な下りを下っていると、集落が見えた。迎えの車が、登山口まで来ていてくれた。13時着。今日の宿、入之波温泉・山鳩湯へ向かう。

 5月25日(火)曇り。郡山へなるべく早く戻りたいので、「柿の葉寿司」を朝食用に準備していただき、5時発。大台が原に向かう。駐車場には、すでにマイカーが2台、停まっていた。
 6時15分、遊歩道を日出ケ岳に向かう。雨具なしで歩けるので、楽です。だんだん、青空が顔を出す。日出ケ岳に6時50分着。ミヤコササが朝日に光って美しい。大峰の山々がぼんやりと見える。尾鷲湾なのだろうか、よく分からない。ここのベンチで朝食をとる。
 7時10分発。正木ケ原に向かう。ミミガタテンナンショウやバイケイソウの葉。ササの中に倒木が目立つ。昭和38年の伊勢湾台風の後、トウヒが倒され、自然環境が変わり、厳しい自然環境の中で森林が復活しない。衰退の森林の姿だ。
 大蛇?の分岐からは、シャクナゲのトンネルだった。ツクシシャクナゲとヒカゲツツジ(黄色い花)。大岩を注意して降りると、目が眩むような風景が広がる。鎖に掴まって、遠くの滝を眺める。ここで、コーヒータイム。9時〜9時半。サワグルミの木。シオカラ谷経由で、駐車場に戻る。
 10時10分着。10時40分まで、各自自由時間とする。ビジターセンターに回り、木の勉強。トウヒはエゾマツに近い常緑針葉樹。ウラジロモミ、コメツガ、ゴヨウツツジなどが生育しているそうだ。
 時間通りに集合して、帰途に着く。帰りは、針IC〜伊勢湾岸道〜東名道〜渋谷から新しい首都高速〜東北道を走って、郡山へ戻った。22時10分、喜久田着。22時40分、自宅着。
 郡山から奈良は、やっぱり、遠かった。でも、思い切って出かけて良かった。大峰の山々は、深淵としていた。オオヤマレンゲの花の咲く頃や、シロヤシオの咲く頃も良いのだろうと思った。また、熊野古道や吉野からの修験道も、歩いてみたいと思った。
 雨の中の山歩きだったが、そのお陰で、瑞々しいモミジの葉の新緑がひと際、鮮やかだった。立ち枯れの中に浮かぶ苔の緑も目を惹いた。山は本当に色々な表情を持っているなあ〜と、あらためて思った。(和子)


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