確認事いろいろ
………1998.7.5(糸の会お知らせ)


■まずはご無沙汰のお詫びから
●今回、「糸の会通信」として年度会員のみなさま全員にお送りするのは、通算673-686ページの「4.1掲示板」につづく「7.5掲示板」です。「ご無沙汰いたしました」と何人もの方に申し上げなければなりません。
●昨年度は、年度会員の方にはこの「糸の会通信」を全ページお送りするというかたちをとっていました。どれにでも自由に参加・不参加の判断ができる環境を整えたいという思いからでしたが、年度の後半は、あらかじめの参加予定者の方々だけに計画書を間に合わせるのがやっとで、残りの方には事後にまとめてお送りするというていたらく。希望する山の資料だけをお送りするかたちのF(フリー参加)と区別がつかなくなってしまいました。
●その反省から、今年度は年度会員の垣根をうんと低くして、会員のみなさんにはこの「掲示板」を不定期にお送りし、山の計画書は求められた分だけお送りするというかたちに変えたのです。
●それもやはり「掲示板」として、ある程度頻繁なお知らせをお送りできての話。先日初参加の能藤さんなどは参加希望を伝えたはずの山の資料がいつまでたっても届かないので忘れられたかと不安になって電話をくださったという具合です。「忘れられているのではないか」という方がまだたくさんいらっしゃるのではないかと思います。年度会費をいただいていながら、申しわけありません。
●どの山を参加希望(○)なのか、資料希望(△)なのかといった確認にはじまって、山行取りやめや参加予定の変更による会計上の残金の動きについても、最近では各山行の参加者名簿にのせるようにしています。ですから山に参加されている方々には確認していただけるのですが、会員登録だけという方にはなしのつぶてになってしまったというわけです。かさねてお詫びいたします。
●したがって今回は年度会員のみなさま全員について、「参加希望」と「会計経過」とを3カ月分、一挙にまとめておきました。間違いがあれば、どうぞご遠慮なく、お教えください。残金の計算違いという指摘をすでに何人もの方からいただいていますから、ほかにもないわけがない、と考えています。いまのところ私が得をするケースばかりなので、逆の例がないはずがないと思います。はっきりと申し上げておきますが、私の、人数の確認や宿の支払いなどに関する計算能力はみなさんからほとんど信頼されていません。どうぞみなさん、ご自身の分だけは疑いの目でチェックしてください。お願いします。


■写真送料に関する考え方
●なお、写真に関しては送料などを加えてお支払いくださる方がいらっしゃいますので、ありがたくいただいておりますが、正式にいえば、写真代に送料は不要です。じつは他のところでは写真の価格も高く設定し、その上で「基本送料」というものをいただいています。……というのは1人当たりの平均注文枚数がまったくちがうのです。他のところでは3枚前後というのが一般的だと思います。
●だから割高にしている……というよりも、山歩きの体験をできるだけ高密度に保存しておきたいと考えて写真をたくさん買っていただくようなかたちになる方は、たぶん糸の会に入ってこられる。そして、ある時期、いいのかなと心配になるほどたくさん注文してくださる場合があるというわけです。10枚以上、ときには20枚というような注文があると、いいのかなあという気持ちになることがありますが、ムダ買いというふうには見えないので、そういう時期もあるというふうに理解しています。糸の会が山歩きの通過体験の場としてある以上、写真がたくさんほしいという時期がそこに重なってくる人があるということは私のいちばんうれしいことですから。糸の会での「公式記念写真」はそういう状態の人に基準をおいて考えています。したがって、みなさんがあまり写真を買ってくださらないようになったら、(たぶん糸の会自体の存在意義を考えなければいけないのだと思いますが)送料も請求させていただきます。
●また、写真郵送用のボール紙などが捨てにくいので困るという声があります。ためておいて送ってくださった方もいます。こういう時代ですから、気になる方は山行のおりにでもお持ちいただければありがたく頂戴します。


■山行予約のしかたと◎○△について
●山行予約に関しては△印をつけた方にちょっと混乱を生じさせてしまうことがありました。山行予定日の直前に計画書が速達で送られてきて、参加・不参加を問われたら、やっぱり気軽に△をつけるわけにはいかなくなります。……ということがわかったので、その後△印は、「参加の予定はないけれど資料だけは読んでみたい」という意味にシフトさせました。したがって「原則は不参加、ひょっとしたら参加するかも」ということで、資料を速達で送るなどしませんから、気軽に△印をつけておいてください。あわてて△印を引っ込めた方がたくさんいらっしゃいますので、お詫びします。
●それと、慣れない方に残金の取り扱いについて申し上げますと、糸の会は月に1度は参加されるという方を基本に考えていますから、当然、参加・不参加は個々の山の内容以前に、糸の会のいつの山行に参加できるかという設定が最初にあって、次にその山が行くに値するかどうか(計画に身を任せていいか)というふうになるのだと思うのです。期待に胸を膨らませる山もあれば、まあ、定例の山だからという程度の山もあるでしょうし、その結果が予想以上の場合も、以下の場合もあります。そのあたりから、今度は糸の会との距離感の変化が生じてくると考えています。
●私はそういう心の振れをだいじにしたいので、予約しやすく、キャンセルしやすいやりかたを第一にしているつもりです。とくにキャンセルは体に無理をさせない、ご家族など周囲の人々に余分な迷惑をかけないようにしたいという意味で重要ですから、最終的には当日集合場所に来なければ自動的にキャンセル扱いになるというかたちをとっています。
●その場合、帰ってから来なかった人の会計欄に取消事項を記入し、その金額を残金に入れるのですが、その作業を忘れたりする危険が、なきにしもあらずなのです。念のために書き添えておきますと、講座料の振込に関しては金額欄にきちんと記録したものの、予約状況一覧のところに◎印をつけるのを忘れるという場合もあります。郵便振替による入金については郵便局側で通し番号を振ってきちんと整理してくれていますから、到着順に漏れなく記入するという大原則を守っていれば事故は起きません。予定どおり山行に参加していただいた分については何もしないでいいわけですから、なにか不都合が起きるとすれば問題はその後の数字の動かしの部分です。勝手ながらチェックしていただきたいポイントです。
●会計項目は必要ならいつでも、最初から全部まとめて出力することができますので、通してチェックしていただくことができます。順序を古い順に、上から下に並べ替えると、動きが見えやすくなります。お気軽に請求してください。(できれば手紙か、ファクスで)


■保険について
●保険については悩みを残したままのスタートでしたが、いまでもそれが続いています。三井海上火災のハイキング保険(年額5,000円)は今年になってもやはり画期的な保険だと思います。今年から、曜日に関係なくなりましたから、休日中心の5,000円と平日も含めた7,000円という分類はなくなりました。
●ただ、年間保険ですから毎月1回以上山にいくという習慣性の山歩きができるようになる以前にはあんがいヘビーに感じるというところ。おまけに山岳保険の流れですから救助費用が中心で、死亡やケガに対する給付はきわめて低いものとなっています。
●それに対して山行ごとにかけている旅行保険(1回500円)は死亡・後遺障害に対して約1,100万円、入院に対して日額5,000円、通院3,000円となっています。理論的には保険の掛け金を増やせば保証を大きくできるのですが、そこは保険ですから、山がらみだと死亡に対しては最低額の1,000万円程度というのが常識のようです。(東急セミナーの講座が突然消えて糸の会が発足するに至った直接の原因は、山関係の講座では死亡に対して1,000万円以上の保険が掛けにくいという現実に本社=東急電鉄が気づいたことからでした)
●そしてもうひとつの、私がいま悩んでいる問題は、真夏の沢遊びや冬のスノートレッキング、山スキーなどが適応になるかどうかの線引きを保険会社のなかなか微妙な判断にまかさざるを得ないという点です。また日動火災で毎回掛けている保険の以前のかたちは入院6,000円、通院4,000円だったのですが、やってみた結果、保険会社がほとんど儲からなかったので保証額を低く押さえたのです。
●実際には糸の会で想定できるのは小さなケガや転んで足まわりを傷めることくらい――と私はいいたいわけでして……、それに関しては一般の障害保険だと治療費が出る上に入院・通院費が出るわけですから、そのほうが正統的です。ただ、合法的かどうかは知りませんが入院・通院の日額の給付は複数の保険でそれぞれに請求できるようですから、そういいう意味では、何かの会員券などにサービスとしてついている障害保険もきちんと管理することが賢いようです。
●しかし、糸の会で事故が起きたときの最低のエクスキュースとして、死亡・後遺障害に対する保険は必要です。主催者たる私自身の立場として、保険をみなさんの自由に、というふうにはできないのです。十分に、というのなら、死亡に対して何千万円とか1億円というような契約が必要かもしれませんが、そういう金額が必要と考える方はどうかご自分で。おそらくすでに手を打っていらっしゃるでしょうから、糸の会の責任者としての私がしておかなければいけないのはかならずしも金額的な充分さではない、というふうにも考えられます。
●けっきょく三井火災海上のハイキング保険が再浮上してくるのですが、年間5,000円の掛け金に対して、死亡・後遺障害が200万円、入院日額1,500円、通院日額1,000円という保証の金額はともかく、遭難・捜索費用が500万円あるのです。最近では低い山の遭難事故でもすぐにヘリが飛ぶようになりましたし、いったん遭難として救助隊が編成されれば救助に参加した人・物に対して費用が発生します。そしてその遭難時、リーダーである私はどうなるかというと、行動の指揮権を捜索・救助隊にゆだねなくてはなりません。つまり、よろしくお願いします、というしかないのです。
●糸の会の遭難は、だれかが足にケガをしたというだけのことからも発生します。地元のみなさんの力にすがり、文明の利器を使って人命だけは守ろうというときに山岳保険系のハイキング保険は有効なのですが、その対象となった人全員で費用を分担するということになります。つまりだれかの保険で500万円まで負担して、足りなければ次の人の、というわけにはいかないのです。対象者全員で割った費用を個々の保険で処理するわけです。糸の会の方で1回ごとにかける保険の人は、そういう場合に問題が出てくるのです。山における平等ということを考えると、いざというときのための保険も基本が同じでないといけないと思います。日動火災の方に何度も申し入れてみているのですが、分母が小さいまま危険度の高い保険は造りにくいというのがホンネのようでうまくいきません。
●そこで、常連のみなさんにはぜひ三井火災海上のハイキング保険にお入りいただきたくお願いします。「三井海上」という看板のある代理店で申し込むこともできますが、三井ビューローの大川淳さんあて電話(03-3755-9718)かファクス(03-3754-7566)で申込用紙を請求してください。今年度から保証金額だけを増額させた7,000円のものも出ました。登山の範囲は「縦走、沢登り、山スキー」と明記されています。また保険の切り替え期日を4月1日としたために途中からの申込みは残り日数分だけでいいようになりました。ちなみに7月中の申込みは5,000円が3,800円に、7,000円が5,200円になります。その金額についても申込書類にありますからお確かめください。


■その他のお詫び
●この「掲示板」ではいただいた手紙をご紹介しています。原則としていただいた手紙、ファクス、振替用紙の通信欄のメモ書きなど、文章として再録できるものは全部のせていく原則なのですが。これがそのまんま半年分たまっています。今回もいくらかは入力してあるのですがなかなか進まずに、それが「掲示板」の遅れの原因のひとつとなっています。何とかしなければいけないのですが、今回は入力分だけ掲示します。必ずしも古い順の入力ではありませんのであしからず。
●最近、長い文章をワープロで打ってファクスでお送りいただいている例が多くなってきたので、できれば電子メールでいただければ、ありがたいと思いますし、ワープロ書きの方には「MS-DOS」にフォーマットしたフロッピーをお渡しできますので、それでいただけるようになるともっと積極的に文集的な側面を拡張できるようなります。たぶん数年後には、糸の会もインターネット上にあるでしょうから、少しずつみなさんの「電子化」もすすめていただくというのはいかがでしょうか。(フロッピーは伊藤のところに捨てたいものがいくらでもありますから、必要な方にはまとめてお渡しできます。裸のまま定型封筒に入れて90円で送れます。元データはワープロに残っているわけですからダメだったらやり直せばいいわけで、何度かやってみれば簡単だということがわかります。
●ちなみに私はそのあたりの分野を仕事のひとつとするライターでありまして、いまマイクロソフト社のホームページをのぞくと、「週刊ダイヤモンド」で連載していた10回の広告連載――BackOfficeが変えてゆく情報システム・全国探訪――というのをごらんいただけるはずです(未確認ですが)。
*http://www.microsoft.com/japan/smallbiz/BackOffice
●今度の、講談社からの本『がんばらない山歩き』(すみません、発行日は7/3現在、まだ未定ですが、7月末か8月初めには発売になります)のブックデザインは鈴木一誌さんですが、鈴木さんの事務所でカバー写真から、何から何まで全部をマッキントッシュパソコンで仕上げてくれました。鈴木さんはいま印刷の完全電子化という大嵐の中で日本語をどう扱って行くべきかというデザイン原則について積極的に発言しているトップデザイナーです。その世界では鈴木さんが提案した「ページネーションマニュアル」が多くのデザイナー、編集・印刷関係者の重要な指針となっています。この「糸の会通信」が鈴木一誌さんのデザインコンセプトの内側に入るころには、糸の会のデジタル化もかなり大きく進んでいると私は想像しているのですが、どうでしょうか。


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