■2010.7.3――はやし智子さんの「イキイキ奮戦記 2」


■2010.7.3――はやし智子さんの「イキイキ奮戦記 2」

いきいき農園に 申し込むにあたり 高齢者とは なんぞや ということを すこしばかり 考えた。
この私が 高齢者向けの そういうことに 申し込んだりしても いいのだろうか。
この私は 高齢者と言って いいのだろうか。
高齢者と あるだけで 年齢のことなどには 一言も触れてはいないのだから  年齢が立派に高齢者であるか
気分的に 多少<私は高齢者だ>と 思う人に 資格があるってことだろうか。
言うまでもないことであるが 私は 自分を高齢者であるなどと 一度だって思ったことはない。

2年ほど前から あわただしいことがあって 63歳は一気に飛び越えてしまい 気がついたら
64歳になってしまっていたために <アレマ 来年65歳ジャン!>と 多少 ショックだった。
62歳は 60歳に近いが 64歳となれば 70歳に近いではないか。 おおざっぱに言って。

ぼちぼち 年金生活者とも成り 容貌も皺がおおくなり 白髪も多くなってきた。
めでたいことも あまりない。 気持ちも萎れてくるが 私の長所は <自分の幸せに対しては貪欲である>ところだ。
これまでは 大変 夫に御世話を おかけしてきたけれどね。今後はね。 という気持ちも大いにある。 
これまでにも 市の公共のもろもろの講座を 私は 利用してきた。
洋裁を一年間 版画を3カ月 ボランティア などなど 数え上げればきりがないくらいだ。
それら 公共的なものは 至れり尽くせりの感があり やったもん勝ち 利用しない手はないと 常々 考えてもいる。

高齢者でもないけれども 申し込んじゃおうっと。
で 見事。合格。

しかし しかし しかし。
この 1ヶ月半の間に 私は トータルして 3回転んだ。3回も転んだ。
最初は 家の中で 自分のベッドのシーツをはがそうとして 足をひっ絡めた。右膝の打撲。
2回目は フィットネスの帰り 映画館目指して走り出したとたん 道路の はじっこの 段差に
けつまずいた。 これで 右ひじ左ひじ 右膝の負傷。 一番 大きく傷付いたのは 私のプライド!

3回目は つい一週間前 我がふるさと 弘前の暗い夜道で転んでしまった。おまけに ベンチに顔をゴツンと 打ちつけた。
これで 治りかけの右膝を さらに打撲し 左膝も本気の打撲 プラス 顔までもが お岩様状態となった。
もう プライドなんて そんなもんは ぶっ飛んじまい ずたずたになっちまった。
転ぶ瞬間 まさしく 悪夢だと つぶやき 不思議でいっぱい。 さらに 明日のクラス会のこと バレエのこと
山のことなどが 脳裏を駆け巡り 気も遠くなってしまった。

一気に こういうハプニングが 私を襲ってくれたが 痛さで嘆き 醜くなってふてくされ 階段の上り下りに
いででいででと ソプラノの私が 地声でうめき・・・・・
それらも ぼちぼちと 落ち着いてみれば・・・・である。

教訓は 色々と 得はした。
行動はエレガントに。 身をひるがえして走り出すな とか ビールはコップ半分までで 間違ってもレモンチュウハイなんか
プラスするなとか あれやこれやだ。
でも なんか変 すこし 違う。
考えるのだ。 智子。 
こういうことをこそ 年をとった・・・と 人はいうのではないか。
年を取るとは 簡単に転んだり 少し飲んだりしても よろけたり 身をひるがえしたとたんに
あちこち そこいら辺のものに ぶつかったり ベンチにしたたか 顔を打ち付けることなのではないか。 もしかして。

そうか。そうだったのか。目からうろこだ。
寝たきりにならない方法とか ボケない方法とか アンチエイジングとか 最近は その辺の情報が
妙に 耳に入ってきて 興味津津だったのだけれど それは 自然のなせる技であったのね。 
<心>は別にしても <身>は 確実に 確実に 私って そちら方向に向かっている・・・そういうことであったのね。
そーか。そーか。
立派じゃん。 立派なもんじゃん。 3回も痛い目に会うなんて。

いきいき農園には 今後は 大きい顔をして 堂々と 参加いたそう。
もちろん 自ら<高齢者です>と 宣言はしないけれども。

泣いても笑っても 泣いても笑っても 人は年齢を重ねるのである。
それが このたびの結論だろーなあと 私は しみじみと 大きく うなづくのである。


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