2009.10.9――コーチから藤本さんへ「旧版・ホームページ」の件


■2009.10.9――コーチから藤本さんへ「旧版・ホームページ」の件

藤本喜弘さま

●先にご指摘いただいた旧版・ホームページの処理法の件ですが、悩みをかかえつつの放置だということを説明して、いいアイディアがあればうかがいたいと思います。この文章はどちらかといえば会員欄での「みなさん向き」に考えつつ書いていきます。
●ホームページのアドレス(URL)変更はよく目にします。古いホームページを整理して、新しいホームページに飛んでもらう仕掛けをいかにしたらスマートになるかという考え方が必要なのは分かります。
●しかしそうしていないのはなぜか。
●何年か前に糸の会への参加を実名のままでいいかペンネームにするかという問題が持ち上がったことがありました。ある人はペンネームの使用に切り替え、ある人はメールでのやりとりを中止しました。
●問題は、本来閉鎖空間であるべき会員ページの中身が漏れ出して、自分の名前で検索するとぞろぞろと出て来るというところからきています。
●じつは会員欄には暗証番号が必要となっていますが、その手のガードは、検索ロボットにはほとんど障害にならないようなのです。ですから会員内でのメールのやりとりとしてホームページに載せたものは、検索ロボットの手によってインターネットの大海原に放り出されていくわけです。
●たとえば「藤本喜弘」で検索すると、たくさんの資格教科書を書いている藤本喜弘さんと糸の会の藤本喜弘さんとが何項目も出てきますが、どれとどれが同一人物なのかはわからないまま、ぞろぞろと出てきます。
●そういうことを私はいわば積極的に放置してきました。「特定多数」の関係ということで、実名あるいは実体と不可分のニックネーム(あるいは芸名、雅号など)を保ちつつ、その固有名詞が圧倒的な検索ロボットの仕事によってインターネットの大海原に流れ出すさまをみなさんにも見てもらいたいと考えています。
●ミニホームページというのもそうですが、会員間のメールのやりとりも含めて、個人的な趣味の世界が世界に漏れ広がるというようなことが、身近に存在しています。漏れて困る人はともかく、そうでないひとは自分の分身たる名前がビンに詰めた手紙のようなかたちで大海に流されて、しかもそれを「検索」という作業で簡単に拾い出せる。世の中の毒にも薬にもなりそうもない固有名詞の漂流を、私はなぜか放置しておきたいと考えています。
●インターネットのそういう漠とした空間に、少しは意味のあるなにかを流し出そうと考えた人は、糸の会へのレポートやミニホームページの作成によってなにか、すこし、自分なりの実験をしてみることが可能です。
●私はそういう人が出てくる受け皿としてのホームページをささやかながら維持しておきたいので、表玄関のトップページを残したまま、検索ロボットには出入り自由の窓のすべてを開けたままにしているのです。
●Googleの検索によれば、新しい「糸の会」は検索ページの2ページ目に上がってきています。これば1ページ目のトップからなかなか落ちない古い「糸の会」に追いついたときには、スパッと切り替えたいと思っています。
●インターネットの世界は奇跡的な検索能力を獲得して、タイトルも本文も、固有名詞という固有名詞が拾われていきます。固有名詞に限らずありとあらゆる単語が検索対象になっているというべきでしょうが、インターネット上に乗せたテキストはズタズタにされた状態でどこからでも検索されます。
●どなたかの名前で検索したときに、一時それが出てこない状態になったとき、「糸の会」と検索していただければなんとか大元にはたどりつけるというふうになるときまで、じっと我慢の子を決め込んでいるわけです。
●最近は検索ページ上のゴミ掃除も早いので、表示されない項目はどんどん抹殺されていきます。ホームページのどのような単語がどのように検索対象となっているかなど、すでに私たちの想像の及ぶ範囲ではありません。
●みなさん、たぶん来年のある日、「糸の会」の古いホームページが検索ページから消滅します。するとしばらくして、いまは検索ページに登場するあなたの名前も消えるはずです。しかし時間が経つと、新しいホームページからふたたび検索ページによみがえってくるかと思うのです。
●だれも頼んだわけではないのに、勝手にそういう親切だか、おせっかいだか、よけいなお世話だかが行われているバーチャル世界の動きの一端をかいま見ることができるかと思うのです。
●私たちの存在がインターネット世界になにか積極的な役割を果たすかどうかはわかりませんが、存在が確認できるということは比較的簡単だということです。
●奮起したい方は、ぜひ自分でブログを立ち上げるなり、いろいろなサイトに出入りするなり、糸の会のホームページにレポートをお寄せいただくなり、ちょっぴりアクティブに動いてみてはいかがでしょうか。
●藤本さん、……そういう曖昧領域に目がいってしまうことから、半端なかたちでホームページを残しています。お化け屋敷探検を強いられたような方への迷惑をどう防げばいいのか、という点でのご指摘かと思います。


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