曽根 一郎さんから「雨中のテント泊と岳沢ヒュッテ」
………2006.9.17
■2006.9.17――曽根 一郎さんからポイントゲットレポート「雨中のテント泊と岳沢ヒュッテ」
●先日の前穂高岳山行では大変お世話になりました。
●雨のため山頂に行けなかったのは残念でしたが、雨のテント泊まりはいい体験になりました。 重いザックを背負ってテントや食料を運んでいただきありがとうございました。
●股関節は大丈夫ですか? お大事にしてください。
●感想文を送ります。 よろしくお願いいたします。
◆雨中のテント泊と岳沢ヒュッテ
【1】雨中のテント泊
●9/12^13に雨の中、前穂高岳の登山に参加した。 参加者は女性2名と男性3名の計5名である。 岳沢ヒュッテが雪崩で全壊したため、宿泊はできないのでテントで泊まることになった。
●岳沢ヒュッテは応急的な小屋を建てて売店を開いており、有料で水とトイレは確保できる。 テントを張る場所は、売店から300mほど離れた40mほど登ったところに決めた。 少し離れたところに外人の男性2名のテントと日本人の男性1名のテントがあった。
●雨中の登山なので滑らないように注意して進んだが、岩石の道は整備されていたので割合い順調にはかどり、ほぼ予定どおり3時半ごろ岳沢ヒュッテに着いた。
●テントを張るときは幸いにも雨はほとんど上がり作業ははかどった。
●早速、夕食の準備に取り掛かり、男性は水10リットルを汲みに行き、女性はきのこ汁の食材のしいたけ、まいたけ、えのき、ぶなしめじ、エリンギ、ねぎ、白菜、水菜、豚肉、豆腐を切って取り揃えた。
●食材はすべて生で伊藤コーチが持ってこられたものである。
●雨がしとしと降る中でテントを出入りしていると、どうしてもテントの中が濡れてくる。
●それでも、うどんを入れたきのこ汁を食べていると、雨のことなど忘れてしまうほど美味しく幸せなひとときであった。
●テントは広さが畳4畳分ほどあり余裕があった。入口の先に1m半ほどの軒が地面まで出ていて物置として使える。
●テントの上部にはもう1枚幕を張り雨漏りを防ぐようにした。
●しかし、夜中に雨が激しくなってくると雫がテントの中にたれ落ちてくる箇所があり寝具をぬらした。
●トイレに行くのは躊躇した。
●雨の中売店のそばにあるトイレに行くのは、面倒で遠くて、暗くて、危なくて、ちょっと無理なので、テントのそばで済ますしか無かった。
●私は夜中に2回テントを出たが、他の人はみな朝まで我慢していたのかテントを出た気配は無かった。
●伊藤コーチは雨の激しい中、浸水のおそれが無いかどうか見て回っておられた。
●翌朝起きたら雨はやまず、テントのそばは川のように流れていた。
●このため山頂まで行くのはあきらめて花のあるところまで登ることになった。
●朝食はちらし寿司で、ご飯を温め寿司の具を混ぜ合わせ、お吸い物と添え物のかつを昆布、紅しょうが、しば漬けでいただいた。とても美味しかった。
●食事の後、ザックを置いて空身で花を愛でながらハシゴのあるところまで30分ほど登り、そこから引き返して1時間あまりでテントに戻った。
●すぐにテントをたたみ、岳沢ヒュッテの売店まで下ってしばらく休憩のあと下山した。
●松本に下った後、浅間温泉の「枇杷の湯」で汗を流し、「こばやし本店」でそばを食べ、民芸茶房「まるも」で美味しいコーヒーを飲んでやっと落ち着いた。
●テントで泊まるのは3回目になるが、雨中のテント泊まりは初めてであり貴重な体験ができた。
【2】岳沢ヒュッテ
●岳沢ヒュッテは雪崩で丸ごと倒壊して押し流されてしまったそうで、セメントの土台だけは残っている。
●今は売店だけの仮小屋であり、営業としての宿泊業はとても困難な状況のようである。
●年々地形は変化しており、今後また起こりうる災害への万全の策を考えると、営業としての宿泊小屋を建てることは、果たしてできるのかという状態にあるようだ。
●経済的にも大変だろうし、建築基準法や消防法など規制も受けるので前途は多難である。
●当分の間小屋は建たないだろうし、もしかしたらもう建たないかも知れないとも思った。
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