2009.2.26――岡 有子さんからレポート「赤城山」


■2009.2.26――岡 有子さんからレポート「赤城山」

伊藤幸司様
厳寒の赤城山 尻すべり 大沼の氷上渡りなどいろいろ楽しい?初体験をさせていただきました。

 −10度Cの寒さでは 登り始めれば少しは温かくなるかも知れないという考えは甘かった。
 晴れているのに北から吹き付ける雪だか氷だか混じりの冷たい風は 左の頬をぴりぴりと刺激し帽子の上から耳あてをしなかったことに後悔し、ゴアの上着の帽子もあげなかったことに後悔した。
 30歩交代で先頭を歩く待ち時間に 耳あてを着け、帽子を上げる想像だけをする。寒風の中に立って待っていること自体寒い。リュックを下ろしたら体が冷えてしまいそうで、何もできなかった。
 ストックを持つ右手の指だけがひどく冷たくなる。Kさんもやっていたように 右手をグーパ グーパ しながら歩いた。
 何を好き好んでこんな寒い思いをしているのだろうなどと、少し悲しい気分になりながら、早くこの寒さと風から逃れたいとひたすら歩いた。しかし、こんな中にも清涼剤はありました。上を見上げると 白いレースのような枝枝の向こうに青い空が透けて見える。霧氷をこんなにきれいに見たことはない。
 ”今日は ラッキーな日です”とおっしゃったコーチの言葉通りでした。

 黒檜山の頂上は風がなかったけれどやはり寒い。風がないだけましなのでゴアの下にフリースを着た。
 見晴らしがよい。コーチが ”筑波山が見えますね”とおっしゃった。どこか伺ったけど ”自分で探しなさい。筑波山は双耳峰です” とおっしゃる。考え込んでいると ベテランのやさしいA氏が ”あそこ” と教えてくださった。
 ”なんだ あんなに良く見えている” と思いながら ”大きく見えるのですね” というと ”大きい山だもん” ですって。千葉から見るのよりは小さかったけれど意外と大きく思えました。<山と高原地図>で赤城を見たときに同じ地図に筑波山も載っていたので 赤城と筑波はそんな関係?と疑問にもなっていたけど、またまた私の中で点と線だった地図が面になりました。赤城と筑波は思いのほか近かった。

 下りはとても楽しかった。同じ道なのに。登りで苦労した急坂が尻すべりの格好の滑り台となった。
 転んだ調子に尻滑りとなって勢いよく滑っていく。テレマークスキーもどきもやった。やはり転んで尻滑りとなる。
 こんなに楽しい下りも初めてかもしれない。 ”雪の下りは楽しいのよ” とおっしゃっていた先輩方の言葉を思いだした。尻滑りは早い。50歩交代の最初の約束はどこへやら、登りの半分くらいの時間で下りてしまった。寒さなんて全然感じなかった。同じ道なのに。

 大沼は一面凍っていてその上に雪がついて真っ白だった。湖の氷上を渡った。これも初体験。
 最初はおっかなびっくりだったけれど、コーチがどんどん歩いていくので、行くしかない。
 湖面の雪に夕日が当たって光っていた。ワカサギ釣りをしていた(と思われる)人が一人 遠くから夕日を背にして
そりを引いて歩いてくる光景は絵のようだった。時々強風が湖面の雪を巻き上げて霧のように巻いてくる。
 ワカサギを釣っていたらしい小さな穴にストックを入れてみたら 氷の厚さは30cmぐらいあった。

 前橋駅近くの温泉ゆ〜ゆで入浴し、高崎から2時間以上遅れで到着したMaxに乗ったのは私を含めて5人。
 11時近くに帰宅し、幸せな一日は終わりました。コーチや同行の皆様に感謝です。


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