高松 登美子さんから「飯豊縦走」報告
………2006.8.11


■2006.8.11――高松 登美子さんから「飯豊縦走」報告。短いですが「圧縮」がテーマですから1ポイント進呈

●今年1番のイヴェント=飯豊連峰縦走が無事に終わりました。
●いつもながらコーチの的確なご指導の賜物と感謝で一杯です。ありがとうございました。
●やきもきした東北地方の梅雨明けが8月2日。縦走開始とともに快晴に恵まれ快適な山行でした。
●久しぶりの重いザックで歩き通せるかと不安でしたが、何とか下山できた時は本当にホッとしました。
●今回、何としても30リットルのザックで行こうと決めておりました。軽く小さく、バテないように...
●直前に、スポーツ用品店で、35リットルザックに何もかも詰め込んである「見本」を見て、挑戦の価値ありと一念発起したのです。
●予行演習の袈裟丸山の時は、重く嵩張る化繊シュラフ、軽いが嵩張るシルバーマットを入れると、どうしても45リットルのザックにしか収まりませんでした。参加者の中で最も大きいザックでした。
●そこで、コンプレッションバッグを購入し、シュラフ・シュラフカバー・シルクシーツを一気に圧縮することにしました。分担の食料2キロも無理やり押し込み、どうしても入らないペットボトルは外付け、ウエストポーチやズボンのポケットも動員して、要るものはどこかに容れて、とにかく荷造り完了。ギリギリ13キロ也。
●過去に13キロまで背負って北アルプスを歩いた経験から何とかなりそうな予感がしました。
●実際は、山中で毎朝短時間に、コンプレッションバッグにギューギュー押し込むのは骨の折れる作業で、かなりのストレスになりました。他の人が次の作業に取り掛かっている時、汗びっしょりで悪戦苦闘しているのは辛いものがありました。3回やってもう沢山という心境です。シュラフ山行は3泊が限度かな?
●花いっぱい、青空いっぱい、笑い声いっぱいの楽しい思い出が又一つ増えました。
●みなさま どうもありがとうございました。(?松)
●追) これからしばらくはどの山行も行動食はミューズリー。250グラム以上残ってます!
■コーチから
●高松さんのコンプレッション(圧縮)バッグを見ていないので一般論としていいますが、手で詰めるという発想ではあまり役に立ちません。膝や尻や腹を使って押さえ込んで、体重をかけて圧縮したところで、リバウンドを避けるためにベルトを締めるという荒技が必要です。
●じつは私はいつものザック(100リットル)に7人用の大型ドームテント一式を入れていったので、重さ(31kg)はともかく、ザックが満杯でした。そこでテントをザックの横幅より長い状態で底に入れて、足で思いっきり踏み込みました。
●ザックからはみ出るというのは上に盛り上がってくるわけで、上から押し込んでもあまり効果的ではないのです。ザックの左右はサイズが決まっているので、左右に広がるのを邪魔するように詰め込むと必然的にコンプレッションが効いてきます。
●本格的な登山活動であんがいコンプレッションバッグなどを使わないのは、ザックそのものにコンプレッション機能を働かせているからです。
●ザックに腰を下ろすと中のものがつぶれると思っている人は、ソフトバッグとしてのザックの機能をほとんど理解していないといえます。品物が内部でどのようなな圧力を受けているかがわかりはじめると、コンプレッションの余地はいくらでもある、といえるほどです。なにしろ、高松さんが35リットルのザックで13kg、私が100リットルのザックで31kg。比重でいえばどちらも0.3前後。空気を背負っているようなもの……ともいえます。
●荷物を軽くするというのもひとつの努力目標ですが、コンパクトにするというのも違った種類の技術課題といえるでしょう。
●なお、飯豊では高松さんが共同作業に参加しない場面が多いことから、調和剤のつもりで攻撃的態度をとりましたが、そういうストレスを抱えていたとは。
●最後にもうひとつ。みなさんは大型ザックにしたときの自重の増加を嫌うようですが、私の場合はジャストサイズのザック(持っているんです、中型も小型も)にすると、かえって疲れることが多いのです。自重が1kg多くても、ウエストベルトの機能がしっかりしているだけでむしろからだには軽く感じられるという評価もあるのです。だから私が「50リットル級をひとつ」という場合には背負いやすい背負子を買っておくといいですよ、という意味なのです。だから注意したいのは「50kg級の軽量タイプ」はときに意味のない選択になるかと思うのです。「重いものを持つためのザック」を「50リットル級」と表現しています。その場合は自重で比べてはいけないのです。


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