天城山――1996.5.25(土)


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◆天城山
●1996.5.24(金夜)発、5.25(土)実施
●JR伊東線・伊東駅から
●糸の会で実施――スタンダードウエイト


●現在ならこのレベルでは「前夜泊」を崩さないところだが、ここでは横浜方面の参加者が多かったことに引っ張られて「日帰り可能」としたところから雪崩現象となって全員日帰りとなってしまった。そのしわ寄せが最後にくることになった。
●0845天城高原ゴルフ場→0900万二郎登山口→1010-25万二郎山頂下展望台→1105-15石楠立→1145万三郎岳
●1145-1240万三郎岳→1355白田峠
●1355-1410白田峠→1450八丁池
●1450-1515-20八丁池→1730天城峠
●帰路は記録なし。たぶん天城峠から国道(下田街道)を湯ヶ島方面へ歩きながら携帯電話が通じる場所を探し、修善寺のタクシーを呼んだはず。


◆集合
●5.25(土)0800_JR伊東駅改札口集合

●往路案内_A(5.24 JR伊東線直行)
1530東京→1710伊東(特急スーパービュー踊り子3号)、1603東京→1828伊東(普通伊東行き)、1721東京→1949伊東(普通伊東行き)、1849東京→2122伊東(普通伊東行き)、2027横浜→2234伊東(普通伊東行き)
●往路案内_B(5.24夕方以降の伊東線)
熱海→伊東_1705→1732、1729→1752、1759→1828、1826→1849、1857→1919、1926→1949、1956→2018、2030→2053、2057→2122、2130→2152、2212→2234、2240→2302、2304→2327
●往路案内_C(5/25朝の分)
0617東京(東海道新幹線こだま401)→0633新横浜→0653小田原→0703熱海
0723熱海(JR伊東線)→0725来宮→0731伊豆多賀→0735網代→0740宇佐見→0745伊東

◆登山
●タクシーで天城高原ゴルフ場へ
*天城高原のホテルなどに宿泊される方はあらかじめお知らせ下さい。ゴルフ場の登山口で合流可能です。(ただしこの時間帯の足の確保をしておいて下さい)
●万二郎岳→万三郎岳→八丁池→天城峠。詳細は講座資料に。

◆天城山――ルート概観 1
●まずは天城山の主峰・万三郎岳(1405.6m)までを取り上げます。
●天城高原ゴルフ場のクラブハウスの手前に登山口はあり、そこからゴルフ場に沿ってしばらく緩やかに登ります。標高1100mの1km地点あたりから本格的な登りになるのですが標高1294mの万二郎岳までが500mちょっと。「1時間モデル」半分という登りです。
●万二郎岳から万三郎岳までの稜線は約2km。ここがお目当てのシャクナゲやらアセビやらの宝庫なのですが、今年はこの時期どうでしょうか。どこもかしこもお山の花は1週間から10日遅れというのがいくぶん気になっています。花があればとうぜんのんびりと行きたいわけですから、2時間ぐらいとっておきたいところです。どこかでお昼でしょうね。
●シャクナゲを見に来る人のほとんどは万三郎岳の山頂から真北に延びている急な尾根を下って行きます。そのあたりもシャクナゲの群生地なのですが、尾根筋のものよりいいというわけではありません。
●私たちは西に連なる縦走路を行くことにします。

◆天城山――ルート概観 2
●3.5km地点手前の万三郎岳から6.5km地点手前の白田峠までの3kmです。標高1400mあたりからゆっくりと200mあまり下ってくる道で、アップダウンの稜線の道としては時速2kmで概算して1時間半と見積もっておくのがいいと思います。
●地図には「天城山脈」と書いてありますが、その名に恥じない山深い感じなのでしょうか。
●万三郎岳からの最初の1kmは左手が深い谷で右手、北斜面がなだらかに落ちています。ところが4.5km地点から急坂を下ると、今度は左手がなだらかになり、右手が急崖をなして窪地になっています。地図から見る限り火山地形のようです。
●白田峠からは比較的簡単に林道に逃れられますが、よほどのことがない限り前進してしまったほうがいいようです。

◆天城山――ルート概観 3
●白田峠から八丁池まではおよそ1.5km。標高1200mあたりをこまかくアップダウンしているようです。
●地図を見ると八丁池の周辺まで広葉樹の記号が主体になっています。広葉樹といっても温暖な伊豆らしくみごとな照葉樹林。とりたててなんということもない道かもしれませんが、天城らしい緑を堪能できる道かもしれません。いいほうに期待しておきたいと思います。
●ゆっくり行って1時間というところでしょうか。

◆天城山――ルート概観 4
●八丁池というのは火口湖だそうですが、ここから天城峠までが昭和の森と名付けられた自然公園になっています。
●下山路はきちんと整備されているらしいので、時間に追われていなければ旧天城峠に出る「上り行幸歩道」をとろうと思っています。
●地図上でとりあえず選んだのは水生地に下る近道で、12km地点で旧天城トンネルから出てくる旧下田街道とぶつかるところが水生地のようです。さらに下って新天城トンネルからの道に出たところが水生地下バス停です。
●八丁池からバス停まで短い道で距離が5km、下りの標高差はおよそ600mですから、例によって距離1km=15分、高度差100m=15分というモノサシで計ると2時間45分。元気ならその7割で約2時間で問題なく下れるでしょうが、計画では3時間とっておきます。下山予定は5時としています。

◆帰路 ●帰路_A
●修善寺方面へのバス
1527天城峠→1616修善寺駅
1545天城峠→1634修善寺駅
1601天城峠→1650修善寺駅
●あるいはタクシー(修善寺町)
伊豆箱根交通_0558-72-1811
寺山交通_0558-72-2129
東海交通_0558-72-0292
●伊豆箱根鉄道駿豆線
1625修善寺→1658三島
1643修善寺→1716三島
1656修善寺→1729三島
1707修善寺→1916東京(特急踊り子114号)
●帰路_B
●下田方面へのバス
1536天城峠→1622河津駅
1601天城峠→1647河津駅→1716下田駅
1701天城峠→1747河津駅
●伊豆急行線
1624河津→1711伊東→1736熱海
1653河津→1740伊東/1742伊東→1806熱海→1924横浜→1954東京
1732河津→1817伊東→1842熱海
1812河津→1900伊東→1932熱海

◆費用の目安
●東京→伊東_乗車券2,160円
●東京→伊東_特急券1,840円
●伊東駅から天城高原ゴルフ場までタクシー1台8,000円ぐらい
●バス_天城山→修善寺駅_1,020円
●天城峠から修善寺までタクシー1台6,000円ぐらい。
●修善寺→三島_490円
●三島→東京2,160円
●三島(熱海)→東京_新幹線特急自由席1,650円
●バス_天城山→(河津駅)→下田
_1,370円
●河津→伊東_1,200円

◆糸の会山行[10]_伊豆半島・天城山_資料(執筆中の単行本原稿から)

◆行楽のオプションに加えると登りやすいかもしれません
●昔、富士山で元気なおじさんに会ったことを思い出します。御殿場でゴルフのコンペがあったので、今日は寄り道登山だというのです。
●エラい! と思いました。なによりも元気なのがエラい。それから、ゴルフと登山を一連のメニューにしてしまえる精神的な強靭さ。こういう人が日本の高度成長を支えているんだな、と若い私は勝手に納得したものです。そのおじさんは運動靴にジャージーというスタイルだったように覚えています。
●富士山というと、寄り道登山は普通の人にはちょっと重いと思います。むしろ富士山は子どもが中学生になったあたりで父親と登るような山だと思うのです。人生の節目できちんと登るだけの価値ある山、すなわち日本人にとっては通過儀礼的な山という感じがします。
●ところがここに掲げた伊豆半島の天城山は、登っても登らなくても、人生の来し方、行く末にはなんの関わりもありません。ただ、伊豆をおとずれるたくさんの観光客の皆さんに、スケジュールを一日あけて立ち寄ってほしい山なです。山登りのためだけにわざわざ行くというのはよほどの登山マニアでしょうから、寄り道登山の方が体験しやすいはずです。
●天城山といっても、登るピークの名前は万二郎岳(1294m)と万三郎岳(1405.6m)。有名な天城峠までの縦走も可能ですが、車で往復するようなときには、ここだけの周回コースも選べます。熱海方面から延びてくる伊豆スカイラインの南端の、行き止まりのあたりに登山口はあって、登山口は天城高原ゴルフ場の中、というところも、いかにも観光の伊豆らしい山といえるでしょう。

◆簡単な登りでシャクナゲの森へ
●天城高原ゴルフ場のクラブハウスの手前のところにバス停があり、登山道の入り口もあります。そこが標高1050m。万二郎岳までは標高差約250m、距離は1.5kmです。もっとも最後の0.5kmで標高差200mを登りますから、山歩きに慣れない人にはものすごく急峻な山という印象になるでしょう。それが一大観光地伊豆のド真ん中にありながら、一般の観光旅行には組み込まれない理由だと思います。
●ともかく、「1時間モデル」ひとつ分程度で稜線に出てしまうのです。するとそこは原生林。江戸時代に幕府直轄で厳しい禁伐がおこなわれたために原生林が残されたということですが、明治以後の激しい乱開発にさらされなかったことから、みごとな照葉樹林が残されたという感動の方が大きいかもしれません。五月の中旬から下旬に訪れると、シャクナゲの大木が迎えてくれます。
●その稜線歩きの楽しさ、素晴らしさは、内陸の山とはまったく違うものだということに気づきます。万二郎岳からいったん50mほど下って標高1325mのピークに登り返すあたりにはツツジ科のアセビ、すなわち馬酔木と書き、アシビと読んだりもするものの純林がトンネルをつくっています。そしてまた標高1200mまで下ってからいよいよ主峰万三郎岳に登るあたりが日本全国を見渡してもこれほどのものはないというようなシャクナゲの花園。ラッキーな登山者はシャクナゲの木の下でお花見気分の昼食を楽しめるのです。
●この間、稜線歩きの距離は2km弱、登りの標高差は合計約230m、下りの標高差は合計約130ですから距離mkmを15分、登り下りの標高差を区別せずに100mを15分に換算すると行動時間は1時間半という見積もりになります。それにたっぷりの休憩時間と昼食時間を加えておきます。花のシーズンなら稜線上に2時間から3時間滞在するという感じでしょうか。
●万三郎岳から北面の急斜面を一気に下って元の登山口まで戻るなら2時間、縦走路をたどって天城峠までは、3〜4時間です。

◆トレーニングが必要なら、量と質とをきちんと計算して
●この山は登りと下りがそれぞれ「1時間モデル」ひとつ分、それにおよそ1時間半の稜線歩きと、その分を山裾で登山口まで戻る周回路を加えるという計算になります。稜線部分を短くすると、この山の規模は前節で紹介した石老山とあまり違わないということがわかります。
●そういう行動の量と質との関係が見えてくると、そこで初めてチームトレーニングという考え方が生じてきます。すなわち、天城山に登りたい人たちで石老山に登ってみるという設定です。
●従来の山の会のトレーニングというと、十分すぎるほど余分な負荷をかけておけば安心とばかり、目分量で大きな山を選んでいたのではないかと思うのです。しかしそういうどんぶり勘定が、じつはどんぶり勘定しかできないという結果であったという例も多いのです。将来によほど大きな、想像の及ばない目標をかかえているのであれば結果において報われることもあるでしょうが、「楽しい」という範囲を確認しながら、細く長く山歩きを続けようという場合にはあまりにも場当たり的でリスキーなものになりかねません。登ろうとする山と具体的に比較できるところを選んで、意識的に体験しておく、という基本的な姿勢を持っていたいと思います。

◆天城峠への長大な縦走ルートも選べます
●万三郎岳から西に進むと、標高1360mの戸塚山、標高1197mの無名峰を経て標高1170mの八丁池へと達します。その間の距離はおよそ6.5km。地形図でみる限りほとんど平坦な道ですが、念のために登山道に準じて下りの標高差を100mごとに15分ずつ加えておくと、合計約2時間と出ます。
●八丁池から標高820mの天城峠までは、距離が6km。標高差が350mありますから、登るのなら2時間20分といったところ、下りも2時間を確保しておくと疲れの出た人などに無理をさせなくてすみます。天城峠から水生地下のバス停まで、旧道を30分ほど歩きますから、全体としては長大な下り道という感じになります。夕方5時までに水生地下バス停に着ければ、バスで下田方面、あるいは修善寺〜三島方面へのバスをつかまえることができます。


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