奥久慈・男体山――2007.11.13-14(火水)


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◆糸の会山行[536]――11e
◆奥久慈・男体山
なんたいさん……654m
2日目_車道12p+登り10p+稜線38p……60ポイント
日の出0612、日の入り1632……11.13水戸で
◆常磐線・水戸駅から……2007.11.13-14(火水)実施


●1日目は水戸駅からレンタカーで北上。
●カーナビに導かれてそば産地・金砂郷(現・常陸太田市)の湯けむりの郷を一瞥。「丸太小屋」に開店直前に着いたので食事。大方のみなさんはけんちんつけそば。伊藤は納豆そば。うどんを頼んだ人もいたがおいしかったとか。ネット上で有名な店で、つぎつぎに常連客らしき人々が訪れたが、駅そばふう乱雑さをちょっと感じた。
●矢祭町は、木造の古い役場でパンフレットをいただいたが、田舎風の観光パンフで写真はあるが情報量は少ないというたぐい。国道118号線に面した役場の周辺は古い商店が軒を連ねた感じがあって、ちょっと目をひくが、周辺のたたずまいにはありふれた田舎町という以上のものは感じなかった。
●せっかく来たのだからFさんが本を寄贈したという「もったいない図書館」はのぞいておこうと探し当てると、この3月で勇退したという前町長の行政スケールを目の当たりにするものだった。
●JR水郡線・東館駅の駐車場先にある大きな建物がそれで、入るとまずふつうの図書館。別棟の収蔵庫とつなぐガラス張りの廊下には、本を寄贈した人の名が刻み込まれてFさんの名もあった。
●しかし、それからがたいへん。寄贈者の来訪とあって、収蔵庫を見せていただくと、42万冊といわれる寄贈本を可能な限りきちんと収蔵しようという元町長の考えで、収蔵ラックが電動式、手動式と完備されていて、収蔵できない汚れ本やカビのものを除くと、ダブりも含めて受け取ったものはすべて保存したという律儀さ。建物はシンプルだが、本の重量を支えてびくともしていないところを見るとしっかりした構造計算に基づいている。収蔵ラックはどこもスムーズに動いていた。
●福島県の矢祭町から茨城県北茨城市の五浦(いづら)へ。カーナビにしたがって国道349号から289号へと進んで約60km、勿来で国道6号に出た。五浦はそこから5kmほど。約2時間のドライブは国道とは思えないワインディングロードで、時折現れる小さな集落も表情豊か。
●午後4時過ぎに茨城県天心記念五浦美術館に到着すると、駐車場の整理係が4時半までなら入場できるというのでその気になると、その日、11.13は茨城県民の日とかで入館無料。しかも開館10周年記念で「大倉集古館の名宝」展開催中。なんだかすばらしく得した気分になった。
●宿は細い道の奥の奥に戦前からあったという友の湯という温泉小屋をもつ友の湯旅館。猟師らしき入浴客の会話はほとんど理解不能だった。宿を取り仕切っているおかみさんは少々早とちりながら、気が良くて働き者。娘さんも手伝って豪華あんこう鍋の夕食となった。

●2日目は、カーナビに誘導を頼むと高速道路を那珂インターまで戻れということだから、ほとんど水戸まで戻った状態で昨日と同じ道をたどって大子町の登山口・大円地へ。道路脇に仮設トイレ付きの駐車スペースがあって、すでに10台ほど駐車していた。
●1010大円地(約200m)出発。健脚コースに入り1030-35休憩(約320m)。男体山山頂は1145-55-1200。
●山頂では従来のテレビアンテナのとなりに地デジアンテナがちょうど建てられているところだった。そのアンテナが大円地からも見上げられたが、大子町方面からも見えるのでドングリの背比べ状態の男体山が見つけやすくなった。ちなみに山頂直下にあったオブジェふうの枯れた大木は倒れて斜面に横たわっていた。
●1200山頂を出発して、1235-40休憩(トイレ)。1255標高約550m地点からの下り。春にイワウチワが咲くあたり。1330-40休憩。1415-20第2展望台。1430第1展望台(422.7m三角点)通過。1455-1505ルート全体を見渡せる展望岩稜。1515月居山(城跡)。1610袋田の滝・観光展望台。
●袋田の滝土産物店街にある滝味の宿・豊年満作で入浴し、その間タクシーで車を取りに行く予定が、入浴が1600までとなったとの張り紙があってだめになった。全員で移動することにしてフロントにタクシーを2台頼んだら袋田タクシーは1台しかないとのこと。気を利かせて大子から呼んでくれたが、来たのは袋田タクシーと茨交県北バスのタクシー。じつは袋田タクシーも茨交県北バスで同会社。ホテルマンがそのあたり、知らなかったようだ。袋田の滝から大円地までは4,500円。
●大園地から素直に下って湯沢温泉からJR西金駅へと出ればよかったのだが、陸橋をくぐって立派な道がのびているのでそれをたどった。奥久慈パノラマラインという名前で山ひだを律儀にひろっていくうえに、カーナビにデータがないので空白地帯を突破している感じ。20分ぐらい遠回りした感じで、湯沢温泉から西金駅へ出て、水戸へと向かった。
●水戸でスーパー銭湯・やまの湯に入り、1930過ぎから食事を割烹魚政(029-221-3317)の予定にした。ところがいざ風呂から上がってみると、計画書にある常磐線特急の上りは1952が最後。高速バスの最終便は2000となっている。あわてて駅に直行した。
●じつは上りの特急はそのあと2027、2052、2127、2150と4本もあったのに、なぜか計画書に書いてなかった。駅前で高速バスには間に合ったのでひとりはそれで帰り、残りは次の特急に。
●じつはそのあわてぶりは、レンタカーの営業所が2000に閉まるということとも関係していた。食事の待ち時間に返すというぎりぎりの予定がもともとあって、それが駅まで直行となったので情報を確認する余裕がなかった。なんとか車を返して駅にいくと、メンバーたちと合流できた。メンバーたちは閉店間際の弁当屋で弁当が買えたけれど、私は駅ホームの売店で売れ残りの3個のおかずパン、という結末。計画書は手抜きしてはいけない。


◆集合
●11.13(火)7:50……上野駅・16番線ホーム・中央7号車乗車口

◆ポイント
●紅葉狙いの奥久慈・男体山です。すでに袋田の滝は秋の観光シーズンというニュースがあります。ここのところの冷え込みでにぎやかな赤が出てきてくれれば、最高です。落ち葉を踏みしめて歩く楽しさも乞うご期待。
●これまで奥久慈・男体山というと1日目の腹ごなしに苦労してきました。金砂郷のそばフェスティバル、高鈴山、八溝山、水戸であんこう鍋など。今回は矢祭町と五浦のあんこう鍋です。
●福島県最南の矢祭町は「市町村合併をしない矢祭町宣言」で一躍有名になりましたが、補助金カットの兵糧責めに革命的な行政サービスで耐えてきました。全国からの寄贈本40万冊の図書館もあります。そして住基ネットに不参加表明と地方行政の先頭を走る町です。伊藤自身の「どうしても見てみたい町」ですので、なんとかみなさんをそこへ引っ張っていきたい。そのためにレンタカーを使用します。
●泊まりは北茨城北部の、岡倉天心で有名な海岸・五浦(いづうら)です。ここも結構混んでいるようですが、温泉旅館を確保しました。もちろん夕食はあんこう鍋です。
●2日目はスタンダードな男体山→袋田の滝縦走です。
★たぶん心配する必要はないでしょうが、レンタカー使用のため定員は最大9人です。

◆往路
0800上野始発(常磐線特急_スーパーひたち7号_仙台行き)……0919水戸
0800上野→0820松戸→0919水戸
*レンタカーで那珂川を遡上します。

◆現地行動
●第1日(11.13)
車で水戸→矢祭町→五浦海岸(食事は現地でそばなど)
●第2日(11.14)
0700ごろ_朝食
0800ごろ_出発
1000ごろ_大円地集落を出発……登り10ポイントを1時間半として
1130ごろ_男体山……稜線38ポイントを5時間として
1630ごろ_袋田の滝
*入浴、食事
*レンタカーで水戸へ

◆往路参考
●山手線
上野←4秋葉原←6神田←8東京←20品川
上野←4日暮里←16池袋←21高田馬場←25新宿

◆帰路参考
●常磐線特急(水戸→上野)
1727→1835、1752→1908、1827→1935、1852→2004、1927→2035、1952→2104
●高速バス(水戸駅北口→東京駅八重洲南口、2,080円、029-231-5268)
1710→1949、1800→2039、1900→2139、2000→2239
●高速バス(水戸駅南口→新宿駅新南口、2,080円、029-231-5268)
1730→2010(これは例外的に東京駅日本橋口)、1930→2208

◆費用の目安
●1日目
JR_上野→水戸……2,210円
特急自由席_上野→水戸……1,300円
レンタカー(2日間)……1台21,000円〜42,000円
宿泊_平潟港温泉・友の湯旅館(1泊2食付き)……10,650円
●2日目
JR_水戸→上野……2,210円
自由席特急券_水戸→上野……1,300円
*ほかにレンタカーのガソリン代などがかかります

◆電話
●そば(金砂郷)
金砂郷町・丸太小舎……0294-76-2472……1100-売り切れ_休日定休_不定休も_納豆そば、けんちんそば
西金砂湯けむりの郷・金砂庵……0294-76-9907……1100-1500_無休_金砂郷町公営_温泉施設に隣接_土休日に十割そば
●そば(大子町)
もみじ苑……0295-72-3993……1030-1900_夏期無休_月待の滝
●食事(大子町)
寿昌庵けん坊……0295-72-2007……不定休_昼のコース3,500円〜、夜のコース5,000円〜
●宿泊
平潟港温泉・友の湯旅館_0293-46-0551
●タクシー(袋田駅)
茨交県北バス・袋田タクシー袋田駅案内所_0120-560867_02957-2-2835
●湯(袋田駅)
月居温泉・滝見の湯_02957-6-0373_0800-1800_350円_無休 
関所の湯_02957-9-1126_0930-2000_700円_月末木曜定休
豊年満作_02957-2-3011_1,000円_不定休
大子温泉・森林の温泉……02957-2-3200……1000-2000_700円_第1/3水曜日定休
●湯(水戸)
やまの湯_029-244-1126_1000-2400_530円(平日430円)_第3月曜定休_スーパー銭湯_県庁近く

◆持ち物
★食べ物・飲み物――水筒+行動食1食(2日目昼食。コンビニで購入可能)+おやつ
★2日目は朝食が弁当になるかもしれません。
★冬の天気になることもあります。軽い保温着が必要になります。
秋季小屋泊まり標準セット
●足まわり……運動靴(軽登山靴など)+非常用として軽アイゼン
●行動着……ドライタイプの登山用Tシャツ+長ズボン+長袖シャツ
保温着……手袋+耳覆いのある帽子+フリースシャツ+スペアのソックス+貼るカイロ
●雨具……折りたたみ傘+ゴアテックスレインスーツ
●小物……地図+健康保険証コピー+時計+ポケットライト+ダブルストック

◆ルートシミュレーション
●地図は国土地理院1:25,000地形図、白河12号-1(ふくろだ)、白河12号-2(ておおなかしゅく)、を90%縮小で使用しています。
●シミュレーションマップ上の○印は予定したルートが太い等高線(50m)を横切る地点を中心にした半径50mの円。数字は100m単位の標高です。◇印は山頂から山裾に向かって地図上で計った距離。ごくラフな計り方で500mごとに印をつけてあります。この地図情報の一番簡単な見方は、○印と◇印をどちらも1個(1ポイント)7.5分(2個で15分、8個で1時間)と概算して、山歩きの時間目盛りとする方法です。
●なお、下りは道の状況によって登りの70%と見積もるのが現実的です(高速下山路では50%、難易度の高い場合は100%とすべき例もあります)が、計画段階では登り時間にしておいて、余るようならリーダー権限の予備時間として自由に使うという考え方をしています。




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