北八ヶ岳テレマークスキーの持ち物
………1997.3.1-2(糸の会計画書)
■テーマ
●滑る感覚というのが、じつは山歩きに非常に重要なのです。そのトレーニング効果を求めて――というのは半分冗談ですが、冬に晴天率の高い北八ヶ岳で雪と戯れようというのです。ハプニング続出だった昨年の反省で、今年はスキーツアーのための純正講習会をおこないます。麦草ヒュッテの2代目・島立正広さんに講習方をしっかりとお願いしました。全くの初心者と、心得のある初心者とに分かれますから、どちらの方もご心配なく。去年だまされたと思った方も、もう一度、だまされてみませんか?
靴のサイズを事前に麦草ヒュッテに知らせます後出の一覧表を確認して下さい。
■持ち物
●足ごしらえ
スノトレ+ソックス+厚手のソックス+(中厚手のソックス)+貼るカイロ+スパッツ
*気温が-10℃級ですから、貼るカイロ(ミニ)を4枚(2枚×2日)、行動用として持って下さい。
*今回は歩くのは雪の積もった(閉鎖された)国道だけですから、登山靴は不要です。長靴型のスノーブーツでもかまいません。冬の山ではくスノトレはいくぶん大きめのサイズにして厚手のソックスをはくと快適です。
*麦草ヒュッテで借りるテレマークスキー用の靴というのは、革の本格的なスキー兼用登山靴と考えていただければまちがいありません。厚手のソックスのほか、中厚手のソックスも1枚用意しておくとサイズあわせに安心です。
*スパッツは「水仕事用腕カバー」を伊藤が何枚か持参しますので持っていない方も買う必要はありません。
*軽アイゼンなども必要ありません。
●行動着
登山用肌着(上下)+長ズボン+長袖シャツ+セーター
*上はTシャツでいいですが、タイツも必要です。厚さはあまり関係ありませんが、夜もはいたまま寝るということを考えるとドライタイプのタイツが快適だと思います。しかしウールのタイツ(ももひき)があればそれでもけっこうです。女子用の保温性のあるタイツでもいいと思います。
*保温用にここでも貼るカイロをあてにできるので、モコモコにする必要はありません。行動用の下半身暖房用貼るカイロ(ミニ)は4枚(2枚×2日)、それから就寝用に3枚(腰と足裏)あれば快適のはずです。
*ズボンと長袖シャツはウールかウール混紡のものできつくないものを。フリース(ポーラテック使用のもの)なら文句ありません。
*行動用のセーターは古いもので上質の薄いものがありましたらベストです。長袖シャツの内側に着ることも、外側に着ることもできるからです。
●オーバーズボンとオーバージャケット
*ゴアテックスのレインウエアを持っている人は上下をそれでかためます。スキーウエアもこれにあたります。
●防寒用品
セーター(フリース)+手袋+帽子
*しっかりしたセーターかフリースのシャツが防寒着として必要です。これは行動中には着ませんが、休憩時に引っぱり出すことがあるかもしれませんから、これだけポリ袋にくるんで、できるだけコンパクトにしておきます。イメージとしては非常用防寒着という感じです。
*手袋ははめたままザックの開け閉めができ、靴のひもを結べる薄手のものを探してみて下さい。絹やウールの薄いもので古いものがあったら引っぱり出してはめてみてください。これがかなり重要な道具となります。
*防寒用手袋はスキー用でも毛糸のあたたかそうなものでもけっこうです。この機会にというひとは登山用品店でフリースの厚手の手袋(ポーラテック200を使用)を買ってみて下さい。手も貼るカイロで暖められますからあまり心配する必要はありません。
*重要なのは手袋には内側の手首のところに10cmほどのゴムひもの輪をつけておくこと。手袋を外したときに手首のところにぶらさがるようにしておきたいのです。これはきわめて重要な安全対策になります。冬山では手を凍えさせないというのが全体の安全と快適につながるので現地でいろいろやってみましょう。
*帽子は耳までおおえるものでなくてはいけません。毛糸の普通の帽子でけっこうです。
●安眠確保のために――耳栓+(ゴアテックス・シュラフカバー)
●小物
地図+時計+ポケットライト+(カメラ)+(双眼鏡)+ポリ袋+貼るカイロ
*ポケットライトは道に迷ったときのためではありません。山小屋の夜に、トイレに行ったり、ザックの中を調べたりといった手元の仕事用という風に考えて、できるだけ小さくて軽いものを。
*ポリ袋は荷物の整理用として、手つきのもの何枚かと、30リットル級ゴミ袋を1〜2枚を濡れもの整理、濡らしたくないものの防水用として使います。ほかに70リットル級の業務用ゴミ袋を1〜2枚。これは雪上で休んだときに多目的装備として活用できるかもしれません。
*貼るカイロはミニサイズだけにしてください。最低10枚、装備に不安のある人は20枚用意しておいて下さると、寒さに起因する苦痛はほとんど回避できます。
*なお、雪の中で気分良く腰を下ろしたい人は、クーラーバッグなど、片面を銀色にした保温シートの座布団を用意しておくといいでしょう。
●食べ物・飲み物
1日目昼食と昼食用飲料+2日目昼食と昼食用飲料+おやつ
*1日目の昼食は雪のメルヘン街道を歩きながら食べたいと思います。約2時間、散歩気分で歩きます。保温水筒に暖かい飲み物を入れておきましょう。*行動食としては、ポケットに入れておいて歩きながら食べられるようなもので食事代わりの満足感を得られるものを探して下さい。クロワッサンやカステラ菓子、乾燥フルーツ、ナッツ類などから連想していくと、いろいろ思いつくのではないかと思います。
*2日目の昼食はスキー講習の内容との関係でいまは未定ですが、外で食べられる行動食を用意しておいて下さい。
●着替えとザック
*スキー講習会のときに、ウインドブレーカーや水分を持っていけるサブザックがあると便利です。ウエストバッグなどでも、もちろんけっこうです。
*防寒衣類が入って、しかも1泊分となるとザックはふだんより重くなりますが、今回はメルヘン広場から麦草ヒュッテまでの6kmの往復だけです。昨年、ザックを背負ってスキーで下ったことから大トラブルが発生しましたが、今年もそういうことが発生しないとも限りません。軽量化の努力はだいじです。
*それから、冬山用ですから、行動着を着ていると、列車内で暑くてかなわないというようなことになりかねません。温度調節の幅を大きくとれるよう、いろいろ考えてみて下さい。
*となると、ふだん小さなデイパックでやってきた人は、装備が入りきらないということにもなりかねません。そういう人は、この機会にウエストベルトつきの本格的な登山用ザックをお買いになってはいかがでしょう。山小屋泊まりに使えるザックには、小さくても30リットル級、できれば50リットル級でしっかりした腰ベルトがついていて、荷物が少ないときに薄くでき、天蓋がきちんと閉まるものを探します。
*買うときには、恥ずかしいかもしれませんが、見本のザックを背負わせてもらって、まず肩ベルトをめいっぱい締めたときにきちんと締まるかどうか、肩ベルトをゆるめた状態で腰ベルトを腰骨のところで締めたときに気持ちよく締まるかどうかだけは、きちんと確認しておいて下さい。肩から腰までの長さがないと、ウエストベルトがついている機能的な価値が半減してしまうので、どうしても「大きなザック」でないといけないのです。それを大きすぎないように使うのがテクニックになるのです。あとはできるだけ安くて、デザインのいいものを。
●靴のサイズ
*混乱を避けるために、登山靴ではなく、通勤靴や運動靴のサイズを教えて下さい。ワンサイズ上のものを用意してもらい、実際に履いて決めます。悩んだら大きい方のサイズにしておいて下さい。サイズ覧が□印の人はファクスなどで教えて下さい。
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