箭内和子……山笑う・山眠る
遠くの山 23
夜叉神峠から鳳凰三山――2012.4.28-30
■夜叉神峠から鳳凰三山
日時 2012年4月28日(土)〜30日(月)
メンバー 克行・和子
福島原発の放射能汚染による精神的慰謝料として、東京電力より福島県県中地区の住民(18歳以上の成人)一人につき、8万円の支払いがあった。我が家は夫と二人世帯で、16万円の臨時収入。このお金は、山歩きに使ってしまおうと、二人で話し合った。GW前半は、好天の予報。夫が登りたがっていた鳳凰三山に出かける事にした。
28日
3時10分 自宅発 東北道〜圏央道〜中央道・甲府昭和IC
8時30分 夜叉神峠駐車場着
9時 準備をして入山
夜叉神峠〜杖立峠
北岳をはじめ白峰三山がきれいに見える。
杖立峠からは、凍った斜面でアイゼンを装着する
13時50分 苺平 久しぶりの重装備なので、ゆっくり登る
14時25分 南御室小屋テント場着。テント場使用の申し込み後
テントの設営。テント場の使用料は、一日・一人500円。外のトイレと、水場を自由に使える。冬期でも凍らない水場で、とてもおいしい水だった。テント場は、まだ一面、雪面なので雪を平にならすのに時間がかかった。16時頃にやっと、テントの中に落ち着く。テントは雪面の
上に設営なので、下から冷気が感じられて夜は寒いだろうな〜と思った。
ピーマンの千切り(麺つゆ味)ミニトマト、焼き豚、アルファ米の味ご飯、乾き物のおつまみ(2種類)たまごスープ。
いつものようにグダグダ食べて、飲んで、眠る。
29日
4時半 起床(朝食、テントは、設営したまま)
6時半 日帰りの装備で、地蔵に向かう(アイゼンとダブルストック。一応ピッケルも所持した)
8時 薬師着。大勢の登山者。青空と雪面と白い岩
富士山と白峰三山をお供につれて歩く。
8時40分 観音着(H2840m)八ヶ岳、甲斐駒、中央アルプス
ここまでのピストンの登山者が多い。
10時 赤抜沢の頭。地蔵のオベリスクがすぐ目の前に見える。ここで1時間くらいゆっくりしてから、テント場に戻る。次のチャンスには、早川尾根を辿りたいと思う。鳳凰三山の稜線は、踏みぬきさえ気をつければ初心者向けの稜線だ。もう少し、早い時期ならなお雪が締まっていて、歩き易かっただろうな。
14時半 テント場に戻る途中の薬師の小屋で、カップラーメンの昼食。賞味期限切れのスーパードライ350mlが、200円で売られていたので、4缶購入。
中道ルートを青木鉱泉に向けて下山するらしい2人組がルートの確認に小屋に来た。
雪崩に気をつけて・・・。
この時期、小屋番さんも中道ルートを避けるそうだ。
南御室のテント場に戻る。
30日
4時半 起床。朝食後、テント撤収。
6時半 下山開始
10時 夜叉神峠駐車場着
左足の小指にまめが出来たようで痛くて、そっとそっと下山した。
金山沢温泉で汗を流し、帰途についた。
克行にとっては、初めての鳳凰三山。
私にとっては、2度目の鳳凰三山だったが、前回は雨だった。きれいな青空の
下、真っ白な北岳、間の岳、農鳥を見ながらの稜線歩きは、最高の気分。
これから北岳に登り来る機会があるだろうか・・・北岳をこんなに近くで眺め
る時間が持てるだろうか・・・もう、ないかもしれない。
少し寂しい気持ちになったけど、今までの山歩き人生を充分に楽しんだのだか
ら、良いじゃないの・・・と、自分に言い聞かせる。
自分の残り時間を考えながら、大切に山の時間を使いたい。
その為にもっと、方向感覚とか、風の強さによる体感温度の変化とか、雲の色
や空の色の変化など、色々な面で、自然を感じる力を磨きたい。
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