山咲 野乃香さんから「糸の会初心者の雑感」
………2006.9.7


■2006.9.7――山咲 野乃香さんからポイントゲットレポート「糸の会初心者の雑感」
●朝夕、秋めいてまいりました。一昨日写真が届きました。ありがとうございました。
●今後の参加予定は、左足親指爪のご機嫌次第ということで、改めてご連絡致します。
■「糸の会初心者の雑感」
【その1】
●早いもので私も来月で入会1周年。参加回数も14回となりました。おかげさまで、毎回印象に残る出会い(風景、人、ハプニング、おいしいもの)のある山行でした。「山へ行くと、なぜかいつも笑顔になれる。」という某登山用品メーカーのキャッチコピーが、憎いほど私の心境ぴったりです。
●例えば、秋、何気ない三峰の山道に散り敷く紅葉に「きれい」と発する初老の男性。(普段の彼は閻魔さまの風情) 太刀岡山での「春の山色」についてSさんの説。八風山では、大汗をかいた後の谷あいからの一陣の風。オトシブミをコーチに開けさせるワクワク。心の琴線にふれることがいっぱいでした。私の尊敬する人の言葉に、「美は見る者の目の内にあり。」というのがあります。感性だけは「恋する乙女」にも負けないオバサンでいたいのです。(エッ?何かヘン?)
【その2】
●9月2日〜3日富士山に行きました。糸の会8eを直前キャンセルしてからも、富士山に対する熱き思いは消えず、1年は待てぬと毎日新聞旅行のツアーに参加しました。定員45名の大所帯で臆する所がなかったといえばウソですが、糸の会山行14回が大きな自信となって登頂できたと思います。コーチ曰く「免疫」も多少はついたようです。 ●高山病の方は結構キツかったです。スバルライン5合目でバスを降りた時点で既にボンヤリ状態。だるさ、嘔吐感、頭痛をなんとか深呼吸とスポーツ飲料でしのぎながら、4時間半で8合目到着。仮眠した白雲荘では2畳に3人を上回る迫力で、頭と足交互のすし詰め。覚悟はしていたものの、棺桶よりひどかったのです。(入ったことないけど)寝返りも打てず、上体を起こしていたり、人の出入りも激しく、結局一睡もできないまま6時間余がすぎ、午前1時半に出発。山頂まではヘッドライトの列。前の人のリュックに頭をぶつけながら(後ろの人にはぶつけられながら)、5〜6歩上っては10秒止まりのようなペースが頂上直下まで続く大渋滞。三時間余で山頂。着くころには肺まで痛かったのですが、スローペースは高度順化の点からはよかったかもしれません。 ●頂上東京屋前は本当にラッシュ時の新宿駅ホームなみの混雑で、ビックリ。幸い好天に恵まれ、眼下の山中湖、湘南まで見える海岸線、山並みに雲海、影富士、夜は日本で一番星に近いを実感する満天モード、ご来光もばっちりでした。ただ、お鉢めぐりの余力がなく、諦めたのが残念でした。約3時間かけて吉田下山道を5合目まで下山。富士登山は1度で十分が一般的のようですが、私は意外にも懲りていません。機会があれば、時期と天気を考え、もう少し時間をかけて違うコースにチャレンジしたいと思いました。
●大失敗は、3年ほど前に購入し15回ほど履いて、まあ慣れているはずだったハイカットの軽めのトレッキングシューズで左親指爪を傷めてしまったこと。紐の締め方、靴下、もちろんダブルストックでの下山の足運びと慎重にしていたつもりだったのに!(糸の会では、この靴は雪の赤城で1度履いただけです。その他は運動靴で参加。)爪は白く、ぐらつき、赤くはれ、現在は靴は履けない状況です。おかげで、この靴とオサラバする決心がつきました。
【その3】
●糸の会の「遅出」「ダブルストック」「運動靴」は、私にとって三種の「神技」です。
●私が糸の会に入会したのは、図書館でコーチの本を拝読したのがきっかけですが、その中で最も感動したのが「遅出」です。かゆい所に手が届くとはこのこと! なんという主婦キラー! 一般的な主婦の立場がここまで理解されていたとは! 私自身が書かれていた全くその通りの事情だったので、いたく感動しました。単発でたまに行く山は、毎度かなりの寝不足にならざるをえなかったのです。 ●現在では、三男も中学生となり、夫も私が蛾ヶ岳に行っている留守中、頼みもしないのに「日本の名峰」を録画してくれたりと(いきなりデキスギでコワイ)、家庭内山行条件も改善しつつあるのですが。私の知る限り、コーチの考えて下さった意味での「遅出」を必要としているのは私ぐらいかもしれません。
●ダブルストックは、今回の富士ツアーで45名中持っていた人は私の他1名。上りでも使用していたのは私のみ。1年前には伸縮にも苦労していたのに今やすっかり4本足状態です。
●靴に関しては、新人であるのをいいことに無遠慮に眺め回し、いろいろな方に選択理由をリサーチしてしまいました。わかったのは、思っていたほどコーチの「運動靴万能説」は浸透していないこと。皆さんそれぞれの判断基準でのチョイスがありました。私は少ない経験ながら、今は「運動靴」の快適さに目覚めています。 ●先月、沢登りの帰途、小1時間地下足袋で(お祭り用で底が運動靴仕様)山道を下ったのですが、足裏が地面をしっかりとつかまえられる感触は心地よくオドロキでした。ただ、今後も糸の会以外で「軽登山靴以上」と指定されたときが問題。それが、今回の「爪死亡事件」にも繋がったのだと思います。


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