金時山――2008.1.15(火)
◆ここをクリックするとこの山行の写真ページが開きます
◆糸の会山行[546]――1d
◆金時山
きんときさん……1,213m
登り16p→稜線12p→下り15p……43ポイント
日の出0650、日の入り1651……1.15横浜で
◆小田急高速バス・乙女峠バス停から……2008.1.15(火)実施
◆葦原ボーイさんのブログへ
●1130乙女峠バス停を出発→1210-15乙女峠→1250-55長尾山→1345-1430金時山山頂
●乙女峠バス停近くのドライバー向け気温表示計は0度(C)と1度をいったり来たりしていたが、薄日が差して風がないということもあって、暖かかった。5度前後という感じがした。
●登山道に入ると道には立派な霜柱が立っていて、昨夜あたり雪が降った気配も。気温は私のポケット温度計で3度前後という感じ。テスト参加のSさんに登りの歩き方を語りながら乙女峠へ。
●乙女茶屋を見下ろす休憩所でも風はない。箱根側は大涌谷の噴煙がよく見えるけれど、神山は雲の中。富士山側は裾野は見えるけれど、上は完全に雲の中。周囲の木々には霧氷が着いていたが、溶けかかってつるりとした氷の状態。上から雪が薄くかぶっている。
●長尾山への道は、霜柱が溶けかかっていて、泥濘化しつつある気配だが、慎重に歩けば滑らないという程度。
●長尾山の一帯では霧氷の林に取り囲まれた雰囲気があって、場所によっては本格的な霧氷風景が展開すると予感させた。霧氷は過冷却の霧の通り道でより大きく成長する。稜線上ではその風の通り道が意外にデリケートに変化することが明らかになる。
●それは金時山頂と最後に向かい合う尾根のあたりで現実のものとなり、幅2cmほどもある氷の薄い帯を風上側に伸ばした霧氷があたりを白い風景に変えていた。
●いつも悩むことなのだが、金時山山頂には静岡県代表の金時茶屋(金時娘の茶屋)と神奈川県代表の金太郎茶屋がある。どちらかへ入るとしてどちらにしようか。
●事前にみなさんに聞いたところ、半分の人はすでに金時山に来ているという。私は神奈川県側へ行くけれど、初めての人は有名な金時娘のほうへどうぞ、ということにして、45分の休憩とした。
●ちなみに「金時娘」というのは誤解を受けやすいので説明すると、一般名詞としてなら「元金時娘」としないといけない。しかしその元金時娘さんは「昭和天皇が直接『あなたが金時娘ですか』といってくれたので、金時娘は固有名詞」と主張する。
●新田次郎の小説『強力伝――二十世紀最後の職人の魂』の主人公は富士山強力の代表選手として白馬岳山頂に設置する180kgもある山岳方位盤を運び上げるが、早死にする。そのモデル小宮山 正さんの娘が若くして「金時娘」として茶屋を切り盛りするようになった。
●そういう背景もあって有名人だ。ちょっとアクが強いけれど、それがまた印象を強くしている。
●私はそのアクの強さがいやなので、判官びいきで神奈川県側にいってしまう。今回は結局ひとりだったが。
●入口で、腰の曲がったおばあさん。それが50年金太郎茶屋を切り盛りしてきた女将だった。事情通の客のひとりに小さな声で聞いてみると、転倒して、腰がまがってしまったという。それでも毎日朝4時に起きて登って来るという。
●84歳の、腰がほとんど90度曲がってしまった女将がひとりで山を下るという、ちょうどそのときだったようだ。公時神社方面に下って、ジムニーを運転して帰るという。途中で出会ったら、金時伝説の山姥が出現したような異様な光景と写るに違いない。
●山頂の茶屋は、いまはどちらも(それぞれの所属県側から)ケーブルを設置していて、荷揚げができる。しかしそれ以前は水まで自分で運び上げたという。それを家族やお客さんの協力も得ながら、半世紀にわたってやってきた。
●県境をはさんでお隣さん同士、娘と嫁の違いはあっても火花を散らすライバルとして戦ってきたともいえる。金時娘側では、金太郎みたいな息子を見たことがある、金時嫁側には新しいお嫁さんだろうか、パワフルな感じの女性が後を継いだように見える。金時山の山頂も、大きく変わろうとしているようだ。
●私は積極的に世間話をするタイプではないのだが、この山頂ではどちらの茶屋に入っても、いろいろな話が耳に入る。
●金時登山最高回数の「3,500回」という札をかかげた田島笑子さんの話題が出ていた。永らく静岡県側の茶屋に記帳していたのだが「いろいろあって」最近こちらの茶屋に移ったという。「向こうの名札がはずされた」という話を聞いたその直後に、ご本人のエミコさんが現れた。気軽な散歩という雰囲気でやってきて、みそ汁を頼んで記帳している。「78回」と書いていたので直接聞いてみると「3578回」の意味とのこと。
●茶店内の話題は登山回数2番目の男性のことになったが、後で聞くと、ちょうどそのとき金時娘の茶屋に現れて、私の仲間たちはいろいろ話を聞いたようだ。
●金時山は健康祈願の山だというが、その説得力がふたりの元娘と元嫁の365日の奮闘によって強烈に表現されてきた。おふたりの最後の奮闘を祈りたい。
●1345-1430金時山山頂で休憩→1515-20矢倉沢峠→1540-45-55金時山登山口(別荘地最上部)にて装備整理→1630箱根温泉山荘・なかむら
●下りの道は急斜面にもかかわらず、岩っぽくてすべりにくく、土もさらりとして歩きやすかった。計画では2時間(登り)としたけれど、たっぷり休憩と風呂までの道を含めて2時間という結果になった。
●なかむらはとにかく湯がいい。箱根では引湯数が多くて湯が薄められているということと、大涌谷に水を引いて噴気に当てて温泉としているなど、苦労が多い。なかむらは湯元なのでもちろん掛け流し。そのときどき湯温が変化するというが、水で薄めることをしないのでかならずしも適温とはかぎらない。浴槽を仕切って、湯温を下げる古典的な方法をとっている。
●時間に余裕があったのと、下山口から一番近いホテル・マウントビュー箱根が最近リニューアルしたらしく、川涌(かわら)の湯への日帰り入浴がしにくくなった。その先の湯遊の里・南甫園はどうも取り壊しの最中だったのではないだろうか。なかむらに電話したら午後7時までならどうぞ、というので安心した。ただし電話は0460-4-6012の局番が変わって0460-84-6012になった。
●小田原行きのバスに乗って駅前広場の天金へ。「元気な爺さん板前たちと元気な姐さんの元気料理」などという前説で繰り込んだが、板前陣はかなり若返りしていた。私は鰺寿司(6巻・1,300円)と天丼にしたが、天丼よりそばにしたほうがよかったかも。アジの握りは素直でやはり好みだった。みなさんはおおかた鰺たたき定食。
●千葉組は東海道本線の快速アーバン(1951小田原→2104東京)で、東京組は小田急線特急はこね46号(2005小田原→2113新宿)で帰途についた。
◆集合
●1.15(火)8:50
……新宿駅西口・小田急ハルク(ビックカメラ)前・小田急バス乗り場です
*0900始発の小田急高速バス・箱根行きに乗車します。このバスは予約制ではありません。
*乗り場は、JR新宿駅西口から1階正面に出ます。右手に小田急ハルクが見えます。ハルクの前に出ると、たぶん一番手前(横断歩道橋の陰)のバス停(35番ポール)です。
◆ポイント
●真冬の金時山です。もし雪がついていれば乙女茶屋からの稜線は歩きやすいと思います。天気によっては霧氷の白い花も期待できるところです。
●下りは一番短い仙石への道をたどります。
◆往路
0900新宿西口・小田急ハルク前始発……1054乙女峠(1,790円)
◆現地行動
1100ごろ_乙女峠登山口を出発……登り6ポイントを1時間として
1200ごろ_乙女茶屋……稜線12ポイントを1時間30分として
1330ごろ_山頂
*せっかくですから茶店で昼食(1時間)
1430ごろ_山頂出発……下り15ポイントを2時間として
1630ごろ_仙石バス停
*入浴は仙石原で、と考えています。
*あるいは小田原に出て食事にするかもしれません。
*当日、時間など見ながら考えます。
◆費用の目安
小田急高速バス_新宿→乙女峠……1,790円
bus_仙石→小田原……970円
小田急_小田原→新宿……850円
*特急券_小田原→新宿870円
◆電話
●入浴(仙石原)
仙石原・マウントビュー箱根……0460-4-6331……1030-1500_1,100円_仙石原文化センターバス停前_川涌(かわら)の湯
湯遊の里・南甫園……0460-4-8591……1000-1900_水曜定休_1,000円_食事可_仙石原・仙郷楼前バス停
箱根温泉山荘・なかむら……0460-4-6012……1,000円/休憩つき2,000円_仙石原・仙郷楼前バス停から徒歩5分_源泉の濁り湯は最高の部類
●食事(小田原駅)
天金……0465-23-0261……駅前の大衆割烹_アジ寿司、豆腐
だるま……0465-22-4128……1100-2000_無休_小田原駅から徒歩7分、市民会館_活アジ寿司1,680円/天丼1,000円/定食1,680円〜
◆持ち物
★食べ物・飲み物――水筒+行動食+おやつ
冬季日帰り標準セット
●足まわり……運動靴(軽登山靴など)
●行動着……ドライタイプの登山用Tシャツ+長ズボン+長袖シャツ
●保温着……手袋+耳覆いのある帽子+フリースシャツ+予備靴下+貼るカイロ
●雨具……折りたたみ傘+ゴアテックスレインスーツ
●小物……地図+健康保険証コピー+時計+ポケットライト+ダブルストック
◆シミュレーションマップ
●地図は国土地理院1:25,000地形図、横須賀13号-3(せきもと)、静岡1号-1(ごてんば)を原寸で使用しています。
●シミュレーションマップ上の○印は予定したルートが太い等高線(50m)を横切る地点を中心にした半径50mの円。数字は100m単位の標高。◇印は山頂から山裾に向かって地図上で計った距離で、ごくラフな計り方で500mごとに印をつけています。
●一番簡単な見方としては○印と◇印をどちらも1個7.5分(2個で15分、8個で1時間)と概算する時間目盛り、あるいはエネルギー目盛りとしてみて下さい。
●なお、下りは道の状況によって登りの70%と見積もるのが現実的です(高速下山路では50%、難易度の高い場合は100%とすべき例もあります)が、計画段階では登り時間にしておいて、余るようならリーダー権限の予備時間として自由に使うという考え方をしています。
★トップページに戻ります