甲武信ヶ岳――2007.11.24-25(土日)


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◆糸の会山行[538]――11b
◆甲武信ヶ岳
こぶしがたけ……2,475m
とくさやま(木賊山)……2,469m
はふさん(西破風山)……2,318m
かりさかれい(雁坂嶺)……2,289m
第1日目――登り35p……35ポイント
第2日目――登り2p→稜線39p→下り35p……76ポイント
日の出0633、日の入り1634……11.24長野で
◆JR小海線・信濃川上駅から……2007.11.24-25(土日)実施


■2007.11.28――船津 タツさんからワンポイントレポート「歩くこと・転ぶこと」
 伊藤コーチへ 
 この度の甲武信ヶ岳はお天気に恵まれ、あの頂上からの眺めは本当に素晴らしく、久しぶりの感動と満足感でいっぱいでした。
 ありがとうございました。
 下山途中でまたまた例のごとくお尻をついて3回転んでしまいました。最近、私は下山時が恐怖です。上部の急な所では本当に注意して緊張して、ほとんどつま先立って歩くようにしていましたので翌日の腿とふくらはぎの筋肉痛はひどく、階段の下りが大変でした。やっぱり頭ではわかっていても、あの落ち葉の下の小石のじゃりじゃりとしたあまり急でない後半の下り道で長い緊張がとぎれた一瞬が危ないのです。ほとんど無意識でストクックも全く役立たず・・・・・歩きながらいろいろ考えてみました。
 30年前から週に一度、午前2時間ですが近くの体育館の体操クラブに通っています。講師は学習院大学教授で最近定年退職された体育の先生で、ストレッチや柔軟体操をしっかり、またこの先生は歩き方にうるさく、歩き方は年齢が出るのでと毎回横一列で、歩く練習をさせます。胸をはって、頭はまっすぐ、あごを引いて脚の膝の後ろを伸ばしてかかどで着地し、指先で地をけって反対側の脚を出す。足先から先に着地して歩くと背が丸くなり、腰も落ちて姿勢が悪くなる、といつも注意されます。
 また、6年前からはウオーキングを始めました。春の連休には東京・小金井公園から1日20k(3年前までは30kでしたが)を3日間、秋11月初めの連休には埼玉県東松山市役所前から比企丘陵を毎日20kを3日間のスリーデーマーチに参加しています。(3日間で延べ8万人が歩くので不思議ですが毎年必ず稲垣さんご夫妻におあいします)ここで私は歩きながら周りの人々の歩き方と靴に興味があってよく見ています。本当にいろいろで面白いのです。
 大昔、キスリングに厚底の山靴でガンガンと山を下りていたこと、体操クラブでの歩き方の訓練、一年に2回のスリーデーマーチへの参加、これらが私の山での歩き方と何か関係があるのかもしれないと思い当たりました。
 以前、児童心理学で習ったことですが、3年かかってついた「くせ」や「習慣」はその倍の年月を経ないと直せないということでした。伊藤コーチのことを私は最初から「先生」とお呼びしていましたが突然「コーチ」と呼ぶようにとご指示がありました(この日の年月を憶えていませんので、はっきりはいえませんが)。私が入会して3年目位だったと思いますので完全に直すのには6年の年月が必要ということです。このことから幼児期のしつけや習慣がいかに大切か、もしそれが間違っているものなら、早く直してあげなければいけないということです。
 私は最初20歳で山に憧れ、登り始め、その情熱を現在まで持ち続けられたことは良かったのですが、同時に「悪い歩き方」という悪いくせもしっかりと身に付いて来てしまっており、これを直すには時間がかかりすぎて、ちょっと無理なことかもしれません。
 コーチはどうぞ私が例のごとく転んだら、つかさず絶好の悪い見本としての教材にして下さればいいのですし、周りの方々は「またやったー、ワッハッハー」と笑って下さればいいのです。
 今後とも努力はしてみますが、このやっかいな「体が憶えている」という、頭ではどうしようもない事を、今後どこまで直せるかが課題です。「歩く」という人間の最も基本的な動作の一つですがこの度はいろいろ考えさせられた次第です。


◆葦原ボーイさんのブログへ


●金土日、3連休の2日目の中央線特急は行楽客、登山客で賑わっていた。甲武信小屋では、大阪から来た団塊の世代らしきグループが、往復夜行+山小屋2泊という丸3日で奥秩父完全縦走という昭和30年代の若者たちのような登山を展開していた。3日目は甲武信ヶ岳から金峰山……ではなくて瑞牆山まで足をのばすという。ご苦労さん。
●1日目は信濃川上駅から毛木平までジャンボタクシーを頼んでいたが、こちらが9人になったのでちょうど満席。9,500円は各人約1,000円と割安になった。
●1日目行動――1205毛木平(7度C)出発……1235-40休憩(標高約1,600m)衣類調節……1330-40休憩3度C(標高約1,800m)……1400標高約1,900mでナメ滝……1410-15休憩(標高約1,950m)……右岸に渡って……1440-45休憩(標高約2,050m)……甲武信ヶ岳遠望……1510左岸に渡る……1525-30-35休憩_千曲川源流水源地標(標高約2,200m)……1555-1600-05休憩_稜線=奥秩父縦走路(標高約2,350m)……1625-35落日展望休憩_甲武信ヶ岳山頂(標高2,475m)……1645甲武信小屋_マイナス3度C……1730夕食
●甲武信小屋に問い合わせたところ千曲川水源地あたりで軽アイゼンが必要かもしれないとのことだった。すでに川には飛沫が凍りついてさまざまな模様を描き出していた。ルート上にもしばしば氷が現れたが、慎重に歩く限り危険な状態にはならなかった。
●稜線の奥秩父縦走路に出ると夕陽に照らされた。そこから山頂への上りは山の端に隠れる太陽との競争となった。山の影が下からどんどん上がってくる。こちらは山頂までなんとか光の中にいようと頑張る。
●山頂直下の露岩のところで、視界は大きく広がった。太陽が落ちていこうとしているのは金峰山。その向こうに南アルプスの山並みがある。富士山も見えるし、八ヶ岳も見える。
●日が落ちると、急に寒くなった。下るに従って甲武信小屋のにぎわいが聞こえてきた。
●甲武信小屋は各自が布団1枚を割り当てられる状態で2階がほぼ満員。夕食のカレーはあいかわらずうまいといえる。
●食後は小屋主・山中徳治さんのスライドショーかと思ったら、50インチだかの液晶テレビにオリジナルハイビジョン映像が流された。古くさい山小屋にはとても似つかないきれいな映像。それと山梨放送だかの開局50周年記念番組という東沢渓谷遡航のドキュメンタリー。腹の出た徳治さんがひょうひょうと歩いているものだから、すごくやさしい沢のようにしか見えなかった。
●2日目行動……0530朝食_小屋前でマイナス3度C……0605空身で山頂へ。山頂手前の露岩で日の出見物。山頂へ登って快晴の朝の展望を楽しむ。富士山から順に右に、南アルプスほぼ全山、中央アルプスほぼ全山、御嶽、北アルプスほぼ全山、浅間山といったぐあい。上信越の山々は山頂から林越しになる。
●0705-25あまりにもすばらしい展望を楽しめたので、甲武信小屋でコーヒー。出発して0735-40木賊山下のガレ場で展望休憩……0750木賊山通過……0755戸渡り尾根分岐通過……0820-30露岩地帯で展望休憩_本格的に日が射してきたので衣類調節(標高約2,250m)……0855-0800破不山避難小屋(破風山ではない)で休憩_7度C(標高約2,050m)……0945-55-1000破風山山頂(2,318m)で休憩。風がなく、ポカポカと小春日和……1005-15東破風山手前の岩稜で日光〜上信越方面の展望休憩(標高約2,250m)……1045-50休憩_雁坂嶺手前の鞍部(標高約2,200m)……1125-40-45雁坂嶺(標高2,289m)で休憩……1210-15-20雁坂峠で休憩(標高約2,050m)広瀬方面への下り……1305-10-15休憩(標高約1,600m)→1405-15突如現れた立派な橋から林道となる_そこで休憩(標高約1,350m)……1505道の駅みとみバス停
●1511発の山梨市営バスで川浦温泉へ(200円)。山県館で入浴。次のバスが1639川浦温泉発なのでそれに乗ってJR山梨駅へ(600円)。1723に山梨市駅に着き、タクシーでうなぎ割烹七福神へ行ったが、1822の中央本線登り列車で大月へ向かわないと千葉行きあずさに乗れないので、うなぎは時間的に無理。天ぷらもなかなか、ということで630円の牛丼を全員が頼んだ。食べ終わるやいなや慌ただしく駅へ。列車が遅れたりして、タクシーを急がせることはなかったのだが。
●ともかく抜けるような青空と、ほんの時々冷たい風という小春日和登山。おまけに2日目朝の山頂からの展望は、甲武信ヶ岳が展望の山であると初認識。日の出直後には甲武信ヶ岳の影が八ヶ岳と車山の間からちょうど槍ヶ岳のところまでのびていた。その「影甲武信」はゆっくりと後退してきたので間違いない。


◆集合
●11.24(土)……千葉発の特急あずさ3号・4号車に集結しましょう。
*新宿0800始発のスーパーあずさ5号(→0953小淵沢)でも合流できます。

◆ポイント
●甲武信ヶ岳は文字どおり甲州・信州・武州の三国国境の山で、ここに発する川は信濃川、富士川、荒川(隅田川)となります。
●晩秋か初秋かわかりませんが、完全な冬支度でおいで下さい。軽アイゼン必携です。
●参加予定者にみなさんが千葉からなので、千葉発のあずさにして小淵沢で食事でも……という感じにしましょう。
●2日目は雁坂峠まで稜線をたどりますが、天気がよほど悪ければ戸渡尾根を西沢渓谷に下るかもしれません。
●下ったら、お風呂はなかなか入るチャンスのない川浦温泉・山県館をねらってみましょう。

◆往路
0730新宿発(中央本線特急_あずさ3号_南小谷行き)……0936小淵沢
0638千葉→0653船橋→0708錦糸町→0730新宿→0753立川→0801八王子→0831大月→0908甲府→0936小淵沢
*乗換
1035淵沢始発(小海線・小諸行き)……1117信濃川上
*タクシーで毛木平へ(ジャンボ1台約10,000円。乗合料金になれば1,200円〜1,300円)

◆現地行動
●第1日
1200ごろ_毛木平出発……登り35ポイントを4時間半として
1630ごろ_甲武信ヶ岳
*甲武信小屋泊まり
●第2日
0500ごろ_起床
0600ごろ_出発……登り2ポイントを15分として
0615ごろ_甲武信ヶ岳……稜線6ポイントを45分として
0700ごろ_木賊山……稜線17ポイントを2時間として
0900ごろ_破風山……稜線9ポイントを1時間として
1000ごろ_雁坂嶺……稜線7ポイントを1時間として
1100ごろ_雁坂峠……下り35ポイントを4時間半として
1530ごろ_西沢渓谷入口バス停
*天気が悪ければ、戸渡尾根を西沢渓谷に下るかもしれません。

◆帰路参考
●バス(西沢渓谷入口→塩山駅_1,020円)
1425→1525、1540→1640
●バス(西沢渓谷入口→山梨市駅……山梨厚生病院行き)
1510→1608、1625→1723
●中央本線上り
1822山梨市→1829塩山→1856大月
1904大月→1934八王子→1943立川→2007新宿→2050千葉

◆費用の目安
JR_新宿→小淵沢……2,940円
自由席特急券_新宿→小淵沢……2,100円
JR_小淵沢→信濃川上……570円
taxi_信濃川上駅→毛木平……ジャンボ1台約10,000円
宿泊_甲武信小屋(2食つき)……7,500円
bus_西沢渓谷入口→塩山駅……1,020円
*taxiは1台約6,000円
JR_塩山→新宿……1,890円
自由席特急券_塩山から→八王子900円、→立川900円、→新宿1,300円、→千葉1,680円、→横浜1,300円

◆電話
●宿泊
甲武信小屋_090-3337-8947/0494-55-0955
●タクシー(信濃川上駅)
川上観光タクシー0267-97-2231
●タクシー(塩山駅)
塩山タクシー_0553-32-3200
峡東タクシー_0553-33-3120
●入浴
窪平温泉・花かげの湯……0553-35-4126……500円_1000-2100_月曜定休_塩山駅から車で10分。窪平バス停_山梨市営・旧牧丘町営_平成14リニューアル
川浦温泉・山県館……0553-39-2111……1,500円_川浦温泉バス停

◆持ち物
★食べ物・飲み物――水筒+行動食+おやつ
★軽アイゼンとポケットライトも必携です。
■冬季小屋泊まり標準セット
●足まわり……運動靴あるいは登山用靴
●行動着……ドライタイプの登山用Tシャツ+長ズボン+長袖シャツ
●防寒着……手袋+耳覆いのある帽子+フリースシャツ+靴下の予備+貼るカイロ
●雨具……ゴアテックスレインスーツ
●小物……地図+健康保険証+時計+ポケットライト

◆ルートシミュレーション
●地図は国土地理院1:25,000地形図、甲府1号-4(かりさかとうげ)、甲府5号-1(いぐら)、甲府5号-2(きんぷさん)、を原寸(後半は85%)で使用しています。
●シミュレーションマップ上の○印は予定したルートが太い等高線(50m)を横切る地点を中心にした半径50mの円。数字は100m単位の標高です。◇印は山頂から山裾に向かって地図上で計った距離。ごくラフな計り方で500mごとに印をつけてあります。この地図情報の一番簡単な見方は、○印と◇印をどちらも1個(1ポイント)7.5分(2個で15分、8個で1時間)と概算して、山歩きの時間目盛りとする方法です。
●なお、下りは道の状況によって登りの70%と見積もるのが現実的です(高速下山路では50%、難易度の高い場合は100%とすべき例もあります)が、計画段階では登り時間にしておいて、余るようならリーダー権限の予備時間として自由に使うという考え方をしています。


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