茶臼山――2008.2.9(土)
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◆糸の会山行[549]――2a
◆茶臼山
ちゃうすやま……948m
はちじょうさん……738m
登り13p→下り4p→登り11p→下り16p……44ポイント
日の出0639、日の入り1721……2.9甲府で
◆JR中央本線・山梨市駅から……2008.2.9(土)実施
●タクシー(山梨市駅→一ノ宮浅間(あさま)神社)1,970円。
●天気予報では大きな雨雲が関東甲信越に向かっていて、昼ごろから雪になるという。とくに甲府あたりでかなりの積雪になるという。薄日の差す、暖かい冬の山歩きというのんびりした気分で歩き始めた。
★1055浅間神社(標高約350m)を出発→1125-30蜂城山の登山口(標高約500m)で休憩(約7度C)→1010-20蜂城山山頂(標高738m)
●登山道は急な尾根を小さなジグザグで強引に登っていく。石灯籠がところどころに置かれていて、天神社の参道という造り。経済力があったら石段でまっすぐに登りたかった……という気持ちが見える道。
●頂上が近づいてきた頃に、人の声と、笛が聞こえた。注意して上方を見ていると、銃を肩にしたハンターが見え隠れする。この時期、間違って撃たれれる危険なしとはいえないのでかなり慎重に姿を追うが、私たちに先行してどんどん上に上がっているらしい。
●とうとう追いつくことになった。黒い犬が散歩気分で歩き回っているけれど、斜面の下の方には勢子役もいるらしい。
●「無線で知らせておくから……」とハンターが話したときに、突然下の斜面に犬の鳴き声。イノシシらしい黒いかたまりに向かって、ハンターは振り向きざま、というタイミングで一発発射。当たらなかったようだった。
●撃ち損じて悪かったという気持ちと、良かったという気持ちでさらに登ると、突然視界が開けた。天神社のある山頂だ。
●雲が低くて山頂稜線は見えないが、甲府盆地の向こうに奥秩父の核心部が連なっている。右端は大菩薩嶺。白いかたまりが山腹にかなり見える。こちらは枯葉と、ときどき消え残りの雪という感じ。
★1220山頂(標高738m)を出発→1300京戸川を渡って車道に出る(標高約600m)→すぐに茶臼山登山口→1320-25急斜面の登りで休憩(標高約750m)→1405-15-20茶臼山山頂(948m)約0度C。
●下りはいよいよ、薮こぎかもしれない。山村正光『中央線各駅登山』によると「社殿の背後から東に、踏み後程度の尾根を進み、そのまま急降下。小さな沢に出合い、沢なりに下ると、桃畑の中の、養豚場の脇に出る」とある。強引に下るかもしれないので、念のため軽アイゼンを装着した。
●社殿の背後に回ると、かなり立派な道がついている。しばらく尾根をたどり、それから斜面を下り始めるのだが、登りと同じ性格の小さなジグザグ道がついている。
●道はイノシシが逃げてきた斜面に下っているではないか。緊張感が戻ってきたときに、さっきハンターのところにいた犬(かどうか)、黒犬が脇を駆け抜けていった。
●下った先に登り斜面が迫って来たので道を間違えていたのかなとおもったころ、鞍部にハンターが2人いた。そしてそこの木に、小さな木の札がかかっていて、左に行けば茶臼山と記されていた。ハンターにもそれを確かめたが、同時に、あのイノシシには手追いにしたが逃げられたとのこと。
●その鞍部から下は雪が吹き溜まっていて、雪山を歩く感じ。谷道であるけれど、沢は雪の下。赤布らしきもののないので踏み跡がなかったら躊躇するかもしれない。
●すぐにイノシシらしい偶蹄目の足跡が沢筋を一気に下っていた。するとその先に人がいて、雪面が赤く染まっていた。「捕ったんですか?」と聞いたら、「いいや」というあいまいな感じ。逃げられたみたいだった。……が、登山ルートにも血はついていて、いずれにしてもかわいそうな結果になったようだった。
●道はそのあたりからしっかりと踏まれていたが、砂防ダムのところでかなり強引な迂回路をたどる。踏み跡がなかったら、悩むところだ。
●砂防ダムの脇には林道が上がってきていて、4WD車や軽トラックが3台。ハンターグループはここから入ったようだ。
●林道はすぐに桃畑の中に入り、舗装路となる。京戸川を渉ったところに車が数台寄せてあって、トラックの荷台にイノシシが横たわっていた。あのイノシシの末路。これからイノシシ鍋だという。
●京戸川に沿って登ってくる車道を上流に向かう。昨年4月に達沢山〜京戸山とたどって林道京戸線だが、しばらくは立派な道だ。すぐに「茶臼山登山口」の標識。踏み跡が1本そこに下ってきたというだけのもので、見当で計画書の地図に記した下山口のこと。はっきりした情報なので、こちらから登ることにする。
●最初はこまかなジグザグを切った直登。そのあとは防火帯のようなまっすぐの筋を勝手に直登という感じ。ときどき赤布(テープ)があるのと、先行する何人かの足跡が、雪のところについていた。
●標高850mあたりで主稜線に出ると、しっかりと雪がついていて、気持ちいい。踏み跡があるけれど、この先はなくてもなんの問題もない。
●茶臼山への登りにかかったころから雪になった。急斜面ではハラハラと降り、山頂に着くとシンシンと降っていた。稜線部は吹く風がちがうらしく、急激に気温が下がった。
★1420茶臼山山頂(標高945m)を出発→1500沢筋の旧工事林道(標高約700m)→1510車道(標高約600m)
●山頂の手書きの道標に「茶臼平」とあり、踏み跡もあったので先に進む。軽く下ると、すぐに現れる鞍部が茶臼平。下から上がってきた人のための標識があり、急斜面をトラバース気味に下っていく雪道に足跡があった。
●下りは、谷の右岸の急斜面をトラバースしながら下っていく。途中で一度踏み跡を見失ったが、道は雪がついていなくてもほんの踏み跡程度のもの。初心者だとたどりきれないかもしれない。……といっても規模が小さい山なのでルートハンティングの体験フィールドとしてはなかなかいい。
●約40分で標高差約250mを下ったら、砂防ダムが現れて、古い工事林道に出た。下るとジグザグの登山道になり、小集落か旧開拓地かというところの舗装路に出る。下るとすぐに京戸川に沿う2車線の車道だ。
●山村さんはここからの登りを、次のように書いている。「京戸川を渡り、Y字状の林道となる。岐路に寛政十二年建立の石仏が鎮座している。この左側の舗装された林道を登ること5分、左に[林道・京戸支線]の杭が立っている。草ぼうぼうのこれをたどること650m、終点である。小沢を対岸に渡り、伐採後の植林地の作業道に取り付く」
●岐路というのは蜂城山から下ってきた道が林道京戸線とぶつかるところ。下から上がってきた場合は、右に分岐する道のところに石碑があるという感じか。2車線の舗装路をさらに登ると何戸かの集落の入り口に、左手に別れる舗装路がある。それが山村さんのいう[林道・京戸支線]だろう。「たどること650m」ということだが、ほんの200〜300mのところに私たちは飛び出した。まあ、この林道を詰めていけば、なんとかなるという感じだろうか。登りだったら、ずっと確信が持てなかったという気分ではあったけれど。
●京戸川に沿って下りながら、携帯電話でタクシーを呼んだ。タクシー(林道京戸線→ほったらかし温泉)4,220円→タクシー(→うなぎ割烹・七福神)2,420円→タクシー(→山梨市駅)710円。
●入浴は1610-1710。夕食は富士屋ホテルが第一候補だったのだが、時間が早すぎた。和菜屋・宴にアプローチしてみたかったが、こちらもちょっと早すぎた。安全パイということで七福神に行ったがのだが、千葉組はやはり千葉行きあずさに乗りたいという。とすれば山梨市発1822の鈍行で大月に向かう。以前、うなぎを食べる時間がなくて大騒ぎしたことがあったけれど、今回は千葉組はあわただしくうなぎを食べて出ていった。残り組は1906のかいじにして、ゆっくりとコーヒーを飲んだ。七福神のうなぎはけっこう歯ごたえがよく、あっさり味。名古屋名物の「ひつまぶし」を売り物にしているので、そういう焼き方かもしれない。
◆集合
●2.9(土)8:20……JR新宿駅_9番線ホーム_後方4号車乗車口
◆ポイント
●たぶんどなたも知らない山だと思います。私も知りません。作った地図も「想像図」の域を出ません。
●出どころは山村正光さんの『中央本線各駅登山』から。その記述もあいまいなので、参考に添付しました。
●インターネット情報も軽く調べてみましたが、薮漕ぎ覚悟かと思います。さてどうなるか。
●山は小さいですから、あんがい早く下ってしまうかもしれません。せっかくですから向かい側のほったらかしの湯から振り返ってみようではありませんか。
◆往路
0830新宿始発(JR中央本線特急_あずさ7号_松本行き)……1006山梨市
0830新宿→0845三鷹→0900立川→0908八王子→0939大月→1001塩山→1006山梨市
*タクシーで一ノ宮の浅間神社へ(1台約2,500円)
◆現地行動
1100ごろ_浅間神社を出発……登り13ポイントを1時間半として
1230ごろ_蜂城山……下り4ポイントを30分として
1300ごろ_京戸川を渡る……登り11ポイントを1時間半として
1430ごろ_茶臼山……下り9ポイントを1時間として
1530ごろ_京戸川……車道下り7ポイント(約2km)を30分として
1600ごろ_千米寺集落
*タクシーでほったらかしの湯へ(1台約4,000円)
*ほったらかしの湯から山梨市駅へ(1台約2,000円)
◆帰路参考
●中央本線特急
1652山梨市→1755八王子→18941横浜(はまかいじ)
1737山梨市→1832八王子→1906新宿(かいじ)
1906山梨市→2003八王子→2037新宿(かいじ)
2012山梨市→2106八王子→2139新宿(かいじ)
2040山梨市→2136八王子→2207新宿(かいじ)
●あずさ32号
1822山梨市→1856大月(各駅停車)
1904大月→1934八王子→2007新宿→2050千葉
◆往路参考
●中央線特快+中央本線各駅停車
0737東京→0741御茶ノ水→0752新宿→0805三鷹→0817立川→0827八王子→0835高尾
0844高尾→1010山梨市
●武蔵野線+中央線
0714南船橋→0720西船橋→0736新松戸→0802南浦和→0819東所沢→0830西国分寺
0836西国分寺→0856立川
◆費用の目安
JR_ホリデーパス(大月まで有効)……2,300円
JR_大月→山梨市……570円
特急自由席_新宿→山梨市……1,500円
タクシー_山梨市駅→一ノ宮浅間神社……1台約2,500円
タクシー_千米寺→ほったらかしの湯……1台約4,000円
タクシー_ほったらかしの湯→山梨市駅……1台約2,000円
JR_山梨市→大月……570円
◆電話
●タクシー(山梨市駅)
市民交通……0553-22-0413
甲州タクシー(峡東タクシー)山梨市駅……0553-22-1551
●食事(山梨市駅)
御食事処 つかさ……0553-22-5352……ほうとう、馬刺など 山梨市駅から右手へ徒歩10分
フルーツパーク富士屋ホテル……0553-22-8811……レストラン1800〜
うなぎ割烹・七福神……0553-23-1515……タクシー660円
和菜屋・宴……0553-23-3615……1130-1330/1730-2200_水曜定休_夜のおまかせ3,675円_駅からタクシー1メーター
焼肉・万葉苑……0553-20-1300……1130-1400/1700-2200_火曜定休_黒毛和牛
●入浴(山梨市駅)
ほったらかし温泉……0553-23-2001……1100-2200_無休_500円_夜景展望露天風呂_山梨市駅からタクシー10分
フルーツパーク赤松の湯・ぷくぷく……0553-23-5656……1000-2100_600円_第1/3月曜日定休_ほったらかしの湯に似た露天風呂
◆持ち物
★食べ物・飲み物――水筒+行動食+おやつ
★軽アイゼン必携です。
★ポケットライトも念のため。
冬季日帰り標準セット
●足まわり……防水運動靴(軽登山靴など)
●行動着……ドライタイプの登山用Tシャツ+長ズボン+長袖シャツ
●保温着……手袋+耳覆いのある帽子+フリースシャツ+予備靴下+貼るカイロ
●雨具……折りたたみ傘+ゴアテックスレインスーツ
●小物……地図+健康保険証コピー+時計+ポケットライト+ダブルストック
◆ルートシミュレーション
●地図は国土地理院1:25,000地形図、甲府7号-1(いさわ)、を原寸で使用しています。
●シミュレーションマップ上の○印は予定したルートが太い等高線(50m)を横切る地点を中心にした半径50mの円。数字は100m単位の標高です。◇印は山頂から山裾に向かって地図上で計った距離。ごくラフな計り方で500mごとに印をつけてあります。この地図情報の一番簡単な見方は、○印と◇印をどちらも1個(1ポイント)7.5分(2個で15分、8個で1時間)と概算して、山歩きの時間目盛りとする方法です。
●なお、下りは道の状況によって登りの70%と見積もるのが現実的です(高速下山路では50%、難易度の高い場合は100%とすべき例もあります)が、計画段階では登り時間にしておいて、余るようならリーダー権限の予備時間として自由に使うという考え方をしています。
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