大菩薩縦走――2008.8.12-13(火水)


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◆糸の会山行[580]――8e
◆大菩薩縦走
だいぼさつれい(大菩薩嶺)……2,057m
こがねざわやま(小金沢山)……2,014m
うしおくのがんがはらすりやま(牛奥ノ雁ヶ腹摺山)……約1,990m
くろだけ(黒岳)……1,988m
おおくらたかまる(大蔵高丸)……1,781m
はまいばまる(ハマイバ丸)……1,752m
おおやがまる(大谷ヶ丸)……1,644m
1日目――登り7p→稜線9p→登り12p→下り9p……37ポイント
2日目――稜線32p→下り9p→稜線24p→下り8p……73ポイント
日の出0502、日の入1839……8.12甲府で
◆JR中央本線・塩山駅から……2008.8.12-13(火水)実施


●あずさ3号の指定席が満席だったことから2人が臨時特急あずさ73号で行くとのこと。往路がバラバラになるので千葉方面からのHさんに伝えたところ、そんな列車はないとのこと。たしかに時刻表を見ても千葉発0630のあずさ73号は8.12にはない。ところが私が新宿駅の時刻表をインターネットで見たところ、ある。けっきょくふたりはあずさ73号で先行した。じつはあずさ73号は新宿始発の日もあるのだ。帰って時刻表を見直すと、たしかに出ていた。
●そういう混乱はしかしけっきょく大きなトラブルには至らない。ところが私が新宿0730にはとうてい間に合わない0725に最寄り駅の荻窪駅に着いたときには、絶望的だった。来たのは0726の各駅停車高尾行き。時刻表を持っていたら絶望は決定的になっていたけれど、ラッキーにも持っていなかった。塩山に何時につけるにしても、進むしかなかったからだ。
●時刻表を見ていたら、立川発が0755となっていたはず。乗るべきあずさ3号は立川0754。鈍行で追いかけるしかないはずだったが、じつはこの電車、立川に先着してあずさ3号を先に出す。助かった!
●タクシーは塩山駅→柳沢峠5,480円。
●0940柳沢峠(標高1,472m)22度C→1010-15梅ノ木尾根(標高約1,600m)→1030-40六本木峠(標高約1,600m)→1150-1205-10丸川峠(標高約1,650m)丸川荘でトイレ→1300-10(標高約1,850m)→1340-45大菩薩嶺(2,057m)→1350-1405雷岩(標高約2,050m)→1440大菩薩峠・介山荘(標高約1,900m)
●介山荘は2007年秋に新築されたそうで、山小屋から民宿という雰囲気に変わっていた。変わっていないのは元気印の若旦那と若女将。家族総出の民宿経営という雰囲気だから、これが満員状態だったら若旦那はどんなふうにさばくのだろうか。ポンプアップした水があり、四輪駆動車での荷揚げができるので、新しい客筋が増えていくにちがいない。
●雷岩から大菩薩峠への道筋にある花畑の主役はコウリンカだった。一面のササ原で、背は低いが、シカの食害によるという。遠目に見ると不規則な細い線が見えるけれどシカがササを食べながら歩いた道。シカのおかげで花がかなりやられているという。夜中に起きたひとは介山荘のところでもシカを見た。
●第2日は0635大菩薩峠出発(17度C)→0705-10石丸峠(標高約1,900m)→0735-40狼平(標高約1,900m)→0830-40小金沢山(標高2,014m)→0920-30牛奥ノ雁ガ腹摺山(標高約1,990m。ガは地形図表記による)→1035-45黒岳(標高1,988m)→1145-50湯ノ沢峠(標高1,652m)トイレ。
●大菩薩峠から湯ノ沢峠を一般に小金沢連嶺というが、この稜線はササが進出していて黒岳まではほとんど花がない。秋にそれを感じたが、今回夏にそれを確かめたかった。牛奥ノ雁ヶ腹摺山からの下りにはマルバダケブキがササ原のなかにかなりの群落をつくっていた。
●花は黒岳から湯ノ沢峠への下り斜面に群れ咲いていて、私のメモでも30種を数えた。結論からいうと私は首都圏有数の花畑ルートと考えている湯ノ沢峠〜米背負峠が今回は花が少なかったので、黒岳の斜面のほうが多かったという印象だ。
●途中で出会った女性グループは湯ノ沢峠から黒岳に上がろうとしたけれど深い笹薮に阻まれてあきらめたという。じつは大菩薩峠〜湯ノ沢峠の道筋ではササが繁茂して、腰までササがかぶっているところも多く、道筋がたどりにくい状態のところもあった。しかし一番ひどかったのは黒岳から下って湯ノ沢峠に出る最後のところで、そこは完全に頭まで埋もれてしまう状態だった。登っていけばすぐに花畑に出るけれど、その確信がなければやはり躊躇するだろう。
●1150湯ノ沢峠(標高1,652m)→1200-15-20お花畑で休憩。下ってきた花好きの女性グループと会話→1255-1300大蔵高丸(標高1,781m)→1330-40ハマイバ丸(標高1,752m)の先で休憩→1410-15天下石(標高約1,600m)→1430-1515米背負峠。
●湯ノ沢峠〜米背負峠の花は、今年はずいぶん寂しい感じ。シカが食べたという感じより、夏期が遅れているような、それでいてススキが茂っているというようなアンバランスな感じ。青いトラノオのヤマトラノオ(花穂を数本出している)やヤマルリトラノオと思われるもの(花穂が1本)はちょうど旬という感じ、マツムシソウやオヤマボクチは、まだまだこれから。この花についてはボンビバンの「大蔵高丸」でまとめたばかりなので、ご一読をいうただきたい。花のリストも出しておいた。
▲2008.8.14……大蔵高丸――bonvivant【第68回】
●米背負峠でタクシーを呼んだのだが、話の途中で電波が切れた。1430-1515というのはその間携帯電話をかけ続けた時間だが、私のmuva(docomoの古いタイプ)は時々アンテナが3本立ったが、他の人のFOMAはどの位置でも圏外。現在日経夕刊で連載中の軽登山コラムの第2回で山での携帯電話の使い方を書いたのでなんとかして通じさせたいと頑張ったのだが、結局通じなかった。おそらく米背負峠では大月方面からの電波をつかまえる。ところがその大月方面に雷が鳴っていて、それがだんだん近づいてきた。とうとうすぐそこで鳴り始め、雨もパラパラと降ってきた。
●雨具をつけてやむなく下った。雨はすぐに止んで雷鳴も消えたので雨雲は遠ざかったと判断して脱いだのだが、歩き始めたら突然本格的に振り始めた。あわてて着直したが、林道へ出たら、そこでは雨が降っていなかった。
●1515米背負峠→1555米背負峠登山口(林道)。登山口でも携帯の電波は通じないので、林道を下っていくと、約15分でタクシー会社とつながった。
●ところがいくら待っても車が来ない。配車係によると出ているという。ところが林道に入ってしまうとほとんど無線がとどかないという。見つからなくて、下の方でうろうろしているような気配。下の方に林道が見えるところで待っていると、タクシーがのろのろと上がってきた。……が、しばらくするとのろのろと下ってきた。なんで決着のつく「米背負峠登山口」まで上がってみないのかと不思議だったが、ようやく向こうが上の方を見たらしく、Uターンしてやってきた。タクシーは1700ごろようやく出発→1730ごろ天空の湯、5,840円。
●千葉行きの特急あずさ30号に乗りたいHさんが1820にタクシーで勝沼ぶどう郷駅に向かったが、残りのメンバーはレストランへ。夕景を眺めながらゆっくりと食事して、1930ごろタクシーで勝沼ぶどう郷駅へ、710円。JR中央線は2003勝沼ぶどう郷→2027大月、私は2037大月発の特急かいじ124号で、他の人は2049大月始発の特別快速東京行きで。


◆集合
●8.12(火) 7:50……千葉発の中央本線特急・あずさ3号・後方4号車に集結

◆ポイント
●比較的穏やかな稜線をゆっくり、たっぷり歩きたいと思います。
●1日目は柳沢峠から大菩薩峠まで、2日目は大菩薩峠から米背負峠まで。湯ノ沢峠〜米背負峠は毎年恒例の花の稜線です。
●介山荘は昨年中にリニューアルしているようですから、楽しみです。

◆往路
0638千葉始発(中央線特急_あずさ3号_南小谷行き)……0853塩山
0638千葉→0653船橋→0708錦糸町→0730新宿→0754立川→0803八王子→0831大月→0853塩山
*乗換
タクシー_塩山駅→柳沢峠……1台約5,500円

◆現地行動
●第1日
1000ごろ_柳沢峠を出発……登り7ポイントを1時間として
1100ごろ_六本木峠……稜線9ポイントを1時間として
1200ごろ_丸川峠……登り12ポイントを1時間30分として
1330ごろ_大菩薩嶺……下り9ポイントを1時間として
1430ごろ_大菩薩峠・介山荘
●第2日
0630ごろ_朝食
0730ごろ_大菩薩峠を出発……稜線4ポイントを30分として
0800ごろ_石丸峠……稜線11ポイントを1時間30分として
0930ごろ_小金沢山……稜線17ポイントを2時間として
1130ごろ_黒岳……下り9ポイントを1時間として
1230ごろ_湯ノ沢峠……稜線4ポイントを30分として
1300ごろ_大蔵高丸……稜線9ポイントを1時間として
1400ごろ_ハマイバ丸……稜線11ポイントを1時間30分として
1530ごろ_米背負峠……下り8ポイントを1時間として
1630ごろ_米背負峠登山口
*タクシーでぶどうの丘・天空の湯へ(1台約5,500円)

◆帰路参考
●JR中央本線(勝沼ぶどう郷→大月)
1636→1700、1655→1715、1725→1748、1757→1820、1833→1856、1859→1922、1924→1947、2003→2027、2032→2055、2130→2153、2201→2224、2232→2255、2258→2321
●JR中央本線特急(大月→新宿)
1645→1758、1801→1909、1905→2008→2050千葉、1933→2037、2037→2138、2104→2209、2140→2236、

◆費用の目安
●1日目
JR_新宿→塩山……1,890円
特急自由席_ 新宿→塩山……1,300円
taxi_塩山駅→柳沢峠……1台約5,500円
宿泊_介山荘(1泊2食つき)……6,930円
●2日目
taxi_米背負峠→天空の湯……1台約5,500円
JR_勝沼ぶどう郷→新宿……1,890円
特急自由席_ 新宿→塩山……1,300円

◆電話
●宿泊
介山荘……0553-33-2816、090-3147-5424
●タクシー(勝沼ぶどう郷駅)
勝沼観光タクシー……0553-44-1432
塩山タクシー・勝沼営業所……0553-44-0007
甲州タクシー(峡東タクシー)勝沼営業所……0553-44-0003

◆夏季小屋泊まり標準セット
★2日目は行程が長いので、重めの昼食が必要です。
★2日目、水は2リットルは持ちたいと思います。
●足まわり……運動靴(軽登山靴)など
●行動着……ドライタイプの登山用Tシャツ+長ズボン+長袖シャツ
●雨具……折りたたみ傘+ゴアテックスレインスーツ
●小物……地図+健康保険証コピー+時計+ポケットライト

◆ルートシミュレーション
●地図は国土地理院1:25,000地形図を縮尺なりゆきで使用しています。
●シミュレーションマップ上の○印は予定したルートが太い等高線(50m)を横切る地点を中心にした半径50mの円。数字は100m単位の標高です。◇印は山頂から山裾に向かって地図上で計った距離。ごくラフな計り方で500mごとに印をつけてあります。この地図情報の一番簡単な見方は、○印と◇印をどちらも1個(1ポイント)7.5分(2個で15分、8個で1時間)と概算して、山歩きの時間目盛りとする方法です。
●なお、下りは道の状況によって登りの70%と見積もるのが現実的です(高速下山路では50%、難易度の高い場合は100%とすべき例もあります)が、計画段階では登り時間にしておいて、余るようならリーダー権限の予備時間として自由に使うという考え方をしています。


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