出版記念会
………1998.8.1(糸の会お知らせ)


*写真は、鈴木一誌さんが撮っておいて下さったものです。本来はカラーでプリントしたかったのですが、アプリケーションとのマッチングが悪いので、やむなく白黒写真にしました。

●8月1日(土)午後6時半から中目黒スクエアという住民集会施設を使って『がんばらない山歩き』の出版記念会を開催させていただきました。著者が主催するこの会について、案内状では次のように書きました。
★かくして細々と、山歩きへの関心が何冊かの単行本となってきたのですが、今度の本は1995年秋以降に山歩きにご一緒した方々へのひそかな観察から生まれたといっていいのです。写真もたくさん使っています。
★そういうわけで、みなさまのおかげでまとまった本であることを明らかにして、著者としてお礼を申し上げたいのです。
★そこで出版記念の会を企画しました。ふつう出版記念パーティというと発起人が呼びかけて著者を祝うというかたちになりますが、今回のものはちがいます。著者が会場と食べものと、本を手配します。その費用を会費として負担していただいて旧交を温めていただくという場にしたいのです。基本的に山歩きをご一緒した方々にこのお知らせをさしあげますので、おいでいただければ幸いです。

●けっきょく人数は私たち主催者もふくめて64人となったのですが、当初30〜40人と考えていただけに「大人数」の集まりになりました。一番大きな部屋が空いていたのがラッキーでした。
●会場を確保し、届けてもらう食べ物や飲み物の手配まで終えたものの、当日の最後の買い出しに手間取って、主催者が会場に着いたのは6時を10分以上過ぎていたでしょうか。もう何人もの方が集まっていましたが、カレー屋も酒屋も請求書をもって時間どおりに届けてくれていたので、清川さんがとりあえず勝手に受付をして会費を集め、払うべきものを払い、会場をあけてくれたところでした。
●もうほとんど開始時刻に、集まった皆さんで会場づくり。みなさんが勝手に準備をととのえてくれました。レンタカーのライトバンがはちきれんばかりの荷物に振り回されていた私が会場に上がったときには、もうほとんど会場はできていました。
●カレーと、果物と、飲み物だけというシンプルなメニューに「式次第なし」という、ほとんど無策の会でしたから、どうなることかと思っていましたが、みなさんおたがいに場を盛り立てて下さって、私はナンを半分食べたくらいで、ほとんど隅っこの方でうろうろしていました。
●だいたい、カメラもビデオもみんな忘れてきたくらいですから、会場で、なにがどう進行していたのかも、じつはあまりみていません。ふだんとは別人のような皆さんが、ひらひらとあっちへいったり、こっちへきたりという感じを、いくぶん呆然と眺めていたという感じです。
●ただ、はっきり覚えているのは、8時を過ぎたところで料理を片づけようということで、残ったカレーを皆さんに自由にお持ち帰りいただこうということにしたら、じつにみごとにきれいになったことです。そのあとはティータイムという予定だったのが、もともと会館の湯沸かし器が故障ということからのやりくりだったのですが、お湯があまり自由にならなくて、尻つぼみの雰囲気になっていってしまいました。

●ほんとうは中締めというつもりだったのですが、みなさんの行動力が再び遺憾なく発揮されて、会場がたちまち体育館のように広々とした空間になってしまったものですから、なんとなく大きな輪になったまま、挨拶というかたちになってしまいました。突然指名したフリー編集者の鷲巣俊子さんの感想がファクスで届いています。
★先日は、じつに楽しい「文化祭」でした。伊藤家の皆様の大奮闘のおかげで、おいしいカレーもおなかいっぱい食べられて、ビールも入り、「うーん、満足」とすっかりいい機嫌でいたら、いきなり「企画者の鷲巣さん」とかいわれて「おっとっと」となってしまいました。
★「えー、伊藤さんは大学のゼミが一緒で、伊藤さんは最初は出てきたのですが、青ヶ島に調査に行くといっていなくなり、それから顔を見なくなりまして……」とか始めた方がよかったと後から思いましたが、なにしろ、参加者の皆さんの若さと、楽しそうなパワーに圧倒されてしまって、あの時は何も出てきませんでした。また、鈴木さんたちデザイナーの苦労、とくに立体化の工夫には触れるべきだったと思いました。まったく至らなくて申し訳ありませんでした。でも皆さんには、本をご覧になればわかっていただけると思います。
★写真から、何となく山歩きのスタイルのイメージがこちらの頭の中にあったようで、皆さんの華やかさに、すっかり、著者や制作側より「参加者の皆さんが主役だ、こりゃあ」と思ってしまったのでした。

●最後に妻からの長いお礼。
★あの日、皆様より先に会場に着けなかったこと、お酒のおつまみを忘れたこと、お茶の用意が整っていたのに専用のテーブルを作らなかったこと、等々と、冷や汗が出るような反省ばかりです。何とも申し訳ございません。
★皆様の印象を息子は「行動的な方ばかりだねえ!」と話しておりましたが、出席された方々の手や足が動き出すや、アッという間にテーブルがセットされ、楽しい時が流れ、そして瞬く間にチリひとつない部屋にもどり、まるで魔法のような一夜でした。
★インドの方の焼いた大きなナンを喜んで下さったり、6種のカレーの中でこのカレーが好きと言っていただいたりで、ホッとしました。
★私がひそかにアイディア勝ちだったと思っておりますのは、長野県下高井郡で健康で安心な果物をと、一家でがんばっておられる山崎信一さんからあの日に届いたソルダムと桃です。
★その昔、倉敷民芸館の館長だった外村先生に機織りを習っていた時に、桃畑に連れていっていただき、生まれて初めて、あのもじゃもじゃの桃を皮ごとかぶりついて感激したことがありました。山崎さんの果物ならば……と思ったのです。ソルダムは畑に行ってみて未だあったら送りますということでしたので、届いたことがラッキーでした。
★山行きの写真でお目にかかっているたくさんの方々にお会いできて、ああ……こういう方々に伊藤は支えられているのだなあと思いました。幸せそうな伊藤の顔が思い出されます。
★布を敷いていつのまにかお花や色紙を飾ったコーナーを作って下さったり、手料理を持ってきて下さったりと、皆様のお気持ちやお心遣いが嬉しかったです。本当にありがとうございました。
★支援したいので山崎さんの宣伝です。これから巨峰、キウイフルーツ、くるみ、りんご(さんさ、つがる、千秋、ジョナゴールド=おすすめです、王林、北斗、ふじ)。5kg(16-20個)で2,200円+送料から。FAX0269-33-5779、電話0269-33-0772。


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