2008.4.24_山咲 野乃香――ワンポイントレポート「再訪」
■2008.4.24――山咲 野乃香さんからワンポイントレポート「再訪」
東秩父村大字白石・・・
満開の桜のもと、さらにあれだけの種(ハナモモ、レンギョウ、ミツバつつじ、菜の花、チューリップ、水仙、花だいこん、芝桜など)の花々が咲き誇るのを目にするとは・・・
絶句!空前絶後の里の花景色に出会った。
人家は静まり、見かけた人はすげ笠姿の農夫と、下った所にやはり畑仕事の男性のふたりだけ。「春の花里」というテーマパークを糸の会で貸し切ったかのような錯覚に陥る。
利休なら怒って帰っちゃうはず。黒澤監督でも花を半分に減らすだろう。
前回の笠山行の写真とコーチのコメントを昨春のホームページ上で見て以来、自宅沿線でもあり必ず訪れてみたいと思っていた。そんな事もあって珍しくカメラを持参していたのだが、あまりの見事さに撮る気を失った。わかります? カメラ音痴の私だけど、目に映った通りに写らなければイヤ(ありエナイ)。偶然の1枚に賭けて数打ちゃ当たるをするのはメンドクサイ。そんなことに気を遣うより、1分1秒でも長くこの光景を網膜に映さねば!「キレイ」「スゴイ」言葉数も少なく、かなりのボキャ貧となる。
帰途のタクシーに乗る時には固く思った。夫に見せねば。(山帰りには人品が数段上がるワタクシ。そう、俄かに健気な人妻に変心!)今頃ひとり寂しく晩酌する最愛の夫に、この幸せを分かたねば。
この世で最もエネルギーのあるものは何か? それは人の「想念」。そして行動の成否を決定するのは思いの「純粋性」である。(これは私の最も尊敬するヨガの先生から教わったもの)
水曜休日の夫は、いつものゴルフメンバーが集まらず行く事を迷っていたところ、帰宅後もボキャ貧状態の続く妻の純な熱い思いに応えて、すんなりと白石行を承諾したのだった。
18時間後、再びかの地に立つ。夫と共に。他にも初老の夫婦の花見客が2組あったが、地の人は川で作業中のふたりだけ。やはり静寂。夫にはくれぐれも早足にならぬよう頼み、1時間ほど散策を楽しむ。花々は昨日と同じいでたちで迎えてくれる。並みの精神状態の私はたくさんシャッターきる。
夫に私と同じ感動をとは、露ほども思わない。結婚30年近くたつ私ども夫婦の様相は、期待と諦めを通りこし目下、「悟り」状態へバク進中。ワレナベとトジブタとしては圧力鍋級が目標。夫の頭の中では往復高速代3,200円とうまくないソバを食べたことが里の花々と同居しているかもしれないが、それもよし。
来年もまた来ましょうね。の愛妻の純な言葉にはハイハイと言ってくれたので。
糸の会と夫と「2008年春」に感謝。
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