2007.5.12_宮田 禎子――ワンポイントレポート「面白かったヤブコキ」


■2007.5.12_宮田 禎子――ワンポイントレポート「面白かったヤブコキ」
●伊藤幸司様
●弥彦山行では、いつもの事ながらお世話様になりました。
●初めての糸の会の山行でしたが、同行の皆様も快く迎えてくださり、はじめからリラックスできた山登りでした。ありがとうございました。
●ところで、コーチに質問ですが、今回は帰ってからも全く筋肉痛が出ませんでした。ということは、私の歩き方はストックに頼り過ぎているということなのでしょうか。ストックは持ち始めたら、持たないと何と無く不安なのですが。
●宜しくお願いいたします。

■2007.5.12――宮田禎子さんのワンポイントレポート「面白かったヤブコキ」
 5eの「弥彦山」に参加した。
 一日目は角田山、二日目が弥彦さんであった。前夜は岩室温泉泊まりで源泉掛け流しの湯を楽しみ、食べきれないご馳走を戴き、夜も結構グッスリ眠ったみたいだった。
 晴天にめぐまれいざ出発。飲み物も宿の外の自販機で調達し食料も十分。用意は万端だった。
 先ずは多宝山をめざして歩きはじめた。ところがである、登山口が見つからない。土地の人に聞きながらコーチの見当で歩きはじめた。こちらは毎度のことで金魚の糞状態。何処までもコーチのあとに付いていくだけで気楽なものである。が、あまり歩かないうちに道は途切れた。岩に突き当たり、コーチはロープを取り出し即席の鎖場様の登り道を造った。それだけでも面白かった。子供が新しいおもちゃを見せられた時のようで、状況さえ許せば、もう一回、もう一回と何度もロープ攀じ登りをしてみたかった。ロープに縋り付いて何とかよじ登ったが登ってみると当然と言うべきかやはり道など無かった。
 それからが藪こきである。初めての経験で始めのうちは戸惑ったが直ぐに要領は一応飲み込めたようだ。その辺は石楠花が多く、他に私にも見分けのつくものでシャリンバイ、つげなどの小低木があり群生地でもあった。雪国の常緑小低木は細くしなやかだが少々引っ張って体重をかけてもびくともしない丈夫さがあった。急登だったので、安心して手をかけ思いっきり引っ張ると面白いように体が上昇していった。適当な枝を捜してはぐいっぐいっと引っ張り、殆ど遊び感覚で上を目指した。これが長く続いたら疲れてしまったと思うが、適当なところで道に出てしまった。その時は不謹慎と思われそうで黙っていたが本当はもう少しやっていても良かったかなと思っていた。
 昔からヤブコキという言葉はよくきいていたしやってもみたかったが、なかなかそのようなチャンスは無く、臆病にもいつも正しくきちんと? 山道を歩いていたのだった。
 昨年の夏、伊藤コーチに乾徳山に連れていっていただいた。その時は頂上付近で岩登りを教えていただき感激だった。岩をよじ登るのもかねてからやってみたかったからである。
 今頃になって、人生の一息をついていると世の中にはいろいろな面白いことがあるのだと気がつく。しかし、時既に遅しで、この歳になってあれこれやってみたいなどとは言い出せないし、やはり自信も無い。そんな時にこんな体験が出来るなんて何という幸せとつくづく感じている。
 金魚の糞のたわごとでした。


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