石裂山――2008.6.24(火)
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◆糸の会山行[572]――6c
◆石裂山
おざくさん……879m
登り14p→下り17p……31ポイント
日の出0423、日の入1903……6.24宇都宮で
◆東武日光線・新鹿沼畑駅から……2008.6.24(火)実施
■2008.6.26――矢野 博子さんからレポート「石裂山」
梅雨の合間に東武日光線沿いにある”石裂山”に登った。これで”おざくさん”と読む。
数年前から山歩きを始めた私は勿論初めて耳にする名前。この山は漢字をみても発音を聞いてもあまり 楽しそうなイメージは湧かないが果たしてその通りだった。
ただコーチの資料によれば 登り二時間、下り二時間。標高差も500mあまり。急な階段あり、鎖ありと書いてあるけど 何とかなるかなと あまり深く考えず 予定より30分早く10時35分加蘇山神社を出発。
品の良いコアジサイが所々に咲いている。20分も歩くと どこからか異臭。なんかクサイなと感じながら歩を進めると 先頭の方から登山道に”鹿の死体!”との騒ぎ。防護ネットにツノでもひっかけて身動き取れなくなって そこで息絶えたのか 目をそらして足早に通り抜ける。ただし 帰りもここ通ると分かるとあまり嬉しくなかった。
前日の雨で水量が増している沢の流れに沿って 一時間ほど歩くと大きな看板。”この山では転落事故が5回起きています。3名が死亡してます。十分気をつけて登ってください” 目の前にはだかる長い急な階段に目がテンになった。 ”まさか あれ登るの?”
次から次へと岩にへばりついた鎖をたよりに登って行った。 実際登り始めると 下で見上げていたよりは アルミ製の階段は頼り甲斐があった。大きな岩の中の奥の院というのは 何か別世界のようで心が落ち着いた。
しばらく尾根を歩いて石裂山に14時10分着。途中 にわか雨にあって皆で雨具をつけたが直に雨が上がり みな雨具を脱いだ。湿度が高く 汗だらだらでとてもゴアなど着てられなかった。
難所がいくつもあり皆がゆっくりと安全に通り抜けるので今回は参加者11名なので終わってみると6時間かかっていた。雨で濡れた岩はおそるおそる歩くしかなかった。数名が足を滑らし 尻もちをついた。
3〜4名位のパーティだったら一時間以上は短縮していたかもしれない。景色や花に歓声をあげる機会はあまりなかったが 安全に歩くことに全神経を注ぎ 緊張した一日だった。16時半下山。
下山後のお楽しみは 厚生年金の宿”ウエルサンピア栃木”で入浴。500円(回数券で450円になったが)は安い。今までの緊張が一気にほぐれる。
食事は 天ぷら派と豚肉のソテー派に分かれたが 誰がみてもソテー派の楽勝。コースで1400円は得した気分。
帰りの電車の中では F氏が”おいしい焼きソバの作り方”のレシピを皆に配ってくれた。それはそれは丁寧に分単位で手順が書かれていて驚いた。この通りに一度作ってみよう。
月に一度の山歩き。お世話になりました。来月もよろしくお願いします。
■2008.8.18――山咲 野乃香さんから「石裂山、あれこれ」
石裂山のぴかぴかアルミ製、階段状はしごには驚いた。
そのはしごがなければ、絶対無理。そのはしご様のおかげで登ることができるのです。
大体、死亡事故が起きたのだから! 本当にありがたい代物に違いない。が、しかし苔むす巨大な岩塊とは対極にある人工物。周辺とのあまりのミスマッチにかなりの違和感。
おかげさまで登れるのにね、心の片隅で、こんなものなしで、信仰篤き、身命をとす覚悟の人だけが登るにふさわしいのではという思いがよぎる。
そういえば、17才の頃初めて立山黒部アルペンルートに行った時のこと。
美しい山並みのドテッ腹に見事に貫通しているロープウェイが、非常に醜悪に見えた。
その恩恵に浴しながらも、紫に輝くつるぎと雄山山頂を仰ぎ見ながら、壮大な自然破壊に胸が痛んだのを思い出す。ホント、人間は好き勝手するよなあー、という感じ。
ウホッ、「人類の地球に与える負荷」まで飛躍しそう!
閑話休題。
ぴかぴかはしごと正反対の全き自然物の発見もありました。
シカ状の死体。有機物特有の腐臭。半悲鳴の方、モーレツに嫌がる方、野次馬的ワタクシ。普段の顔と違う反応の意外性、楽し。誰さんがどうと書きたいけれどお叱りを恐れて、割愛。
コーチの写真には随分整った形状で写されていましたね。買いません。もちろん!
下山後に印象的だった事がふたつ。
Kさんのペットのインコが撫でられたが故に、無精卵を産んだという話。誤解を恐れずにいうと、なんとなくこの話は身につまされたのです。
もうひとつはF氏の焼きそばレシピ。そのチャレンジ精神と何事も楽しむ姿勢に大いに触発されました。
ここしばらく、わたしの求道の方向性は「おばさん力」に集約されていましたが、今年からは「おば」と「さん」の間に「あ」まで入る身の上となり、いやが上にも、時の貴さ、己の役割、対人関係を見直す時機となりました。
また大飛躍して、インコと焼きそばで、私の後半の人生設計を考えさせられる帰途でした。
修験の山のごりやくかも!
●新鹿沼駅からタクシーで石裂山登山口へ(5,480円)
●1040加蘇山神社を出発(標高約350m)→1105-10分岐手前の休憩舎で休憩(標高約500m)→1145-55中の宮(標高?)→1230奥の院(標高約700m)→1245-50稜線の手前、タツナミソウのあるところで休憩(標高約750m)→1305-20東剣の峰(標高約850m)→1345-55西剣の峰(標高約850m)→1420-30石裂山(標高879m)→1605-10分岐下の休憩舎で休憩(標高約500m)→1630加蘇山神社(標高約350m)→1635石裂。
●帰りのタクシーを1500と予約していたが、山頂ですでに1430。電話が通じて2時間遅らせてもらったが、車はすでに出たという。タクシーは結局1時間半待ってくれた。
●タクシーで石裂→ウェルサンピア栃木(7,280円)→ウェルサンピア栃木→新鹿沼駅(2,600円)
●中の宮から奥の院へ登るクサリ場とハシゴの登り方を見て、慎重に行けば雨でもだいじょうぶだろうと判断。
●東剣の峰からの下り、西剣の峰からの下りはいずれも何年か前にアルミ製の立派なハシゴが設置されたので丁寧に歩けば何の問題もなくなった。死亡事故が続発したことによる安全策だろうが、この山の宗教的かつ陰鬱な雰囲気を壊さないためには、クサリ場に足場を切ってもらう程度にとどめておいて欲しかった。
●ウェルサンピア栃木は厚生年金系の公共の宿で、人気の宿となっているらしい。レストランで食事したい場合には入浴受付時に、予約しておきたい。
◆集合
●6.24(火)8:00……東武浅草駅・該当ホーム・前方2両目乗車口
◆ポイント
●前日光と呼ばれる地域は江戸時代、日光を江戸の守りとする宗教的勢力の一大センターであったようです。この山も小さいのに山深い雰囲気を漂わせていますが、登山道に設置されたハシゴなどをはずした状態では、かなり難易度の高い登山ルートであったことが想像されます。いかにも修験の山という厳しさを味わえれば、と思います。
●鹿沼で風呂に入れます。食事もできます。
◆往路
0810浅草始発(東武日光線・快速東武日光行き)……0945新鹿沼
(0810浅草→0821北千住→0843春日部→0931新栃木→0945新鹿沼)
*タクシーで登山口の加蘇山神社社務所へ(1台約5,000円)
◆現地行動
1100ごろ_登山口を出発……登り14ポイントを2時間として
1300ごろ_石裂山……下り17ポイントを2時間として
1500ごろ_石裂集落
*タクシーで新鹿沼方面へ……入浴・食事
◆帰路参考
●東武特急
新鹿沼…………栃木…………春日部…………北千住…………浅草
1620…………1636…………1710…………1732…………1745
1648…………1706…………1741…………1802…………1815
1750…………1806…………1842…………1902…………1915
1919…………1926…………2002…………2022…………2035
2009…………2024…………2102…………2122…………2135
◆往路参考
●営団銀座線
0733新橋→0741神田→0746上野→0751浅草
●都営浅草線
0630成田空港→0640京成成田→0649京成佐倉→0704八千代台→0712京成津田沼→0717京成船橋→0724京成八幡→0733京成高砂→0750浅草
0604三崎口→0659横浜→0726品川→0735新橋→0745浅草橋→0749浅草
◆費用の目安
東武_浅草→新鹿沼…………1,160円
taxi_新鹿沼駅→登山口…………1台約5,000円
taxi=登山口→新鹿沼駅…………1台約5,000円
東武_新鹿沼→浅草…………1,160円
*特急券_新鹿沼→浅草=1,200円、栃木→浅草=1,200円
◆電話
●タクシー(新鹿沼駅)
鹿沼合同タクシー_0289-62-3188
平和タクシー_0289-62-3135
みやこタクシー_0289-62-2920
●入浴(鹿沼)
鹿沼温泉・華ゆらり……0289-65-1131……1000-2200_500円_無休_厚生年金の宿・ウェルサンピア栃木_ディナー1700-2030(天麩羅定食1,260円〜)
●食事(新鹿沼駅)
みっちゃんそば……0289-62-1195……月曜定休_新鹿沼駅前_地粉手打ち十割そば
◆持ち物
●足まわり……運動靴(軽登山靴)など
夏季日帰り標準セット
●足まわり……運動靴(軽登山靴)など
●行動着……ドライタイプの登山用Tシャツ+長ズボン+長袖シャツ
●雨具……折りたたみ傘+ゴアテックスレインスーツ
●小物……地図+健康保険証コピー+時計+ポケットライト
◆ルートシミュレーション
●地図は国土地理院1:25,000地形図、宇都宮5号-3(こぶがはら)、を縮尺なりゆきで使用しています。
●シミュレーションマップ上の○印は予定したルートが太い等高線(50m)を横切る地点を中心にした半径50mの円。数字は100m単位の標高です。◇印は山頂から山裾に向かって地図上で計った距離。ごくラフな計り方で500mごとに印をつけてあります。この地図情報の一番簡単な見方は、○印と◇印をどちらも1個(1ポイント)7.5分(2個で15分、8個で1時間)と概算して、山歩きの時間目盛りとする方法です。
●なお、下りは道の状況によって登りの70%と見積もるのが現実的です(高速下山路では50%、難易度の高い場合は100%とすべき例もあります)が、計画段階では登り時間にしておいて、余るようならリーダー権限の予備時間として自由に使うという考え方をしています。
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