2007.11.28_船津 タツ――ワンポイントレポート「歩くこと・転ぶこと」


■2007.11.28――船津 タツさんからワンポイントレポート「歩くこと・転ぶこと」
 伊藤コーチへ 
 この度の甲武信ヶ岳はお天気に恵まれ、あの頂上からの眺めは本当に素晴らしく、久しぶりの感動と満足感でいっぱいでした。
 ありがとうございました。
 下山途中でまたまた例のごとくお尻をついて3回転んでしまいました。最近、私は下山時が恐怖です。上部の急な所では本当に注意して緊張して、ほとんどつま先立って歩くようにしていましたので翌日の腿とふくらはぎの筋肉痛はひどく、階段の下りが大変でした。やっぱり頭ではわかっていても、あの落ち葉の下の小石のじゃりじゃりとしたあまり急でない後半の下り道で長い緊張がとぎれた一瞬が危ないのです。ほとんど無意識でストクックも全く役立たず・・・・・歩きながらいろいろ考えてみました。
 30年前から週に一度、午前2時間ですが近くの体育館の体操クラブに通っています。講師は学習院大学教授で最近定年退職された体育の先生で、ストレッチや柔軟体操をしっかり、またこの先生は歩き方にうるさく、歩き方は年齢が出るのでと毎回横一列で、歩く練習をさせます。胸をはって、頭はまっすぐ、あごを引いて脚の膝の後ろを伸ばしてかかどで着地し、指先で地をけって反対側の脚を出す。足先から先に着地して歩くと背が丸くなり、腰も落ちて姿勢が悪くなる、といつも注意されます。
 また、6年前からはウオーキングを始めました。春の連休には東京・小金井公園から1日20k(3年前までは30kでしたが)を3日間、秋11月初めの連休には埼玉県東松山市役所前から比企丘陵を毎日20kを3日間のスリーデーマーチに参加しています。(3日間で延べ8万人が歩くので不思議ですが毎年必ず稲垣さんご夫妻におあいします)ここで私は歩きながら周りの人々の歩き方と靴に興味があってよく見ています。本当にいろいろで面白いのです。
 大昔、キスリングに厚底の山靴でガンガンと山を下りていたこと、体操クラブでの歩き方の訓練、一年に2回のスリーデーマーチへの参加、これらが私の山での歩き方と何か関係があるのかもしれないと思い当たりました。
 以前、児童心理学で習ったことですが、3年かかってついた「くせ」や「習慣」はその倍の年月を経ないと直せないということでした。伊藤コーチのことを私は最初から「先生」とお呼びしていましたが突然「コーチ」と呼ぶようにとご指示がありました(この日の年月を憶えていませんので、はっきりはいえませんが)。私が入会して3年目位だったと思いますので完全に直すのには6年の年月が必要ということです。このことから幼児期のしつけや習慣がいかに大切か、もしそれが間違っているものなら、早く直してあげなければいけないということです。
 私は最初20歳で山に憧れ、登り始め、その情熱を現在まで持ち続けられたことは良かったのですが、同時に「悪い歩き方」という悪いくせもしっかりと身に付いて来てしまっており、これを直すには時間がかかりすぎて、ちょっと無理なことかもしれません。
 コーチはどうぞ私が例のごとく転んだら、つかさず絶好の悪い見本としての教材にして下さればいいのですし、周りの方々は「またやったー、ワッハッハー」と笑って下さればいいのです。
 今後とも努力はしてみますが、このやっかいな「体が憶えている」という、頭ではどうしようもない事を、今後どこまで直せるかが課題です。「歩く」という人間の最も基本的な動作の一つですがこの度はいろいろ考えさせられた次第です。


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