箭内和子……山笑う・山眠る
遠くの山 33
北アルプス 薬師岳(H2926m)――2013.8.26-30



■北アルプス 薬師岳(H2926m)


薬師山頂

深田久弥さんが選んだ百名山。その百名山のうち薬師岳は、私にとって登っていない最後の百名山だった。一人で歩くのも寂しいかな???と思い、同行者を募ったら、味戸さん、萱森さん、鈴木さん、高木夫妻の5人が手を挙げてくれた。私を含めて6人になったので、マイカー2台で、郡山から出かけようと計画した。ところが、萱森パパが10人乗りのハイエース(レンタカー)で、26日に立山まで送ってくれて、30日に折立まで迎えに来てくれる事になった。本当に有り難い。

●行程
8月26日 郡山〜立山IC〜立山駅〜美女平〜室堂〜一の越〜雄山ピストン
一の越山荘(泊り)
8月27日 一の越山荘〜龍王岳〜獅子岳〜ザラ峠〜五色ケ原山荘(泊り)
山荘の周辺を散策
8月28日 五色ケ原山荘〜鳶山〜越中沢岳〜スゴノ頭〜スゴ乗越小屋(泊り)
小屋前の広場で歓談
8月29日 スゴ乗越小屋〜間山〜北薬師岳〜薬師岳〜太郎平小屋(泊り)
小屋前の広場で乾杯
8月30日 太郎平小屋〜折立〜亀谷温泉〜立山IC〜郡山

●山小屋で印象に残った事
一の越山荘  6畳に3人ずつで、二部屋の割り当て。ゆったりでうれしい。
和式トイレ。水あり。山は平日に限ると思った。

五色ケ原山荘 ここも、6畳に3人ずつで、二部屋の割り当て。
ゆったりでうれしい。
洋式トイレ。水あり。3時過ぎから、男女20分交代だったが
湯船に浸かって、汗を流せるお風呂があった。疲れがとれた。

スゴ乗越小屋 二段式の寝床。下の段に6人分のスペース。和式トイレ。
       水あり。スタッフ3人。今回の小屋の中で一番感じが良かった。

太郎平小屋  6畳に6人で一部屋の割り当て。狭い。空いているのになぜ?  
と思う。洋式トイレ。水あり。40人位の宿泊者だったので、
受付に交渉して、あと一部屋融通してもらう。

鈴木さんの交渉力
 30日 太郎平から下山して折立に着くと、「降雨のため有峰林道が通行止めで、バスは不通です」と言われる。萱森パパ運転の迎えの車が上がって来る事が出来ない。さあ、大変。我々を代表して、鈴木さんが林道ゲートの事務所に出向く。下のゲートの事務所と折衝していただき、萱森パパの車を確認。警察に通行許可を取ってもらい、萱森パパの車が折立に上がれるように手配してくれた。ヤレヤレ。そんなこんなで、無事、萱森パパの車と合流。急いで、皆、乗車した。ここで忘れ物をしたが、誰も気づかなかった。亀谷温泉 白樺ハイツで、5日間の汗を流す。一路、北陸道へ。有磯海SAにて、昼食とおみやげ購入。荷物を見渡すと、鈴木さんのザックがない。鈴木さんのザックを乗せ忘れた事が判明。折立のバスの停留所の脇に置いたまま、来てしまったのだ。有峰林道の事務所の電話番号が分からないので、林道途中にある「有峰ハイツ」に連絡。折立のバス停まで、車で上がっていただき、ザックがあったら、着払いで送って下さるよう依頼する。「有峰ハイツ」の職員の方が、気持ち良く請け負ってくれた。郡山に到着する前にザックが見つかり宅急便で送ると連絡を受ける。一同、ホッとする。鈴木さんが、皆の事と、自分の事で、いろいろと交渉した。脇で聞いていて、自分の求める方向へ話をうまく進めるなあ・・・と感心する。まあ、リタイアしたとはいえ、中小企業のオーナーだったのだから、数々の修羅場をくぐっている。こんな折衝を順当にこなすのなんて、当たり前と言えば当たり前か・・・と、一人で納得した。

●山歩きのエトセトラ
26日 晴れ
熱海ICを6時20分〜立山ICに10時45分
昼食後、12時20分の立山駅発ケーブルに乗る。15時、一の越山荘着。
小屋の人から「雨の心配はないでしょう」と言われたので、雲ひとつない青空の中、雄山をピストン。27日の朝一番に、雄山のピストンを予定していたが、26日に登る事が出来たので、27日の行程に余裕が出来た。
室堂平の花・・・ヨツバシオガマ、トモエシオガマ、チングルマ(花とクルマ)
ウサギギク、アキノキリンソウ、キンポウゲ、キンバイ、イワキキョウ、コバイケソウ、ミヤマニンジンソウ、カラマツソウ、ツガサクラ、トウヤクリンドウなど、まだまだ、花を楽しめた。

27日 晴れ〜9時半頃からは、ガスがかかったり、晴れたりした。
6時朝食、6時45分発。剣と立山に見送られながら竜王岳に向かう。獅子岳からザラ峠への下りは、一気に下ったので辛かった。途中で休憩を入れるべきだったが、休めそうな場所もなかった。11時55分 五色ケ原山荘着。休憩後、五色ケ原を散策した。
今日の花・・・トモエシオガマ、トリカブト、ウメバチソウ、ハクサンフウロ
イワカガミ、チングルマ、ハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、イワツメクサ
ウツボグサなど、ガスの中の木道歩きだったが、花を楽しみながら歩いた。

28日 ガスがかかっている。時々、晴れて展望が広がる。
5時朝食、5時55分発。花畑の中を鳶山へ向かう。越中沢山までキツイ登り。
10時20分〜11時 スゴの頭で、お湯を沸かしてのんびりランチタイム。
今日のルートは、高度感のある岩場歩きが多く、バランスを取りながらの歩きに神経を使った。我々と逆ルートの登山者と話す。皆さん、頑張って長い行程を歩いていますね。12時45分 スゴの小屋着。小屋前のベンチで1時間位歓談。同じルートを歩いている名古屋からの単独女性(66歳)と盛り上がる。
今日の花・・・ニッコウキスゲ、トリカブト、ウメバチソウ、ハクサンフウロ
ゴゼンタチバナ、チングルマ、イワカガミなど
27日より体調が良く、膝の痛みもなかった。

29日 快晴(青空)
5時半朝食、6時20分発。間山に登ると、360度の展望。赤牛が大きい。北薬師が遠い。昨日の登山道よりは、歩き易い。9時45分〜10時 北薬師山頂。まだまだ、薬師岳は、遠いなあ〜。薬師岳に着くまで、ガスにならずに青空がこのまま続くか、微妙な感じ。10時55分 やっと、薬師岳山頂着。高木さんが「祝 百名山完登 箭内和子」と書いた巻紙を広げてくれた。巻紙を広げて持って下さった皆さんの真ん中に立ち、有難く、記念撮影をした。カメラマンは、五色ケ原〜スゴ乗越〜太郎平と、我々と同じルートを歩いている新潟からの男性にお願いした。彼は、テント泊で、ゆったり歩きだった。
風が吹いて寒い。お社の影で休憩。お社にお礼参り。鈴木さんがお賽銭を岩の下に落としてしまい、一緒に探す。他の方が落としたのだろう硬貨も見つけてすべてをお社の賽銭箱に入れた。無事ここまで歩いて来る事が出来て、心より感謝をした。薬師岳山荘で昼食後、14時半 太郎平小屋着。小屋前のベンチに陣取り、生ビールで乾杯。新潟のカメラマンをお願いした方も一緒になって
乾杯してくれた。百名山を目的に山を歩いている訳ではないのだが、なんか、気が抜けた。明日の降雨が心配で、折立まで下山する話がチラホラ聞こえて来た。小屋の方の話では、降雨量も積算なので、午前中は大丈夫との事で、落ち着く。今日の花・・・イワショウブ、ウツボグサ、ハクサンフウロ、アキノキリンソウ、ニッコウキスゲなど

30日 雨のち霧
5時半 朝食、6時10分発。雨具を着て下山開始。一面の霧だったが、雨は止んだ。このまま、雨が降らないと良いなあ〜。イワショウブやニッコウキスゲの花畑の中をせっせと下る。9時25分 折立登山口に着く。
10時 萱森パパの車と合流。帰途につく。

往復850kmの行程を2度も、車を走らせて下さった萱森パパに感謝しながら、北陸道〜磐越道〜郡山IC〜鈴木宅へ(17時45分着)

4泊5日の大きな山歩きを無事終了。
同行の皆さま、ご協力有難うございました。
良いチームワークで、楽しく賑やかに歩く事が出来て、
私は本当に幸せ者と思います。


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