林 智子……あたまをつかったちいさいおばあさん
神戸にて <六甲山・そのあと>――2007.7.5



■神戸にて <六甲山・そのあと>――2007.7.5

神戸には 一度も行ったことが ありませんでした。

糸の会では 2000年の夏 大雪山行きがありました。
私も 参加しました。
この時 <大きな山かも・・>と言うことで かなり 緊張感は高まり 
歩ける身体と心を 作らねばならないという気分で 何かしようと とりあえず 
手に取ったのが<新田次郎 孤高の人>でした。

其れによりますと 主人公の 加藤文太郎は 毎日のように 下宿の庭先で 
寝袋やザックに 身体をつっこんで寝たり 石をつめたリュックを 背負い 
出勤するなど さまざまなことに 挑戦をし 鍛えていくのですが その中の一つに
六甲山の日帰り縦走というのが ありました。
文太郎の 真摯さは 私の心を捉えました。

大雪山に向けての 歩ける身体つくりと 寒さや 諸々の 逆境にもめげることの無い 
強い心を 作るために 文太郎さんの真似をして 何をやったかは いまや 
すべて 忘れてしまいました。
<ひょっとして 何もしなかったのか? いやいや なんか やったはず・・はて?>
<そうだ! 単純な 私は フィットネスのジムで 筋トレに励みすぎて 
 結果的に 背中を 痛めたのだった!>  

ゆえに 六甲山は 文太郎の六甲山 ということで チャンスがあれば 
ぜひ 行ってみたい 山の一つでした。

<六甲山>は 思いのほか タイヘン 苦しい そして 歩きでのある山でした。

なんとなく 都会的な神戸の山は 山とは言っても 丘のようで
その 丘の高台には 疲れた我らのためには 異国的な カフェなどや 
バーなぞがあって ギンギンに冷えた ビールなんかも 私を待っているんだろうなあ
などと 思っていたのですから。
もっとも 一瞬にして その思いは 吹き飛びましたけど。

苦しく 楽しい 六甲山を 縦走したのちは 今回は 楽しい計画が
私たちを 待っていました。

憧れの神戸に 一度も 行ったことが無い。ならば 当然 一晩でいいから 居残り 
怪しい夜を過ごし 翌日は 一日でいいから 神戸中を お洒落に 散策したいものだ。 
異国的な雰囲気を味わい 可能ならば オイシイ 神戸の 味をも あじわおう。
この計画に 乗ってくれたのが 曽根さん・河田さん・松浦さん・そして 私。 

六甲山登山の 一日目は コーチの <好きに宿を おとりなさい>に 従い 
曽根さんが 本当に 安くて 素敵な ホテルを 予約して下さったので 
長谷川さんも 加わり 5人のメンバーで 一泊。
ここでは 朝の バイキングを 朝露もしっとりとした 中庭でいただき 
<まるで フィレンツェのようでは ありませんか>
などと 朝から ディナーの気分でした。
もちろん 誰も <ワイン!>なんて 叫びはいたしませんでしたけれど。

苦しく 楽しい 六甲山を 登り終えて メンバーは それぞれに 別れました。
コーチたちは 一路 東京へ。

さて 居残り組みの 4人の その後。
怪しい夜を過ごすためには 何をするべきでしょうか?
そりゃあ 大人なんですから すぐには 寝ませんの。
軽めの アルコールというものは 不可欠でしょう。
神戸なんですから 赤提灯は 寂しすぎる・・やっぱり・設定が肝心よね。
バーかなんかで しかも 大人とくれば カクテル 片手に ジャズで 小粋に酔うなんて 
いかにも 正しい大人としての あり方では あるまいか・・そうよ。そうよ。

というわけで 4人は 兎に角 生田神社近くの <ソネ>という レストラン・バーへ。
我らのいでたちは ホテルへ 夜用ドレス<?>を 手順よく届けていた
河田さん・松浦さんは 素敵に ドレスアップ。
山靴と ジーンズしかない人は それなりに ドレスアップして
<ま・早い話 どた靴あり フリルありという バラエティに富んだいでたちで>
予定のとうりに カクテルを 片手に 軽く微笑みなど浮かべて
あれこれと 若かりし頃の 恋の話などに 燃えたのです。
私たちは ジャズの夜に ふさわしい 大人の雰囲気を かもし出しつつ
楽しく 怪しい夜を ちゃーんと 過ごしたのでした。

もちろん ジャズは ピアノ ドラム ベースの 生演奏だけではなく
渋い女性の ボーカルが 乾いたセクシーな 声で そりゃあ素敵 でした。
職場帰りの 背広姿の 渋めのおじ様たちも 大勢 いましたしネ。

<ソネ>とは 言っても 曽根さんの親戚では ありません。
その 曽根さんに エスコートされた ほろよい気分の 3人娘は
港町 神戸にふさわしい 帆船をテーマにした レトロなデンマーク風ホテル
<ホテル モントレアマリー>に 帰り 其の夜は ジャズ気分のまま
ベッドに なまめいて・・大の字になったのでした!   

翌日。
ホテルで またも デイナーと呼ぶに ふさわしい 朝食を いただいたあと 
やる気満々 曽根さんと 落ち合い<彼は一日目と 同じホテル> スタートしました。

コースは おおよそ 異人館めぐり → 疲れたら カフェで お茶<もちろんケーキ付> 
→ また 異人館めぐり → おなかがすいた頃をみはかり 南京街に移動 で 遅めの昼食
<もちろん 何らかの オチャケは つくでしょう> → そこら辺を ぶらぶら → 
最後の締めとして 西村のコーヒイと これが神戸だ!と 納得できるケーキでしめる
→ 岐路。

異人館は それぞれ ワクワク。
洋風建築はもちろん お庭が なんといっても ロマンチックなので
京都の侘びさびの庭に<これが一番好き!>などと 昨日まで騒いでいた その舌の根も 
乾かぬうちに <やっぱり 我が家のお庭は イギリス風がいいわ!>だの
<シノワも すてきねえ! やっぱり シンプルなのがいいわねえ!>などと まったく
一貫性のない 出たとこ勝負 口からでまかせの あれもいいし これも好き みんな好き 状態で 
あれにもこれにも 夢中になった 異人館めぐりでした。    

ところで われわれが もっとも ダントツに 燃えたのは
<好きなドレスを着られる> という サービスに 出会ったとき。
<わたしなんかあ・・・>と おっしゃっていた 松浦さんは 紫のドレスをやめて
渋いけれど派手な いぶし銀 ビクトリア女王様になりました。
河田さんは  迷うことなく 本物の 花嫁さんのような純白のドレスを選び
<おう!>と 歓声が上がるほど 可憐でした。
真紅か ピンクか あれもこれもと 迷った私は 結局 スカーレット・オハラ風
ピンクのドレスに 決まり それぞれのドレスに合う ブーケなど抱えました。

待ちくたびれた 曽根さんも マントをはおった ジェントルマン。
なりきり4人は 時代も 世界も 踏み越えたのに なんら 問題も感じることなく
記念写真の ポーズも きめたのでした。

結果的に この日 私たちは 曽根さんが一度は 入ってみたかった という レストランで
ティ・・といいつつ 誰とは申しませんが<2名は> アルコールとケーキのセットで この上なく
優雅なひと時を。 南京街では 紹興酒なども いただき 最後は 紆余狂句説ありつつも 
悔いのなきように ケーキで 乾杯をし オイシイ神戸の味も ちゃんと 味わい 短くも
充実だった旅を 仲良く 感謝しつつ 終えたのでした。

空から 神戸に入って行き 全体像を。 山から神戸を一望。
バスや 散策で 異国的神戸を。 レストランや カフェで 神戸の味を。
活気もあるのに 落ち着いて おしゃれな 街。
ホテルは デンマーク風か イタリア風か スイスのホテル風でも
あって どこもかしこも 異国風。
歴史が いたるところに あり 時間があれば 深く 研究したい。
いきなり 東洋に 渡ってきた 人々は どんな思いで どんな 暮らしを していたのだろう。
人々の 雰囲気も 落ち着いているし やっぱり 歴史のなせるわざかしら? など 
興味は 尽きない処でした。

怪しく燃えた 神戸の夜や レディ気分を満喫した散策など
旅を 共にしてくださった皆様。 本当に ありがとうございました。
チャンスがあれば また このような 旅を したいものですね。

楽しかった旅に 心からの 感謝を 込めて。


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