■2010.6.8-9――やの博子さんからレポート「尾瀬・花旅」
■2010.6.8-9――やの博子さんからレポート「尾瀬・花旅」
2010年6月8日〜9日尾瀬・花旅にでかけた。
糸の会に入って7〜8年にもなる私だが 実はこの有名な尾瀬には 一度も行った事が無かった。
”えっ、行ったことないの?”と びっくりと言うか馬鹿にされ 今回は”花旅”と銘打っているし ここで行かねばと 急いで申し込みをした。今回一緒に行った人の中には もう7回目と言う人もいた。
尾瀬までのアクセスは 新宿発の高速バスが断然安いということで(片道¥3700) 当初の計画を変更して 新幹線を利用せず 新宿駅からバスに乗り込んだ。
この乗り場は 隠れ乗車場のようで 迷うのではないかと思ったが ”JRハイウエイバス”という標識に従えば すんなりと たどりついた。
乗客は私たちの仲間7人とあと男性一人の計8名で 殆ど貸切状態だった。(バスにトイレついてないので 計画される人は御注意を) バスを乗り継ぎ大清水に到着。
12時半 大清水で出発の準備をしていると 現地のボランティアみたいな女性がかけよってきて ビニールのゴミ袋を渡され 道中ゴミがあったら拾って持ち帰って欲しいとのことだった。尾瀬を守る意気込みを感じた。
砂利道を小一時間行って 最初の休憩、一之瀬休憩所に到着。冷えたトマトとかきゅうりが美味しそうだった。私は ここで”くずきり”を食べた。ノド越しが つるっとして美味しい。
木道になり 暫く行くと 残雪が一部覆っていた。前日見た尾瀬のHPにも 木道に残雪有りと書いてあったが 本当だ。
またそのHPによると今は ミズバショウとチシマサクラが見頃とのこと。今年は例年に比べ 10日近く 花が遅れているとも書いてあった。今回は ”花旅”なのでこれは結構重要な情報だった。
間もなく行くと ゆったりとした尾瀬沼が眼下に広がる。そして ミズバショウが両サイドに沢山咲いている。こんなに沢山のミズバショウは 生まれて初めて見る。
湖面は静かで 遠くに 所々雪の残った燧ヶ岳見える。”う〜ん これが 話に聞く 尾瀬沼にミズバショウか”と感動する。
16時少し前に 沼のほとりの長蔵小屋に到着。古い小学校のような建物で 私の好きな山小屋のタイプで 嬉しかった。それに何と言ってもトイレがチョーきれいで しかもウオシュレット付だ。山小屋のトイレとは思えない。6人の女性が寝るには やや狭い部屋だったが あのきれいなトイレが使えるなら それぐらいは我慢できた。
お風呂に入って汗を流すこともできた。小屋の庭にはシラネアオイとかチシマサクラが咲いていて ムード満点、いい感じ。
17時半 夕食。ムラサキイモのデザート付きの夕食も合格点。(体重37kgのOさんが どんぶり飯二杯食べたのには驚いたけど)
食後は談話室でゆったりとコーヒーを飲んだ。この談話室は 懐かしい匂いがした。それはストーブを焚いている匂いだった。そのあと 消灯までの二時間近くは ミーティングを行った。コーチから今までに起こった事件?やら 今後 行われる計画について 話があった。
二日目 6時に朝食を済ませ 7時前に山小屋を出発。天気は快晴とまでは行かないが 曇りで 気温も高くなくまあまあ。いよいよ目指す 花旅の始まり。どんな花に会えるのだろうかと 期待に胸が膨らんだ。この時は これから10時間近くの行動時間になるとは予想もしなかった。
小一時間歩いた所で 休憩。ここで かなり重大な情報を入手することができた。その入手方法は 名付けて”トマト作戦” 絶滅の危機にさらされている幻の花”トガクシショウマ”の生息地の情報だ。私はこの花の存在を この時まで 知らなかったが 貴重な花であることを この時に知り 急にその花が気になり始めた。
そして 説明通りの場所(これは マル秘)に かなりの数の”トガクシショウマ”が 薄紫のような ピンクのような色で うつむきかげんで咲かせているではないか! 可憐な そして優雅な花だ。
尾瀬のHPの中に 2005年の夏に尾瀬で この花に出会った人の手記があるが その人は 来年も会えるだろうか?と危惧していた。私はその人に伝えたい、”2010年夏、出会えましたよ”と。
出会えた興奮も冷め遣らぬまま歩いていくと ケガをした男性がベンチに座り込んでいた。頭から血を流している。聞けば転落したとのこと、しかも単独行。クビには大きなカメラをぶらさげていた。意識もはっきりしているし 大丈夫と言うので その場を一度は離れたが やはり気になり 引き返した。安全な場所まで一緒に戻ることを提案したが 一人で帰れるということで その人がゆっくりと自力で立ち上がり 歩き始めたのを 見届けて自分達は予定のコースを進んだ。蒼白なその人の顔が 頭から離れなかった。
12時 三条の滝到着。予想より水量もあり 見ごたえがあった。この滝へ向かう前後は 岩山だったが シャクナゲの淡いピンクの花とタムシバの白い花がきれいだった、
温泉小屋で山菜うどんを食べた。ムショウに汁っぽいもので 塩分のあるものを体が要求していた。
いよいよ ここからは 木道歩きに専念となった。木道というのは 足を踏み外すとやっかいなので 神経が結構疲れた。 これで 花が咲いてなかったら 単なる修行だ。黄色のリュウキンカと白いミズバショウのコントラストが鮮やかだった。
クマが頻繁に出没しているという東電小屋近辺を通る時は クマ除けの鐘が設置してあったので 何回も鳴らしながら通過した。クマの居住区を我々が通過しているのだから クマも大迷惑だろうけど 今年は 例年よりクマの事故が 多く発生しているので やはり気になった。
竜宮小屋に到着。もう十分歩いたのに ここで半分!と聞き 疲れがどっと出た。脇のベンチに思わず 皆で寝転んでしまった。でも景色は最高。遥か遠くに至仏山、そして反対側には燧山。ここらあたりから 反対側から来る団体と多くすれ違った。 夏のシーズンには 蟻の行列のようになると聞き 今回はそうでなくて良かったと思った。第一 自分達のペースで歩ける。
山の鼻に到着。残り 3.3kmと言う標識に勇気つけられ 一気に 鳩待峠に向かう。平坦な木道を何キロも歩いたし あと少しと分かっていたので 最後の登りは苦にならなかった。
17時鳩待峠到着。7時前に山小屋を出発しているので 10時間に渡る行動時間だった。万歩計は43000歩。およそ30km歩いたことになる。
出会った花は 20種を越え 何と言ってもハイライトは トガクシショウマだったが ミズバショウもリュウキンカもキレイな状態だった。
ジャンボタクシーで 上毛高原に向かう。途中 天然温泉”わたすげのゆ”に立ち寄って お風呂に浸かり そば粉10割の手打ち蕎麦を食べた。
かくして 私の”初尾瀬”は十分なインパクトを私に残し 終わった。
コーチ始め 皆様 ありがとうございました。
★トップページに戻ります