2009.7.4――藤本 喜弘さんからレポート「秋田駒ヶ岳と漢方薬」


■2009.7.4――藤本 喜弘さんからレポート「秋田駒ヶ岳と漢方薬」

 コーチ殿
 先日の秋田駒ヶ岳ではお世話になり有り難うございました。
 右膝の筋(腱?)に多少の懸念がありますので、長い山歩きには参加しないようにと思ってきましたが、この度のコースの魅力に負けて、急遽参加しました。
 一日目の阿弥陀ヶ池周りでのシラネアオイの群生や無数のコマクサやタカネスミレなどのお花には感激しました。
 二日目の乳頭山からの縦走ができなかったことはとても無念でしたが、乳頭温泉郷の全ての温泉を巡り、鶴の湯に加えて黒湯にも浸かるという思ってもいなかった幸運に恵まれて、それはそれで 十分満足しました。
 その一方、大焼砂のあたりからひどくなりだしたKさんの筋肉痛に、手持ちの「芍薬甘草湯」がお役に立ったことは嬉しいことでした。
 その漢方薬につきまして、多少の知見をご紹介しておきたいと思います。

(1) 芍薬甘草湯(漢方薬番号 #68)
 詳しくは、次の URL などを参照してください。
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se52/se5200067.html

 上記 URL の内容を以下に要約しておきましょう。
(1-1) 概説……けいれん性の痛みをやわらげる漢方薬です。
(1-2) 作用……胃腸や胆のう、尿路や子宮などの平滑筋、あるいは手足の骨格筋の緊張をゆるめて痛みをやわらげます。
具体的には、胃けいれんを含め胃痛や腹痛、胆石や尿路結石による疝痛、筋肉のつっぱり・こわばりを伴う筋肉痛や神経痛、さらには腰痛や肩こり、生理痛など、いろいろな痛みに広く用いられています。
(1-3) 組成……“芍薬”と“甘草”の2種類からなります。
どちらも、痛みを緩和する作用をもつ生薬です。
(1-4) 特徴……漢方の代表的な痛み止めです。
漢時代の「傷寒論」という古典書に載っているシンプルな処方ですが、今でもよく使われています。
体質にはそれほどこだわらず、各種の痛みに広く用いることができます。
(1-5) 効能……急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛。
腹直筋緊張し、胃痛または腹痛があるもの。
胆石症あるいは腎臓・膀胱結石の痙攣痛、四肢・筋肉・関節痛薬物服用後の副作用の腹痛、胃痙攣、急迫性の胃痛。
(1-5) 注意する人……アルドステロン症、ミオパシー(筋肉障害)、低カリウム血症。 など、病気によってはその症状を悪化させるおそれがあります。
心臓病や高血圧など循環器系に病気のある人も医師に話しておいてください。
(1-6) 使用にあたり……ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。
一般的には、症状のひどいときだけ飲むようにします。長期の服用には適しません。

 同行のOさんからご紹介をして頂きました次のお薬にも簡単に触れておきまし
ょう。
 こちらの方は、上のお薬よりも ちょっと 制限が強いようです。
(2) 桂枝加朮附湯(漢方薬番号 #18)
(2-1) 概説……関節痛や神経痛に用いる漢方薬です。
(2-2) 作用……体をあたため、痛みを発散させる作用があります。
具体的には、関節痛や神経痛、冷えによる痛み、手足のしびれやこわばりに適応します。冷え症で、体力のあまりない人に向く処方です。
(2-3) 組成……主薬の“桂枝(桂皮)”など7種類の生薬からなります。
おだやかな発汗・発散作用のある“桂皮”、痛みをやわらげる“芍薬”、余分な水分を取り除く“蒼朮”、体をあたため痛みをとる“附子”、緩和作用のある“甘草”などが配合されています。
これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。
(2-4) 注意する人……冷えの強い「寒証」向けの方剤です。
したがって、体力が充実し、暑がりで、のぼせのある人には不向きです。

■蛇足:以下、添付の text はご参考用の上記のコピーです
【芍薬甘草湯】
成分(一般名): 芍薬甘草湯
製品例: ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)、カネボウ芍薬甘草湯エキス細粒 ・・その他製品 & 薬価比較
区分: 漢方/漢方/漢方製剤
概説:けいれん性の痛みをやわらげる漢方薬です。

●作用
・働き……芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)という方剤です。胃腸や胆のう、尿路や子宮などの平滑筋、あるいは手足の骨格筋の緊張をゆるめて痛みをやわらげます。とくに、差し込むような急激な痛み、いわゆる「疝痛」に有効とされます。具体的には、胃けいれんを含め胃痛や腹痛、胆石や尿路結石による疝痛、筋肉のつっぱり・こわばりを伴う筋肉痛や神経痛、さらには腰痛や肩こり、生理痛など、いろいろな痛みに広く用いられています。
・組成……漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。芍薬甘草湯は、その名が示すよう“芍薬”と“甘草”の2種類からなります。どちらも、痛みを緩和する作用をもつ生薬です。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
・芍薬(シャクヤク)
・甘草(カンゾウ)
●特徴
・漢方の代表的な痛み止めです。漢時代の「傷寒論」という古典書に載っているシンプルな処方ですが、今でもよく使われています。
・証(体質)にはそれほどこだわらず、各種の痛みに広く用いることができます。
●注意
・診察で……持病のある人は医師に伝えておきましょう。市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。
・注意する人……アルドステロン症など、病気によってはその症状を悪化させるおそれがあります。心臓病や高血圧など循環器系に病気のある人も医師に話しておいてください。
・適さないケース……アルドステロン症、ミオパシー(筋肉障害)、低カリウム血症。
・飲み合わせ・食べ合わせ……甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは、「偽アルドステロン症」の副作用に注意が必要です。
・飲み合わせに注意……甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)、利尿薬など。
・使用にあたり……ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。むかつくときは、水で飲んでもかまいません。一般的には、症状のひどいときだけ飲むようにします。長期の服用には適しません。効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。
●備考
・漢方は中国で生まれた体系医学です。その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげました。
・漢方の特徴は、体全体をみるということです。体全体の調子を整え、病気を治していくのです。ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、その考え方にあるといっても過言でないでしょう。
・病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます(一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)。現在、芍薬甘草湯をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。
●効能
・ツムラ・他……急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛。
・コタロー……腹直筋緊張し、胃痛または腹痛があるもの。
・胆石症あるいは腎臓・膀胱結石の痙攣痛、四肢・筋肉・関節痛、薬物服用後の副作用の腹痛、胃痙攣、急迫性の胃痛。
●用法
・通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
●副作用
・漢方薬にも少しは副作用があります。重いものはまずありませんが、配合生薬の甘草の大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状です。浮腫や低カリウム血症により、心臓に悪い影響がでてくるおそれもあります。とくに、服用期間が長くなるときは要注意です。
・重い副作用……めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
・偽アルドステロン症……だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。
・心不全・不整脈……息切れ、息苦しい、むくみ、体重増加、動悸、脈の乱れ、めまい、失神。
・肝臓の重い症状……だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
・その他……胃の不快感、食欲不振、吐き気、吐く、下痢、発疹、発赤、かゆみ

参照 URL:http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se52/se5200067.html

■蛇足2:以下、添付の text はご参考用の上記のコピーです
【桂枝加朮附湯】
成分(一般名): 桂枝加朮附湯
製品例: ツムラ桂枝加朮附湯エキス顆粒(医療用)、コタロー桂枝加朮附湯エキス細粒 ・・その他製品 & 薬価比較
区分: 漢方/漢方/漢方製剤
概説:関節痛や神経痛に用いる漢方薬です。

●作用
・働き……桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)という方剤です。体をあたため、痛みを発散させる作用があります。具体的には、関節痛や神経痛、冷えによる痛み、手足のしびれやこわばりに適応します。冷え症で、体力のあまりない人に向く処方です。
・組成……漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。桂枝加朮附湯は、主薬の“桂枝(桂皮)”をはじめ、下記の7種類の生薬からなります。おだやかな発汗・発散作用のある“桂皮”、痛みをやわらげる“芍薬”、余分な水分を取り除く“蒼朮”、体をあたため痛みをとる“附子”、緩和作用のある“甘草”などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
・桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)、附子(ブシ)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)
●特徴
・基本処方である桂枝湯に、“蒼朮”と“附子”を加えたものです。方剤名の由来もそこにあります。
・適応証(体質)は、虚証(虚弱)、寒証(冷え)、湿証(水分停滞)となり
ます。
●注意
・診察で……持病のある人は医師に伝えておきましょう。
市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。
・注意する人……冷えの強い「寒証」向けの方剤です。したがって、体力が充実し、暑がりで、のぼせのある人には不向きです。
・注意が必要なケース..実証・熱証(体力充実・のぼせ)。
・飲み合わせ・食べ合わせ……附子や甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは、それらの重複に注意が必要です。
・飲み合わせに注意……附子含有製剤、甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)など。
・使用にあたり……ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。むかつくときは、水で飲んでもかまいません。もし、食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、食後でもよいと思います。効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。
●備考 ・漢方は中国で生まれた体系医学です。その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげました。漢方の特徴は、体全体をみるということです。体全体の調子を整え、病気を治していくのです。ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、その考え方にあるといっても過言でないでしょう。病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます(一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)。現在、桂枝加朮附湯をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。
●効能
・ツムラ・他……関節痛、神経痛。
・コタロー……冷え症で痛み、四肢に麻痺感があるもの、あるいは屈伸困難のもの。神経痛、関節炎、リウマチ。
・三和……悪感をおぼえ尿快通せず、四肢の屈伸が困難なものの次の諸症。急性および慢性関節炎、関節リウマチ、神経痛、偏頭痛。
●用法
・通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
●副作用
・漢方薬にも少しは副作用があります。人によっては、服用時にむかついたり、かえって食欲がなくなるかもしれません。また、動悸やのぼせ、舌のしびれ感などもみられます。症状の強いときは、早めに受診してください。重い副作用はまずありませんが、配合生薬の甘草の大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状です。複数の方剤の長期併用時など、念のため注意が必要です。
・重い副作用……めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください。 ・偽アルドステロン症……だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。
・その他……胃の不快感、食欲不振、吐き気、動悸、のぼせ、舌のしびれ、発疹、発赤、かゆみ

参照 URL:http://www.okusuri110.com/biyokibetu/biyoki_00_00frame.html


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